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第 二章 冒険者ギルドとやっぱりのお約束
第 31話 魔物襲撃とやっぱりのお約束③
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自分に〈身体強化〉〈クイック〉〈シールド〉〈エンチャントウィンド〉を掛ける。剣にも〈エンチャントウィンド〉を掛けて切れ味を上げる。あと矢よけに〈エアーカーテン〉を味方と自分にかけた。さあ、後はバレない様に頑張りますよ。
C班リーダーのゲオルグが大声で状況説明をする。
「味方の魔法使いの頑張りで先方のゴブリンは粗方片付いた。残りはゴブリンの上位種とオークどもだ。まだ数は多いが、一匹ずつ確実に倒していけ。いいか、そろそろ前衛がぶつかるころだ。」
そう、ゲオルグが言ったそばから剣同士がぶつかり合う金属音が喚声と共にし始めた。
「お、始まったな。今の所順調だな。」
ゲオルグは一人呟いている。その時、本部からの伝令が走りより、叫び声をあげる。
「報告します。オークジェネラルを三体確認、オークナイトの部隊をそれぞれ率いている模様。」
それを聞き、ゲオルグがC班を二十名づつ、二つに分けてAB両グループの外側から相手の横を突くように攻撃しろと命令を下す。
俺はA班の左側を回り込むクロードのグループに、ゲオルグはもう一方のグループになった。早速回り込むため移動を始めた。俺はランクが低いから後ろからついてこいとグループのメンバーから言われ、言われた通り最後尾からグループを追って行く。
後ろから見る戦場は視野を広く見る事が出来た。状況は決してまだ楽観視出来ない。
ゴブリンを粗方魔法で倒したが、魔法から生き残ったゴブリンの上位種を相手にウチの主力のはずの中央の騎士団が手こずっている内に、とうとう後ろからオークの集団が追い付いてきた。俺が思ってたより騎士団ってそんなに強くないのかもしれないな。防御は固いが殲滅していく力はそれ程高くないようだ。
「本部より伝令。斥候からの報告です。今いるオークの集団の他に、あと敵はオークナイト五十をオークジェネラルが率いている部隊があり、それが三部隊あります。そして総指揮をとるのはオークロード一体とのことです。以上。」
いかんな。このままでは数に押されて、街に籠っての籠城戦に移るかもしれない。そうなれば、街の人に被害がでるかもしれないな。
オークも早目に数を減らした方が良いかもしれん。
「〈マルチロック〉『サーチ・オーク』、〈エアーシックル〉。」
今度は真空の刃がオーク達の頭上から幾つも降っていった。
オーク達は火の矢とは違い、目に見えない攻撃に慌てはじめる。
この魔法で倒した数自体はゴブリンよりも体力が有る為なのか少なかった。
(ピロ~ン♪『身体レベル』が上がりました。『魔導の極み』により、『職業・魔法剣士・僧侶』〈風属性魔法〉〈魔力操作〉が上がりました。新しい魔法を覚えました。)
もう一回魔法を使いたいが、もう僅かで接敵するので諦めた。
前を走るグループのメンバーは雄叫びを上げてオークに突っ込んで行った。さすがDランク以上の冒険者達だ。
只のオークなら対等以上で戦えている。しかも先程の魔法によってかなりの手傷を受けていたので、なおさらだ。
だが如何せん元々の数が多い。三十分も過ぎると、疲労から動きが鈍くなる者が目立ってきた。
その為、傷を受ける者が次第に目立ってきた。そんな中、俺自信も我々グループの裏に回り込もうとする敵を倒して回った。敵の数が多いので、周りを囲まれない様に立ち位置に気を付けてオークを切り倒していく。
(ピロ~ン♪『身体レベル』が上がりました。『武技の極み』により『職業・魔法剣士・僧侶』〈剣術(神刀流)〉〈見切り〉が上がりました。)
かなりの勢いで色々上がっている。敵を倒す毎に体が軽くなっている気がするね。
そろそろ、戦闘開始から一時間が経つと、流石に味方の疲労度が酷くなってきた。
俺は相変わらずマイペースでオークを切り捨てている。疲れは今の所全く感じないな。〈身体強化〉が切れる度にかけ直していくが、次第に周りが少しずつ後退しているのが判った。
(不味いな。このままでは、籠城戦に成りかねないぞ。もう少し、敵の数を減らさないと。)
一旦後退して、マップで敵を確認して、三度目の攻撃魔法を唱える。
「〈マルチロック〉〈サーチ・オーク〉青、〈ウォーターニードル〉。〈マルチロック〉〈サーチ・オーク〉黄色、〈ロックパレット〉。」
立て続けにザコオークに対して魔法を唱える。オークの頭上から水の針や岩の弾丸が降り注いだ。この攻撃で残っている雑魚オークは軒並み倒せた。誤爆を心配しなくてすむのはとても有難いな、うん。
やるな〈マルチロック〉。混戦の時は特に便利だぜ。
(ピロ~ン♪『身体レベル』が上がりました。『武技の極み』により、『職業・パラディン』を得ました。『魔導の極み』により、『職業・魔法剣士・僧侶』〈水属性魔法〉〈土属性魔法〉〈魔力操作〉が上がりました。新しい魔法を覚えました。)
あと残っているのは、上位種の個体だけだ。数も百五十を切る位だ。オークの数が一気に減ったので味方も息を吹き返していた。
味方の魔法使いは、ここが正念場と残った敵に魔力を叩きつけている。大分戦線を戻せたので後は先輩や騎士団の人達に任せて、自分は目立たない様にこちらに向かってくるヤツだけを相手にしよう。
その様に思っている時、いきなり背後に強い殺気を感じるのと同時に、反射で振り向きながら手に持つ剣で背後を切り払う。
「ガキィン!」
強い金属音を立てて振り下ろされていた剣を払った。あと少しでも反応が遅れれば、確実にこちらが背後を切られていた太刀筋だった。払った勢いのまま相手を見据え、構える。
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈気配察知〉が上がりました。)
なんと相手はオークではなく、黒いローブを着込み白い仮面で顔を隠した見るからに怪しい何者かだった。
「何者だ?気が付いたから良かったが、気づかねば死んでいたぞ。」
「・・・ふざけたヤツだ。お前が居なければ街を潰し侯爵を殺せたものを。」
くぐもった声で話すフードの敵。声からは男女の別は判らなかった。
「はて、俺が何をしたというのだ?」
「お前が、変わった魔法を使って戦力の大半を倒したのは、判っている。」
「は、何を言ってるのか判らんが、襲いかかってくるなら倒すのみだ。」
「ちっ、残念だ。機会を失したか。このカリは必ず返す。覚えておけ!」
そう言い捨てると身を翻して 走り去った。まだ魔物が周りにいるため、後を追うことは諦めた。
「一体何者だ?あいつマジで。」
話の流れから、今回の魔物の襲撃は先程の黒ローブが画策したことらしいな。この事は後でギルマスに報告しておこう。でも、面倒に巻き込まれたようだ。気を付けよう。
さて、戦況はどうなっているかな?
高ランクの冒険者パーティーを先頭に上位種を倒していってるが、特にオークジェネラルが率いる、オークナイトの部隊が三つになんと親玉だろうオークロード一体が合流した集団に手こずっていた。
侯爵の騎士団もこの集団に対して一人また一人と倒されて数を減らされていた。
見ていると騎士団では精々オークナイトなら相手に出来るが、ジェネラルやましてロードの相手にはならないようだ。
お、騎士隊長らしい鋼色の鎧姿の見た事のある若い騎士がジェネラルの一体に攻撃を仕掛けた。開戦前に動揺していたヤツか。大丈夫なのか?
お、ギルマスも、もう一体のジェネラルに切りかかっているな。他の冒険者たちがナイトの相手になって騎士隊長やギルマスの援護をしていた。
だがまだロードともう一体のジェネラルがいてA班とこちらのグループは押されている。
さて、どうする?
C班リーダーのゲオルグが大声で状況説明をする。
「味方の魔法使いの頑張りで先方のゴブリンは粗方片付いた。残りはゴブリンの上位種とオークどもだ。まだ数は多いが、一匹ずつ確実に倒していけ。いいか、そろそろ前衛がぶつかるころだ。」
そう、ゲオルグが言ったそばから剣同士がぶつかり合う金属音が喚声と共にし始めた。
「お、始まったな。今の所順調だな。」
ゲオルグは一人呟いている。その時、本部からの伝令が走りより、叫び声をあげる。
「報告します。オークジェネラルを三体確認、オークナイトの部隊をそれぞれ率いている模様。」
それを聞き、ゲオルグがC班を二十名づつ、二つに分けてAB両グループの外側から相手の横を突くように攻撃しろと命令を下す。
俺はA班の左側を回り込むクロードのグループに、ゲオルグはもう一方のグループになった。早速回り込むため移動を始めた。俺はランクが低いから後ろからついてこいとグループのメンバーから言われ、言われた通り最後尾からグループを追って行く。
後ろから見る戦場は視野を広く見る事が出来た。状況は決してまだ楽観視出来ない。
ゴブリンを粗方魔法で倒したが、魔法から生き残ったゴブリンの上位種を相手にウチの主力のはずの中央の騎士団が手こずっている内に、とうとう後ろからオークの集団が追い付いてきた。俺が思ってたより騎士団ってそんなに強くないのかもしれないな。防御は固いが殲滅していく力はそれ程高くないようだ。
「本部より伝令。斥候からの報告です。今いるオークの集団の他に、あと敵はオークナイト五十をオークジェネラルが率いている部隊があり、それが三部隊あります。そして総指揮をとるのはオークロード一体とのことです。以上。」
いかんな。このままでは数に押されて、街に籠っての籠城戦に移るかもしれない。そうなれば、街の人に被害がでるかもしれないな。
オークも早目に数を減らした方が良いかもしれん。
「〈マルチロック〉『サーチ・オーク』、〈エアーシックル〉。」
今度は真空の刃がオーク達の頭上から幾つも降っていった。
オーク達は火の矢とは違い、目に見えない攻撃に慌てはじめる。
この魔法で倒した数自体はゴブリンよりも体力が有る為なのか少なかった。
(ピロ~ン♪『身体レベル』が上がりました。『魔導の極み』により、『職業・魔法剣士・僧侶』〈風属性魔法〉〈魔力操作〉が上がりました。新しい魔法を覚えました。)
もう一回魔法を使いたいが、もう僅かで接敵するので諦めた。
前を走るグループのメンバーは雄叫びを上げてオークに突っ込んで行った。さすがDランク以上の冒険者達だ。
只のオークなら対等以上で戦えている。しかも先程の魔法によってかなりの手傷を受けていたので、なおさらだ。
だが如何せん元々の数が多い。三十分も過ぎると、疲労から動きが鈍くなる者が目立ってきた。
その為、傷を受ける者が次第に目立ってきた。そんな中、俺自信も我々グループの裏に回り込もうとする敵を倒して回った。敵の数が多いので、周りを囲まれない様に立ち位置に気を付けてオークを切り倒していく。
(ピロ~ン♪『身体レベル』が上がりました。『武技の極み』により『職業・魔法剣士・僧侶』〈剣術(神刀流)〉〈見切り〉が上がりました。)
かなりの勢いで色々上がっている。敵を倒す毎に体が軽くなっている気がするね。
そろそろ、戦闘開始から一時間が経つと、流石に味方の疲労度が酷くなってきた。
俺は相変わらずマイペースでオークを切り捨てている。疲れは今の所全く感じないな。〈身体強化〉が切れる度にかけ直していくが、次第に周りが少しずつ後退しているのが判った。
(不味いな。このままでは、籠城戦に成りかねないぞ。もう少し、敵の数を減らさないと。)
一旦後退して、マップで敵を確認して、三度目の攻撃魔法を唱える。
「〈マルチロック〉〈サーチ・オーク〉青、〈ウォーターニードル〉。〈マルチロック〉〈サーチ・オーク〉黄色、〈ロックパレット〉。」
立て続けにザコオークに対して魔法を唱える。オークの頭上から水の針や岩の弾丸が降り注いだ。この攻撃で残っている雑魚オークは軒並み倒せた。誤爆を心配しなくてすむのはとても有難いな、うん。
やるな〈マルチロック〉。混戦の時は特に便利だぜ。
(ピロ~ン♪『身体レベル』が上がりました。『武技の極み』により、『職業・パラディン』を得ました。『魔導の極み』により、『職業・魔法剣士・僧侶』〈水属性魔法〉〈土属性魔法〉〈魔力操作〉が上がりました。新しい魔法を覚えました。)
あと残っているのは、上位種の個体だけだ。数も百五十を切る位だ。オークの数が一気に減ったので味方も息を吹き返していた。
味方の魔法使いは、ここが正念場と残った敵に魔力を叩きつけている。大分戦線を戻せたので後は先輩や騎士団の人達に任せて、自分は目立たない様にこちらに向かってくるヤツだけを相手にしよう。
その様に思っている時、いきなり背後に強い殺気を感じるのと同時に、反射で振り向きながら手に持つ剣で背後を切り払う。
「ガキィン!」
強い金属音を立てて振り下ろされていた剣を払った。あと少しでも反応が遅れれば、確実にこちらが背後を切られていた太刀筋だった。払った勢いのまま相手を見据え、構える。
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈気配察知〉が上がりました。)
なんと相手はオークではなく、黒いローブを着込み白い仮面で顔を隠した見るからに怪しい何者かだった。
「何者だ?気が付いたから良かったが、気づかねば死んでいたぞ。」
「・・・ふざけたヤツだ。お前が居なければ街を潰し侯爵を殺せたものを。」
くぐもった声で話すフードの敵。声からは男女の別は判らなかった。
「はて、俺が何をしたというのだ?」
「お前が、変わった魔法を使って戦力の大半を倒したのは、判っている。」
「は、何を言ってるのか判らんが、襲いかかってくるなら倒すのみだ。」
「ちっ、残念だ。機会を失したか。このカリは必ず返す。覚えておけ!」
そう言い捨てると身を翻して 走り去った。まだ魔物が周りにいるため、後を追うことは諦めた。
「一体何者だ?あいつマジで。」
話の流れから、今回の魔物の襲撃は先程の黒ローブが画策したことらしいな。この事は後でギルマスに報告しておこう。でも、面倒に巻き込まれたようだ。気を付けよう。
さて、戦況はどうなっているかな?
高ランクの冒険者パーティーを先頭に上位種を倒していってるが、特にオークジェネラルが率いる、オークナイトの部隊が三つになんと親玉だろうオークロード一体が合流した集団に手こずっていた。
侯爵の騎士団もこの集団に対して一人また一人と倒されて数を減らされていた。
見ていると騎士団では精々オークナイトなら相手に出来るが、ジェネラルやましてロードの相手にはならないようだ。
お、騎士隊長らしい鋼色の鎧姿の見た事のある若い騎士がジェネラルの一体に攻撃を仕掛けた。開戦前に動揺していたヤツか。大丈夫なのか?
お、ギルマスも、もう一体のジェネラルに切りかかっているな。他の冒険者たちがナイトの相手になって騎士隊長やギルマスの援護をしていた。
だがまだロードともう一体のジェネラルがいてA班とこちらのグループは押されている。
さて、どうする?
応援ありがとうございます!
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