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話は孝雄実がハーシュで生活を始めた次点に遡る。
ロットロン男爵領の中心地ハーシュのさらに中央に存在する屋敷の執務室に於いて、オリマッテ・ロットロンは深刻な人材不足に頭を悩ませていた。中でも自身の右腕と為る人材を喉から手が出るほど求めるが、現実は非常に厳しい。高待遇の募集によって応じる者は多数存在するが、いざ試験を行うと基準に満たない者だらけだった。
本来ならある程度の教養があれば採用されるのだが、それを受けた貴族が募集に応じる事が無かったのだ。
その訳は彼の出自に起因する。
元商人が貴族と為った事もそうなのだが、ブラスト辺境伯が有する領地の中でも上位に入る優良な場所を与えられた事で周囲の嫉妬を一身に受けてしまったのだ。これがブラスト辺境伯の策略ではないかと一時考えた事もあるが、その様な人物ではない事を彼は十分理解している。そして二人で話し合った時に納得し得る回答を得た事も更なる理解につながる。
簡単に言えば周囲の嫉妬に晒されることは重々承知している。だからこそ周囲も同情する程厳しい条件を課し、それを成し遂げる事で誰にも言わせない実績を作れとの事だった。それを受け、オリマッテはブラスト辺境伯の考えとその先にある考えを汲み噛付いてでも成功させようと堅く誓う。
それでも如何ともし難い人材不足が彼を苦しめる中、思わぬところから幸運が齎される。
「初めまして、ロットロン男爵様」
「此方こそ、ようこそ参られたポールトン殿!?」
オリマッテは目の前に座る老人を執務室に招き入れたときから気持ちを落ち着けようと努めるが、それだけで如何にか為らないほど声が裏返ってしまった。同伴するロドムは努めて冷静に、本人は顔を真っ赤にしてしまった。
対して老人は微笑ましそうに眺めるだけだった。
「し、失礼した」
「ホッ、ホッ、ホッ、お気に為さいますな。私はただの受験者であり、男爵様はここハーシュを中心とした領地を立派に治められる領主様でございます」
「いや、そうはいかん。確かに立場はポールトン殿の仰る通りだが、私が踏ん反り返る等考えられない」
「そうでしょうな、それこそがロットロン男爵様の良い所です。常に民の事を第一に考え、自らを犠牲にしても事を成そうと必死に努力する。だからこそ従来の貴族は貴方に嫉妬し危険視する。私にはそれが眩しく、尊敬致します」
老人の言葉にオリマッテは驚いた。
別に誇る事はしなくとも理解してくれる者が居てくれた。それが有名な人物から評価された事が彼には何より嬉しいのだ。そして、彼の成した事を褒めるだけではなく、窮状まで理解されていた事に感動した。
「そこまでの評価をいただき感謝申し上げる」
「その言葉は有り難く受け取りましょう。さて、男爵様」
老人は姿勢を正すとオリマッテに真剣な面持ちで向かい合う。対し彼と後ろに控えるロドムも緊張感に気持ちを切り替える。
「私はアレン・ドーソン男爵の元執事として仕えておりました。しかし、彼の仕出かした事に対し呆れ果て、見限り此方へと赴いた次第です」
「その事を詳しく話せるかね?」
「勿論、と言いたいのですが一つお約束頂きたい」
「何かな、出来る事はするつもりだ」
「有難う御座います。私を始めとした一族の保護を宣言して頂きたいのです」
「保護、か……」
保護とは額面通りの意味ではない。
ポールトン家の場合、ドーソン男爵家を見限って出奔している。そのお陰でドーソン男爵領は大混乱と為っている。特に当主のアレン・ドーソンは癇癪持ちの我儘領主である為彼を始めとした一族に対する恨みは凄まじい。その彼がする事と言えば暗殺である。
彼一人なら人生も残り僅かと腹を括れるが、曾孫が誕生している以上安心して生活出来る後ろ盾が必要だった。
そこで新たな主人オリマッテ・ロットロンが一族の保護を行う事で、ポールトン家一族に対し一切手出しさせなくするのだ。これに対し、保護宣言した者は一族全てを手にする事が出来る。
この場合オリマッテはポールトン家の実務能力者全てを抱え込む事と為る。彼としては望むべき人材を得る事で結果を出す契機とする事が出来る。
だがその分デメリットも生じる。それはドーソン男爵家と敵対するという保護する事で手出し出来ず、その怒りを一手にオリマッテが引き受ける事と為る。
これらは王国内で決められたルールである為、理性ある貴族は思い留まるのが通例である。もし破った場合その家は貴族としての見識を疑われ、最悪お家取り潰しという思い結果を受け入れなければならない。以上の事から保護を宣言して貰う場合、多くの代償を双方が供給せねばならず中々出来る事ではない。
「ええ、僭越ながらロットロン男爵家は人手不足が深刻だと認識しております。特に男爵様の右腕と為り支える人間が」
「うむ、その認識で間違いない」
「私を始めとした一族郎党、ご存分にお使い下され。必ずやここの発展に寄与するとお誓い致します」
「ふむ、まああの家と今更決裂したところで問題は無い。保護に関してはすぐにでも行うとしよう」
オリマッテはすでに盗賊の襲撃を受けている為ドーソン男爵家との関係など無いと考えている。そもそも相手が勝手に嫉妬し毛嫌いしている為良好な関係など一度として無いのだ。
それもあり、両家はいつ武力衝突しても不思議ではないほど緊張感が高まっている。
その為オリマッテとしては十分な大義名分を得られるだけの証拠を集めた瞬間主人のブラスト辺境伯へと報告し討伐命令を得る腹積もりだった。
言っては悪いが、ブラスト辺境伯から頂き心血を注ぎ開発している領地を戦場にしたくないと彼は考えている。だからこそ相手の領地を攻め報復するつもりだった。
しかしこれは最終手段である。ここに至るまでにはまだ何段階も在るためそこで事が終われば御の字であった。
簡単に攻める事が出来ない訳がもう一つある。
それはドーソン男爵家が王家の直臣である事が原因である。ブラスト辺境伯も直臣である為、共に王家の臣下として仕える立場は同じなのだ。ただ爵位が異なるだけで、それをブラスト辺境伯の家臣たるオリマッテが勝手にドーソン男爵家に対し軍事的行動を執る事は王家に対し弓引く行為ど同様の意味と受け取られてしまう。
もちろん相手側も同じ理屈で易々と攻めて来る事は無い。
「有難う御座います。さて、旦那様の尤も知りたい事でしたな。あの襲撃に関し、間違いなくアレン・ドーソン本人が依頼した事を私に対し喋りました」
「なるほど、これで決定的と言えるな。それとこれを見て貰いたい」
然して驚きもしなかったオリマッテは以前盗賊から手に入れた指令所をヘッケン・ポールトンに見せる。すると彼は驚愕した。
「こ、これは!?」
「それはブラストルアイクより帰還する私のルートが書かれている」
「ですが、これをドーソン男爵家が調べ挙げられるとは思えませぬ。そもそもこの件について私はおろか、誰一人知らされていないものでした!」
「それは重々承知している」
二人はアレン・ドーソンについて多少の認識差はあっても結論は一致している。
「その様な細かい芸当が出来る人物でなはない」というものだ。
だからこそ彼は驚愕しているのだ。
「私への襲撃は一切ドーソン男爵家家中で知らされていなかったのだな?」
「はい。もしその様な謀が進められていれば私の耳に入ります。そして身を挺してでもお止します」
「そうか、ならば」
そして二人は頷き合うと示し合わせたように同じ意味の言葉を発する。
「諭した者がいる」
「協力者がいますな」
依頼を出すにしても盗賊に伝の無いドーソン男爵家が行なえる筈もなく、仮に依頼を出せたとしてもリスクの高い内容に本来なら首を縦に振る筈が無い。すべてが有り得ないと言ってもよい状況に裏があると考えるのが普通だと二人は考えた。
「では誰だと思うかね?」
「分りません。そもそもこの移動経路を熟知している者が居るとは思えません」
「だろうな。あるとすれば幾度となく移動した事を知る者となる。その点で言えば辺境伯が怪しく思えるが、まずあり得ない」
家臣を襲わせる事にメリットを見出せない。その言葉にヘッケンは同意する様に頷いた。
それを立ったまま見詰めるロドムはようやくオリマッテの相談相手が誕生した事に安堵する。
「となると、王都に巣くう貴族と為りますかな?」
「中央の政争に使われたと?」
「はてさて。私は詳しくはありませんが、どうにも一襲撃で収まる気がしないのです。もっと大きな、この事がほんの小さな切っ掛けの様にも思えますな」
まるでフラグの如く語るヘッケンにオリマッテは顎に手を当て、その言葉を反芻する。
ドーソン男爵家はロットロン男爵家と比べるのも失礼な名家である。当主の問題で没落気味ではあるが、それでも国内の貴族で知らぬ者の居ない家柄なのだ。その当主がデメリットの大きい行為に及ぶ事こそ有り得ないと考えた。何かしら利益を得なければ貴族は動きが鈍いと商人時代からの経験から彼は考え、それは商人も同じだと思わず笑みを浮かべてしまった。
「私は調査が完了し次第辺境伯へ報告する予定だったが、この時点で報告と相談に赴くとするか」
「それがよろしいかと。大旦那様が知らないと為ると中央の想いのままに動かれてしまう可能性が有ります」
「例えばどの様な事が考えられる?」
「あるとすればこの事を口実にドーソン男爵家に対し王国騎士団を動員した討伐でしょうか……」
ヘッケンは仮に中央の考えが在ってと断りを入れてから自身の考えを話した。
王国騎士団は王都を拠点とする王国の中核を成す戦闘集団である。他国の騎士団とは一線を画し、国軍と呼べる戦力なのだ。
ヘッケンはその一部隊が動員されるのではないかと予想した。
「馬鹿な、それはまるでドーソン男爵家が反逆したと言っている様な物だぞ」
「確かに旦那様は王家の直臣では御座いません。ですが、直臣たるブラスト辺境伯の家臣です。つまり領地持ち貴族の全ては王家の直臣という事と同義である為、十分な大義名分となります」
「か、仮にだ。討伐隊の編成が為された場合、どの程度で此方へとやって来る?」
「そうですな……、約二月と言ったところでしょうか……」
平然と受け答えするヘッケンだが、最悪の状況を想定しての話だ。長年仕えた家が討伐隊により取り潰しを受ける等、先代と先々代に顔向けが出来ないと考えている。
しかし、付け込まれる事を仕出かした以上何が起こるか分らないのだ。
「二カ月か……、やはり少なくとも一週間以内にブラストルアイクへ赴く必要がある。ロドム済まないがアランとダンに対し撤収の指示を出してくれ」
「承知致しました」
「最初のお仕事が随分と大きな物に為りそうですな」
「随分と嬉しそうだな」
「いえいえ、やり甲斐を感じる主人に仕える事が出来て幸せだと思ったまでで御座います」
「そうか、これから苦労掛けるが宜しく頼むぞ」
「はい、我が一族を上げて旦那様にお仕え致し、領地の繁栄の為身を捧げる所存でございます」
かくしてオリマッテは望んでも手に出来なかった右腕を手に入れた。すでに政務の停滞を予期していた彼にとって、その一族全てが手に入った事は負担軽減と共にさらなる発展を期待せずにはいられない。しかし、目の前に迫る危機は着実に近付いてきている事を予想せずにはいられなかった。
一方、アランとダンの二人は普段は決して身に付けない衣装で森の中を慎重に進んでいた。すでにこの地はどの国の支配も及ばない空白地帯であり、何が出て来ても不思議では無いからだ。
「おいおい、本当に得体の知れない物が出てきそうな気配じゃないか……」
「だね、本当に何でこんな場所にアジトを築いたんだか……」
二人は剣を抜き、途中で発見されないように道なき道を切り拓いて突き進む。
「そうでもしないと討伐部隊を送り込まれるからだろ」
「でもおかしいじゃないか、場所は判っていながらその部隊を送れない訳は何だろう」
「それはあれだろ、利害関係ってやつじゃね」
「でたよ、新しく学んだ言葉を使いたいアランが。それ少し前にウォーレンに教えてもらった言葉じゃないか」
「だが本当の事だろ。下手にヘンリー一家を潰してみろ、依頼を出せない貴族家が出てくるんだぞ。それに警備の予算だって減額されるかもしれない」
何事も必要悪が存在する。
盗賊は平民にとって忌むべき存在だ。何しろ咎なき者から財産と命奪い、人を攫う。これに対し、取り締まる側は当然追い払おうとするだろう。しかし何事にもお金が掛かる。
取り締まる対象が居る限り予算は確保され続け、規模が大きくなれば更為る増額も見込まれる。だが、もし対象が消滅すればどうなるか。規模の縮小、予算の減額、下手をすれば必要最小限を残し全てを廃止とされるかもしれない。
加えて盗賊は裏で貴族からの依頼を受けて襲撃を行う事だってある。勿論搾取される平民がその事を知る由もない。善良な国民は、貴族たち支配者層が盗賊から守ってくれていると信じているのだから。
「それは不味いね。それでさ、そろそろアジトが見えてきても良いと思うんだけどさ」
「ああ、気配がまるで感じられないな」
今まで道を切り開いてきたのだが、人間が住む周辺ならば木々が伐採されていても良い筈だ。だがそれが一切ない事に二人は不安な表情を浮かべる。
「もう少し奥だろう」
「だろうね」
しかし、行けども剣で道を切り開くばかりとあれば不安は増加する。
そして間違いなくアジトと目される場所に辿り着いてしまった。
「おいおい、どうなってんだ?」
「おかしいよ、これ……」
二人がアジトと言われていた場所は明らかに人が住んでいた形跡が残っている。
「ここにヘンリー一家が住んでるんだよな?」
「その筈だよ。でも、この光景を見て住んでいるなんて言えないよね……」
今出払っているというものではない。それこそ何年も人が戻らない事を示すが如く蔦が絡み、苔が生えていた。二人はしばらく呆気に取られると徐にアランがアジトに近付く。
「ア、アラン?」
「調べるぞ。旦那様からの命令はヘンリー一家の調査だ。だけど人が住んでいた形跡があるだけでした。なんて報告は出来ない」
「う、うん。分ったよ」
「だけど注意しろよ。人の気配が無いのだからな」
二人は意を決しアジトの調査を始める。
アジトはこの森を利用した構造と為っていて、守備側に非常に有利なものだった。入口は狭く、大軍で攻め込んでも一対一で戦わなければならない。まさにアジトとしては申し分のない立地だった。
二人はアランを先頭に奥へと移動する。その際小部屋なども漏れる事なく調査は怠らない。
「居ないな」
「居ないね……、それに物が無い」
賊の生態を知らない二人だが、ここまで綺麗に物が無いのは違和感を植え付けるに他ならない。その後、警戒しつつ調べても痕跡が一切見付けられなかった。
「至急戻るぞ」
「うん、そうだね」
この違和感は尋常ではないと二人の中で意見の一致を見た。
その為帰還の途につく二人の行動は素早かった。
切り開いた道を只管駆け、馬を繋いだ場所まで戻る。
「随分と早く戻ったな」
「ロ、ロドム隊長!?」
「えっ、どうしてここに?」
二人が驚くのも無理はない。本来訪れない人物が自分達が乗って来た馬に餌を与えていたのだから。
「旦那様より帰還命令が出た。お前たちも重大な報告が有るのだろう。直ちにハーシュへと戻るぞ」
「わ、わかりました!」
「承知しました!!」
三人は急ぎハーシュへと移動する。
理由は分らないがロドムが二人を迎えに来た事で程度を悟る二人の顔は真剣そのものだった。
ロットロン男爵領の中心地ハーシュのさらに中央に存在する屋敷の執務室に於いて、オリマッテ・ロットロンは深刻な人材不足に頭を悩ませていた。中でも自身の右腕と為る人材を喉から手が出るほど求めるが、現実は非常に厳しい。高待遇の募集によって応じる者は多数存在するが、いざ試験を行うと基準に満たない者だらけだった。
本来ならある程度の教養があれば採用されるのだが、それを受けた貴族が募集に応じる事が無かったのだ。
その訳は彼の出自に起因する。
元商人が貴族と為った事もそうなのだが、ブラスト辺境伯が有する領地の中でも上位に入る優良な場所を与えられた事で周囲の嫉妬を一身に受けてしまったのだ。これがブラスト辺境伯の策略ではないかと一時考えた事もあるが、その様な人物ではない事を彼は十分理解している。そして二人で話し合った時に納得し得る回答を得た事も更なる理解につながる。
簡単に言えば周囲の嫉妬に晒されることは重々承知している。だからこそ周囲も同情する程厳しい条件を課し、それを成し遂げる事で誰にも言わせない実績を作れとの事だった。それを受け、オリマッテはブラスト辺境伯の考えとその先にある考えを汲み噛付いてでも成功させようと堅く誓う。
それでも如何ともし難い人材不足が彼を苦しめる中、思わぬところから幸運が齎される。
「初めまして、ロットロン男爵様」
「此方こそ、ようこそ参られたポールトン殿!?」
オリマッテは目の前に座る老人を執務室に招き入れたときから気持ちを落ち着けようと努めるが、それだけで如何にか為らないほど声が裏返ってしまった。同伴するロドムは努めて冷静に、本人は顔を真っ赤にしてしまった。
対して老人は微笑ましそうに眺めるだけだった。
「し、失礼した」
「ホッ、ホッ、ホッ、お気に為さいますな。私はただの受験者であり、男爵様はここハーシュを中心とした領地を立派に治められる領主様でございます」
「いや、そうはいかん。確かに立場はポールトン殿の仰る通りだが、私が踏ん反り返る等考えられない」
「そうでしょうな、それこそがロットロン男爵様の良い所です。常に民の事を第一に考え、自らを犠牲にしても事を成そうと必死に努力する。だからこそ従来の貴族は貴方に嫉妬し危険視する。私にはそれが眩しく、尊敬致します」
老人の言葉にオリマッテは驚いた。
別に誇る事はしなくとも理解してくれる者が居てくれた。それが有名な人物から評価された事が彼には何より嬉しいのだ。そして、彼の成した事を褒めるだけではなく、窮状まで理解されていた事に感動した。
「そこまでの評価をいただき感謝申し上げる」
「その言葉は有り難く受け取りましょう。さて、男爵様」
老人は姿勢を正すとオリマッテに真剣な面持ちで向かい合う。対し彼と後ろに控えるロドムも緊張感に気持ちを切り替える。
「私はアレン・ドーソン男爵の元執事として仕えておりました。しかし、彼の仕出かした事に対し呆れ果て、見限り此方へと赴いた次第です」
「その事を詳しく話せるかね?」
「勿論、と言いたいのですが一つお約束頂きたい」
「何かな、出来る事はするつもりだ」
「有難う御座います。私を始めとした一族の保護を宣言して頂きたいのです」
「保護、か……」
保護とは額面通りの意味ではない。
ポールトン家の場合、ドーソン男爵家を見限って出奔している。そのお陰でドーソン男爵領は大混乱と為っている。特に当主のアレン・ドーソンは癇癪持ちの我儘領主である為彼を始めとした一族に対する恨みは凄まじい。その彼がする事と言えば暗殺である。
彼一人なら人生も残り僅かと腹を括れるが、曾孫が誕生している以上安心して生活出来る後ろ盾が必要だった。
そこで新たな主人オリマッテ・ロットロンが一族の保護を行う事で、ポールトン家一族に対し一切手出しさせなくするのだ。これに対し、保護宣言した者は一族全てを手にする事が出来る。
この場合オリマッテはポールトン家の実務能力者全てを抱え込む事と為る。彼としては望むべき人材を得る事で結果を出す契機とする事が出来る。
だがその分デメリットも生じる。それはドーソン男爵家と敵対するという保護する事で手出し出来ず、その怒りを一手にオリマッテが引き受ける事と為る。
これらは王国内で決められたルールである為、理性ある貴族は思い留まるのが通例である。もし破った場合その家は貴族としての見識を疑われ、最悪お家取り潰しという思い結果を受け入れなければならない。以上の事から保護を宣言して貰う場合、多くの代償を双方が供給せねばならず中々出来る事ではない。
「ええ、僭越ながらロットロン男爵家は人手不足が深刻だと認識しております。特に男爵様の右腕と為り支える人間が」
「うむ、その認識で間違いない」
「私を始めとした一族郎党、ご存分にお使い下され。必ずやここの発展に寄与するとお誓い致します」
「ふむ、まああの家と今更決裂したところで問題は無い。保護に関してはすぐにでも行うとしよう」
オリマッテはすでに盗賊の襲撃を受けている為ドーソン男爵家との関係など無いと考えている。そもそも相手が勝手に嫉妬し毛嫌いしている為良好な関係など一度として無いのだ。
それもあり、両家はいつ武力衝突しても不思議ではないほど緊張感が高まっている。
その為オリマッテとしては十分な大義名分を得られるだけの証拠を集めた瞬間主人のブラスト辺境伯へと報告し討伐命令を得る腹積もりだった。
言っては悪いが、ブラスト辺境伯から頂き心血を注ぎ開発している領地を戦場にしたくないと彼は考えている。だからこそ相手の領地を攻め報復するつもりだった。
しかしこれは最終手段である。ここに至るまでにはまだ何段階も在るためそこで事が終われば御の字であった。
簡単に攻める事が出来ない訳がもう一つある。
それはドーソン男爵家が王家の直臣である事が原因である。ブラスト辺境伯も直臣である為、共に王家の臣下として仕える立場は同じなのだ。ただ爵位が異なるだけで、それをブラスト辺境伯の家臣たるオリマッテが勝手にドーソン男爵家に対し軍事的行動を執る事は王家に対し弓引く行為ど同様の意味と受け取られてしまう。
もちろん相手側も同じ理屈で易々と攻めて来る事は無い。
「有難う御座います。さて、旦那様の尤も知りたい事でしたな。あの襲撃に関し、間違いなくアレン・ドーソン本人が依頼した事を私に対し喋りました」
「なるほど、これで決定的と言えるな。それとこれを見て貰いたい」
然して驚きもしなかったオリマッテは以前盗賊から手に入れた指令所をヘッケン・ポールトンに見せる。すると彼は驚愕した。
「こ、これは!?」
「それはブラストルアイクより帰還する私のルートが書かれている」
「ですが、これをドーソン男爵家が調べ挙げられるとは思えませぬ。そもそもこの件について私はおろか、誰一人知らされていないものでした!」
「それは重々承知している」
二人はアレン・ドーソンについて多少の認識差はあっても結論は一致している。
「その様な細かい芸当が出来る人物でなはない」というものだ。
だからこそ彼は驚愕しているのだ。
「私への襲撃は一切ドーソン男爵家家中で知らされていなかったのだな?」
「はい。もしその様な謀が進められていれば私の耳に入ります。そして身を挺してでもお止します」
「そうか、ならば」
そして二人は頷き合うと示し合わせたように同じ意味の言葉を発する。
「諭した者がいる」
「協力者がいますな」
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「では誰だと思うかね?」
「分りません。そもそもこの移動経路を熟知している者が居るとは思えません」
「だろうな。あるとすれば幾度となく移動した事を知る者となる。その点で言えば辺境伯が怪しく思えるが、まずあり得ない」
家臣を襲わせる事にメリットを見出せない。その言葉にヘッケンは同意する様に頷いた。
それを立ったまま見詰めるロドムはようやくオリマッテの相談相手が誕生した事に安堵する。
「となると、王都に巣くう貴族と為りますかな?」
「中央の政争に使われたと?」
「はてさて。私は詳しくはありませんが、どうにも一襲撃で収まる気がしないのです。もっと大きな、この事がほんの小さな切っ掛けの様にも思えますな」
まるでフラグの如く語るヘッケンにオリマッテは顎に手を当て、その言葉を反芻する。
ドーソン男爵家はロットロン男爵家と比べるのも失礼な名家である。当主の問題で没落気味ではあるが、それでも国内の貴族で知らぬ者の居ない家柄なのだ。その当主がデメリットの大きい行為に及ぶ事こそ有り得ないと考えた。何かしら利益を得なければ貴族は動きが鈍いと商人時代からの経験から彼は考え、それは商人も同じだと思わず笑みを浮かべてしまった。
「私は調査が完了し次第辺境伯へ報告する予定だったが、この時点で報告と相談に赴くとするか」
「それがよろしいかと。大旦那様が知らないと為ると中央の想いのままに動かれてしまう可能性が有ります」
「例えばどの様な事が考えられる?」
「あるとすればこの事を口実にドーソン男爵家に対し王国騎士団を動員した討伐でしょうか……」
ヘッケンは仮に中央の考えが在ってと断りを入れてから自身の考えを話した。
王国騎士団は王都を拠点とする王国の中核を成す戦闘集団である。他国の騎士団とは一線を画し、国軍と呼べる戦力なのだ。
ヘッケンはその一部隊が動員されるのではないかと予想した。
「馬鹿な、それはまるでドーソン男爵家が反逆したと言っている様な物だぞ」
「確かに旦那様は王家の直臣では御座いません。ですが、直臣たるブラスト辺境伯の家臣です。つまり領地持ち貴族の全ては王家の直臣という事と同義である為、十分な大義名分となります」
「か、仮にだ。討伐隊の編成が為された場合、どの程度で此方へとやって来る?」
「そうですな……、約二月と言ったところでしょうか……」
平然と受け答えするヘッケンだが、最悪の状況を想定しての話だ。長年仕えた家が討伐隊により取り潰しを受ける等、先代と先々代に顔向けが出来ないと考えている。
しかし、付け込まれる事を仕出かした以上何が起こるか分らないのだ。
「二カ月か……、やはり少なくとも一週間以内にブラストルアイクへ赴く必要がある。ロドム済まないがアランとダンに対し撤収の指示を出してくれ」
「承知致しました」
「最初のお仕事が随分と大きな物に為りそうですな」
「随分と嬉しそうだな」
「いえいえ、やり甲斐を感じる主人に仕える事が出来て幸せだと思ったまでで御座います」
「そうか、これから苦労掛けるが宜しく頼むぞ」
「はい、我が一族を上げて旦那様にお仕え致し、領地の繁栄の為身を捧げる所存でございます」
かくしてオリマッテは望んでも手に出来なかった右腕を手に入れた。すでに政務の停滞を予期していた彼にとって、その一族全てが手に入った事は負担軽減と共にさらなる発展を期待せずにはいられない。しかし、目の前に迫る危機は着実に近付いてきている事を予想せずにはいられなかった。
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「おいおい、本当に得体の知れない物が出てきそうな気配じゃないか……」
「だね、本当に何でこんな場所にアジトを築いたんだか……」
二人は剣を抜き、途中で発見されないように道なき道を切り拓いて突き進む。
「そうでもしないと討伐部隊を送り込まれるからだろ」
「でもおかしいじゃないか、場所は判っていながらその部隊を送れない訳は何だろう」
「それはあれだろ、利害関係ってやつじゃね」
「でたよ、新しく学んだ言葉を使いたいアランが。それ少し前にウォーレンに教えてもらった言葉じゃないか」
「だが本当の事だろ。下手にヘンリー一家を潰してみろ、依頼を出せない貴族家が出てくるんだぞ。それに警備の予算だって減額されるかもしれない」
何事も必要悪が存在する。
盗賊は平民にとって忌むべき存在だ。何しろ咎なき者から財産と命奪い、人を攫う。これに対し、取り締まる側は当然追い払おうとするだろう。しかし何事にもお金が掛かる。
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加えて盗賊は裏で貴族からの依頼を受けて襲撃を行う事だってある。勿論搾取される平民がその事を知る由もない。善良な国民は、貴族たち支配者層が盗賊から守ってくれていると信じているのだから。
「それは不味いね。それでさ、そろそろアジトが見えてきても良いと思うんだけどさ」
「ああ、気配がまるで感じられないな」
今まで道を切り開いてきたのだが、人間が住む周辺ならば木々が伐採されていても良い筈だ。だがそれが一切ない事に二人は不安な表情を浮かべる。
「もう少し奥だろう」
「だろうね」
しかし、行けども剣で道を切り開くばかりとあれば不安は増加する。
そして間違いなくアジトと目される場所に辿り着いてしまった。
「おいおい、どうなってんだ?」
「おかしいよ、これ……」
二人がアジトと言われていた場所は明らかに人が住んでいた形跡が残っている。
「ここにヘンリー一家が住んでるんだよな?」
「その筈だよ。でも、この光景を見て住んでいるなんて言えないよね……」
今出払っているというものではない。それこそ何年も人が戻らない事を示すが如く蔦が絡み、苔が生えていた。二人はしばらく呆気に取られると徐にアランがアジトに近付く。
「ア、アラン?」
「調べるぞ。旦那様からの命令はヘンリー一家の調査だ。だけど人が住んでいた形跡があるだけでした。なんて報告は出来ない」
「う、うん。分ったよ」
「だけど注意しろよ。人の気配が無いのだからな」
二人は意を決しアジトの調査を始める。
アジトはこの森を利用した構造と為っていて、守備側に非常に有利なものだった。入口は狭く、大軍で攻め込んでも一対一で戦わなければならない。まさにアジトとしては申し分のない立地だった。
二人はアランを先頭に奥へと移動する。その際小部屋なども漏れる事なく調査は怠らない。
「居ないな」
「居ないね……、それに物が無い」
賊の生態を知らない二人だが、ここまで綺麗に物が無いのは違和感を植え付けるに他ならない。その後、警戒しつつ調べても痕跡が一切見付けられなかった。
「至急戻るぞ」
「うん、そうだね」
この違和感は尋常ではないと二人の中で意見の一致を見た。
その為帰還の途につく二人の行動は素早かった。
切り開いた道を只管駆け、馬を繋いだ場所まで戻る。
「随分と早く戻ったな」
「ロ、ロドム隊長!?」
「えっ、どうしてここに?」
二人が驚くのも無理はない。本来訪れない人物が自分達が乗って来た馬に餌を与えていたのだから。
「旦那様より帰還命令が出た。お前たちも重大な報告が有るのだろう。直ちにハーシュへと戻るぞ」
「わ、わかりました!」
「承知しました!!」
三人は急ぎハーシュへと移動する。
理由は分らないがロドムが二人を迎えに来た事で程度を悟る二人の顔は真剣そのものだった。
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