好きな人の好きな人がわたしではなくても。

hana

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好きな人に嫌われていても。

1.

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『好きな人がいる。
たぶん嫌われているけど。』

『なんでそう思うの?』

『見てればわかるもんだよ。』



我ながら、そんなことを言うのは悲しいけれど。



「棚崎、スマホ弄ってる時間なんかあるのか。」

「あっ!すみません、今戻ります!」



わたしが働くcafe greenは、おしゃれ雑誌に乗るくらい、ちょっと話題のカフェ。

ナチュラルテイストで緑いっぱいの店内に、1番人気はチーズオムレツ。

わたしもここの雰囲気とご飯が大好きで、いつか自分のカフェを開いてみたいと思ったのが、ここで働くきっかけだった。

この店にはそういう志を持った人が多く集まっていて、仲間というよりはライバルの方が近い感じだ。

だから仕事に関してはまぁまぁ厳しく言われることが多いんだけど…



「今は休憩中なんだから、いいんじゃないのか?」

そう言ってくれたのは太田さん。

34歳の男性で、この店の副店長を任されている。

太田さんは独立したいというよりは、この店を大きくしたいと思っている人だから、そこまでライバル心を燃やしている人ではない。

だからわたしもすごく話しやすいんだ。



「コイツに休憩する余裕なんてあると思いますか?才能ないんだから人一倍努力しないと足でまといですよ。」

ライバルが多いこの店で、1番厳しいのがこの人、向井さん。

歳はわたしと2歳しか変わらないんだけど、高校生の時からここで修行していたこともあり、かなりのベテラン。

まぁ歴が長いだけじゃなくて、実力も一目置かれる存在なんだけど…。

次に店を出すのは向井さんだって、みんなが噂している。



「すみませんっ!」

わたしはスマホをロッカーにしまい、急いでキッチンに戻って手を洗った。

向井さんは怖いけど、全部言う通りなんだ。

わたしは不器用なのか要領が悪いのが、いつも仕事の覚えが遅い。

それに舌が悪いのか、小さな味の違いもわからない。

持って生まれた料理の感度が1番悪いのだから、努力で補わないといけないのはよくわかっているのだ。



だからいつもは休憩時間にコンビニのパンを高速でかじって、すぐキッチンに戻っているんだけど…

今日はメッセージが気になったから、一瞬スマホを開いてしまったんだ。

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