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完 - ダーリオという男(2)
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そして、ルリはダーリオと共に帝国にやってきた。
どういう理由でもルリがダーリオに笑ってくれるだけでよかった。
ルリは笑顔を浮かべるし、笑いながら話すし、愛の言葉もいう。
でも、どんな言葉も彼女の情緒と感情と本当の意味で結びついていないことをダーリオは知っていた。
最初は傍にいるだけで満足していたのに、ルリの心に触れたい、求められたい、純粋な欲望が頭をもたげた。
ルリに触れるたびに、心の底から求めてほしいという思いはどんどんと膨れ、荒れ狂う嵐となり、満たせない渇望は魔力となって世界を渦巻き始めた。
そんなときだ。渦巻いた魔力が世界の扉を再び開けたのは。
世界の扉が開くのは初めてのことではなかった。
悪竜の化身を取り込んで何万回の転移を繰り返していたあの時も、世界の扉は開いた。
その時開いた扉をくぐって、ルリはこの世界にやってきた。
そして陣を通ったものは聖力と呼ばれる魔力を濾過した力を身に着ける。
魔力と聖力は本来は同一のもので、違いは濁りがあるかないかの違いだけだ。だが、結果的に魔力と聖力では発揮できる領域が違う。
破壊の魔力と癒やしの聖力。
荒れ狂う魔力の扉を潜り抜けると、世界の扉をくぐった者の身にまとわりついた魔力の濁りが消え、聖力として存在するようになる。
ルリを望むがために荒れ狂った魔力が世界の扉を開けたとき、ダーリオは天啓を受けた。
ああ、世界がダーリオに示している――ルリとともにある世界をだ。
そしてその扉をくぐって別の女がやってきた。
世界の扉をくぐってきた女は聖力をまとっていたが、ダーリオはわざと魔力を濾過させた力をさらに付与した。
そして王国に降りたった女が聖女と呼ばれるように仕向けた。そして女の周りを女の賞賛するもので身を固めされるが、聖女が望郷の念を抱くように会話を繰り返させた。
贅沢な環境だが、本当に望んだものは手に入らない。元の世界に戻ることを渇望するようになった聖女が書物を読み漁るのには時間がかからなかった。
高慢な態度はそうした望みを悟られないようにする聖女なりの防衛策だったが、ダーリオは滑稽だなと笑うだけだった。
手に取るだろう書物に、それとなく元の世界に戻るには、同じく別の世界から来たものの聖力を捧げる必要がある。その一文を書いておくだけで、ダーリオの望みは果たされる。
真綿で首を絞めるような環境に陥った聖女が、ルリの言葉を見逃すはずがなかった。
ルリが湖に投じた時、聖女はルリの力を使って世界の扉を開こうとした。
もちろん聖女にそんな力はない。だから、ダーリオが魔力を放出し、その扉をこじ開けた。
本当の意味で、ルリと一緒になれる。
その陶酔感はダーリオの魔力を暴れさせるのに十分だった。
そして聖女は帰り、絶望に打ちひしがれたルリをダーリオは抱きしめた。
聖女は喜んでルリを騙した。
ルリは泣き叫んでダーリオに縋った。
そのルリはかつてダーリオを救った。そして、今度はダーリオが絶望するルリを救うのだ。
ぐちゅっぐちゅっ
濡れた粘膜はダーリオの陰茎に絡みついて離さない。ルリがダーリオを求めていた
「んんっ、ダーリオっ、ダーリオっ、一緒にいてくれる? これからも一緒にいるよね?」
「ああ、一緒にいるに決まっているだろう? ルリ。私がそばにずっと一緒にいるから。なあ、一緒だからなあっ」
「ひっ、んんっ、ううっ、」
ぐちゅりと奥の口をすりつぶすように突き上げると、ルリの足が痙攣するようにふるえた。
「ああ、ほら吸いついて離さないなんて、可愛いなあ」
「ひいっ、もうむりっ、気持ちいいっ」
ルリの嬌声に、みっちりと胎内を満たした雄茎がむくりと膨れ上がる。
帰ることができないという事実に打ちひしがれていたルリは、必死にダーリオを求めていた。
ルリの瞳が涙にぬれている。ダーリオをただ求めていた。
生存欲求でもなんだろうか、ルリがダーリオを求めているのだ。心の底からダーリオを求めている。
その事実に、ダーリオの下半身はさらに昂り、ルリの腹のなかを突き上げた。
ルリがダーリオに縋りつき、ぎゅうっと口づける。絡み合う舌と吐息に、ルリは色っぽく嬌声をあげた。
「ルリ、愛してる、愛してるっ、愛してるっ。ルリもそうだよな? 私と一緒に生きるのが好きだよなあ?」
「んああっ、好き、好き、ダーリオといるの好きいっ」
胎内の奥の口にねじ込むように入った一物から精があふれ出る。ルリの腰がのけぞって離れようとするが、その腰をがっちり掴むとさらに押し込んだ。
「ああ、幸せだなあ」
ルリの瞳をのぞき込み、ダーリオは微笑んでいった。
醜悪なおぞましい自分に触れたルリ。ルリが最初にダーリオに触れ、助けたのだ。
そして、そんなルリをたとえ絶望の奈落に突き落としたのがダーリオであれ、奈落に落ちたルリを救ったのはダーリオなのだ。
ルリはこれからもダーリオとともにいる。永遠に、ダーリオともにいるのだ。
ああ、なんてこの世界は暖かいのだろうか。
「っ、ダーリオ、んんっ、離れないでねっ。はああっ、んうっ、ずっと、ずっと一緒にいてねっ」
「ああ、もちろんだよ、ルリ」
自分に縋りつくルリの体を抱きしめて、ダーリオは笑った。
どういう理由でもルリがダーリオに笑ってくれるだけでよかった。
ルリは笑顔を浮かべるし、笑いながら話すし、愛の言葉もいう。
でも、どんな言葉も彼女の情緒と感情と本当の意味で結びついていないことをダーリオは知っていた。
最初は傍にいるだけで満足していたのに、ルリの心に触れたい、求められたい、純粋な欲望が頭をもたげた。
ルリに触れるたびに、心の底から求めてほしいという思いはどんどんと膨れ、荒れ狂う嵐となり、満たせない渇望は魔力となって世界を渦巻き始めた。
そんなときだ。渦巻いた魔力が世界の扉を再び開けたのは。
世界の扉が開くのは初めてのことではなかった。
悪竜の化身を取り込んで何万回の転移を繰り返していたあの時も、世界の扉は開いた。
その時開いた扉をくぐって、ルリはこの世界にやってきた。
そして陣を通ったものは聖力と呼ばれる魔力を濾過した力を身に着ける。
魔力と聖力は本来は同一のもので、違いは濁りがあるかないかの違いだけだ。だが、結果的に魔力と聖力では発揮できる領域が違う。
破壊の魔力と癒やしの聖力。
荒れ狂う魔力の扉を潜り抜けると、世界の扉をくぐった者の身にまとわりついた魔力の濁りが消え、聖力として存在するようになる。
ルリを望むがために荒れ狂った魔力が世界の扉を開けたとき、ダーリオは天啓を受けた。
ああ、世界がダーリオに示している――ルリとともにある世界をだ。
そしてその扉をくぐって別の女がやってきた。
世界の扉をくぐってきた女は聖力をまとっていたが、ダーリオはわざと魔力を濾過させた力をさらに付与した。
そして王国に降りたった女が聖女と呼ばれるように仕向けた。そして女の周りを女の賞賛するもので身を固めされるが、聖女が望郷の念を抱くように会話を繰り返させた。
贅沢な環境だが、本当に望んだものは手に入らない。元の世界に戻ることを渇望するようになった聖女が書物を読み漁るのには時間がかからなかった。
高慢な態度はそうした望みを悟られないようにする聖女なりの防衛策だったが、ダーリオは滑稽だなと笑うだけだった。
手に取るだろう書物に、それとなく元の世界に戻るには、同じく別の世界から来たものの聖力を捧げる必要がある。その一文を書いておくだけで、ダーリオの望みは果たされる。
真綿で首を絞めるような環境に陥った聖女が、ルリの言葉を見逃すはずがなかった。
ルリが湖に投じた時、聖女はルリの力を使って世界の扉を開こうとした。
もちろん聖女にそんな力はない。だから、ダーリオが魔力を放出し、その扉をこじ開けた。
本当の意味で、ルリと一緒になれる。
その陶酔感はダーリオの魔力を暴れさせるのに十分だった。
そして聖女は帰り、絶望に打ちひしがれたルリをダーリオは抱きしめた。
聖女は喜んでルリを騙した。
ルリは泣き叫んでダーリオに縋った。
そのルリはかつてダーリオを救った。そして、今度はダーリオが絶望するルリを救うのだ。
ぐちゅっぐちゅっ
濡れた粘膜はダーリオの陰茎に絡みついて離さない。ルリがダーリオを求めていた
「んんっ、ダーリオっ、ダーリオっ、一緒にいてくれる? これからも一緒にいるよね?」
「ああ、一緒にいるに決まっているだろう? ルリ。私がそばにずっと一緒にいるから。なあ、一緒だからなあっ」
「ひっ、んんっ、ううっ、」
ぐちゅりと奥の口をすりつぶすように突き上げると、ルリの足が痙攣するようにふるえた。
「ああ、ほら吸いついて離さないなんて、可愛いなあ」
「ひいっ、もうむりっ、気持ちいいっ」
ルリの嬌声に、みっちりと胎内を満たした雄茎がむくりと膨れ上がる。
帰ることができないという事実に打ちひしがれていたルリは、必死にダーリオを求めていた。
ルリの瞳が涙にぬれている。ダーリオをただ求めていた。
生存欲求でもなんだろうか、ルリがダーリオを求めているのだ。心の底からダーリオを求めている。
その事実に、ダーリオの下半身はさらに昂り、ルリの腹のなかを突き上げた。
ルリがダーリオに縋りつき、ぎゅうっと口づける。絡み合う舌と吐息に、ルリは色っぽく嬌声をあげた。
「ルリ、愛してる、愛してるっ、愛してるっ。ルリもそうだよな? 私と一緒に生きるのが好きだよなあ?」
「んああっ、好き、好き、ダーリオといるの好きいっ」
胎内の奥の口にねじ込むように入った一物から精があふれ出る。ルリの腰がのけぞって離れようとするが、その腰をがっちり掴むとさらに押し込んだ。
「ああ、幸せだなあ」
ルリの瞳をのぞき込み、ダーリオは微笑んでいった。
醜悪なおぞましい自分に触れたルリ。ルリが最初にダーリオに触れ、助けたのだ。
そして、そんなルリをたとえ絶望の奈落に突き落としたのがダーリオであれ、奈落に落ちたルリを救ったのはダーリオなのだ。
ルリはこれからもダーリオとともにいる。永遠に、ダーリオともにいるのだ。
ああ、なんてこの世界は暖かいのだろうか。
「っ、ダーリオ、んんっ、離れないでねっ。はああっ、んうっ、ずっと、ずっと一緒にいてねっ」
「ああ、もちろんだよ、ルリ」
自分に縋りつくルリの体を抱きしめて、ダーリオは笑った。
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