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第一章
−ルクスを知りたい−
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屋敷の案内を終え父様と母が話があると言って自室へ向かった。
ルクスと2人きり…
2人きりか、まあ少しは話す時間もあるのか。
ルクスを知るタイミングはここしかないと思い口を開こうとすると、ルクスが部屋への移動をおすすめしてきた。
「俺の部屋か?」
「そうですよ。お食事の時間までシエル様のお部屋で待機です。」
「ふーん。そう。」
ようやく2人で話せると思っていたのに、もう1人になってしまうのかと落ち込む。
仕方ないとは言え、出会ったばかりだし知らないことがたくさんあるから知りたかった。
「では行きましょう。」
ルクスの言葉で俺たちは歩き始める。
後ろを歩くルクスは今何を思っているんだろう。
俺のこと、どう思っているんだろう。
ルクスのことで俺の頭はいっぱいで、ずっと考えていたくなる。
いつのまにか俺の部屋。
さっき案内してくれたから迷子にならず、あっという間に着いてしまった。
話せなくとも、2人の時間は確かにあった。
それが終わってしまうのが、寂しくて、苦しくて。
「お入りください。」
部屋の扉を開けてくれる。
部屋に入り背後を確認すると、ルクスも部屋に入ってきた。
「え、お前も入るのか!?」
「当たり前でございます。従者たるもの基本的にはお側におりますよ。」
1人になってしまうと思っていたから、びっくりしすぎて動けなくなってしまう。
部屋に2人きり…
そう考えた途端、気持ちが舞い上がる。
「椅子にお座りください。私は扉付近に立っておりますのでご自由にお過ごしください。」
ん?それはどうして?
「お前はずっとそこにいるのか?そばにいると言ってたじゃないか、そばに来いよ。」
側にいると言っていたのに、離れようとしたルクスに声をかける。
貴重な2人きりの時間。
お互いを知れるチャンスなのに、そこにいたら話せないじゃないか!
「お言葉ですが、さすがにすぐ近くにいることは、シエル様自身のプライバシーにも関わる問題ですのでお断りいたします。」
「いや!俺がいいって言ってんだよ。だから来いよ。」
「…わかりました。後ろに立っておりますので、遠くに行ってほしい時はいつでも言ってくださいね。」
「ああ、わかった。」
まあそんな時来ないけどな。
とりあえず、ルクスのことを知りたい。
そのための時間だ。
「お前のことが知りたい。この時間お前との仲を深めたい。」
「何をおっしゃってるんですか?私を知ったところで特に利益はありませんよ。」
「利益とか関係ない。ただ知りたいから話そうと言ってるんだ。」
「…」
黙ってしまったルクスを見つめながら続ける。
「お前は何が好きなんだ。趣味はあるのか?」
「私はフォンテーヌ家が一番好きです。特にソレイユ様には恩を感じています。私を拾って育てて下さった恩人であり、一生を捧げたい人です。」
ルクスはこの家がすごい好きなんだな。
父様のことも同じくらい、いやそれ以上に好きなんだろう。
なんかモヤモヤする…
そのモヤモヤを吹っ切って言葉を紡ぐ。
「…そうか。父様はお前を拾って育てたのか、なるほど。なら感謝だな。」
「はい。とても感謝しています。では、次はシエル様の番です。」
「は?俺が?」
驚きすぎて素っ頓狂な声をあげてしまう。
もうちょっとルクスのことを聞けると思ってたのに。
驚く俺に、当たり前だと言うルクスは"従者“という立場を必要以上に重く考えてそうだった。
話し終えると、ルクスはニコニコと笑う。
その笑みに急激に心臓が高鳴る。
目を逸らす。
ルクスの笑顔はとにかく美しかった。
この世の何よりも魅力的だった。
「…わかった。俺はまだ13の子供だが、いつかお前よりもでかくなってお前に振り向いてもらう男になる。」
胸の高鳴りにより、自分でも何を言っているのかよくわからない。
「ほとんど何を言ってるか分かりませんでしたけど、13歳なんですね。意外に大きくてびっくりです。」
この言葉で一気に現実に戻される。
「はぁ!?俺そんなに小さく見えてたのか?」
「ええ、10歳程度だと…」
「な訳ねぇだろ!そんなお前は何歳なんだよ!」
先ほどとは打って変わって、チビ扱いされたことで腹が立ち、怒る。
今日で15だと返すルクスに、そんなに変わらないなと返すも煽り返され怒りが込み上げてくる。
バカにしやがって!
先ほどまで抱いていた感情はどこへやら、頭の中はルクスへの怒りだらけになる。
感情のままルクスへ暴言をぶつけるも、少し驚くだけで微動だにせず、口の悪さまで指摘してくる姿に、余計に怒りが湧いてくる。
「そんなことどうでもいいわ。お前が調子乗ってるから気に食わねぇって話をしてんーー」
「何を大声で話している、シエル。」
低く威厳のある声が俺の声を止める。
父様だ。
「ルクス、お前もシエルに何をした?」
「いえ、何も。13歳と聞きましたので、驚いたと言っただけです。」
何も間違っていないから何も言えない。
父様に叱られ俺は謝る。
そのあと、何事もなかったかのように夕食の時間だと伝える父様に頷き、部屋を出る。
ルクスと2人きり…
2人きりか、まあ少しは話す時間もあるのか。
ルクスを知るタイミングはここしかないと思い口を開こうとすると、ルクスが部屋への移動をおすすめしてきた。
「俺の部屋か?」
「そうですよ。お食事の時間までシエル様のお部屋で待機です。」
「ふーん。そう。」
ようやく2人で話せると思っていたのに、もう1人になってしまうのかと落ち込む。
仕方ないとは言え、出会ったばかりだし知らないことがたくさんあるから知りたかった。
「では行きましょう。」
ルクスの言葉で俺たちは歩き始める。
後ろを歩くルクスは今何を思っているんだろう。
俺のこと、どう思っているんだろう。
ルクスのことで俺の頭はいっぱいで、ずっと考えていたくなる。
いつのまにか俺の部屋。
さっき案内してくれたから迷子にならず、あっという間に着いてしまった。
話せなくとも、2人の時間は確かにあった。
それが終わってしまうのが、寂しくて、苦しくて。
「お入りください。」
部屋の扉を開けてくれる。
部屋に入り背後を確認すると、ルクスも部屋に入ってきた。
「え、お前も入るのか!?」
「当たり前でございます。従者たるもの基本的にはお側におりますよ。」
1人になってしまうと思っていたから、びっくりしすぎて動けなくなってしまう。
部屋に2人きり…
そう考えた途端、気持ちが舞い上がる。
「椅子にお座りください。私は扉付近に立っておりますのでご自由にお過ごしください。」
ん?それはどうして?
「お前はずっとそこにいるのか?そばにいると言ってたじゃないか、そばに来いよ。」
側にいると言っていたのに、離れようとしたルクスに声をかける。
貴重な2人きりの時間。
お互いを知れるチャンスなのに、そこにいたら話せないじゃないか!
「お言葉ですが、さすがにすぐ近くにいることは、シエル様自身のプライバシーにも関わる問題ですのでお断りいたします。」
「いや!俺がいいって言ってんだよ。だから来いよ。」
「…わかりました。後ろに立っておりますので、遠くに行ってほしい時はいつでも言ってくださいね。」
「ああ、わかった。」
まあそんな時来ないけどな。
とりあえず、ルクスのことを知りたい。
そのための時間だ。
「お前のことが知りたい。この時間お前との仲を深めたい。」
「何をおっしゃってるんですか?私を知ったところで特に利益はありませんよ。」
「利益とか関係ない。ただ知りたいから話そうと言ってるんだ。」
「…」
黙ってしまったルクスを見つめながら続ける。
「お前は何が好きなんだ。趣味はあるのか?」
「私はフォンテーヌ家が一番好きです。特にソレイユ様には恩を感じています。私を拾って育てて下さった恩人であり、一生を捧げたい人です。」
ルクスはこの家がすごい好きなんだな。
父様のことも同じくらい、いやそれ以上に好きなんだろう。
なんかモヤモヤする…
そのモヤモヤを吹っ切って言葉を紡ぐ。
「…そうか。父様はお前を拾って育てたのか、なるほど。なら感謝だな。」
「はい。とても感謝しています。では、次はシエル様の番です。」
「は?俺が?」
驚きすぎて素っ頓狂な声をあげてしまう。
もうちょっとルクスのことを聞けると思ってたのに。
驚く俺に、当たり前だと言うルクスは"従者“という立場を必要以上に重く考えてそうだった。
話し終えると、ルクスはニコニコと笑う。
その笑みに急激に心臓が高鳴る。
目を逸らす。
ルクスの笑顔はとにかく美しかった。
この世の何よりも魅力的だった。
「…わかった。俺はまだ13の子供だが、いつかお前よりもでかくなってお前に振り向いてもらう男になる。」
胸の高鳴りにより、自分でも何を言っているのかよくわからない。
「ほとんど何を言ってるか分かりませんでしたけど、13歳なんですね。意外に大きくてびっくりです。」
この言葉で一気に現実に戻される。
「はぁ!?俺そんなに小さく見えてたのか?」
「ええ、10歳程度だと…」
「な訳ねぇだろ!そんなお前は何歳なんだよ!」
先ほどとは打って変わって、チビ扱いされたことで腹が立ち、怒る。
今日で15だと返すルクスに、そんなに変わらないなと返すも煽り返され怒りが込み上げてくる。
バカにしやがって!
先ほどまで抱いていた感情はどこへやら、頭の中はルクスへの怒りだらけになる。
感情のままルクスへ暴言をぶつけるも、少し驚くだけで微動だにせず、口の悪さまで指摘してくる姿に、余計に怒りが湧いてくる。
「そんなことどうでもいいわ。お前が調子乗ってるから気に食わねぇって話をしてんーー」
「何を大声で話している、シエル。」
低く威厳のある声が俺の声を止める。
父様だ。
「ルクス、お前もシエルに何をした?」
「いえ、何も。13歳と聞きましたので、驚いたと言っただけです。」
何も間違っていないから何も言えない。
父様に叱られ俺は謝る。
そのあと、何事もなかったかのように夕食の時間だと伝える父様に頷き、部屋を出る。
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初感想失礼します
いつも素敵な作品をありがとうございます。本当に面白くて楽しく読ませていただいております
特に想いを寄せ始めたシエルとシエルの感情に全く気づかないルクスに見ているこちらがドギマギして悶えてしまうくらい尊い2人が好きです
これからどうなっていくのか更新が待ち遠しいです
感想ありがとうございます☺️
読んでくれてとても嬉しいです✨
書いている私自身もルクスの鈍感さには驚いちゃいます😳
これからのルクスとシエルもよろしくお願いします🙌