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「ごめんね。お待たせ」
「謝ることないよ。待ってるの楽しかった」
「楽しかった? 待ってるの退屈じゃない?」
「井上さんが来てくれると思ったら退屈なんてしてられないよ。何飲む?」
と、小さなドリンクメニューを私の方に開いて見せる。
「ピンクグレープフルーツソーダにしようかな」
「サイズは?」
「M」
「おっけー」
「自分で行くよ」
「仕事終わりで疲れてるとこ付き合ってもらってんだから座ってなよ」
と、店の中に行ってしまった。
おう……。やっぱり疲れは隠せてなかったのか。それなのにグロスなんかしちゃったりしてダサい。やめとけば良かった。
飲み物を両手に小野塚くんが戻ってくる。そう言えば、ここまだ飲み物ないな?
「はい」
「ありがとう」
受け取ったピンクグレープフルーツソーダをストローで飲む。心地よい炭酸の刺激が喉を滑り、グレープフルーツの酸味が疲れた体に染みる。
「はあーー。おいし」
「それはなにより」
小野塚くんは頬杖をついて、私と目が合うとニカッと笑った。
「で。どうしたの。話したいことって?」
「うん。まあ、ここでいうのもなんだけど」
「うん」
頬杖をやめて両手の指を組む。長くてキレイな形の指だ。その指が、手が、私のストローを持つ手を包んだ。
「おれ、専門学校ガッコーの時からずっと井上さんのこと好きだったんだ。付き合ってください」
「えぇ?」
「あの時ちゃんと言えなくて、しかも順番すっ飛ばした割に緊張しすぎてダメだったから最低なのはわかってる。だから、少しでも認めてもらえるようにと思って、スタイリストとして一人前になって、リトライしようと思って。いや、もちろんまだ全然一人前とは言えないのはわかってるんだけど、一人前そんなの待ってたら井上さん結婚しちゃうかもしれないって思って来ることにしたの。彼氏とか旦那いたりする?」
「……いないけど……」
「好きな人がいる、とか?」
「いないけど」
「けど? おれじゃダメ? 生理的に無理?」
「じゃないけど」
「じゃあ、結婚を前提におれと付き合ってください」
「話が唐突すぎてついていけない」
握られた手を払うと、小野塚くんはその手をあえなく離した。
「あっー! じゃあ、友達から!」
「友達……」
小野塚くんを眺め回す。
モード界の巨匠の孫で、すでにスタイリストのナショナルチーム入りを果たしていて、オールブラックを着こなして、頭の形もいい。そんな人と?
「謝ることないよ。待ってるの楽しかった」
「楽しかった? 待ってるの退屈じゃない?」
「井上さんが来てくれると思ったら退屈なんてしてられないよ。何飲む?」
と、小さなドリンクメニューを私の方に開いて見せる。
「ピンクグレープフルーツソーダにしようかな」
「サイズは?」
「M」
「おっけー」
「自分で行くよ」
「仕事終わりで疲れてるとこ付き合ってもらってんだから座ってなよ」
と、店の中に行ってしまった。
おう……。やっぱり疲れは隠せてなかったのか。それなのにグロスなんかしちゃったりしてダサい。やめとけば良かった。
飲み物を両手に小野塚くんが戻ってくる。そう言えば、ここまだ飲み物ないな?
「はい」
「ありがとう」
受け取ったピンクグレープフルーツソーダをストローで飲む。心地よい炭酸の刺激が喉を滑り、グレープフルーツの酸味が疲れた体に染みる。
「はあーー。おいし」
「それはなにより」
小野塚くんは頬杖をついて、私と目が合うとニカッと笑った。
「で。どうしたの。話したいことって?」
「うん。まあ、ここでいうのもなんだけど」
「うん」
頬杖をやめて両手の指を組む。長くてキレイな形の指だ。その指が、手が、私のストローを持つ手を包んだ。
「おれ、専門学校ガッコーの時からずっと井上さんのこと好きだったんだ。付き合ってください」
「えぇ?」
「あの時ちゃんと言えなくて、しかも順番すっ飛ばした割に緊張しすぎてダメだったから最低なのはわかってる。だから、少しでも認めてもらえるようにと思って、スタイリストとして一人前になって、リトライしようと思って。いや、もちろんまだ全然一人前とは言えないのはわかってるんだけど、一人前そんなの待ってたら井上さん結婚しちゃうかもしれないって思って来ることにしたの。彼氏とか旦那いたりする?」
「……いないけど……」
「好きな人がいる、とか?」
「いないけど」
「けど? おれじゃダメ? 生理的に無理?」
「じゃないけど」
「じゃあ、結婚を前提におれと付き合ってください」
「話が唐突すぎてついていけない」
握られた手を払うと、小野塚くんはその手をあえなく離した。
「あっー! じゃあ、友達から!」
「友達……」
小野塚くんを眺め回す。
モード界の巨匠の孫で、すでにスタイリストのナショナルチーム入りを果たしていて、オールブラックを着こなして、頭の形もいい。そんな人と?
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