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第一章 国家消滅
第7話 綻び
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参謀三名と指揮官一名の話し合いは粛々と終わりを迎えた。
何しろこの日も攻撃し、王国軍を打ち破らなければならない。
師団本部内の空気はこれも時間の問題と考えられていて、とても敵領土へと侵攻している部隊とは思えなかった。
言うなれば独ソ戦におけるスターリングラード攻防戦に似ている戦況だ。
すべてがそうとは言えないが、都市と言う点に固執するあまり周囲を無防備にさらしてしまう。加えてソ連側は大きく部隊を迂回させ包囲すればいい。
スターリングラードと言う都市はその名が示す通り、第三帝国総統アドルフ・ヒトラーにとって占領せねばならない都市であった。誰が何と言おうともこの場を占領するべきという命令に従ったドイツ国防軍は夥しい犠牲を支払い敗退する。
イラバニア帝国はその状況に似ているが、それを知る者はいない。
この日も攻撃命令が下されると野砲による砲撃から始まった。
先鋒部隊と言うこともあり物資には余裕を持たせ、出来るだけ砲弾の不足が起こらないようにしていたが、この日は違った。毎回約一時間たっぷりと砲撃してから歩兵を進ませるのが帝国の戦術であった。しかしこの日はその半分で終わってしまい、突撃のラッパが鳴らされた。
「おいおい、今日はこれで終わりか?」
「確かに、撃ち過ぎな感はあったけどよ、今日はやけに早いよな」
「ああ、たしかにな。だけどよ。もしかしたら敵はあっという間に退いているかもしれないぜ」
「ああ、間違いない!」
とある部隊の会話だが、どこも似た様な会話が為されている。
「ほらお前ら! 突撃だ! 今日も帝国軍の強さをレイブル王国に見せ付けるぞ!」
末端兵士の抑え役である下士官も気が緩み始め、それは上から下まで満遍なく浸透していたのだった。しかし、これを正す機会は得られない。
この日も兵士らの会話の通り、あっけなく敵は撤退してしまった。
呆気なくとはいえ、王国側はそれなりの犠牲者を出している。だからか、帝国軍将兵は勝っている。順調に進んでいると考えるのも仕方がなかった。
その日の夜、フィーンを始め四名はゲーアン少佐が率いる連隊本部に集まっていた。
この日も勝ち祝勝会、というのであれば納得するが、彼らの表情は暗い。
「やはり敵は我らを引きずり込んでいる」
ゲーアンの言葉にフィーンたちは頷いた。
「はい。それに、やはり補給の面で支障が出始めました」
「余裕を持たせて物資を蓄え、臨んではいても残弾に若干影を落とし始めています」
「生産が遅れているのかね?」
「それが小官どもでは分かりかねるのです。何しろ一大尉という身分ではどうしても限界があります」
フィーンの言葉にゲーアンはもっともだと思いそれ以上の追及はしなかった。何しろ彼らは現場指揮官であり、補給などは師団本部の連中が取り仕切っていたからだ。
「ですが考えることはできます。おそらく補給線が伸び切ったのでしょう」
「補給線か……」
最も頭を悩ます問題として敵地における補給である。ましてや補給線というものほど繊細な物はない。
「フィーン大尉、補給はそんなに悪いのか?」
「今はまだ若干といった程度です」
「若干で砲撃時間が半分に減るということはよっぽどだと思うがな……」
ベリットの言葉に三人は笑う。
「ですが、後続部隊が到着すればこの状況も改善されるかもしれませんね」
ケールは三人に比べると若く、経験値が低かった。だからこそ出てくる楽観論にフィーンは首を横に振る。
「そうではないのだよ。ケール大尉。物資の規定値を満たしていないとなれば後続も似た様なものだ」
戦ってはいないが物資は消費する。前線へ最優先にあてがわれるが、その間に後続の部隊も規定数を満たすことで部隊は進んでいくのだ。行動スケジュールは常に前倒しになり、各部隊はその通りに進撃している。
しかし、物資というものは簡単に合わせられるものではなかった。生産という過程を経て各物資を集積し、まとめて輸送するシステムが帝国で採用されている。
それを踏まえれば、自ずとフィーンは答えを導きだせる。
では帝国軍の戦略はどうなっているのか。
この戦いに於いて、帝国軍は三個軍九個師団、都合十八万という人数を動員している。
一個師団の定数は二万名とされ、第一師団はその先鋒部隊として常に進撃していたのだ。
「補給を理由に停止することはできないか?」
「ゲーアン少佐、それは無理というものです。師団本部の連中が補給不足を認識しない限りそれを理由にはできません」
「だが今日の砲撃は三十分で終わったのだぞ」
「ですが、それでも突撃に際し味方の出した被害が少なすぎるのです……」
フィーンはその前の戦いに於ける砲弾消費量と人的被害を計算した。すると今回の方が人的被害は少なかったのだ。これではそれを理由に進撃停止を訴えても聞く耳を持つ者はいない。
しかし、彼らは生涯にわたり此処で諦めたことを後悔する事になるとは思いもしなかった。
栄光ある第一師団の快進撃に帝国臣民は狂喜乱舞し、戦闘に参加する将兵の士気は溢れんばかりであった。故に軍本部に於いて第一師団に追い付き、直ちに全面攻勢に打って出るべし。との命令が下されたのであった。
その第一師団に於いて、いくら連戦連勝と雖も兵士には休息が必要だった。疲労が蓄積しいざ決戦、となった場合使い物にならないのでは意味がない。だからこそ、翌日は警戒を厳としつつも束の間の休息が与えられた。
その間にも、王国は必勝の策を張り巡らせつつ、帝国が罠に掛かるのを待っている。
そして、この休息を活かしフィーンはケール大尉とゲーアン少佐と共に師団本部へと赴く。
「急な訪問だな、どうしたというのだ」
第一師団師団長ヘーゼン・リク中将はフィーンら三名を睨み付けるかのように問い掛けた。
この時に於いて、各連隊から隊長格の人間がやって来ているのだ。あまりいい内容ではないと瞬時に悟った。
「はっ! 実践指揮官として師団長閣下に意見具申を致したく」
この休息は四名には好機であった。いつ開かれるかわからない作戦会議よりも……
「ふむ、聞こう……」
ゲーアンの言葉にヘーゼンは息を吐き出した。
「ではフィーン大尉頼む」
「はっ! 僭越ながら師団長閣下に申し上げます。こちらをご覧ください」
フィーンはヘーゼンに一枚の用紙を手渡し、説明を始める。
「率直に申し上げます。第一師団は敵地に於いて突出致しております」
「うむ。それは確認済みだ。それで?」
「このまま進撃致しますと後方との連携が取れなくなりましょう。また、補給の面においても不安があります」
フィーンは短時間ながら補給という面で実数を導き出し、この場に臨んでいた。
「なるほど。モール少佐は優秀な副官を有している。よくぞここまで調べ上げた」
言葉ではフィーンを褒めているヘーゼンだが、表情はそれと言うべきものではない。
「一つ目だが軍司令部より通達があった。我が第一師団の快進撃に鑑みスケジュールを繰り上げ、全軍をもって王都を目指すとのことだ」
「ま、真ですか!」
「ああ、今朝方知らせがあった。だからこそ今日は休息日としたのだ」
フィーンはヘーゼンの言葉に納得する。
「しかし、全軍でとのことですが、補給は如何いたしましょう?」
「それについても心配無用だよ、大尉。帝国内で生産の拡大が始まり、後方に於いて物資の集積が昼夜兼行で行われているそうだ。程無くして軍全体に物資が充填されるだろう」
「だろう…… ですか」
「ああ、何か不服かな?」
「いえ、不服などございません!」
「よかろう、ならば明日の攻勢に向けて貴官らは出来るだけのことを為してもらう。話は以上かな?」
ヘーゼンの言葉で意見具申の機会は終わりを迎えた。師団本部も軍本部に至るまで連勝の影響からか浮かれていることが確認された。
その帰り、ゆっくりと馬を進める三名にあってゲーアンはフィーンに問い掛けた。
「フィーン大尉、貴官は王国がどのような手に出てくると考えているかね?」
「おそらく、部隊を後方に回し、挟撃ののち包囲殲滅……」
「典型だな……」
「帝国はレイブル王国を過小評価しています。三個軍の進撃で王都を陥落させるなど最初から無理な事だったのです……」
「ですが現状その綻びが全く見えていない」
合間を縫ってケールが述べるとフィーン頷いて答える
「ケール大尉の言う通りだ。王国の作戦指導は凄まじいと言わざるを得ない……」
「敵を褒めてどうする。この状況をどうするか。我々はそれを考えて行動するべきだ」
「結局作戦会議の場で発言するしかないということでしょうか」
「だろうな。だが、次行われるとすれば、軍本部による作戦会議だ。我々が参加することはないだろう……」
「となると。本格的に我々だけが生き残る道を模索する必要が出てきたということですか?」
「不本意ながらね…… だが、悲嘆にくれる必要はない。危惧していた後方部隊の到着という懸念は払拭されたのだ。後は我らが帝国軍を信じるのみかもしれないな」
希望は打ち砕かれ、彼らは自らが生き残るために戦うこととなる。
何しろこの日も攻撃し、王国軍を打ち破らなければならない。
師団本部内の空気はこれも時間の問題と考えられていて、とても敵領土へと侵攻している部隊とは思えなかった。
言うなれば独ソ戦におけるスターリングラード攻防戦に似ている戦況だ。
すべてがそうとは言えないが、都市と言う点に固執するあまり周囲を無防備にさらしてしまう。加えてソ連側は大きく部隊を迂回させ包囲すればいい。
スターリングラードと言う都市はその名が示す通り、第三帝国総統アドルフ・ヒトラーにとって占領せねばならない都市であった。誰が何と言おうともこの場を占領するべきという命令に従ったドイツ国防軍は夥しい犠牲を支払い敗退する。
イラバニア帝国はその状況に似ているが、それを知る者はいない。
この日も攻撃命令が下されると野砲による砲撃から始まった。
先鋒部隊と言うこともあり物資には余裕を持たせ、出来るだけ砲弾の不足が起こらないようにしていたが、この日は違った。毎回約一時間たっぷりと砲撃してから歩兵を進ませるのが帝国の戦術であった。しかしこの日はその半分で終わってしまい、突撃のラッパが鳴らされた。
「おいおい、今日はこれで終わりか?」
「確かに、撃ち過ぎな感はあったけどよ、今日はやけに早いよな」
「ああ、たしかにな。だけどよ。もしかしたら敵はあっという間に退いているかもしれないぜ」
「ああ、間違いない!」
とある部隊の会話だが、どこも似た様な会話が為されている。
「ほらお前ら! 突撃だ! 今日も帝国軍の強さをレイブル王国に見せ付けるぞ!」
末端兵士の抑え役である下士官も気が緩み始め、それは上から下まで満遍なく浸透していたのだった。しかし、これを正す機会は得られない。
この日も兵士らの会話の通り、あっけなく敵は撤退してしまった。
呆気なくとはいえ、王国側はそれなりの犠牲者を出している。だからか、帝国軍将兵は勝っている。順調に進んでいると考えるのも仕方がなかった。
その日の夜、フィーンを始め四名はゲーアン少佐が率いる連隊本部に集まっていた。
この日も勝ち祝勝会、というのであれば納得するが、彼らの表情は暗い。
「やはり敵は我らを引きずり込んでいる」
ゲーアンの言葉にフィーンたちは頷いた。
「はい。それに、やはり補給の面で支障が出始めました」
「余裕を持たせて物資を蓄え、臨んではいても残弾に若干影を落とし始めています」
「生産が遅れているのかね?」
「それが小官どもでは分かりかねるのです。何しろ一大尉という身分ではどうしても限界があります」
フィーンの言葉にゲーアンはもっともだと思いそれ以上の追及はしなかった。何しろ彼らは現場指揮官であり、補給などは師団本部の連中が取り仕切っていたからだ。
「ですが考えることはできます。おそらく補給線が伸び切ったのでしょう」
「補給線か……」
最も頭を悩ます問題として敵地における補給である。ましてや補給線というものほど繊細な物はない。
「フィーン大尉、補給はそんなに悪いのか?」
「今はまだ若干といった程度です」
「若干で砲撃時間が半分に減るということはよっぽどだと思うがな……」
ベリットの言葉に三人は笑う。
「ですが、後続部隊が到着すればこの状況も改善されるかもしれませんね」
ケールは三人に比べると若く、経験値が低かった。だからこそ出てくる楽観論にフィーンは首を横に振る。
「そうではないのだよ。ケール大尉。物資の規定値を満たしていないとなれば後続も似た様なものだ」
戦ってはいないが物資は消費する。前線へ最優先にあてがわれるが、その間に後続の部隊も規定数を満たすことで部隊は進んでいくのだ。行動スケジュールは常に前倒しになり、各部隊はその通りに進撃している。
しかし、物資というものは簡単に合わせられるものではなかった。生産という過程を経て各物資を集積し、まとめて輸送するシステムが帝国で採用されている。
それを踏まえれば、自ずとフィーンは答えを導きだせる。
では帝国軍の戦略はどうなっているのか。
この戦いに於いて、帝国軍は三個軍九個師団、都合十八万という人数を動員している。
一個師団の定数は二万名とされ、第一師団はその先鋒部隊として常に進撃していたのだ。
「補給を理由に停止することはできないか?」
「ゲーアン少佐、それは無理というものです。師団本部の連中が補給不足を認識しない限りそれを理由にはできません」
「だが今日の砲撃は三十分で終わったのだぞ」
「ですが、それでも突撃に際し味方の出した被害が少なすぎるのです……」
フィーンはその前の戦いに於ける砲弾消費量と人的被害を計算した。すると今回の方が人的被害は少なかったのだ。これではそれを理由に進撃停止を訴えても聞く耳を持つ者はいない。
しかし、彼らは生涯にわたり此処で諦めたことを後悔する事になるとは思いもしなかった。
栄光ある第一師団の快進撃に帝国臣民は狂喜乱舞し、戦闘に参加する将兵の士気は溢れんばかりであった。故に軍本部に於いて第一師団に追い付き、直ちに全面攻勢に打って出るべし。との命令が下されたのであった。
その第一師団に於いて、いくら連戦連勝と雖も兵士には休息が必要だった。疲労が蓄積しいざ決戦、となった場合使い物にならないのでは意味がない。だからこそ、翌日は警戒を厳としつつも束の間の休息が与えられた。
その間にも、王国は必勝の策を張り巡らせつつ、帝国が罠に掛かるのを待っている。
そして、この休息を活かしフィーンはケール大尉とゲーアン少佐と共に師団本部へと赴く。
「急な訪問だな、どうしたというのだ」
第一師団師団長ヘーゼン・リク中将はフィーンら三名を睨み付けるかのように問い掛けた。
この時に於いて、各連隊から隊長格の人間がやって来ているのだ。あまりいい内容ではないと瞬時に悟った。
「はっ! 実践指揮官として師団長閣下に意見具申を致したく」
この休息は四名には好機であった。いつ開かれるかわからない作戦会議よりも……
「ふむ、聞こう……」
ゲーアンの言葉にヘーゼンは息を吐き出した。
「ではフィーン大尉頼む」
「はっ! 僭越ながら師団長閣下に申し上げます。こちらをご覧ください」
フィーンはヘーゼンに一枚の用紙を手渡し、説明を始める。
「率直に申し上げます。第一師団は敵地に於いて突出致しております」
「うむ。それは確認済みだ。それで?」
「このまま進撃致しますと後方との連携が取れなくなりましょう。また、補給の面においても不安があります」
フィーンは短時間ながら補給という面で実数を導き出し、この場に臨んでいた。
「なるほど。モール少佐は優秀な副官を有している。よくぞここまで調べ上げた」
言葉ではフィーンを褒めているヘーゼンだが、表情はそれと言うべきものではない。
「一つ目だが軍司令部より通達があった。我が第一師団の快進撃に鑑みスケジュールを繰り上げ、全軍をもって王都を目指すとのことだ」
「ま、真ですか!」
「ああ、今朝方知らせがあった。だからこそ今日は休息日としたのだ」
フィーンはヘーゼンの言葉に納得する。
「しかし、全軍でとのことですが、補給は如何いたしましょう?」
「それについても心配無用だよ、大尉。帝国内で生産の拡大が始まり、後方に於いて物資の集積が昼夜兼行で行われているそうだ。程無くして軍全体に物資が充填されるだろう」
「だろう…… ですか」
「ああ、何か不服かな?」
「いえ、不服などございません!」
「よかろう、ならば明日の攻勢に向けて貴官らは出来るだけのことを為してもらう。話は以上かな?」
ヘーゼンの言葉で意見具申の機会は終わりを迎えた。師団本部も軍本部に至るまで連勝の影響からか浮かれていることが確認された。
その帰り、ゆっくりと馬を進める三名にあってゲーアンはフィーンに問い掛けた。
「フィーン大尉、貴官は王国がどのような手に出てくると考えているかね?」
「おそらく、部隊を後方に回し、挟撃ののち包囲殲滅……」
「典型だな……」
「帝国はレイブル王国を過小評価しています。三個軍の進撃で王都を陥落させるなど最初から無理な事だったのです……」
「ですが現状その綻びが全く見えていない」
合間を縫ってケールが述べるとフィーン頷いて答える
「ケール大尉の言う通りだ。王国の作戦指導は凄まじいと言わざるを得ない……」
「敵を褒めてどうする。この状況をどうするか。我々はそれを考えて行動するべきだ」
「結局作戦会議の場で発言するしかないということでしょうか」
「だろうな。だが、次行われるとすれば、軍本部による作戦会議だ。我々が参加することはないだろう……」
「となると。本格的に我々だけが生き残る道を模索する必要が出てきたということですか?」
「不本意ながらね…… だが、悲嘆にくれる必要はない。危惧していた後方部隊の到着という懸念は払拭されたのだ。後は我らが帝国軍を信じるのみかもしれないな」
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