スパダリDomに愛されると天使Subは溶けてしまうよ

子犬一 はぁて

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come来なさい


 すたすたと前方を歩く相良さんの後ろを走ってついていく。相良さんと僕の歩幅は全然違うから。

 たどり着いたのは、キッチン。

 僕は手足に力が入らないまま、相良さんの背中を見つめていた。相良さん、黙り込んでしまった。振り向いてすらくれない。

「っごめんなさい」

 自分でも驚くくらい声がカラカラで、掠れた声が出た。

 それでも、彼は振り向いてくれない。返事もしてくれない。僕のせいだ。僕が、間違いを犯したから。一度お仕置を受けたのに、約束を破ったから。先程までの浮かれていた自分を思い出し、頭が痛む。


「いいよ」


 相良さんが、くるりと向きを変えて僕を見つめる。その目がこの空気と打って変わって優しい。静かに、僕に歩み寄ってきた。僕はほっとして近づいていく。

「っは」

 お腹に、衝撃が。朝食べたフランスパンが、胃の中で逆流する。僕の身体は軽いから吹っ飛んで。キッチンの壁に転がり着いた。

 指先をぐーぱーして動かす。これは、夢? だって相良さんがこんなことするわけない。僕のお腹を膝で蹴りあげるなんてこと、あるわけない。僕は荒く息をついて顔を上げた。

 その刹那、頭の中で星がチラついた。

 え、なに。

 視界が暗転する。後頭部にものすごく強い痛みが走る。頭の上、重い。顔、あげられない。僕は正座したまま、額を冷たい床に押し付けていた。上から、ものすごい力をこめられているから。

 頭を足で踏まれているのだと気づくのに、1分はかかった。なぜこんなことになっているのか、わからない。わけがわからなくて、怖くて。僕は震える小さな声で、相良さんに呼びかけた。

「相、良さ……な、に……してるんですか」
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