スペーシアフォース

山ピー

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宇宙の勇者

第7話「火の星」

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アレン達はルティアを仲間に入れアドベンチャー号で旅を続ける。

「それで、次はどこを目指す?」
「どうせまだわからないんだろ?」
(おいおい、そんな言い方はないだろう)
「あの…それだったら火の星フレア星に向かってはどうですか?」
「フレア星?」
「ええ、とても暑い星ですが、そこには炎の力で戦う勇敢な戦士が居ると聞きます。そこに行けば暗黒帝国と戦う仲間が増えるかも知れません」
「フレア星か…行ってみるか?」
アレンが皆に尋ねる。
(うん、仲間が増えれば心強いしな!行ってみよう!)
「俺は船で待ってていいか?暑いのは苦手で…」
ドルフィーは消極的だ。
水の惑星出身のドルフィーには暑い星は酷だった。
「ああ…そっか…わかった。じゃあ船の見張りを頼むよ」
「ああ…すまないな…」

こうして3人は火の星フレア星を目指す事になった。

フレア星を目指して3日後、アドベンチャー号は目的地のフレア星に到着した。
フレア星は外から見ても真っ赤でいかにも暑そうな星だった。

「これは…俺達が入っても大丈夫なんだよな?」
アレンは少し不安そうに言った。
「大丈夫です、ちゃんと暑さ対策さえすれば」
ルティアは特に心配はしてないようだ。

「よし…じゃあ行くぞ」
アレンは意を決してフレア星に突入する。

アドベンチャー号はフレア星の大気圏に突入した。
摩擦に抵抗し揺れが激しくなるなか大気圏への突入が完了するとそこには真っ赤な空が広がっていた。
「やっぱり…その星の空は赤いんだな…」
ドルフィーがそう空を見て呟く。
「ああ…にしても…船内に居るだけで暑くないか?」
アレンは汗をかき服の襟元をパタパタと仰ぎながら言った。
「確かに…空調システムはどうなってるんだ?」
ドルフィーが空調システムの温度を見ると38℃と表示されていた。
「38℃!?船内がこれだけ暑いなら外は何度何だよ!?」
続けてドルフィーは船外温度計を見る。

そこには50℃と表示されていた。
「50℃!?うわぁ…ヤバいな…」
アレンは船内の空調を調整した。
すると、船内は一気に涼しくなった。
「ふぅ~…生き返った…」
ドルフィーは一安心。
「でも、外が50℃もあるんじゃあんまり長居は出来ないな…ドルフィー、俺達が降りたらとりあえず星の外に出て待っててくれ」
「わかった、気を付けろよ」

アレンとルティアはアドベンチャー号を降り、フレア星に降り立った。
2人を降ろしドルフィーはアドベンチャー号をフレア星の大気圏外に移動させ、待機。
「暑いな…」
「ええ…さっ、早くこの星の戦士を探しましょう」
アレンとルティアは暑い環境に適した格好に着替えている。
アレンとルティアは町を目指して歩き始めた。
だが、町までは結構な距離がある。
この星の太陽は容赦無く2人を照り付ける。
「なっ…なんか、一段と暑くなったような…」
アレンはそう感じ空を見上げると2人の目の前には大きな火の山が聳え立っていた。
「こ…これは!?山火事か!?」
アレンは驚く。
「いえ…これはこの星の戦士が修練を積むと言われているフレア星最大の山…炎の山です…町はこの山を越えた先にあるようですが…」
ルティアはアレンに冷静に解説する。
「でも、こんな山越えられないぜ…」
「大丈夫です、この山は外の星から来た者達でも通れる様に特別なルートが作られているはずですから…」
そう言ってルティアが目をやる方に確かにルートはあった。
そこは洞窟の入り口になっていた。
「昔、この星の住人が作った通路だそうです」
その洞窟の入り口の周りだけは炎に覆われていなかった。
「行きましょう」
ルティアは先に進む。
アレンも付いて行く。
洞窟の中は確かにマシだが、それでも暑い…うだるような暑さがアレンとルティアを襲う。
「暑い…後どれくらいだ?」
「まだ…結構ありますよ…今入ったばかりですから…」
暑さに耐えながら一歩一歩進んで行くと2人はとうとう洞窟の出口を見付けた。
洞窟の出口から出ると目の前に町が広がっていた。
「やった…出た…」
「やりましたね…」
2人は町に到着して水を飲み一息つく。

すると、一人の男が2人の前に現れた。
「お前達…何者だ?」
現れたのは全身を炎の様な真っ赤な鎧を身に付け頭部には巨大な炎の形の様な角を持った男だった。
「あっ…俺達はその…」
「まさか…貴様らこの町を侵略に来た暗黒帝国ではあるまいな?」
「違うって!話を聞け!」
「俺は強い者の話しか聞かん…話したくば俺に勝ってみろ!!」
男はいきなり襲いか掛かって来た。
「うぉ!?ルティア、下がってろ!」
(仕方ない…いくぞアレン!)
「え?あっ、ああ!」
アレンはコスモに変身。
コスモは等身大のサイズで登場。
(コスモ…そんな事も出来るのか!?)
「まぁな…来るぞ!」
男はコスモにも襲い掛かる。
「なるほど…貴様もそれなりに強いようだな…」
「それなり?それなりで済むかな?」
コスモも反撃する。
2人は激しい格闘戦を繰り広げる。
「なるほど…やるな!」
「ああ!お前もな!」
コスモのパンチが男にクリティカルヒット。
「ぐっ…」
「そろそろ話を聞く気になったか?」
「いいだろう…貴様の拳には邪悪な物を感じん…手荒な事をしてすまなかったな」
男はようやく話を聞く気になった。
コスモも変身を解除。

アレンは事情を説明。
この男の名はビート。
このフレア星の戦士だった。
ビートはその後、アレンとルティアを町に案内してくれた。
「…そうでしたか…シャイニー星の王女様…いやぁ、失礼しました」
「いえ…」
「襲い掛かられたのは俺だけどな…」
ビートは2人を行きつけの店に案内した。
店内に入ると冷房がしっかり効いていてとても涼しかった。
いくつかのテーブル席とカウンター席がある小さな店だった。
3人はカウンター席に座った。
「おやじさん、他の星からのお客さんだ…旨い水を頼むよ」
「おお…ビートがお客さんを連れてくるとは珍しいな…はいよ」
この店の店主や他の客は人間と変わらない姿をしていて、アレンはルティアにも馴染みやすい姿をしていた。
ビートは頭の兜を脱ぐ。
「ええ!?それ脱げるのか?」
「はぁ?兜なんだから当たり前だろ…」
「角かと思ってた…」
それもそのはずだ。
ビートの鎧や兜は全身を隙間無く埋めていて体にしっかりとフィットしていた。
「この鎧はこの星の暑さにも耐えられる特殊な加工がされてる鎧でな。そこら辺の星の鎧とは一味違うぜ」
ビートは得意気にそう語った。

アレン達が水を飲んで休憩している頃、暗黒帝国でも動きがあった。

シュドラは前回シャイニー星から奪ったクリスタリア鉱石を使い何かを作っていた。
「フッフッフッ…もうすぐだ…もうすぐ完成だ…」

その様子をイザレスとギルティが見ていた。
「アイツ…何をやってるんだ?」
「さぁ?」
「まっ、いいや…今の内に俺は一暴れしてくるかな…」
そう言ってイザレスは出掛けて行く。

フレア星上空で停滞しているアドベンチャー号でドルフィーが留守番をしていると、突然船内の警報器がなった。
「何だっ!?」
ドルフィーが急いで操縦席に座り調べてみると、アドベンチャー号の周りに暗黒兵団が集まっていた。
「クソッ…アイツら…」
ドルフィーは急いで迎撃体制に入るが、暗黒兵団が先制攻撃を仕掛けて来た。
ドルフィーはアドベンチャー号を操縦し、必死に攻撃をかわす。
「クソッ…修理したばかりなんだ…やられてたまるか!!」
ドルフィーは反撃。
アドベンチャー号のレーザーで暗黒兵団を攻撃する。

フレア星ではコスモが異変を感じた。
(!…この邪悪な気配は…暗黒兵団か!)
「何だって!?」
(アレン、行くぞ!)
「ああ!」
アレンは店を出ていく。
「ああ、お客さんお金!」
「おやじさん、俺が払うよ」
ビートがお金を払ってくれた。
(この星はお水にもお金を払う位貴重な物なのね…)
ルティアは水にお金を払う事に驚いていた。

外に出たアレンは『コスモスパーク』でコスモに変身。

コスモが登場し、宇宙へ飛び立つ。

「アレは…伝説の勇者…」
コスモの姿を見たビートがそう呟いた。

フレア星を脱出したコスモがアドベンチャー号の救出に向かう。

「来たなコスモ…やれ!コスモをぶっ殺せ!!」
イザレスの命令で暗黒兵団が標的をコスモに切り替える。
コスモもそれを迎え撃つ。
「来たぞ、アレン」
(ああ!行くぜ!)
『クリスタルビーム』
コスモは『クリスタルビーム』を連発し暗黒兵団にダメージを与えて行く。

だが、コスモが宇宙空間で暗黒兵団と戦っている隙にフレア星に暗黒魔獣ギガンデロスが出現。
ギガンデロスは体から生える何本もの触手で街を破壊し始めた。
「クソッ…暗黒帝国軍か…こんな所にまで…」

コスモはまだ宇宙空間で戦闘中。
「!フレア星に別の気配…」
(何だって!?)
「まずい…長引かせられないな…ドルフィー!」
「わかった!」
コスモとドルフィーは『コスモフュージョン』。
アクアコスモ登場。
「一気に倒す!!」
『アクアバスター』
アクアコスモの必殺技が炸裂し、暗黒兵団を一気に倒す。
「よし!フレア星に戻ろう!」
アクアコスモはそのままフレア星に急行。

フレア星ではビートがギガンデロスと必死に戦っていた。

だが、ギガンデロスの攻撃がビートに襲い掛かる…!!

続く…。
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