【完結】幽閉の王を救えっ、でも周りにモブの仕立て屋しかいないんですけどぉ?

北川晶

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70 シロツメ草の指輪 ①

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     ◆シロツメ草の指輪

 今日は、陛下が、とっておきの場所に連れて行ってくれると言う。
 ぼくだけじゃなくて、シャーロット殿下とアイリスとチョン、そしてランチを用意するアルフレドとラヴェル、さらには護衛の騎士様たちも。みんな一緒だ。

 おおぉぅ、アイキンオールキャストみたいで、豪華だな?

 アイリスとシャーロット様は、バミネの息がかかった侍女長に『王族の女性が男性陣と行動を共にしてはいけません』なんて言われて。後宮に閉じ込められていた。厳し過ぎっ。
 だけど。この前のバミネの事件で、アイリスを引き渡した侍女長を。陛下が降格させたんだ。
 それで、ふたりは。外に遊びに出られることになったわけ。

 アイリスは、怖い思いをしただろうけど。後宮の環境は、今まで窮屈だったろうから。結果的には良い方向に転がったよな?
 それでも、やはり王族の女性として、羽目は外せないらしく。男性との距離感は、節度を持って。自由行動は、太陽が昇っている間だけ、なんだって。
 ま、電気の照明なんかないから、この世界では一般的な門限である。

 それで、大きな音の鳴る門をくぐって、みんなで城下に降りてきたわけだが。
 つか、とっておきの場所、どんだけあるんだ?
 この島は何気に、観光地として最高だよな。この島を稼働させて、観光の収益や、商人に稼がせた方が、儲かるのに。バミネのバーカ。

 そして、着いたのは。島の南東方面にある、斜面で。

 一面、シロツメ草で覆われた、お花畑だった。

 あぁ、いや。シロツメ草に似た花が、いっぱい咲いているんだ。
 あれは初夏の花だった、と思うのだが。今は春先…でも、きっと。
 アイキンの公式が『ファンタジーだから、いつ咲いてもいいじゃなーい』なんて、ノリで設定したのだろう。

 この群生したシロツメ草は、クローバーが敷き詰められた、緑色絨毯の上に。白くて丸い、可愛らしい花が無数に咲いていて。
 風にゆらゆら揺れる、そのサマは。最高にえるし。イベントの一種かもしれないな?
 ぼくは、初手で成敗組なので。こんなところまで、たどり着いていないけど。

 シロツメ草のふんわり背景に、黄金の髪ビカビカの、厳めしい陛下のスチルとか。
 そのギャップに、萌えぇ。

 可愛らしさ全開のアイリスとシャーロット殿下は、地面に座り込んで、もうお花を摘んでいる。
 童話の一場面のような、そのシチュエーションが。とにかく萌えぇだし。

 チョンは蝶々を追いかけて、飛び跳ねている。
 無邪気な子猫は文句なく、癒しアンド萌えぇ。
 心が洗われるねぇ。心に清らかな風が染みます。

 ぽかぽか陽気のお花畑に、陰鬱な黒のコートを着てきて、どうもすみません。
 ぼくだけが、花畑にキャラがそぐわないですね? すみません、すみません。
 実際、暑いぐらいなんです。けど、持ち服は少ないからな。
 ジャケットもあるんだけど、今日はコートかなって、思っちゃって。完全にコーデ失敗例です。

 はぁ、鬱だわぁ。この頃、鬱モードだったから。尚更、ね。

 鬱、というのは。衣装を仕立てることに、前ほどのテンションにならなくて。手の動きが鈍くなっていることだ。
 スランプ、というのかな?

 前世でも、今世でも、衣服が出来上がっていく過程は、とても楽しいものだった。パズルのピースが埋まって、絵が見え始めると、テンション上がるじゃん? そんな感じで。
 でも、死に装束という意味合いのものを作る手は、以前のように、軽やかには動かない。
 王命を帯びているから、衣装作りの手は、止めないけれどね。

 だけど、どうにも心が沈んで。

 陛下が、サロンに顔を見せてくれると。それを言い訳にして、仕事を放っぽり出しちゃったりして。
 だって、陛下のそばにいる方が、断然心が浮き立つんだからさ。
 ま、それで、代替えになる睡眠時間は減るわけなんだけど。自業自得だ。

 いけない、いけない。これは仕事なんだから、ちゃんとやらないとな。なんて反省しつつ。
 ぼくも地べたに座り込んで、丸い花を指先でもてあそぶ。
 わぁ、花とか、前世も込みで、あまり触ったことなかったけど。シロツメ草って、小さな花が寄り集まって、丸く見えるんだな?

 でも、クローバーは馴染みがある。
 子供の頃、巴と静に、四葉のクローバーを探せって、命令されて。一時間くらいクローバーと格闘したな。全く、理不尽な姉どもだよぉ。
 そのとき、シロツメ草の花は咲いていなかったのかな? 覚えていないな。

「クロウ、肩の辺りにハチがいるぞ」
 ぼくの対面に座っていた陛下が、そう言った。
 王様なのに、地べたに座ったりしていいんですか?
 つか、同じ手に、二度は引っかかりませんよ?

「また、僕を走らせるおつもりですか? その手には乗りませんよ」
 にっこり笑顔で、陛下をかわすが。陛下はソロリと立ち上がって、ミハエルの剣を抜く。
 えっ? 今日は帯剣ですか?
 つか、いきなりの成敗危機?

 そして陛下は。鋭い一撃で、ぼくを突いた。ひえっ。
 ぼくは目をギュッとつぶるしかなくて。でも、痛くない。
 恐る恐る目を開けたら。陛下は、剣先を、ぼくの目の前に持って来る。
 そこには、串刺しになったハチが…いた?

「成敗っ、なんてな?」
 陛下は、ニヤリと不敵な笑みを見せて。決め台詞を口にした。

 キャーッッ。ナマ成敗! マジ成敗! モノホン成敗、キターーーっ。

 あの、十回連続成敗で、百年の恋も冷めかけた、あの成敗が。クオリティーサウンドでよみがえったぁ!
 思いがけず、ぼくが感動の嵐にもみくちゃにされていたとき。
 陛下は剣を一振りして、ハチを払い落して、剣をおさめた。
 その一連の動作が、なめらかで。
 剣の扱いに長けた、騎士様のように。洗練された所作だった。

 まるで物語の本から飛び出してきたミハエル様のよう…イアン様だけど。
 はうぅぅ、だから、イアン様がすこぶる美しいってことだ。

「兄上、目がハートマークですよ、しっかりしてください。つか、クソ陛下、また兄上に剣を向けやがったなぁ? いい加減にしろよ、ボケ陛下っ、ああぁぁん?」
 うっとり陛下に見惚れていたら、チョンがまた、陛下に『やんのかポーズ』で突っかかって。背中を毛羽立たせて、威嚇する。
「チョン、シャーシャー言わない。陛下は僕を、ハチから守ってくれたんだぞ。大丈夫だから、向こうで遊んでいなさい」
 シオンは、いざとなったら陛下をお救いすると、約束してくれたけれど。こんな感じで大丈夫なのだろうか?
 もう、クソとかボケとか、陛下に言ってはいけません。不敬です。
 ぼくにたしなめられたチョンは、ケッと唾を吐くようにして、殿下がいる方へ行った。
 やさぐれている。弟の行く末が、兄は心配です。

「ありがとうございます、イアン様。ハチが本当にいるとは…でも、急に剣を出すから、びっくりしてしまいました。イアン様は、僕に悪戯ばかりするんだから」
 噴水での件や、服を着たままボタンをつけさせたりしたことを、苦笑いで思い出す。
 陛下の無理難題を、ぼくは懸命にこなしてきたよ。マジで涙ぐましいよ、うん。

 陛下は、ぼくの鼻を指で摘まんで、柔らかく微笑んだ。
「おまえの顔に、笑顔が戻れば。我の悪戯は成功だ。この頃のおまえは、心からの笑みが、少なくなっていたからな?」
 陛下の前では、気にしないようにしていたつもりだったが。
 鬱々とした気持ちが、にじみ出ていたのかな?
 陛下はぼくに気分転換をさせようと、いろいろなところへ連れて行ってくれるのだ。ありがたいし。お優しいな。

「悪戯ばかり、か。おまえが表情をいろいろ変えるから、面白くて、つい悪戯をしたくなるのだ。我は、自分で言うのもなんだが、聞き分けの良い子供だったのだぞ? 周囲は大人ばかりで。王になった我が、子供のように振舞うわけにもいかず。悪戯なんか、今までしたことはなかった」
 ぼくの隣に腰かけると、陛下は遠い目をして、そう語った。

 陛下は八歳で即位された。
 本来なら、王家の者という制約はあれど、子供らしく過ごすべき年だ。
 その機会を奪われ。陛下は幼いうちから、王の威厳でその身を固めてきたのだろう。

 でもぼくは。いっぱい陛下にからかわれたから。
 陛下の子供のときを思い浮かべたとき。太陽みたいに明るい笑顔でヤンチャをする、愛嬌たっぷりの王子様しか想像できなかった。

「子供の頃のイアン様は、さぞかし可愛らしい王子様だったのでしょうね? 子供のイアン様と、遊んでさしあげたかったな」
「おまえなど、剣の相手にもならぬ」
「そんなことはありませんよっ、僕はこう見えて、弟の剣の相手をしていたのですからね? ま、すぐに、剣術は弟に抜かれてしまいましたが。鬼ごっこもかくれんぼも、弟には敵いませんが…」

 でもそれは、チョンが野生の目や鼻を使うからで。ぼくのクオリティーは、並なはずです。
「…モグラを捕まえてくるような弟には、そりゃ、おまえは敵うまい」
 陛下は、以前話したチョンの奇行を覚えていたようだ。
 そうでしょう? 猫に人は敵いません。
 その上、人型のシオンは、容貌が華やかで。クールで端正で、長身で、頭も良くて、とにかくハイスペックなのです。モブには太刀打ちできません。

「僕は本ばかり読んでいて、家の中で遊ぶことが好きだったものですから。運動が昔から苦手なのです。やはり陛下のお相手は務まりませんね?」
 よくよく考えれば、陛下もシオン同様、子供のときからハイスペックだったに違いない。
 だって、アイキンの準主役みたいなものではないか?
 攻略対象は、みんな頭抜けている者だ。
 そんな彼らに、モブごときが敵うわけはなかった。たとえ、子供の陛下でも。

 がっかりして、うつむくと。陛下はぼくの背中をテンテンして、励ましてくれた。
「そんなことはない。幼い頃におまえと出会っていたら、唯一無二の親友になっていたはずだ。きっと、子供のクロウも好きになる」
 陛下の言った『好き』が、友達に使う意味合いのものだと、わかっている。
 けど、陛下に好きと言われたら、なんでも嬉しくなる。

「剣は、我が教えてやろう。勉学も、なんでも、我が指導してやるから」
「ふふ、なんだか、先輩のような言い様ですね? 僕が年上なのに」
 つぶやいたら、一瞬、時が止まった。

 ん? どうかしました?

 ぼくが見上げると、陛下は目を真ん丸にして、ぼくの顔をしげしげと見やる。
「おまえが、我より年上? クロウ、おまえはいくつなのだ?」
「…二十歳になりましたが?」
 言っていませんでしたか?
 うーん、言ってなかったかも。
 陛下は有名人なので、こちらは年齢とか知っていたのだけど。
 ぼくのことは詳しく話していなかったかもな。隠し事も、まだあるし。

「嘘をつくな。この小ささで、我より年下なはずはなかろう?」
 はぁぁ? ち、小さいのは、年には関係ないでしょう?
 ぼくは人知れず陛下の暴言に憤っていたが。陛下は斜め上の、とんでもないことを言ってきた。

「よし、王の権限で、おまえは十八歳ということにしよう」

 なんですか? それは。
 つか、年上なのは事実なので、困ります。勝手に年齢詐称強要しないでください。

 でも、目にまぶしいほどに格好いい王様が、年の差を気にして、こんな変なことを言い出すなんて。
「ふふ、はははっ、おっかしい。イアン様、無茶苦茶ですぅ」
 真面目な顔で、無茶言うから。そのギャップがおかしくて。思いっきり笑ってしまった。

 そして、陛下の、そのちょっとした虚勢が微笑ましくて。
 胸がキュンとしてしまった。お可愛いらしいぃ。

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