スキル宝くじで異世界を生きる。

プロローグ

宝くじ当選を喜ぶ。

　俺は近藤辰彦・40歳・独身の会社の営業をしている寂しい男だ。
　
　趣味は宝くじを購入する事だ。少額だが、毎週購入している。いくつかの数字を選ぶやつが特に好きで購入している。今までの当選は5等の1000円くらいしかないが、あのワクワク感が堪らずにいられない。

　そんなある平日の休日、宝くじの購入をしていると宝くじの当選確認を忘れていたので売場窓口で確認をして貰うことにした。どうせ当たっていたとしても5等の1000円かと思いながらくじ券を調べてもらった。


　「確認をお願いします。」

　
　「2番の画面を確認してください。」


　暫くすると、

　「おめでとうございます。高額当選です。3等の100000円です。換金は銀行でお願いします。」

　そう言われ、くじ券を返された。


　心の中で

　「やったー、初めての高額当選。換金したら今日は焼肉だ～。友人も誘おう。」


　それから最寄りの銀行に向かう事にした。

　「やべぇ～何処の焼き肉屋にいこうかな？ん～。」

　そんな事を考えて赤信号で止まっていると、左折してきた大型トラックの荷台から鉄クズとして捨てられそうな軽自動車が落ちてきた。

　「ドンガラガッシャーン。」

　ゆっくり自分に向かってくる軽自動車、まるでスローモーションこれが死ぬ前の前兆なのか。
　今までの楽しかったことなどの記憶が頭に蘇ってきた。

　「これが走馬灯なのか。」


　「グチャリ。」


　即死だった。痛みも感情もなく無になった。


　暫く無になっている状態が続き何故か意識が回復した。

　「ここは何処だ？俺は潰れてしまったんだが、何故生きている。」


　『申し訳ありません、近藤達彦さん。貴方は転生する事になりました。

　元々貴方は死ぬ運命ではありませんでしたが、神々のイタズラ好きがスクラップを固定してあるワイヤーにイタズラした事が今回の事故を起こしましたので、イタズラした神には罰をあたえます。

　そして貴方は転生して貰います。しかし、地球ではなくハーテスと呼ばれる異世界になりますが、』


　「え～、話が大きすぎて理解できませんが、生き返れるのですね。その異世界の情報をしりませんので40歳独身の私には生きていく自信はありませんが、」

　
　『大丈夫です。そこは、恩恵として言語理解など能力を渡しますので、あとお詫びとしていくつかのスキルを与えますので異世界で役立てて下さい。』

　「そうですか、貰える物は貰います。ありがとうございます。」


　『そろそろ時間です。肉体は若返りますのででは、さようなら。』


　「はい～？もう？説明は？嘘でしょう？」


　そして意識をまた無くしてしまった。