4 / 5
招かれざる客
しおりを挟む
その日は、朝からどこか調子が悪かった。滅多に風邪なんて引くことはないのに、ベッドから起き上がった瞬間、身体の怠さを感じた。お客様との打ち合わせまでお休みをもらおうかと考えたものの、常備していた漢方を飲んだら少し回復したので、そのままいつも通りに出社することにした。
けれど、それが間違いだった。
これはいわゆる、第六感が働いたということなのだろう。
真帆が出勤するなり、専務から「会議室へ来い」との呼び出しがかかった。不思議に思いながらも会議室へ向かうと、そこには専務の他に、主任の土屋涼子の姿もあった。
「専務と主任に呼び出されるなんて……もしかして私、異動だったりします?」
あまりに二人が真面目な顔をしていたので恐る恐る聞いてみると、二人は首を振ってそれを否定した。その応えにほっとしながらも、ではなぜという別の疑問が浮かぶ。
「異動じゃないのなら、お二人そろって私にどんなお話が……?」
実はね、と切り出し、主任である涼子が、真帆の前に一枚のカウンセリングシートを差し出した。これは、新規のお客様から打ち合わせのアポイントメントを受けた際に、事前にWeb経由でお客様に記入してもらっているシートだ。当日の打ち合わせが円滑に進むよう、事前にお客様の名前、年齢、結婚式を行うタイミングや、結婚式のイメージ等を知る事を目的としている。
「このカウンセリングシートが、何か?」
シートの申込者名には、菅野美雪という名前が記載されていた。
「菅野様……は、完全なご新規様ですよね? 少なくとも私には、名前に聞き覚えがないのですが」
「えぇ、ご新規様なのは間違いないのだけれど……」
そう言葉を濁しながら、主任の涼子が専務に視線を送る。専務は涼子から送られた視線に一瞬顔をこわばらせながらも、観念したように話し始めた。
「その女、本当に客かどうかは分からない」
「お客様じゃないって、何でそう思うんですか?」
「それは……」
目をそらす専務の態度に、真帆はピンときた。
「もしかして……専務の昔の恋人、ですか?」
若干冷めた目で専務を見ると、そんなわけないだろうと、ムキになって否定してくる。これはクロだな──そう確信した。
「どうせ専務が適当に手を出した女性と、別れ話が拗れでもしたんじゃないですか?」
「馬鹿にするな。俺はな、面倒な女には絶対に手を出さない主義なんだ。こんな面倒くさい女、誰が手を出すか!」
「ほーら。面倒くさい女って知っているということは、それなりの関係だったってことですよね?」
「だから違うって言ってるだろうが!」
とうとう立ち上がった専務に、涼子が溜め息をついて言った。
「専務、それじゃあ話が先に進みません。お座りください。私が杉崎さんに説明しますから」
まるで姉が出来の悪い弟をなだめるような光景だ。専務と涼子は同じ高校の出身らしく、涼子は専務の2歳年上で、昔からお姉さん的な存在だったそうだ。
そのため、専務も涼子の言う事だけは、いつも黙って聞いていた。
「実はこの菅野様、最近専務がお見合いしたお嬢様なの」
「お見合い!?」
「と言っても、専務はお見合いの場と知らずに社長──お父様に呼び出されたらしいのだけど」
「あぁ……」
そんな話が本当にあるとは──それが真帆の率直な感想だった。
ドラマの中では、主人公が見合いの場と知らずに呼び出され、最初は反発するものの、最後は見合い相手と恋におちるというのがお決まりの展開だ。
「専務はそのお嬢様のこと、気に入らなかったということですか?」
「気に入るはずがない」
「どうしてですか? お付き合いしてみないと分からないじゃないですか」
「いーや、分かる。あいつはな、俺と二人っきりになった途端、いきなり……!」
「いきなり?」
「俺を押し倒して、唇を……!」
続きは聞かずとも、専務の行動で状況が理解できた。さっきから、ずっと拳で唇をゴシゴシと拭いている。
「つまり、そのお嬢様に専務はキスされたと……」
「はっきり言うな、はっきり! それにあれは、断じてキスではない! ただぶつかっただけだ!」
「あー、はいはい。状況が見えました。つまり、専務のことを気に入っているお嬢様が、専務に会いたいがためにこうしてアポを取ってきたと──そういうことですか?」
「あぁ。見合いについては、菅野家に断りの連絡を入れてある。うちの方が立場が上だから、むこうの両親は何も言わなかったが、娘の方はどうしても諦めきれずに直談判してきた。俺が改めて断りを入れても聞く耳を持たないし、日本語が通じない厄介な相手なんだよ」
聞くに最近そのお嬢様は、サロンの前で専務のことを待ち伏せしているらしい。専務の帰宅時間を見計らって、運転手付きの車からおりてくるそうだ。
「それで、私をここに呼んだ理由を、そろそろ教えていただけませんか?」
「……あぁ、そうだったな。今日、この女の対応をお前に任せたい」
「私に?」
「予備知識さえあれば、後はうまく立ち回れるだろう?」
「別に、私じゃなくてもよいのでは……」
なんだか面倒くさそうですし──という本音がもれそうになる。
「何をしでかすか分からない宇宙人女だ。お前だったら、何があってもうまくあしらえるだろう?」
「あしらうって……」
「お前の経験を買っている。もっと喜べ」
「専務の女性関係をフォローするための経験ではありませんけど」
「まぁそう言うなよ。本当に客であれば、そのまま担当を続ければよし。万が一俺の名前を出すことがあれば、その時はすぐ言え。業務執行妨害で通報してやる」
「……分かりました」
渋々頷いた真帆は、手元のカウンセリングシートに目を落とした。
(なんで私が、専務の尻拭いをしなきゃならないのよ……!)
上から順にシートを眺め、最後の設問「パートナーの名前」の欄で、思わず目を留める。
「小田切……誠……?」
「お前の知り合いか? 出鱈目な名前を書いただけだと思っていたんだが……」
「知り合いというか……」
「……あぁ、お前の昔の男だな」
先ほどの反撃とばかりに得意気に切り込む専務に、今度は真帆がたじろぐ。
「なんだ、図星か」
「……同姓同名かもしれませんけどね。小田切なんて名字、そんなに珍しいわけじゃないですし……」
そう言いながらも、先日さゆりに言われた言葉を思い出す。彼女の話では、誠は何度も真帆に電話をかけていたという。今更なぜと思ったけれど、菅野様との結婚の相談をしようとしたのかもしれない。
(でも、私と別れてまだ一ヶ月よね……)
誠の家も、地元では名の知れた旧家だ。厳格な両親に育てられ、大学を卒業したら早く結婚するようにとプレッシャーをかけられていたらしい。
真帆と付き合っていた時も、結婚はまだなのか、早く恋人を連れてこいと、実家から圧力を相当受けていると聞いたことがある。
(けっきょく、あんなことがあって私たちは別れちゃったけど……)
「お前、まだその小田切とかいう男に未練があるのか?」
茶化すわけでもなく真面目な顔で聞いてくる専務に、真帆は首を振った。
「未練なんて微塵もありません。彼とは、根本的な部分で合わなかったので」
「なんだそれ。じゃあ、何で付き合ったんだよ」
「……告白されたから?」
「お前は、告白されれば相手は誰でもいいのか。俺にはいつもつれない返事をするくせに」
「それは専務が、私を愛人の一人にしようとするからです。……そんなことより、もしこの菅野様が本当に結婚式の相談にいらっしゃるのなら、私の方でうまく対応します。彼女のパートナーが私の元恋人であったとしても、私に動揺する要素は何一つありませんので、ご心配なく」
最後ににっこり微笑み、二人にお辞儀をしてから会議室を後にする。事務所に戻る途中も、真帆の心に憂いはなかった。
もしも誠が結婚するなら、全力で結婚式のサポートをしよう。未練はなくとも、一度は思いを通わせた人だ。絶対に幸せになってほしい。
──そんな真帆の想いは数時間後、あっけなく打ち砕かれることとなる。
けれど、それが間違いだった。
これはいわゆる、第六感が働いたということなのだろう。
真帆が出勤するなり、専務から「会議室へ来い」との呼び出しがかかった。不思議に思いながらも会議室へ向かうと、そこには専務の他に、主任の土屋涼子の姿もあった。
「専務と主任に呼び出されるなんて……もしかして私、異動だったりします?」
あまりに二人が真面目な顔をしていたので恐る恐る聞いてみると、二人は首を振ってそれを否定した。その応えにほっとしながらも、ではなぜという別の疑問が浮かぶ。
「異動じゃないのなら、お二人そろって私にどんなお話が……?」
実はね、と切り出し、主任である涼子が、真帆の前に一枚のカウンセリングシートを差し出した。これは、新規のお客様から打ち合わせのアポイントメントを受けた際に、事前にWeb経由でお客様に記入してもらっているシートだ。当日の打ち合わせが円滑に進むよう、事前にお客様の名前、年齢、結婚式を行うタイミングや、結婚式のイメージ等を知る事を目的としている。
「このカウンセリングシートが、何か?」
シートの申込者名には、菅野美雪という名前が記載されていた。
「菅野様……は、完全なご新規様ですよね? 少なくとも私には、名前に聞き覚えがないのですが」
「えぇ、ご新規様なのは間違いないのだけれど……」
そう言葉を濁しながら、主任の涼子が専務に視線を送る。専務は涼子から送られた視線に一瞬顔をこわばらせながらも、観念したように話し始めた。
「その女、本当に客かどうかは分からない」
「お客様じゃないって、何でそう思うんですか?」
「それは……」
目をそらす専務の態度に、真帆はピンときた。
「もしかして……専務の昔の恋人、ですか?」
若干冷めた目で専務を見ると、そんなわけないだろうと、ムキになって否定してくる。これはクロだな──そう確信した。
「どうせ専務が適当に手を出した女性と、別れ話が拗れでもしたんじゃないですか?」
「馬鹿にするな。俺はな、面倒な女には絶対に手を出さない主義なんだ。こんな面倒くさい女、誰が手を出すか!」
「ほーら。面倒くさい女って知っているということは、それなりの関係だったってことですよね?」
「だから違うって言ってるだろうが!」
とうとう立ち上がった専務に、涼子が溜め息をついて言った。
「専務、それじゃあ話が先に進みません。お座りください。私が杉崎さんに説明しますから」
まるで姉が出来の悪い弟をなだめるような光景だ。専務と涼子は同じ高校の出身らしく、涼子は専務の2歳年上で、昔からお姉さん的な存在だったそうだ。
そのため、専務も涼子の言う事だけは、いつも黙って聞いていた。
「実はこの菅野様、最近専務がお見合いしたお嬢様なの」
「お見合い!?」
「と言っても、専務はお見合いの場と知らずに社長──お父様に呼び出されたらしいのだけど」
「あぁ……」
そんな話が本当にあるとは──それが真帆の率直な感想だった。
ドラマの中では、主人公が見合いの場と知らずに呼び出され、最初は反発するものの、最後は見合い相手と恋におちるというのがお決まりの展開だ。
「専務はそのお嬢様のこと、気に入らなかったということですか?」
「気に入るはずがない」
「どうしてですか? お付き合いしてみないと分からないじゃないですか」
「いーや、分かる。あいつはな、俺と二人っきりになった途端、いきなり……!」
「いきなり?」
「俺を押し倒して、唇を……!」
続きは聞かずとも、専務の行動で状況が理解できた。さっきから、ずっと拳で唇をゴシゴシと拭いている。
「つまり、そのお嬢様に専務はキスされたと……」
「はっきり言うな、はっきり! それにあれは、断じてキスではない! ただぶつかっただけだ!」
「あー、はいはい。状況が見えました。つまり、専務のことを気に入っているお嬢様が、専務に会いたいがためにこうしてアポを取ってきたと──そういうことですか?」
「あぁ。見合いについては、菅野家に断りの連絡を入れてある。うちの方が立場が上だから、むこうの両親は何も言わなかったが、娘の方はどうしても諦めきれずに直談判してきた。俺が改めて断りを入れても聞く耳を持たないし、日本語が通じない厄介な相手なんだよ」
聞くに最近そのお嬢様は、サロンの前で専務のことを待ち伏せしているらしい。専務の帰宅時間を見計らって、運転手付きの車からおりてくるそうだ。
「それで、私をここに呼んだ理由を、そろそろ教えていただけませんか?」
「……あぁ、そうだったな。今日、この女の対応をお前に任せたい」
「私に?」
「予備知識さえあれば、後はうまく立ち回れるだろう?」
「別に、私じゃなくてもよいのでは……」
なんだか面倒くさそうですし──という本音がもれそうになる。
「何をしでかすか分からない宇宙人女だ。お前だったら、何があってもうまくあしらえるだろう?」
「あしらうって……」
「お前の経験を買っている。もっと喜べ」
「専務の女性関係をフォローするための経験ではありませんけど」
「まぁそう言うなよ。本当に客であれば、そのまま担当を続ければよし。万が一俺の名前を出すことがあれば、その時はすぐ言え。業務執行妨害で通報してやる」
「……分かりました」
渋々頷いた真帆は、手元のカウンセリングシートに目を落とした。
(なんで私が、専務の尻拭いをしなきゃならないのよ……!)
上から順にシートを眺め、最後の設問「パートナーの名前」の欄で、思わず目を留める。
「小田切……誠……?」
「お前の知り合いか? 出鱈目な名前を書いただけだと思っていたんだが……」
「知り合いというか……」
「……あぁ、お前の昔の男だな」
先ほどの反撃とばかりに得意気に切り込む専務に、今度は真帆がたじろぐ。
「なんだ、図星か」
「……同姓同名かもしれませんけどね。小田切なんて名字、そんなに珍しいわけじゃないですし……」
そう言いながらも、先日さゆりに言われた言葉を思い出す。彼女の話では、誠は何度も真帆に電話をかけていたという。今更なぜと思ったけれど、菅野様との結婚の相談をしようとしたのかもしれない。
(でも、私と別れてまだ一ヶ月よね……)
誠の家も、地元では名の知れた旧家だ。厳格な両親に育てられ、大学を卒業したら早く結婚するようにとプレッシャーをかけられていたらしい。
真帆と付き合っていた時も、結婚はまだなのか、早く恋人を連れてこいと、実家から圧力を相当受けていると聞いたことがある。
(けっきょく、あんなことがあって私たちは別れちゃったけど……)
「お前、まだその小田切とかいう男に未練があるのか?」
茶化すわけでもなく真面目な顔で聞いてくる専務に、真帆は首を振った。
「未練なんて微塵もありません。彼とは、根本的な部分で合わなかったので」
「なんだそれ。じゃあ、何で付き合ったんだよ」
「……告白されたから?」
「お前は、告白されれば相手は誰でもいいのか。俺にはいつもつれない返事をするくせに」
「それは専務が、私を愛人の一人にしようとするからです。……そんなことより、もしこの菅野様が本当に結婚式の相談にいらっしゃるのなら、私の方でうまく対応します。彼女のパートナーが私の元恋人であったとしても、私に動揺する要素は何一つありませんので、ご心配なく」
最後ににっこり微笑み、二人にお辞儀をしてから会議室を後にする。事務所に戻る途中も、真帆の心に憂いはなかった。
もしも誠が結婚するなら、全力で結婚式のサポートをしよう。未練はなくとも、一度は思いを通わせた人だ。絶対に幸せになってほしい。
──そんな真帆の想いは数時間後、あっけなく打ち砕かれることとなる。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い
森本イチカ
恋愛
妹じゃなくて、女として見て欲しい。
14歳年下の凛子は幼馴染の優にずっと片想いしていた。
やっと社会人になり、社長である優と少しでも近づけたと思っていた矢先、優がお見合いをしている事を知る凛子。
女としてみて欲しくて迫るが拒まれてーー
★短編ですが長編に変更可能です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる