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マルベールは物音一つしない静けさに包まれていた。当初は勢いに乗って突入した騎兵も中頃まで進むとあまりの異様さに動きを止める。
「どうなっているんだ?」
「人の気配が感じられない……家々の窓は木板で閉じられ、中を窺うには破壊するしかなく、とても確認する事は出来ない。どうする?」
五番の目状に造られた街並みは見通しの良いまっすぐな道であり、それが無人となると恐ろしさすら覚える。それに本来ならなくてはならない物がそこにはない。
「仕方がない……、目的地の館へと向かうぞ!!」
この部隊の指揮を任されているマーカーンは六十名からなる騎兵を引き連れ移動を開始する。この時点で彼等に勝ったという認識は消え去っている。グレア・コーンスッドと同様に異様な空気を肌で感じていたからだ。そして気を引き締め目的地へと移動すると信じられない物が姿を現した。
「んっ、何だこの揺れは……?」
地面から馬に振動が伝わり、突き上げるような感覚が彼等を動揺させる。すると突如館が崩れ始め、中から大きな岩の塊が姿を現した。
「な、何なんだこれは……」
人の形をしつつも異様に大きな存在が正座する様に収まっていた。
「グフフッ、我がドーソン男爵家の最終兵器だ!!」
人間でいえば心臓部にアレン・ドーソンの姿が在った。だがとても正気とは思えぬほど目はイッている。
「アレン・ドーソンだ! 居たぞ!!」
「ふん、我が名を呼び捨てにするとわ!! その態度万死に値する!!」
アレンは心臓部内へ入ると、突如岩の人形が稼働し始める。今迄は正座の体勢であった為館の大きさで留まっていたが、立ち上がるとその倍以上は有り、城壁外部からもハッキリ姿を確認出来る。
「なっ、なんであれが此処に在るのだ!!」
その姿を見た中で真っ先に声を上げたのはグレア・コーンスッドだった。誰もが人形を知らない中、彼だけはその姿を目にした事があるからだった。
「な、何だのだ。何なのだ、あれは!!」
「落ち着け、司令官殿。あれはハバスロット帝国の兵器だ」
「ハバスロット帝国!?」
その言葉にこの場に居る者たちが動揺する。何しろその名がここで出る事自体有り得ないと考えられているからだ。
「一体何なのです?」
「我が国は銃に於いて最先端を行くのに対し、ハバスロット帝国は産出される土石の加工技術に長けている。それを軍事転用したのがあの石製兵器だ」
「兵器なのですか!?」
「そうだ。あれは大勢の血で動かす、最悪の兵器だ……」
あまりの動揺にアプリットとグレアの言葉使いは逆転していた。そしてアプリットは気付く、グレアの体が小刻みに震えている事に。それを尋ねようとしたところ、兵器が暴れ始める。腕を大きく振り上げると拳を武器に振り下ろす。その衝撃音は凄まじく、建物は木っ端微塵に粉砕され粉塵が巻き起こる。
「あれに対抗するため、我が国は銃と大砲の技術に傾倒した」
「つ、つまり通常の部隊では太刀打ち出来ないと言う事ですか?」
「ああ、外側からの攻撃は一切通じない。有るとすれば内部に潜り込み操縦者を倒せば停止する」
そう話している間にも兵器は無造作に腕を振り上げ建物を破壊し、瞬く間にマルベールが廃墟へ近付いていた。
「え、ええい怯むな! 王国騎士団の力を見せるのだ!! 構えっ! 放てー!!」
城壁上部に部隊を動かした弓兵は指揮官の指示の下、矢を構えると一斉に放った。的が大きく、彼等の技量で『外せ』と注文する方が難しいほど当てる事は簡単だった。しかし、金属同士がぶつかる音が聞こえると全ての矢が地面に落下するのが見えた。彼等はその様な事と知らない為、全く弓が通じない事に大きな混乱に陥ってしまう。それを見てアプリットは決断する。
「退けっ!! 一度マルベールから退け!!」
アプリットはここに到り撤退の合図を出させる。すぐさま合図を出すと我先にと王国騎士団の兵士たちがマルベールを跳び出して来る。それを追う為に兵器も移動を始めるが、まだまだ進路上には建物が健在とあっては破壊しながら進むしかない。それが時間稼ぎと為り部隊の集結を行う事が出来た。
「一体どうすれば……」
「サラ・フロランスの銃兵部隊があればいいのだが、今から伝令を向かわせても……」
グレアもあの時の判断が間違っているとは思っていない。何しろ貴重に幾つも言葉を重ね合わせるほど貴重な部隊であり、未来の中核となる者たちなのだ。それを一人でも倒されることになれば王国にとって大損失と為ってしまう。だが今この場ではその部隊の力が必要不可欠であった。
「でかい、あれがゴーレム?」
「何を言っているの? ゴーレムって何よ?」
期せずしてサラの部隊を含む五百名からなる別動隊がマルベールに近付いていた。遥か彼方から見えるほど大きく暴れる兵器を見て孝雄実はこの異世界では普通にあるのだと感心していた。ところが隣を進むエレオノーラは孝雄実の言葉に首を傾げた。
「えっ、ゴーレムじゃないの?」
「だからゴーレムって何よ? そもそもあんな物見た事ないわ……」
初めて見る異質な存在に彼女は思わず体が震えていた。
「ゴーレムとはどんなものなのでしょうか?」
「えっ?」
気付けば近くにサラとマリアンに加え、各隊長が集まっていた。その後、孝雄実は自らが知る空想上の存在について説明を行った。皆は一様に聞き漏らすまいと耳を傾ける。
「つまりあれは敵という事ですわね」
「当然そうなりますね」
この部隊の指揮官はサラであり、彼女の意のままに動くのが彼等の役目である。その彼女が敵と認めたからには戦う必要が在った。
「姉様、あの様な化け物に我が銃兵部隊が通じるのでしょうか?」
マリアンはサラに問い掛けたが、それをそのまま視線で孝雄実へと回す。その視線に全員の目が彼に注がれた。
「え、えっと……、通じるか通じないかはやってみないと分らないかと……」
おっかなびっくり話す孝雄実にサラは決断する。
「ここに居てもあのゴーレムは消えないのでしょう? ならば前方に居る部隊と合流し方法を考えなければなりませんわね」
そこで銃兵を前に立て射程に入り次第攻撃する事も決められた。そこにはエレオノーラと孝雄実も参加し、周囲から疑問の目が向けられていたが、マリアンがその芽を摘んでいた。その後駆け足で移動する別動隊は遂に後退する本隊と合流を果たす。
「フロランス少佐!?」
「あら、エルノアン司令官。良かったですわ、合流が早く出来ました」
サラは落ち着いた声で彼らの到着を喜んだ。そこには多くの兵士たちも存在し皆一様に恐怖を体験した表情を浮かべていた。
「こちらも幸いだ。よく部隊を動かしてくれた!!」
「ええ、まさかあの様なゴーレムが出現するだなんて予想外でしたけれど」
「ゴーレム?」
「ええ、此方の近藤孝雄実がゴーレムと説明してくれましたわ」
その刹那、グレアは孝雄実の胸倉を掴み上げる。孝雄実はその突然の行動に全く動けず、周囲も茫然とその光景を見ていた。
「ゴーレムだと!? 貴様、ハバスロット帝国の石製兵器をその様な名で呼ぶとはっ、帝国のスパイか!!」
「ち、ちがっ!?」
違う、と応えようとするもグレアの力が強く思うように言葉が出なかった。エレオノーラは慌て、周囲はグレアの殺気に凍り付いていた。
「コーンスッド殿、その位で手をお放し下さい」
サラは周囲の空気に飲まれる事なくグレアの手首に手を当てると、ゆっくりと彼の手首を下ろす様促す。
「ですが……」
「彼はロットロン男爵に仕える者です。此方のエレオノーラはロットロン騎士団に所属しています。ハーシュに於いて私が部隊に入る様に要請したのです。それと、彼がゴーレムと呼んだ理由はまた違った認識からだと考えています」
「違った理由?」
「ええ、ですが先ずはあの化け物を倒さなければなりませんね」
ようやく進路を確保し、ゆっくりと近づく石製兵器がその巨体を現した。
「どうなっているんだ?」
「人の気配が感じられない……家々の窓は木板で閉じられ、中を窺うには破壊するしかなく、とても確認する事は出来ない。どうする?」
五番の目状に造られた街並みは見通しの良いまっすぐな道であり、それが無人となると恐ろしさすら覚える。それに本来ならなくてはならない物がそこにはない。
「仕方がない……、目的地の館へと向かうぞ!!」
この部隊の指揮を任されているマーカーンは六十名からなる騎兵を引き連れ移動を開始する。この時点で彼等に勝ったという認識は消え去っている。グレア・コーンスッドと同様に異様な空気を肌で感じていたからだ。そして気を引き締め目的地へと移動すると信じられない物が姿を現した。
「んっ、何だこの揺れは……?」
地面から馬に振動が伝わり、突き上げるような感覚が彼等を動揺させる。すると突如館が崩れ始め、中から大きな岩の塊が姿を現した。
「な、何なんだこれは……」
人の形をしつつも異様に大きな存在が正座する様に収まっていた。
「グフフッ、我がドーソン男爵家の最終兵器だ!!」
人間でいえば心臓部にアレン・ドーソンの姿が在った。だがとても正気とは思えぬほど目はイッている。
「アレン・ドーソンだ! 居たぞ!!」
「ふん、我が名を呼び捨てにするとわ!! その態度万死に値する!!」
アレンは心臓部内へ入ると、突如岩の人形が稼働し始める。今迄は正座の体勢であった為館の大きさで留まっていたが、立ち上がるとその倍以上は有り、城壁外部からもハッキリ姿を確認出来る。
「なっ、なんであれが此処に在るのだ!!」
その姿を見た中で真っ先に声を上げたのはグレア・コーンスッドだった。誰もが人形を知らない中、彼だけはその姿を目にした事があるからだった。
「な、何だのだ。何なのだ、あれは!!」
「落ち着け、司令官殿。あれはハバスロット帝国の兵器だ」
「ハバスロット帝国!?」
その言葉にこの場に居る者たちが動揺する。何しろその名がここで出る事自体有り得ないと考えられているからだ。
「一体何なのです?」
「我が国は銃に於いて最先端を行くのに対し、ハバスロット帝国は産出される土石の加工技術に長けている。それを軍事転用したのがあの石製兵器だ」
「兵器なのですか!?」
「そうだ。あれは大勢の血で動かす、最悪の兵器だ……」
あまりの動揺にアプリットとグレアの言葉使いは逆転していた。そしてアプリットは気付く、グレアの体が小刻みに震えている事に。それを尋ねようとしたところ、兵器が暴れ始める。腕を大きく振り上げると拳を武器に振り下ろす。その衝撃音は凄まじく、建物は木っ端微塵に粉砕され粉塵が巻き起こる。
「あれに対抗するため、我が国は銃と大砲の技術に傾倒した」
「つ、つまり通常の部隊では太刀打ち出来ないと言う事ですか?」
「ああ、外側からの攻撃は一切通じない。有るとすれば内部に潜り込み操縦者を倒せば停止する」
そう話している間にも兵器は無造作に腕を振り上げ建物を破壊し、瞬く間にマルベールが廃墟へ近付いていた。
「え、ええい怯むな! 王国騎士団の力を見せるのだ!! 構えっ! 放てー!!」
城壁上部に部隊を動かした弓兵は指揮官の指示の下、矢を構えると一斉に放った。的が大きく、彼等の技量で『外せ』と注文する方が難しいほど当てる事は簡単だった。しかし、金属同士がぶつかる音が聞こえると全ての矢が地面に落下するのが見えた。彼等はその様な事と知らない為、全く弓が通じない事に大きな混乱に陥ってしまう。それを見てアプリットは決断する。
「退けっ!! 一度マルベールから退け!!」
アプリットはここに到り撤退の合図を出させる。すぐさま合図を出すと我先にと王国騎士団の兵士たちがマルベールを跳び出して来る。それを追う為に兵器も移動を始めるが、まだまだ進路上には建物が健在とあっては破壊しながら進むしかない。それが時間稼ぎと為り部隊の集結を行う事が出来た。
「一体どうすれば……」
「サラ・フロランスの銃兵部隊があればいいのだが、今から伝令を向かわせても……」
グレアもあの時の判断が間違っているとは思っていない。何しろ貴重に幾つも言葉を重ね合わせるほど貴重な部隊であり、未来の中核となる者たちなのだ。それを一人でも倒されることになれば王国にとって大損失と為ってしまう。だが今この場ではその部隊の力が必要不可欠であった。
「でかい、あれがゴーレム?」
「何を言っているの? ゴーレムって何よ?」
期せずしてサラの部隊を含む五百名からなる別動隊がマルベールに近付いていた。遥か彼方から見えるほど大きく暴れる兵器を見て孝雄実はこの異世界では普通にあるのだと感心していた。ところが隣を進むエレオノーラは孝雄実の言葉に首を傾げた。
「えっ、ゴーレムじゃないの?」
「だからゴーレムって何よ? そもそもあんな物見た事ないわ……」
初めて見る異質な存在に彼女は思わず体が震えていた。
「ゴーレムとはどんなものなのでしょうか?」
「えっ?」
気付けば近くにサラとマリアンに加え、各隊長が集まっていた。その後、孝雄実は自らが知る空想上の存在について説明を行った。皆は一様に聞き漏らすまいと耳を傾ける。
「つまりあれは敵という事ですわね」
「当然そうなりますね」
この部隊の指揮官はサラであり、彼女の意のままに動くのが彼等の役目である。その彼女が敵と認めたからには戦う必要が在った。
「姉様、あの様な化け物に我が銃兵部隊が通じるのでしょうか?」
マリアンはサラに問い掛けたが、それをそのまま視線で孝雄実へと回す。その視線に全員の目が彼に注がれた。
「え、えっと……、通じるか通じないかはやってみないと分らないかと……」
おっかなびっくり話す孝雄実にサラは決断する。
「ここに居てもあのゴーレムは消えないのでしょう? ならば前方に居る部隊と合流し方法を考えなければなりませんわね」
そこで銃兵を前に立て射程に入り次第攻撃する事も決められた。そこにはエレオノーラと孝雄実も参加し、周囲から疑問の目が向けられていたが、マリアンがその芽を摘んでいた。その後駆け足で移動する別動隊は遂に後退する本隊と合流を果たす。
「フロランス少佐!?」
「あら、エルノアン司令官。良かったですわ、合流が早く出来ました」
サラは落ち着いた声で彼らの到着を喜んだ。そこには多くの兵士たちも存在し皆一様に恐怖を体験した表情を浮かべていた。
「こちらも幸いだ。よく部隊を動かしてくれた!!」
「ええ、まさかあの様なゴーレムが出現するだなんて予想外でしたけれど」
「ゴーレム?」
「ええ、此方の近藤孝雄実がゴーレムと説明してくれましたわ」
その刹那、グレアは孝雄実の胸倉を掴み上げる。孝雄実はその突然の行動に全く動けず、周囲も茫然とその光景を見ていた。
「ゴーレムだと!? 貴様、ハバスロット帝国の石製兵器をその様な名で呼ぶとはっ、帝国のスパイか!!」
「ち、ちがっ!?」
違う、と応えようとするもグレアの力が強く思うように言葉が出なかった。エレオノーラは慌て、周囲はグレアの殺気に凍り付いていた。
「コーンスッド殿、その位で手をお放し下さい」
サラは周囲の空気に飲まれる事なくグレアの手首に手を当てると、ゆっくりと彼の手首を下ろす様促す。
「ですが……」
「彼はロットロン男爵に仕える者です。此方のエレオノーラはロットロン騎士団に所属しています。ハーシュに於いて私が部隊に入る様に要請したのです。それと、彼がゴーレムと呼んだ理由はまた違った認識からだと考えています」
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