109 / 115
109 スフレーヘル家の再興1(アマティアの憂鬱)
しおりを挟む
「結構長くのんびりしていた気がするな」
「ああ、体が鈍っちまった気がする」
アルスとイルダが苦笑いしながら言う。王様の誕生祭が終わって、トレンタのフレアの屋敷に帰ってきて、今は朝食の時間だ。
私は、久しぶりに会ったカールと音楽と魔法の話で結構得るものがあった。新しい音階理論に基づいた作曲と魔法の可能性とか…。だけど、アルスとイルダは暇だったかもしれない。
「まあ、結構色々あったから…。教皇はフレアにもっといて欲しかったんじゃないの?」
「と言いつつ、演武会の翌日も遅くまで帰って来なかったですし、帰ってきたと思ったらべろんべろんに酔っぱらっていてその次の日も寝ていましたし、本当にわたくしと過ごしたいのか疑問ですけど」
フレアも厳しいわね。
「それで、あたしとアルスは鈍っちまった体を戻すために面白い依頼でも探しに行くつもりだけど、ユーカとフレアはどうする?」
「私は、例によって町の外のいつもの場所でスピカと魔法の練習でもするわ」
「わたくしは、今日はちょっと本でも読んでいようかと」
そんなわけで、町の外へ行くべく湖の畔を歩いていると、喫茶店のような店のテラスで、見知った顔を見つけた。鰭のような耳、ネレイスのアマティアさんだ。頬杖をついてジュースを飲んでいるようだが、なんか元気がない。美人だと、憂いに満ちた顔も絵になるわね…じゃなくて。
余計なことを考えていると、ポンという音とともに頭の上で姿を現したスピカが、アマティアさんの方に飛んで行った。
「何黄昏てるのよ」
「…え?ああ、スピカさん、ユーカさんも…。いえ、ちょっとコンラートのことで…あ、いえいえ、大したことでは…」
「え、何々?喧嘩?それともうまくいってないとか?ユーカ、魔法の練習よりこっちの方が面白そうよ」
スピカ、あなたねえ…。
「スピカさんたちにお話ししても、どうにもならないことなのですが…」
「良いから話しなさいよ。退屈しのぎ…じゃなくて、おもしろ…もとい、あたしたちも何か力になれるかもしれないでしょ」
スピカ、心の声が出すぎだから。
「実は…」
「でも、それは本人同士の問題だろ。俺たちには関係ないよ」
夜、フレアの屋敷に帰ってきて、食事をしながらアマティアさんのことを話したら、アルスがつまらなそうに言った。食いつきが悪い。スピカとえらい違いだ。
「しかし、コンラートさんの家が伯爵家だったとは、貴族だとは知ってたけど、そこそこ良い家だったんだな」
イルダは、自分のことは棚に上げて、どうでも良いところに感心しているし。
「簡単に言うと、コンラートさんの家が突然領地を与えられたので、どうせ没落する家だからと息子に好き勝手やらしていた父親が、急遽帰って家を継げと言ってきたということですね」
フレアだけがまともに話を聞いているようだ。
「そうなのよ。婚約者候補も複数用意されてるんですって」
「そりゃまたうらやま…っと、それでアマティアさんとの間がギクシャクしていると?」
うらやましいと言いかけたアルスが、イルダの視線に話を微妙に逸らした。
「家を継ぐとなると、そうか、アマティアさんとじゃあ身分の差が…」
「身分というか、獣人や亜人に対する差別意識かも知れませんね」
アルスにフレアが答える。ネレイスは獣人ではなく亜人だろう。人魚の仲間っぽいし。エルフやドワーフに近い。まあ、この区別も人間が勝手に付けているものだけど。
「身分なら、ある意味アマティアさんの方が上かも知れないけどな」
「どういう意味?」
イルダに聞き返す。
「人間の他に、獣人や一部のドワーフは、国の民だろ?それに対して、例えばエルフなんかは、厳密に言うと国民じゃない。国と独立して集落を作っているし、エルフの住んでいる森が国の領土だっていうのは人間が勝手に決めた話で、エルフには関係ない」
「ネレイスも同じだと?」
「ああ、前に正式に外交関係を結ぶ催し物が開かれたじゃないか。『外交関係を結ぶ』であって『国民として認める』って話じゃなかっただろ」
「そっか、国と対等なんだ」
「そういうこと。で、アマティアさんは、ネレイスで一番強くて族長なんだろ?建前上は国王と同等と言って良い」
「なるほどー」
「いや、だから余計に話がややこしいんでしょ」
感心している私に、テーブルの真ん中でジュースを飲んでいたスピカが声を上げる。
「どういうことでしょう?」
「アマティアさんは差別のことも分かってるし、自分が世継ぎを産めないかも知れないことも分かってるの。だから第二夫人でも、正式に結婚できなくても良いと思ってるんだけど…」
「他のネレイス達が許さないという訳ですね」
フレアが溜息を吐いた。そりゃあ、自分たちの女王ともいうべきアマティアさんが妾とか許せないわよね。
「良く考えたら、どうでも良い他人の恋愛話じゃなくて、外交問題じゃないか。ネレイスとの交易で、トレンタは結構潤ってるんだろ?」
「やっと分かった?アルス。人間との外交関係を破棄するべきだって言い出しているネレイスもいるらしいのよ」
「うーん、コンラートさんに兄弟とかいないのか?」
「女子が一人ですって…。そんな安易な解決策があれば苦労しないわよ」
「やれやれ…、それにしても、そもそも、何で急に領地を貰えるって話になったんだい?」
イルダの問いに、私は肩をすくめて見せた。
「前にそこを治めていた『ルなんとか』侯爵が、罪を犯して爵位を剥奪された上に領地を没収されたんですって」
「ん?それって…」
「悪事を暴いたのは、どこぞの冒険者だそうよ」
「あっちゃー…」
「しかし、新しく領地を任されるのも、ネレイス達を発見して交易に結びつけたとかの功績を認められたからでしょ?そのせいで、ネレイス達との関係がおかしくなるとか…」
「皮肉っていうか、困ったものよね、ふう」
頭の上で、スピカが大きな溜息を吐いた。次の日の朝、フレアとイルダは伝手を使って王様に連絡を取るとか、何か調べるとか言っていたが、私は何も出来ないのでまた湖の畔を当てもなく歩いていた。ちなみに、アルスは『コンラートさんを問い詰めてくる!』と言って、皆に全力で止められて不貞寝中だ。
「うーん、良く考えたら、こんなときに相談できる相手がいないわねえ」
湖の畔を歩いていると、もしかしたらレナあたりが出てくるかと思ったのだけど。ネレイスに『水の魔法使い』と呼ばれている彼女なら、ネレイスのことも良く知っているだろうから、相談できるかも知れない。うーん…。
「あのー、ちょっと宜しいでしょうか」
いきなり後ろから声を掛けられて、私はビクッとして慌てて振り向いた。
「…なるほど、ネレイス、特にアマティアさんについて聞きたいと。でも、何故私に?ネレイスは、この町では有名ですよ」
「はい、妖精さんを連れていらしたので。最初にネレイスの方達と縁を結んだ冒険者の方ですよね」
その女性は、そんな風に声を掛けてきた、あまりにもあからさまだ。しかし、スピカを連れてるって…頭の上なので分からなかったけど、今日は姿を消していなかったのか。
まあいいや。あまりにもあからさまに聞いてきた訳だし、こちらもアマティアさんの素晴らしさをたっぷりと話させていただきましょうか。
「…そういうわけで、アマティアさんは素晴らしい女性ですし、コンラートさんとも相思相愛ですし、ネレイスとの交易は国も重要視していますし、その上アマティアさんはネレイスの女王とも言える存在ですし、コンラートさんと結婚するのに何の支障もない、というか他にもっと相応しい相手がいるとは思えません」
「は、はあ…」
あ、しまった、推しすぎたか。しかも場所も移さず、道端で長々と力を入れて話してしまった。
「…コンラ…、スフレーヘル卿とのお話とは申し上げなかったのですが…」
「あら」
ありゃ、見込み違い?
「いえ、その通りでして。あの、そんなに分かりやすかったでしょうか」
「そんなことはないわね。ユーカがたまたまアマティアさんにそのことで相談を受けていたので、そう思っただけね。まあ当たりだったみたいだけど」
スピカがやれやれといった感じで、溜息交じりに言った。
「ご推察の通り、わたくしはコン…、スフレーヘル卿ゆかりの者で、レ…アリエルと申します」
「レアリエル?」
「…アリエルです」
嘘っぽいな。
「わたくし個人としては、コ…スフレーヘル卿には、自分が良いと思う相手と一緒になって欲しいのですけど。その、種族と関係なく」
そうそう、私もそう思うわ。
「ユーカのお姉ちゃん」
後ろから掛けられた声に私は振り向いた。イライザだ。銀色の髪が日の光に煌めく。以前は銀色ではなかったこの髪は、ケヴェスンさんとセリアさんの研究のたまもので、日の光や風などから魔力を作ることが出来る。まだ効率が悪いらしいけど。
「久しぶりね、元気だった?」
「うん。お姉ちゃんは何をしてたの?」
「ああ、ちょっとこちらの方とお話をね…」
私はアリエルさんの方を向いて、イライザを紹介しようとしたが…、そこには誰もいなかった。
「あ、あれ、いつの間に…」
「素早いわね」
「…お話?」
「え、ええ…」
「一人で?」
「いや、今までいたのよ…、何で…」
「いなかった」
「え?」
「ちょっと前、私がお姉ちゃんを見つけたときから誰もいなかった」
「…そんなわけないでしょ」
スピカが突っ込む。
「?」
イライザが首を傾げる。
「?」
スピカも首を傾げる。私は、アリエルさんの正体を色々考えていた。
「ああ、体が鈍っちまった気がする」
アルスとイルダが苦笑いしながら言う。王様の誕生祭が終わって、トレンタのフレアの屋敷に帰ってきて、今は朝食の時間だ。
私は、久しぶりに会ったカールと音楽と魔法の話で結構得るものがあった。新しい音階理論に基づいた作曲と魔法の可能性とか…。だけど、アルスとイルダは暇だったかもしれない。
「まあ、結構色々あったから…。教皇はフレアにもっといて欲しかったんじゃないの?」
「と言いつつ、演武会の翌日も遅くまで帰って来なかったですし、帰ってきたと思ったらべろんべろんに酔っぱらっていてその次の日も寝ていましたし、本当にわたくしと過ごしたいのか疑問ですけど」
フレアも厳しいわね。
「それで、あたしとアルスは鈍っちまった体を戻すために面白い依頼でも探しに行くつもりだけど、ユーカとフレアはどうする?」
「私は、例によって町の外のいつもの場所でスピカと魔法の練習でもするわ」
「わたくしは、今日はちょっと本でも読んでいようかと」
そんなわけで、町の外へ行くべく湖の畔を歩いていると、喫茶店のような店のテラスで、見知った顔を見つけた。鰭のような耳、ネレイスのアマティアさんだ。頬杖をついてジュースを飲んでいるようだが、なんか元気がない。美人だと、憂いに満ちた顔も絵になるわね…じゃなくて。
余計なことを考えていると、ポンという音とともに頭の上で姿を現したスピカが、アマティアさんの方に飛んで行った。
「何黄昏てるのよ」
「…え?ああ、スピカさん、ユーカさんも…。いえ、ちょっとコンラートのことで…あ、いえいえ、大したことでは…」
「え、何々?喧嘩?それともうまくいってないとか?ユーカ、魔法の練習よりこっちの方が面白そうよ」
スピカ、あなたねえ…。
「スピカさんたちにお話ししても、どうにもならないことなのですが…」
「良いから話しなさいよ。退屈しのぎ…じゃなくて、おもしろ…もとい、あたしたちも何か力になれるかもしれないでしょ」
スピカ、心の声が出すぎだから。
「実は…」
「でも、それは本人同士の問題だろ。俺たちには関係ないよ」
夜、フレアの屋敷に帰ってきて、食事をしながらアマティアさんのことを話したら、アルスがつまらなそうに言った。食いつきが悪い。スピカとえらい違いだ。
「しかし、コンラートさんの家が伯爵家だったとは、貴族だとは知ってたけど、そこそこ良い家だったんだな」
イルダは、自分のことは棚に上げて、どうでも良いところに感心しているし。
「簡単に言うと、コンラートさんの家が突然領地を与えられたので、どうせ没落する家だからと息子に好き勝手やらしていた父親が、急遽帰って家を継げと言ってきたということですね」
フレアだけがまともに話を聞いているようだ。
「そうなのよ。婚約者候補も複数用意されてるんですって」
「そりゃまたうらやま…っと、それでアマティアさんとの間がギクシャクしていると?」
うらやましいと言いかけたアルスが、イルダの視線に話を微妙に逸らした。
「家を継ぐとなると、そうか、アマティアさんとじゃあ身分の差が…」
「身分というか、獣人や亜人に対する差別意識かも知れませんね」
アルスにフレアが答える。ネレイスは獣人ではなく亜人だろう。人魚の仲間っぽいし。エルフやドワーフに近い。まあ、この区別も人間が勝手に付けているものだけど。
「身分なら、ある意味アマティアさんの方が上かも知れないけどな」
「どういう意味?」
イルダに聞き返す。
「人間の他に、獣人や一部のドワーフは、国の民だろ?それに対して、例えばエルフなんかは、厳密に言うと国民じゃない。国と独立して集落を作っているし、エルフの住んでいる森が国の領土だっていうのは人間が勝手に決めた話で、エルフには関係ない」
「ネレイスも同じだと?」
「ああ、前に正式に外交関係を結ぶ催し物が開かれたじゃないか。『外交関係を結ぶ』であって『国民として認める』って話じゃなかっただろ」
「そっか、国と対等なんだ」
「そういうこと。で、アマティアさんは、ネレイスで一番強くて族長なんだろ?建前上は国王と同等と言って良い」
「なるほどー」
「いや、だから余計に話がややこしいんでしょ」
感心している私に、テーブルの真ん中でジュースを飲んでいたスピカが声を上げる。
「どういうことでしょう?」
「アマティアさんは差別のことも分かってるし、自分が世継ぎを産めないかも知れないことも分かってるの。だから第二夫人でも、正式に結婚できなくても良いと思ってるんだけど…」
「他のネレイス達が許さないという訳ですね」
フレアが溜息を吐いた。そりゃあ、自分たちの女王ともいうべきアマティアさんが妾とか許せないわよね。
「良く考えたら、どうでも良い他人の恋愛話じゃなくて、外交問題じゃないか。ネレイスとの交易で、トレンタは結構潤ってるんだろ?」
「やっと分かった?アルス。人間との外交関係を破棄するべきだって言い出しているネレイスもいるらしいのよ」
「うーん、コンラートさんに兄弟とかいないのか?」
「女子が一人ですって…。そんな安易な解決策があれば苦労しないわよ」
「やれやれ…、それにしても、そもそも、何で急に領地を貰えるって話になったんだい?」
イルダの問いに、私は肩をすくめて見せた。
「前にそこを治めていた『ルなんとか』侯爵が、罪を犯して爵位を剥奪された上に領地を没収されたんですって」
「ん?それって…」
「悪事を暴いたのは、どこぞの冒険者だそうよ」
「あっちゃー…」
「しかし、新しく領地を任されるのも、ネレイス達を発見して交易に結びつけたとかの功績を認められたからでしょ?そのせいで、ネレイス達との関係がおかしくなるとか…」
「皮肉っていうか、困ったものよね、ふう」
頭の上で、スピカが大きな溜息を吐いた。次の日の朝、フレアとイルダは伝手を使って王様に連絡を取るとか、何か調べるとか言っていたが、私は何も出来ないのでまた湖の畔を当てもなく歩いていた。ちなみに、アルスは『コンラートさんを問い詰めてくる!』と言って、皆に全力で止められて不貞寝中だ。
「うーん、良く考えたら、こんなときに相談できる相手がいないわねえ」
湖の畔を歩いていると、もしかしたらレナあたりが出てくるかと思ったのだけど。ネレイスに『水の魔法使い』と呼ばれている彼女なら、ネレイスのことも良く知っているだろうから、相談できるかも知れない。うーん…。
「あのー、ちょっと宜しいでしょうか」
いきなり後ろから声を掛けられて、私はビクッとして慌てて振り向いた。
「…なるほど、ネレイス、特にアマティアさんについて聞きたいと。でも、何故私に?ネレイスは、この町では有名ですよ」
「はい、妖精さんを連れていらしたので。最初にネレイスの方達と縁を結んだ冒険者の方ですよね」
その女性は、そんな風に声を掛けてきた、あまりにもあからさまだ。しかし、スピカを連れてるって…頭の上なので分からなかったけど、今日は姿を消していなかったのか。
まあいいや。あまりにもあからさまに聞いてきた訳だし、こちらもアマティアさんの素晴らしさをたっぷりと話させていただきましょうか。
「…そういうわけで、アマティアさんは素晴らしい女性ですし、コンラートさんとも相思相愛ですし、ネレイスとの交易は国も重要視していますし、その上アマティアさんはネレイスの女王とも言える存在ですし、コンラートさんと結婚するのに何の支障もない、というか他にもっと相応しい相手がいるとは思えません」
「は、はあ…」
あ、しまった、推しすぎたか。しかも場所も移さず、道端で長々と力を入れて話してしまった。
「…コンラ…、スフレーヘル卿とのお話とは申し上げなかったのですが…」
「あら」
ありゃ、見込み違い?
「いえ、その通りでして。あの、そんなに分かりやすかったでしょうか」
「そんなことはないわね。ユーカがたまたまアマティアさんにそのことで相談を受けていたので、そう思っただけね。まあ当たりだったみたいだけど」
スピカがやれやれといった感じで、溜息交じりに言った。
「ご推察の通り、わたくしはコン…、スフレーヘル卿ゆかりの者で、レ…アリエルと申します」
「レアリエル?」
「…アリエルです」
嘘っぽいな。
「わたくし個人としては、コ…スフレーヘル卿には、自分が良いと思う相手と一緒になって欲しいのですけど。その、種族と関係なく」
そうそう、私もそう思うわ。
「ユーカのお姉ちゃん」
後ろから掛けられた声に私は振り向いた。イライザだ。銀色の髪が日の光に煌めく。以前は銀色ではなかったこの髪は、ケヴェスンさんとセリアさんの研究のたまもので、日の光や風などから魔力を作ることが出来る。まだ効率が悪いらしいけど。
「久しぶりね、元気だった?」
「うん。お姉ちゃんは何をしてたの?」
「ああ、ちょっとこちらの方とお話をね…」
私はアリエルさんの方を向いて、イライザを紹介しようとしたが…、そこには誰もいなかった。
「あ、あれ、いつの間に…」
「素早いわね」
「…お話?」
「え、ええ…」
「一人で?」
「いや、今までいたのよ…、何で…」
「いなかった」
「え?」
「ちょっと前、私がお姉ちゃんを見つけたときから誰もいなかった」
「…そんなわけないでしょ」
スピカが突っ込む。
「?」
イライザが首を傾げる。
「?」
スピカも首を傾げる。私は、アリエルさんの正体を色々考えていた。
0
あなたにおすすめの小説
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
その狂犬戦士はお義兄様ですが、何か?
行枝ローザ
ファンタジー
美しき侯爵令嬢の側には、強面・高背・剛腕と揃った『狂犬戦士』と恐れられる偉丈夫がいる。
貧乏男爵家の五人兄弟末子が養子に入った魔力を誇る伯爵家で彼を待ち受けていたのは、五歳下の義妹と二歳上の義兄、そして王都随一の魔術後方支援警護兵たち。
元・家族の誰からも愛されなかった少年は、新しい家族から愛されることと癒されることを知って強くなる。
これは不遇な微魔力持ち魔剣士が凄惨な乳幼児期から幸福な少年期を経て、成長していく物語。
※見切り発車で書いていきます(通常運転。笑)
※エブリスタでも同時連載。2021/6/5よりカクヨムでも後追い連載しています。
※2021/9/15けっこう前に追いついて、カクヨムでも現在は同時掲載です。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
悪役令嬢の騎士
コムラサキ
ファンタジー
帝都の貧しい家庭に育った少年は、ある日を境に前世の記憶を取り戻す。
異世界に転生したが、戦争に巻き込まれて悲惨な最期を迎えてしまうようだ。
少年は前世の知識と、あたえられた特殊能力を使って生き延びようとする。
そのためには、まず〈悪役令嬢〉を救う必要がある。
少年は彼女の騎士になるため、この世界で生きていくことを決意する。
金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語
紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。
しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。
郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。
そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。
そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。
アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。
そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる