【完結】死ぬとレアアイテムを落とす『ドロップ奴隷』としてパーティーに帯同させられ都合よく何度も殺された俺は、『無痛スキル』を獲得し、覚醒する

Saida

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「おい、何をしている!」

激しい怒声が飛んできて、僕の体はぴたりと動きを止めた。


戦士のゴダスだった。

学者はにっこりと笑みをつくり、答えた。

「何って、いつもと同じことですよ~。

この子が自分の立場を忘れているようでしたから、調教してあげてるんです」


ゴダスの眉間に、深い縦皺が走った。

「調教?

お前の仕事は、この者にレアアイテムをドロップさせることだろう。

余計なことはするな」

「ですから、アイテムをきちんとドロップしてもらうために、この子に立場というものを……」


ドスッ。

重い音がした。

学者は自分の腹を押さえ、その場にしゃがみ込んだ。


「誰に口答えしてる?

パーティーのリーダーが誰か分かっているのか。

ここでは俺が絶対だ。

俺が駄目だと言ったら、お前は黙ってそれに従うんだよ」

「……すみません」


戦士ゴダスは腰を屈め、学者の髪を掴み、顔を上げさせた。

「お前の仕事はこいつのスキルを発動させることだろ。

だったら大人しく、殺す、蘇生するを繰り返せ。

お前言ったよな? こいつのスキルの効果は、発動される場所に依存してるって。

よりレアリティの高いアイテムを出すための条件は、ダンジョンのより深い階層に潜ることだけだって。

だから俺たちは体を張って、お前とこのガキを地下へ地下へと連れて行ってるんだろう。

それとも何か?

俺や魔法使いがより強力な魔物と戦ってまで下の階へ降りていかなくとも、オークの内臓さえ食わせとけば、こいつのスキルは効果が増すのか?」

「いえ……」

学者は喉から声を絞り出した。


「だったら、俺の前で気色の悪いことをするな。

次見つけたら、その時にオークの腸を食うのはお前の方だからな」

「…分かりました」

戦士ゴダスは、学者の髪から手を離した。

そして僕の方など見ずに、魔法使いと神官が張っているテントの方に戻っていった。


「クソが……」

学者は膝についた砂を払った。

そして僕に顔を近づけていった。

「逃げられたと思うなよ。

お前には必ずこれを食わせてやる。今じゃないだけで、必ずな。

覚悟しとけよ……」

僕はじっと学者の目を見返した。

そして手に持った腸を、自分の口に入れた。

「……!!」

学者は唖然としていた。


学者が体を操っているわけではなく、これは紛れもない僕の意志からだった。

僕は口の中で、ぐちゃぐちゃと腸を噛んだ。

そして普段から食べ慣れているかのように、それを飲み干した。


「クソッ!」

学者は僕の手に残っていた腸を、払い落とした。

「立て! 今からオーバーヒールする。泉の近くに行くぞ!」


学者の命令に従って、僕の体は彼の後に続いた。

歩きながら、僕はほくそ笑んだ。



それは、学者の無様な姿が見られたからだけではない。

ある考えにたどり着いたからだった。
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