197 / 288
197
しおりを挟む
相良さんと同じくらいか、それよりも数センチ高い背。黒髪は短く切りそろえられ、額の上で斜めに分かれている。少し色黒なのか、健康そうな小麦色の肌。着ているジャケットから見える逞しい胸の膨らみ。足は長く、腰の位置も高い。
顔だ。あまりにも、眩しい。
相良さんの名前を呼んだときの表情。ちらりと見えた歯は白い輝きを放っている。八重歯が、見えた。
太めの眉と、その下にある切れ長の瞳。二重の線がくっきりしていて、彫りが深い。目鼻立ちがすっきりしている。
相良さんに仁と呼ばれた男性は僕の前に立つと、黙って僕を見下ろした。頭から足の先までじろじろと品定めするように見られて正直いい気分はしない。僕はその強い瞳が放つ眼光に耐えきれずに、相良さんの後ろに半身を隠す。
「仁。怯えてるから」
相良さんが牽制する。
「おっと。すまんなあ」
仁と呼ばれた男性は、しゃぼん玉が弾けて消えたみたいに身体を揺らして僕を見た。
「自己紹介もせんと。ほんまにごめんな。俺、諸伏(もろぶし)仁(じん)言います。よろしゅう」
そっと差し出された手をまじまじと見つめる。手、おっきいな。僕は相良さんをちらりと見上げた。その目は、握っていいよと言っているから。僕はおそるおそるその手を握った。途端に、むぎゅうと力を込められる。手、熱い……。
顔だ。あまりにも、眩しい。
相良さんの名前を呼んだときの表情。ちらりと見えた歯は白い輝きを放っている。八重歯が、見えた。
太めの眉と、その下にある切れ長の瞳。二重の線がくっきりしていて、彫りが深い。目鼻立ちがすっきりしている。
相良さんに仁と呼ばれた男性は僕の前に立つと、黙って僕を見下ろした。頭から足の先までじろじろと品定めするように見られて正直いい気分はしない。僕はその強い瞳が放つ眼光に耐えきれずに、相良さんの後ろに半身を隠す。
「仁。怯えてるから」
相良さんが牽制する。
「おっと。すまんなあ」
仁と呼ばれた男性は、しゃぼん玉が弾けて消えたみたいに身体を揺らして僕を見た。
「自己紹介もせんと。ほんまにごめんな。俺、諸伏(もろぶし)仁(じん)言います。よろしゅう」
そっと差し出された手をまじまじと見つめる。手、おっきいな。僕は相良さんをちらりと見上げた。その目は、握っていいよと言っているから。僕はおそるおそるその手を握った。途端に、むぎゅうと力を込められる。手、熱い……。
12
あなたにおすすめの小説
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
世界で一番優しいKNEELをあなたに
珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。
Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。
抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。
しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。
※Dom/Subユニバース独自設定有り
※やんわりモブレ有り
※Usual✕Sub
※ダイナミクスの変異あり
愛されSubは尽くしたい
リミル
BL
【Dom/Subユニバース】
玩具メーカーの取締役開発部長Dom(37)×元子役の大学生Sub(20)
かつて天才子役として名を馳せていた天使 汐は、収録中にSub drop(サブドロップ)に陥り、生死の境をさまよう。
不安定になっていた汐を救ったのは、スーツ姿の男だった。
素性や名前も知らない。でも、優しく撫でて「いい子」だと言ってくれた記憶は残っている。
父親の紹介で、自身の欲求を満たしてくれるDomを頼るものの、誰も彼も汐をひたすらに甘やかしてくる。こんなにも尽くしたい気持ちがあるのに。
ある夜、通っているサロンで不正にCommand(コマンド)を使われ、心身ともにダメージを負った汐を助けたのは、年上の男だ。
それは偶然にも15年前、瀕死の汐を救った相手──深見 誠吾だった。
運命的な出会いに、「恋人にもパートナーにもなって欲しい」と求めるも、深見にきっぱりと断られてしまい──!?
一筋縄ではいかない17才差の、再会から始まるラブ!
Illust » 41x様
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる