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番外編SS
ハネツキ【お年賀企画2023】
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※御年賀企画で書いた短いお話です
慌ただしい年の瀬を過ごし、いよいよ明日は新年となる。
シダーム家も仕事納めを済まし、使用人共々、穏やかな年越しを過ごしていた。
零とダイヤも例にもれず、ソファーに隣り合って座り一年の思い出を語り合う。
部屋は温められているので寒さなど感じないのだが、ダイヤは「寒いだろう?」と零を気遣うふりをして小さな体を常に引き寄せていた。
「明日はいよいよ新年ですね」
「あぁ」
日が暮れるにつれてどこかそわそわしだしたダイヤに、やはり正月はどの世界でも楽しみなのだなと零は微笑ましくなった。
ここの所何かと忙しく、中々ダイヤと過ごす時間が取れなかったが、今日はこうしてゆっくりできて嬉しく思う。
大好きな人と新年を迎えられるなんてとても贅沢だな、とひっそり喜んだ。
「零の育った国では、新年にしていた事はあるか?」
「新年に……?」
髪を触られながらダイヤから尋ねられ、零は思い出を辿る。しかし、初詣や年賀状やおせちなど、色々と思い浮かべるがどうにもこの世界でしっくりくるモノが無い。
何かこの世界でも楽しめるモノはないだろうか、と考えをめぐらせ、
「あっ、羽つき……とか」
「ハネツキ?」
唐突に思い出したのは、羽子板と羽を使ってする正月の遊び、羽つきだ。
実際にした事は無かったが、テレビで芸能人が楽しそうにしているのをよく見ていたのだ。
これならば、ある程度似たモノを用意出来るのではないだろうか。
「そのハネツキとやらは零の国の文化か? だったら私もしてみたいな」
零はあまり自分の事を話さない。
だからだろう、零の事ならすべて知りたいダイヤは嬉しそうに笑う。
それが零も嬉しかったが、せっかくの正月に自分の文化に付き合わせて良いのかとも思う。
もしかしたらダイヤも本音は、正月をゆっくり過ごしたいと思っているかもしれない。
そう考え、零はダイヤに尋ねる。
「少し疲れるかもしれませんが、よろしいですか?」
「疲れるのか?」
「あっ、それと、ちょっと恥ずかしいかもしれません。それに実は、僕もした事はないんですが……」
「疲れて、恥ずかしい……?」
羽を落とした方は顔に落書きをされるルールがある。
クラブなどはノリノリで遊んでくれそうだが、ダイヤやハートは嫌がらないだろうか。
そう心配になった零がチラリとダイヤをうかがい見れば、妙に真剣な目をしたダイヤと視線がかち合う。
「えっと、してみたいですか?」
「ぜひしたいなっ! 零の故郷の文化を深く詳しく知りたいからぜひ実践しよう!」
それでもしたいかと尋ねれば、ずいぶんと食いついてきたダイヤ。
零を引き寄せて、何故か手を握ってくる。
その真剣な様子がおかしくて、零は笑いながら手を握り返した。
「ふふ……分かりました。じゃあ新年にそなえて今日は早めに休みましょう」
「そ、そうだなっ、本当は今から楽しみたかったが……新年の楽しみにとっておこう。覚悟しておけ零」
「あははっ、望むところです!」
ソワソワしながらも嬉しそうに零とベッドに入ったダイヤ。
そして新年当日。
ダイヤはいたって健全な正月を過ごす事となったのだった。
新年もシダーム家は笑顔と、ダイヤの欲望の絶えない年になるだろう。
慌ただしい年の瀬を過ごし、いよいよ明日は新年となる。
シダーム家も仕事納めを済まし、使用人共々、穏やかな年越しを過ごしていた。
零とダイヤも例にもれず、ソファーに隣り合って座り一年の思い出を語り合う。
部屋は温められているので寒さなど感じないのだが、ダイヤは「寒いだろう?」と零を気遣うふりをして小さな体を常に引き寄せていた。
「明日はいよいよ新年ですね」
「あぁ」
日が暮れるにつれてどこかそわそわしだしたダイヤに、やはり正月はどの世界でも楽しみなのだなと零は微笑ましくなった。
ここの所何かと忙しく、中々ダイヤと過ごす時間が取れなかったが、今日はこうしてゆっくりできて嬉しく思う。
大好きな人と新年を迎えられるなんてとても贅沢だな、とひっそり喜んだ。
「零の育った国では、新年にしていた事はあるか?」
「新年に……?」
髪を触られながらダイヤから尋ねられ、零は思い出を辿る。しかし、初詣や年賀状やおせちなど、色々と思い浮かべるがどうにもこの世界でしっくりくるモノが無い。
何かこの世界でも楽しめるモノはないだろうか、と考えをめぐらせ、
「あっ、羽つき……とか」
「ハネツキ?」
唐突に思い出したのは、羽子板と羽を使ってする正月の遊び、羽つきだ。
実際にした事は無かったが、テレビで芸能人が楽しそうにしているのをよく見ていたのだ。
これならば、ある程度似たモノを用意出来るのではないだろうか。
「そのハネツキとやらは零の国の文化か? だったら私もしてみたいな」
零はあまり自分の事を話さない。
だからだろう、零の事ならすべて知りたいダイヤは嬉しそうに笑う。
それが零も嬉しかったが、せっかくの正月に自分の文化に付き合わせて良いのかとも思う。
もしかしたらダイヤも本音は、正月をゆっくり過ごしたいと思っているかもしれない。
そう考え、零はダイヤに尋ねる。
「少し疲れるかもしれませんが、よろしいですか?」
「疲れるのか?」
「あっ、それと、ちょっと恥ずかしいかもしれません。それに実は、僕もした事はないんですが……」
「疲れて、恥ずかしい……?」
羽を落とした方は顔に落書きをされるルールがある。
クラブなどはノリノリで遊んでくれそうだが、ダイヤやハートは嫌がらないだろうか。
そう心配になった零がチラリとダイヤをうかがい見れば、妙に真剣な目をしたダイヤと視線がかち合う。
「えっと、してみたいですか?」
「ぜひしたいなっ! 零の故郷の文化を深く詳しく知りたいからぜひ実践しよう!」
それでもしたいかと尋ねれば、ずいぶんと食いついてきたダイヤ。
零を引き寄せて、何故か手を握ってくる。
その真剣な様子がおかしくて、零は笑いながら手を握り返した。
「ふふ……分かりました。じゃあ新年にそなえて今日は早めに休みましょう」
「そ、そうだなっ、本当は今から楽しみたかったが……新年の楽しみにとっておこう。覚悟しておけ零」
「あははっ、望むところです!」
ソワソワしながらも嬉しそうに零とベッドに入ったダイヤ。
そして新年当日。
ダイヤはいたって健全な正月を過ごす事となったのだった。
新年もシダーム家は笑顔と、ダイヤの欲望の絶えない年になるだろう。
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