姉から始まる魔法少女

大崎 狂花

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第十五話 瑠璃と潜入捜査②

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「わー!制服姿もかわいいですね!」

黒髪見た目は清楚系美少女の新人後輩セカンド、清谷セイは例の高校の制服に身を包んだ瑠璃を見て、テンション高めにそう言った。

「んー・・・・・・慣れない。というか、スカートちょっと短すぎないかな?」

「なんのなんの!今時の女の子はこのくらいが当たり前だよ!」

「いつもの魔法少女スカートより短くて・・・・・・なんかすーすーして落ち着かないな・・・・・・」

瑠璃は潜入捜査として、あのセカンド事務所に呼び出されてから次の日に早速その高校へ通うことにしたのである。制服はセカンドの会社の側で用意してくれたものだ。それを着て、普段瑠璃が使っている通学路とは違う通学路を通り、セイと2人で通学しているのである。

そして、セイは瑠璃にめちゃくちゃデレていた。初孫を可愛がる祖母のようになっていた。

パシャシャシャシャシャシャ・・・・・・

「いや、写真撮りすぎでしょ・・・・・・路上でそんな同級生の写真撮りまくってる女子高生とか目立ちまくるからやめてくれ・・・・・・」

「えー・・・・・・」

瑠璃の注意に、セイは残念そうにスマホを下ろした。

セイは、どうやら瑠璃の、というか魔法少女ラピスのファンになってしまったらしい。

まああの時瑠璃に話しかけたことからわかる通り、もともとかわいいものが好き・・・・・・というか、かわいい女の子好き?なのだが、あの免許更新試験での戦いっぷりを見てそのギャップにやられてしまったらしい。

『かわいくてかっこいいなんて最強じゃん!もう無敵じゃん!』とのこと。

だから、こんなふうに瑠璃にデレデレというわけである。

「えーじゃない!とにかく、これは潜入捜査なんだ。どんなことがあるかわかんないんだから、目立つことは慎むように」

「はーい。わかりました、先輩・・・・・・」

「敬語と、先輩って呼び方もやめようか。変に思われそうだからね」

「うん、わかった。呼び方は・・・・・・えっと、なんて呼べばいいかな?」

「うーん・・・・・・アオ。アオって呼び方にしよう。山本アオって名前にするつもりだから、アオでいい」

「わかったアオちゃんね!」

「ちゃんづけかあ・・・・・・まあいいや」

と、そういうことで瑠璃は山本アオという偽名を名乗り、高校へ潜入することになったのだった。

「いいか?高校に潜んでいるのは魔物ではなく、可能性は低いけどなんらかの犯罪集団である場合だってあり得るわけだから、私たちはあんまり目立つべきじゃないんだよ。出来るだけ目立たず、一般生徒に紛れてた方がいいんだ」

「ふーん、一般生徒に紛れるかあ・・・・・・」

セイは周りを見た。周りには瑠璃やセイと同じく登校中の生徒がいるのだが、瑠璃の方をチラチラ見ていた。見慣れない生徒が混じっているから・・・・・・というわけではなさそうだ。

「出来るかなあ・・・・・・目立たないように・・・・・・」

セイは呟いた。



そして、朝のホームルームののち。

「かわいいー!」

「ねえねえ、どこから来たの!?」

「山本さん!俺と一緒にお茶でも・・・・・・」

「おいお前!抜け駆けすんなよ!」

「うわー、すごい綺麗な青い髪・・・・・・」

転校生として紹介されてから、瑠璃は大勢のクラスメイトに囲まれていた。めちゃくちゃキャイキャイ言われている。

(な、なんでこんなことに・・・・・・!?)

瑠璃としては、可もなく不可もない完璧な一般的自己紹介をしたはずだ。現に、瑠璃は高校に入学したての時、これと同じような自己紹介をして可もなく不可もない反響だった。それがなぜこれほどまでに囲まれてしまうのか・・・・・・!?

「あー、やっぱりこうなったかあ・・・・・・」

セイはため息混じりにそんな瑠璃の方を見て、苦笑いをしていた。

こんな感じで、登校初日十数分程度でもう目立ち始めてしまったのであった。

・・・・・・

「いやー、まさかこんなに早く目立っちゃうとは思わなかったね・・・・・・」

「私はラピ───アオちゃんが自分の魅力をそこまで過小評価してたことが驚きだよ。普段あれだけ人気なのに、目立たないようにとかよく言えたね・・・・・・」

「ラノベの主人公を笑えないなあ・・・・・・」

今は昼休み。瑠璃とセイはあまり人の来ない非常階段でお弁当を食べていた。色々なクラスメイトが代わる代わる現れて瑠璃を昼食に誘ったのだが、瑠璃はなんとか断ってこうしてセイと食事を摂ることにしたのである。

「それにしてもアオちゃん、すっごく美味しそうなお弁当だね?かわいいし・・・・・・」

「ああこれ、お姉ちゃんが作ってくれたんだ」

これに限らず、いつも学校に行く時に持参するお弁当は全て瑠璃の姉の鏡花が作っているのだ。鏡花はけっこう料理が上手い。

それは料理が出来れば、小説を書くうえで食事シーンなどを作る側の視点からも描写出来るだろうと言って、わざわざ料理教室に通ってまで料理を習得したからである。

そして、使わなければ腕が錆びるからということで、共働きの両親に変わって料理は主に鏡花が担当しているのだ。そして、食事後の皿洗いは瑠璃がやっている。時々鏡花や、瑠璃の妹が手伝ってくれて3人で皿洗いをすることもある。瑠璃の家の事情は大体そういう感じだ。

「へーすごいね、アオちゃんのお姉さんは」

「そうだね、私の自慢の姉だよ」

「アオちゃんのお姉さんってことは・・・・・・けっこう可愛かったりする?」

「セイはそればっかだな・・・・・・いや、うちの姉は可愛いというより、美人系かな?あんまりよくわかんないけど、よく美人だとは言われてるっぽい」

「なるほど・・・・・・」

「でも、妹は可愛い系かな。成長したら美人になるかもしれないけど、今は目に入れても痛くないくらい可愛いね」

「ほお・・・・・・一度会わせてくれないかな?」

「・・・・・・なんか怪しいからだめ」

そんな感じの会話をしながら、2人はお弁当を食べた。

「これあげるよ」

「じゃあ私もこれあげるー!はい!」

などと言ってお弁当のおかずを交換こしたりするという萌え日常系的儀礼を挟んだりしつつ、2人は無事昼食を終えた。

昼食を終えて、2人はこれからのことを相談する。

「それで、これからどうする?アオちゃん」

「んー、そうだなあ・・・・・・」

瑠璃はちょっと考えて言った。

「とりあえず、放課後までは普通に授業を受けて、それで放課後のなったらその謎の目を目撃したらしい人たちのところへ色々と聞きに行こうか」

「うん、わかった!」

「セイも、何かいい案とかあったら遠慮せず言ってくれ」

「うん、そうするよ!」

と、いうことで瑠璃とセイは五限、六限と再び普通に授業を受けた。その間、瑠璃はずっと校内に魔物の気配、魔力の反応があるかどうかを探っていたのだが、何も見つからなかった。普段は魔力を抑えて隠しているか、もしくは時間になるとどこかからやってきて校内に入り込むのか・・・・・・今の時点ではなんとも言えない。

力のある魔物が全力で魔力隠蔽をしたら、瑠璃の魔力感知では察知できないことだってある。とりあえず、今の時点で瑠璃が魔力の気配を一切感じることができないのなら、どうしようもない。

(やっぱり地道に聞き込みをして情報を集めるしかないか・・・・・・)

瑠璃はそう思って、一応魔力感知は作動させつつも、放課後が来るまで授業を聞くふりを続けたのだった。
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