【完結】ただ好きと言ってくれたなら

須木 水夏

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見えていなかったこと

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誤字、脱字、色々ありがとうございますっ!(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”綺麗に直ってたら皆様のおかげです!





















 兵士に囲まれ、立たせられ。
 縄をつけられた後、大人しく退出していくマルベリアの背筋は、折れることなく真っ直ぐに伸びていた。ベール越しに彼女の顔を幾ら見つめても、表情は最後まで読み取れなかった。
 去ってゆく、その後ろ姿をサラは涙を堪えながらじっと見つめていた。

 全てが何かの間違いであってほしい――その思いは、マルベリア自身の告白によって無惨に砕かれた。



 ローゼマリアが行方不明になったと聞いた時。いや、それよりもずっと前から、サラは心のどこかでマルベリアの行動に違和感を抱いていた。
 彼女が王の庶子であるローゼマリアを「」と呼んだとき、その声は平坦で何の感情も含まれていなかった。そう思っていた。
 けれど、思い出してみれば、言葉の端々に嫉妬や敵意以上の、激しい嫌悪感が滲んでいた事に気が付いた。




『王位継承権も持たぬのに王城で暮らすあの


に出逢ってから、マクベス殿下はあっという間にただの愚か者へと成り下がってしまった』




 そして。




『……長い年月を重ねた分の情もあったし、勿論未来を見据えて彼と関わってきたのよ。……だからこそ、落胆も大きいのかしらね。』




 あの時の彼女の表情や言葉に浮かぶ深い哀しみ――それは、マクベスへの想いから来るものだっただろう。
 
 マルベリアが第二王子マクベスに対して素っ気ない態度を見せるたび、サラはそれが果たして本物の感情なのか分からない時はあった。そしてそれは事実、飄々と見えていたのは、今となっては、彼女のプライドと欺瞞の一部だった。


 彼女がローゼマリアを害し、自らの行いを正当化し、フレデリック殿下を言葉で責め立てる姿を、人々の前で処罰を告げられる姿を――サラは到底想像できていなかった。
 あのと称された彼女が、これほどまでに追い詰められていたことに気づけなかった自分が悔しくて、胸が今にも張り裂けそうだった。



(マルベリア様。)



 サンドラルド公爵家が呼ばれた時点で、何かが起こるとは予感していた。だが、こんな形で友人を見送ることになるとは、朝の時点では思いもしなかった。


 



 マルベリアがホールから消えると、フレデリック殿下が再び冷然とした声でサンドラルド公爵に向き直った。
公爵は真っ青な顔をして身じろぎ、後ろに控える夫人は縮こまるように震えている。




「……サンドラルド公爵。貴方はどうする?」




 
















━━━━━━━━━━★


こんばんは!
今日1話しか投稿出来ませんでした*_ _)すみません、投稿内容を手直ししていたら、間に合いませんでした~!(最後まで書けてはいるので、後は直しつつ投稿していきます)


…1月って何だか忙しいっっっ!(という愚痴)

皆様も、お体に気をつけてお過ごしくださいませ(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”




 
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