8 / 9
第一章
−ルクスとの出会い−
しおりを挟む
小さな町に住んでいた俺は、ずっとこの町で生きていくのだと思っていた。
シエル・フォンテーヌという名のせいで、フォンテーヌ家の隠し子だと言われていたが、そんなのただの噂でしかないと思っていた。
母に連れられて行ったそこは、住んでいた家の比にならないくらい大きい屋敷だった。
「今日からここに住むのよ」
そんな冗談のような言葉に気持ちが追いつかず困惑していると、屋敷から男の人が出てきた。
その男の人はソレイユ・フォンテーヌと名乗り、俺の手を引きながら説明してくれた。
「君は私とルナとの間に産まれた子だ。元々この屋敷にいたのだが、この屋敷が戦場の近くだったこともあり、君たちだけ小さな町に移転したんだ。」
「あなたはどうしてここに残った?」
「父様と呼んでくれ。フォンテーヌ家としてやらなければならないことがあったからだ。」
「この屋敷に戻るのが今なのはなんでだ?」
「この屋敷に住んでいるある人が今日誕生日なんだ。私がずっと教育をしてきた成果を発揮する時が今だと感じたからだ。」
「…」
「君と歳が近くて仲良くなれると思う。」
その言葉を聞いて俺は思う。
仲良くなんて無理だろうな。
町でも俺は浮いていた。
少し大人っぽいだけで誰も近付かず、遠くで見つめてくるだけ。
そんな俺が仲良くできるわけがない。
「ようこそ、フォンテーヌ家へ。歓迎する。」
大きな音をたてながら扉が開く。
扉が開き中へ入るとすぐに、一人の青年が立っていた。
「紹介しよう。今日から私の妻になるルナだ。そしてその隣にいるのが息子のシエルだ。ルクス、皆と仲良くするようにな。」
父様がルクスにそう言うと、ルクスは少し困惑した表情を見せていた。
青年はルクスという名らしい。
この人が父様が言ってた人なのか?
「承知いたしました。ルナ様、シエル様。今後ともよろしくお願いします。」
礼をしたあとルクスはニコリと笑った。
その笑顔にドキリと胸が脈打つのを感じる。
その間に母は挨拶を済ませていたので、俺もよろしくと素っ気なく返す。
ルクスは町では見ない黒髪に青い瞳をもつ青年で、とても美しかった。
だけどそれ以上に笑顔が、胸がむず痒くなるほど美しかった。
ドキドキと胸が高鳴り、これが運命とさえ錯覚するほどルクスのことが気になって仕方なかった。
なんて頭がぐるぐると思考する中で、聞こえてきた従者という言葉。
従者…?ルクスが、俺の?
「なんだ?お前が俺の面倒を見てくれるのか?」
ルクスが俺の面倒を見る。
もしほんとにそうなら嬉しすぎるな。
返事が返ってこず、もう一度問うと返事が返ってくる。
「はい。これからいつでもシエル様のお側におりますよ。」
いつでも側に…。ふーん。
「面倒は見るのか?」
「はい…もちろんしっかり見させていただきます。」
その返答を聞いて、嬉しさのあまり爆発してしまいそうだった。
そのあと、父様が屋敷の案内をしてくれた。
その間もずっと、後ろを歩くルクスが気になって仕方なかった。
シエル・フォンテーヌという名のせいで、フォンテーヌ家の隠し子だと言われていたが、そんなのただの噂でしかないと思っていた。
母に連れられて行ったそこは、住んでいた家の比にならないくらい大きい屋敷だった。
「今日からここに住むのよ」
そんな冗談のような言葉に気持ちが追いつかず困惑していると、屋敷から男の人が出てきた。
その男の人はソレイユ・フォンテーヌと名乗り、俺の手を引きながら説明してくれた。
「君は私とルナとの間に産まれた子だ。元々この屋敷にいたのだが、この屋敷が戦場の近くだったこともあり、君たちだけ小さな町に移転したんだ。」
「あなたはどうしてここに残った?」
「父様と呼んでくれ。フォンテーヌ家としてやらなければならないことがあったからだ。」
「この屋敷に戻るのが今なのはなんでだ?」
「この屋敷に住んでいるある人が今日誕生日なんだ。私がずっと教育をしてきた成果を発揮する時が今だと感じたからだ。」
「…」
「君と歳が近くて仲良くなれると思う。」
その言葉を聞いて俺は思う。
仲良くなんて無理だろうな。
町でも俺は浮いていた。
少し大人っぽいだけで誰も近付かず、遠くで見つめてくるだけ。
そんな俺が仲良くできるわけがない。
「ようこそ、フォンテーヌ家へ。歓迎する。」
大きな音をたてながら扉が開く。
扉が開き中へ入るとすぐに、一人の青年が立っていた。
「紹介しよう。今日から私の妻になるルナだ。そしてその隣にいるのが息子のシエルだ。ルクス、皆と仲良くするようにな。」
父様がルクスにそう言うと、ルクスは少し困惑した表情を見せていた。
青年はルクスという名らしい。
この人が父様が言ってた人なのか?
「承知いたしました。ルナ様、シエル様。今後ともよろしくお願いします。」
礼をしたあとルクスはニコリと笑った。
その笑顔にドキリと胸が脈打つのを感じる。
その間に母は挨拶を済ませていたので、俺もよろしくと素っ気なく返す。
ルクスは町では見ない黒髪に青い瞳をもつ青年で、とても美しかった。
だけどそれ以上に笑顔が、胸がむず痒くなるほど美しかった。
ドキドキと胸が高鳴り、これが運命とさえ錯覚するほどルクスのことが気になって仕方なかった。
なんて頭がぐるぐると思考する中で、聞こえてきた従者という言葉。
従者…?ルクスが、俺の?
「なんだ?お前が俺の面倒を見てくれるのか?」
ルクスが俺の面倒を見る。
もしほんとにそうなら嬉しすぎるな。
返事が返ってこず、もう一度問うと返事が返ってくる。
「はい。これからいつでもシエル様のお側におりますよ。」
いつでも側に…。ふーん。
「面倒は見るのか?」
「はい…もちろんしっかり見させていただきます。」
その返答を聞いて、嬉しさのあまり爆発してしまいそうだった。
そのあと、父様が屋敷の案内をしてくれた。
その間もずっと、後ろを歩くルクスが気になって仕方なかった。
29
あなたにおすすめの小説
【完結】うるさい犬ほど、よく懐く
兎沢にこり
BL
【完結】中学時代、文化祭のステージで絶頂を迎えたギターボーカル・瀬戸晴生(せと・はるき)。だがバンド仲間の言葉に傷つき、音楽も友情も捨てて"陰気な方"での高校デビューを図る。
そんな彼の前に現れたのは、かつての同じ中学出身の後輩、真木奏太(まき・そうた)。「先輩が、ずっと好きでした」——その告白が、止まっていた瀬戸の時間をふたたび動かし始める。
音楽と恋にもう一度向き合う、まっすぐで不器用な青春BL!
㊗️完結しました!
青春BLカップBET(投票)期間終了の9/1までは、毎日番外編を投稿します✨
本編では描けなかった、真木と瀬戸のラブラブ話をお楽しみに💕
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
隠された令息は、護衛騎士と息をする。
木漏れ日の庭
BL
公爵家に生まれながらも、妾の子として蔑まれ、固有魔法すら使えない令息のユリシス。彼は足が悪く、うまく歩くことが難しい。そんな彼の元に、護衛騎士としてキースという美しい男が訪れる。始めはなんの関わりも持たない二人だが、ユリシスの静かな優しさが、キースの心を溶かしてゆく。
君は神様。
志子
BL
全5~6話を予定。
異世界転生した俺、ことマルク・フランソンはフランソン男爵の三男として平々凡々として生きていた。そんなある日のこと。母さんが一人の子どもを家に連れてきた。名前はエルトリオン。彼はまるで体温を持った美しい人形のようだった。喋ることもなく、自分で進んで動くこともない。原因は母さんの父親だった。
美形×平凡のBL異世界
【エルド学園】俺はこの『親友』が、ただの学生だと思っていた
西園 いつき
BL
エルド王国第一王子、レオンは、唯一の親友ノアと日々研鑽を重ねていた。
文武共に自分より優れている、対等な学生。
ノアのことをそう信じて疑わなかったレオンだが、突如学園生活は戦火に巻き込まれ、信じていたものが崩れ始める。
王国と帝国、そして王統をめぐる陰謀と二人の関係が交錯する、王子×親友のファンタジーBL。
僕、天使に転生したようです!
神代天音
BL
トラックに轢かれそうだった猫……ではなく鳥を助けたら、転生をしていたアンジュ。新しい家族は最低で、世話は最低限。そんなある日、自分が売られることを知って……。
天使のような羽を持って生まれてしまったアンジュが、周りのみんなに愛されるお話です。
神の寵愛を受ける僕に勝てるとでも?
雨霧れいん
BL
生まれるのがもっともっと今より昔なら、”信仰”することが”異端”でない時代なら世界ならよかったと、ずっと思って生きていた。あの日までは
溺愛神様×王様系聖職者
【 登場人物 】
ファノーネ・ジヴェア →キラを溺愛し続ける最高神
キラ・マリアドール(水無瀬キラ)→転生してから寵愛を自覚した自分の道を行く王様系聖職者
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる