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第 二章 冒険者ギルドとやっぱりのお約束

第 30話 魔物襲撃とやっぱりのお約束②

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    明日に向けて魔法や技を増やすかな。付与魔法もしっかり使える様にしときたいしね。明日死なない様に準備しますか。
 訓練場の隅で人に見られない様に確認してから修練を始める。

    「まずは、付与魔法からだ。」

エンチャント系から呪文を唱える。

「〈エンチャント・ファイア〉」

手に持つ剣に火を纏わせるイメージで魔力を放出する。体の中から魔力が抜けて剣に纏わりつくとバスタードソードの刃の部分が赤熱して薄く赤くなり熱を帯びている。

    (ピロ~ン♪『魔導の極み』により、付与魔法〈エンチャント・ファイア〉を覚えました。〈エンチャント魔法〉と〈剣術〉がそろったので『職業・魔法剣士』を得ました。)本気まじ

    おいおい、ここに来てそれかよ。多分、魔法剣士の方が上位職なんだろうが、いかんせんレベル一では大群相手には低すぎるから、明日終わってからクラスチェンジをするか考えよう。

    取り敢えず、一通り残りの呪文を覚えた。エンチャント系六種レジスト系七種をおぼえたよ。残念ながらエンチャントには、マルチロックに近い魔法は無かったけどね。

    呪文の習得が終わると、次は剣術〈神刀流〉の訓練だ。
地球での修行を思い出しながら、基本の型をくりかえす。ある程度納得いくまで繰り返す。暫くすると、
   
 (ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈剣術(神刀流)〉のレベルが上がりました。)

よし、これで神刀流の〈弾〉の技までは使えそうだ。次は『気』の修練だ。

    己の中にある『気』を操り体中に巡らした。そして体中を『気』の力で充たす。その状態のまま、型を繰り返す。
    集中力を保つのが厳しい。なんとか集中力が切れない様に続けた。かなり時間がたってから、

(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈操気術〉が上がりました。)

アナウンスがすると、気の扱いが途端に楽になった。    
    しかし、神刀流の上級の技を使うにはまだまだ力不足だ。身体レベルも剣術レベルも足りない。今日一杯ここで修練しよう。再び全身を気で充たして、剣にも気を通す。そのまま型をくりかえし技のイメージを固める。

    結局、その日は一日修練で終わった。夕食を取り、その夜は早めに寝た。

    「いよいよ今日か。」

    昨日は早く寝たお陰で、スッキリと起きられた。そのまま起きて顔を洗い、女将さんに鍵を渡す。

「アンタも迎撃に出るんだってね。無理せず、怪我しないようにね。」

心配してもらった。正直嬉しかった。女将さん達を護るためでも、十分やる気がでてきた。

    隣の飯屋でいつものモーニングを食べて八時前にギルドに着くと中は昨日よりも人が多かった。C班を呼ぶ声のもとに行くと、ざっと四十名程がいた。魔法使いは別に集められていて、ここにいるのは前衛タイプばかりだった。

    さて、実は当初『職業・剣士』でいく積もりだったが、あいてがゴブリン、オークがメインというので、やはり上級職の魔法剣士の必要性を考え剣士から魔法剣士つた変えた。そして、サブ職は僧侶にした。折角レベル3の回復魔法が使えるのなら〈光属性〉魔法にボーナスが付く僧侶の方が、回復量か上がって良いかなと判断したからだ。ただし職業レベルが低いのであまり前に立たない様にすることにした。
班のリーダーのギルドマスターに率いられ仮設の本部の前に陣取った。

    目の前二百メートル先に美しく銀色に光る鋼の鎧を着込み整然と隊列を組んでいるのは侯爵家の騎士団五百名その左側にA班、右側に団B班が集っていた。さすがに騎士の様にキチンと並ぶ事なく冒険者グループ毎に固まっていた。

    暫くすると、斥候として出ていた冒険者達が本部に駆け込み報告した。

    「敵集団は後二十分ほどでこちらに到着します。確認できたところで千以上です。」

    本部にいた隊長らしい身なりの良い男が報告を聞いて驚いている。
    おいおい、上に立つ者がそんなに周囲に動揺している所を見せてはいかんな。皆の士気に関わる。年若な様なので騎士団の若手かな?あとでマスターにでも聞いてみるか。

    なんて考えていると、ついに魔物の集団が森からやって来た。俺は周りに気付かれないように確認する。

    (マップ表示オン。〈サーチ・ゴブリン〉、・・・多いな。ざっと七、八百はいるな。幾つ削れるかな?
〈マルチロック〉う~ん、タゲるのが大変だよ。オーケー、タゲよし。〈ファイアアロー〉発射!)

    すると、敵の頭上に火の矢が三本ずつ降っていく。

(ピロ~ン♪『身体レベル』が上がりました。『魔導の極み』により、『職業・魔法剣士・僧侶』〈火属性魔法〉が上がりました。新しい魔法を覚えました。スキル〈ターンアンデッド〉を覚えました。)

    ざっと五百近くは倒せたかな。他の魔法使いからの魔法と同時に攻撃したので俺の魔法は判らなかったと思う。一部の魔法使いが不思議そうな顔をしていたが、当然ここは黙っておく。オークより弱いゴブリンの数を減らすためもう一回魔法を使う。

(〈マルチロック〉オーケー。〈ファイアアロー〉いけ!)

    ぼそぼそ、小さい声で呪文を唱える。再び敵の頭上から火の矢が降っていく。先程倒し損ねたゴブリンを軒並み倒した。

(ピロ~ン♪『身体レベル』が上がりました。『魔導の極み』により、『職業・魔法剣士・僧侶』〈魔力感知〉〈魔力操作〉〈火属性魔法〉が上がりました。新しい魔法を覚えました。)
    
    よし、身体レベルが一気に上がった。雑魚もこれであらかた片付いたし、後はゴブリンの上位種とオークたちだな。そろそろ、こちらの前衛とぶつかるのて、一旦
法はお休みだ。何時でも動けるように、自分に〈身体強化〉〈クイック〉〈シールド〉を掛ける。剣と体にも〈エンチャントウィンド〉を掛けて切れ味と素早さを上げる。あと矢よけにエアーカーテン〉を忘れずに味方に向けて次々とかける。さあ、バレない様に頑張りますよ。
















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