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暴走編

さらばニーナ

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ぎぁ~~と叫んでいるだろうと思う風景か見えているが、聞こえない。『サイレント』のスキルで聞こえないのだ。状況を説明すると、車で時速180キロで走って居るからだ。社内は安全な環境にスキルでコントロールしてある。そして、運転も障害物にあたらないように、『サーチ』『魔力探索』『自動防衛』のスキルで安全対策ばっちりだ。



 「ウィーン、ウィーン、ウィーン」



 晴れた天気なのにワイパーが動いている。なぜだろう?いや、簡単だニーナがお漏らしているだけだ。もう何リットルだしているんだろうか。よく脱水症状が心配なので『水魔法』で大量の水をニーナの口に強引にいれる。飲み過ぎたのか、嘔吐している。本当に汚い奴だ。

 外からみると猫獣人の少女が飛んでおしっこ漏らしたかと思ったら、今度は吐いているカオスな状況だ。





 走る事2日ようやく獣王国が見えてきたあまりの早さに、ロックもヒィーも震えていた。普通は今の1/3だということを伝えると安心していた。車からおり後は歩いて行くだけだ。車を『収納』に入れて冒険者風の装備にしていそいで獣都を目指す。



 「ごしゅじんしゃま、あるくんでしゅか?いやでしゅ。」



 そう言ってきたので、ミノムシ状態にして引きづることにした。楽しそうにはしゃぐニーナ。完全にズレている。



 「たのしゅいでしゅ。やったでしゅ。」



 何だかんだで、入場門までやってくることが出来た。門番に何て格好しているんだと聞かれたがニーナが楽しんでいることを伝えると、目を見開いて驚いた。入場税を人数分払い、獣都の中にはいる。宿をとりあえず3人分予約し、ニーナの兄から聞いた家を目指す。大通りから少し入った所の食堂【憩いの森】というのがニーナの実家だ。



 「すまないが、亭主か女将はいないかい?」



 「いらっしゃいませ。はい、私が女将です。」



 「それは手前が、省けた。ニーナはここの子で間違いないか?」



 「ニーナですか?はい、間違いないです。どうかしましたか?」



 そして、いままでの事を女将に説明した、金貨1000枚以上の為に奴隷となり、奴隷としてもやっていけないワガママな奴だと。解放の為金貨を払ってもらえないか話すと、



 「そんなお金はありません。もう来ないで下さい。」



 「そうなると、思っていたから良いよもう俺はこの国で奴隷として売る事にしたから、確認しにきただけだよ。ニーナに会わなくていいのか?」



 「会いたくないです。あの子の制で落とした店の評判もようやく回復してきたのですから」



 「じゃましたな。」



 店をでるとニーナがヨダレをたらしながらお腹をならしていた。



 「お腹が空いたでしゅ。」



 安く抑える為にパン屋で堅い黒パンを10個買いニーナ与えた。

俺とロックとフィーは後から宿で食べる予定にしている。



 「たくさんでしゅ、うれしいでしゅ。でもかたいでしゅ」



 とにかくうるさいニーナ、奴隷商会を目指して歩き出す俺の足取りは軽かった、この異世界に来てから1番。



 「すまないが、この奴隷を売りたいのだがいくらでかいとってくれるだろうか?」



 「黒パンの子ですか?ん~スキルは何がありますか?」



 「料理はあるがレベルはまだ低い、健康的だよ。」



 「このこは、この国の貴族受けが良さそうなので金貨100枚で買い取りますが、いいですか?」



 金貨1000枚以上が100枚になったが、全然いいにきまっている。ここの国の貴族も駄目駄目だな。ニーナの奴隷契約を破棄し奴隷商人に渡す、もちろんニーナはうるさいので寝たままの状態だ。さよならニーナさらばニーナ、いいひとに買われちゃだめだよ。









 ニーナ視点



 きょうごしゅじんしゃまに奴隷契約を破棄されましゅた。 けどいいでしゅ、またいいひとに買ってもらうでしゅ、そしていっぱいいっぱいたべるでしゅ。

 すうじつご、わたしゅはいいいえのきぞくにかわれたでしゅよかったとおもっていたけどぜんぜんごはんくれないでしゅ、なきさけんでいるとようやくひとがきたでしゅ。

 すると、うでとあしゅを拘束されて怪しげなへやにつれられたでしゅ。それから、いままでうけたことのない拷問をうけたでしゅ、いたいでしゅっていってもおわらないでしゅ、よけい興奮してはげしくなるでしゅ、以前のごしゅじんしゃまのいうことをきちんとまもっていればよかったとこうかいしているでしゅ。

いたいのはいやでしゅ、おなかすいたでしゅ、ううう。
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