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嫌なこと
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ぶんぶんと頭を振る。
だめだめ。好きにしてと言われたって、本当に好きにしまくってたら……。上の立場の私が下の立場のバーヌをいいようにしてるみたいだもん。
……奴隷扱いするつもりはなくたって、バーヌは拒否権はないんだから。
私が、好き勝手しまくってはいけないです。
我慢しなくちゃ。うん、我慢。
「さぁ、行こう!乗合馬車出ちゃうよ」
なぜか、フリフリとしていたバーヌのしっぽが垂れ下がった。
ん?
がっかりしてますか?
もしかして、撫でられるの好き、とか?
日本で買っていた犬のバーヌを思い出す。うん、あの子も相当撫でられるの好きだったよなぁ……。
「バーヌ、嫌なことはちゃんと嫌だって言ってね?」
もしかして、バーヌ……撫でられたいのかな?
好きにしていいって、撫でてほしいって意味だったのかな?
でも、私の勘違いだったら……それに、モフモフしすぎて飼い猫に嫌われた友達もいるしなぁ……。ちゃんと嫌なことを嫌だって言ってもらえる関係じゃないと……。
「僕を……解放しようとするのは……嫌だ……」
バーヌがうつむいてぼそりと何かをつぶやきました。
「ん?ごめん、何が嫌だって?聞こえなかった」
バーヌがパッと顔を上げてにこっと笑った。
「何でもないです。大丈夫、阻止しますから」
「阻止?え?」
阻止するってことは、やっぱり何か嫌なことを私はしちゃってるってことですよね?
「バーヌ、何が嫌なの?ごめんね、気が付かなくて、教えて、もうしないから」
バーヌが、なぜか突然不機嫌な顔になった。
ああ、本当に嫌なことがあったんですね。ごめん。なんでしょう?耳を触ることでしょうか?
もしかして、バーヌって勝手に名前付けちゃったことでしょうか?
えっと、皆バーヌのことをきんろーって呼んでた。
勤労でなくって、名前のキンロー。
そういえば、さっきも自分でキンローって言ってたし……。
バーヌは不機嫌な表情のまま、黙っている。言いにくいのかなぁ。バーヌて名前が嫌だっていうのは……。
キンローって、金太郎に似てますよね……。なんだか、金太郎を思い出してしまうので、慣れるまでちょっとあれですけど。バーヌ……いえ、キンローがそう呼んでほしいなら……。
「キンロー……って、今度から呼ぶ「嫌ですっ」」
あれ?
秒で否定されました。
「いいの?みんなキンローって呼んでるし、バーヌって呼ばれるの嫌なんじゃないの?」
バーヌが激しく首を横に振りました。
「大好きですよ。バーヌとごs……ユーキに呼ばれるの。ここが……暖かくなって……。むしろ、他の人にバーヌという名前を口にしてほしくないから、金狼と呼ばれて不満はないですよ」
バーヌが、ここが温かくなると、胸をぽんぽんとした。
「バーヌ……」
ふと、日本のバーヌの姿が思い浮かんだ。死ぬ間際……。意識も朦朧としていて、全然動けないでいたけれど、バーヌと呼ぶと耳がピクリと動いていた。
……だから、何度も何度も名前を呼んだ。
耳が少しだけ動くだけでも、まだ生きているんだと……。生きていることを確認したくて……。
だめだめ。好きにしてと言われたって、本当に好きにしまくってたら……。上の立場の私が下の立場のバーヌをいいようにしてるみたいだもん。
……奴隷扱いするつもりはなくたって、バーヌは拒否権はないんだから。
私が、好き勝手しまくってはいけないです。
我慢しなくちゃ。うん、我慢。
「さぁ、行こう!乗合馬車出ちゃうよ」
なぜか、フリフリとしていたバーヌのしっぽが垂れ下がった。
ん?
がっかりしてますか?
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でも、私の勘違いだったら……それに、モフモフしすぎて飼い猫に嫌われた友達もいるしなぁ……。ちゃんと嫌なことを嫌だって言ってもらえる関係じゃないと……。
「僕を……解放しようとするのは……嫌だ……」
バーヌがうつむいてぼそりと何かをつぶやきました。
「ん?ごめん、何が嫌だって?聞こえなかった」
バーヌがパッと顔を上げてにこっと笑った。
「何でもないです。大丈夫、阻止しますから」
「阻止?え?」
阻止するってことは、やっぱり何か嫌なことを私はしちゃってるってことですよね?
「バーヌ、何が嫌なの?ごめんね、気が付かなくて、教えて、もうしないから」
バーヌが、なぜか突然不機嫌な顔になった。
ああ、本当に嫌なことがあったんですね。ごめん。なんでしょう?耳を触ることでしょうか?
もしかして、バーヌって勝手に名前付けちゃったことでしょうか?
えっと、皆バーヌのことをきんろーって呼んでた。
勤労でなくって、名前のキンロー。
そういえば、さっきも自分でキンローって言ってたし……。
バーヌは不機嫌な表情のまま、黙っている。言いにくいのかなぁ。バーヌて名前が嫌だっていうのは……。
キンローって、金太郎に似てますよね……。なんだか、金太郎を思い出してしまうので、慣れるまでちょっとあれですけど。バーヌ……いえ、キンローがそう呼んでほしいなら……。
「キンロー……って、今度から呼ぶ「嫌ですっ」」
あれ?
秒で否定されました。
「いいの?みんなキンローって呼んでるし、バーヌって呼ばれるの嫌なんじゃないの?」
バーヌが激しく首を横に振りました。
「大好きですよ。バーヌとごs……ユーキに呼ばれるの。ここが……暖かくなって……。むしろ、他の人にバーヌという名前を口にしてほしくないから、金狼と呼ばれて不満はないですよ」
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「バーヌ……」
ふと、日本のバーヌの姿が思い浮かんだ。死ぬ間際……。意識も朦朧としていて、全然動けないでいたけれど、バーヌと呼ぶと耳がピクリと動いていた。
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