悔しくて

萬田

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破瓜

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好きな人がいた。
隣の家に住んでいる幼馴染の男の子。
綺麗な顔に優しい話し方。
バスケットがとても得意で、みんなの憧れの的。

彼の名前は、青葉侑斗

彼と出会ったのはワタシが彼の隣に引っ越してきた4歳の頃。

侑斗はすごく優しくてワタシにいろいろ教えてくれたし、一緒に遊んでくれた。

幼稚園には一緒に通ったし、小学校になっても、遊んだり家に泊まりに行ったりしてた。

でも、小学五年生くらいから、侑斗はすごく女の子にモテるようになって、しだいに近づきにくくなってしまった。

そして、中学生になって、一年生の夏休み。

ワタシは侑斗に告白したのだ。

オッケーの返事をもらった時は嬉しくて、夜も眠れなかった。

侑斗は今までと違ってても繋いでくれたし、キスもしてくれた。

背も高いし、スポーツ万能なワタシの彼氏。
侑斗と付き合えることがすごく幸せだったのに。

そんなものは長く続かなかった。 

その日は雨で、ワタシは侑斗の家で二人でなにかの映画を見てた。
何の映画だったかは忘れたけれど、家にはワタシと侑斗二人だけで、ほかには誰もいなかった。

 この日のことをワタシは永久に後悔してる。

映画が終わって、薄暗い部屋が静かになった。

侑斗はいつものようにワタシにキスをした。
そして、弾かれたようにワタシを押し倒す。

「侑ちゃん!?」
びっくりして名前を呼べば、侑斗はひどく落ち着いた様子でワタシのほおを撫でる。

「大丈夫、」

これから起こることがわからないワタシに侑斗は優しく微笑みかける。

これが、悪魔の微笑だと知ったのは全てが終わった後だった。

「ねぇ、順、セックスしようか。」

その言葉の意味を、ワタシはぼんやりとしか知らず。

「大丈夫、優しくしてあげるから。
だって順は僕の彼女だからね。」

優しい口調にだまされて、
手酷くハジメテを失ったのだ。

「痛い、侑ちゃん!痛いよっ、」

苦悶の叫びに、侑斗は微笑みながらさらに深いところまでワタシを貫いた。

それからというもの、侑斗は何回も手酷くワタシを抱いた。
なんど止めてと言っても、やめなかったし、優しくもしてくれなかった。

それどころか、侑斗はワタシが苦しめば苦しむほどに嬉しそうに笑った。

「順は僕の彼女でしょ?
僕はこんなこと順にしかしないよ。」

そんなことを言われれば、都合良くだまされてしまったワタシが今は憎くてしょうがない。

だけど、こんなにもバカに素直に騙されまくったワタシがようやく目を覚ます事件が起きたのだ。
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