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悪役令嬢、板挟みになる
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アイリスの視線を感じながらも、私は
今とんでもないイケメンに抱きしめられ
ていることにドキドキせざるを得なか
った。
あの、ふかふかポヨポヨだったお腹は
すっかり厚い胸板になっているし、私の
背中にまわされた腕は、剣を振るう男の
力強い腕だ。
たった1年で、人ってこんなに変われる
ものなの?
あきらかに、私が知っているゲームの中
のカイン殿下より、顔も体もレベルUPし
ている。
「あ、あの、殿下、いつお戻りになったん
ですか?」
「たった今だよ。王宮に行く前にこっちに
寄ったんだ。」
「ええ!?」
驚いた私は、思わず両手で殿下の体を押し
返した。
「ダメですよ!陛下と王妃様より前に、私
に会うなんて!順番が逆です!」
「いいんだ。だって僕はセセリアに会う
ために戻って来たんだから。」
そう言うと、殿下は再び私を抱き寄せた。
いや、よくないですって!
殿下を太らせた張本人の私は、王妃様から
どう思われてるかわからないんだから!
これじゃぁ益々印象が悪くなってしまう!
「君に会える日を、一日千秋の思いで待ち
焦がれていたのに、セセリアは僕に会えて
嬉しくないの?」
「も、もちろん嬉しいですよ!」
嬉しくないわけじゃない。
でも、陛下と王妃様を差し置いて、殿下と
会うのはマズい気がするし、それよりなに
より殿下がイケメンすぎるのがいけないん
です!
「そう?あまり嬉しそうに見えないけど
なぁ。」
殿下は私の顔を覗き込むと、少し意地悪
な口調で言った。
「だ、だって…殿下が1年前とは別人の
ようだから…」
殿下に見つめられていることに堪えかねた
私は、思わず顔をそらしてしまった。
「あ!」
顔をそらした私は、そこにアイリスがいる
ことに気づいた。
女神のように優しく微笑んでいるが、目が
笑っていない。
やだ、怖い!
「あの、殿下、紹介しますね!こちらは
アイリス。聖女様なんですよ!」
私はあわてて殿下から離れると、アイリス
を紹介した。
「はじめまして、カイン殿下。アイリス・
シモンズと申します。」
私と殿下のやりとりをずっと見ていたはず
のアイリスは、何事もなかったように涼や
かに挨拶をした。
「はじめまして、アイリス。噂は聞いてい
るよ。わが国に20年ぶりに現れた聖女。
クレイトン王国の繁栄の為に尽力してくれ
たまえ。」
第二王子として聖女に言葉をかけた殿下に
向かって、アイリスはがっかりした表情で
言った。
「ああ殿下、残念ですが、私は国のために
聖女になったのではありません。」
「どういうことかな。」
殿下の表情も心なしか硬くなっている。
「私はセセリア様を守るために聖女になっ
たんです。」
「へぇ、そうなんだ。でも守るって、一体
なにから?」
「さぁ、なにからでしょう。」
二人とも、顔は笑っているが、明らかに
空中で火花を散らしている。
え、どうしたの!?
なんで二人がこんな険悪な雰囲気になって
るの!?
訳がわからないまま、私は二人の間で
オロオロするしかなかった。
今とんでもないイケメンに抱きしめられ
ていることにドキドキせざるを得なか
った。
あの、ふかふかポヨポヨだったお腹は
すっかり厚い胸板になっているし、私の
背中にまわされた腕は、剣を振るう男の
力強い腕だ。
たった1年で、人ってこんなに変われる
ものなの?
あきらかに、私が知っているゲームの中
のカイン殿下より、顔も体もレベルUPし
ている。
「あ、あの、殿下、いつお戻りになったん
ですか?」
「たった今だよ。王宮に行く前にこっちに
寄ったんだ。」
「ええ!?」
驚いた私は、思わず両手で殿下の体を押し
返した。
「ダメですよ!陛下と王妃様より前に、私
に会うなんて!順番が逆です!」
「いいんだ。だって僕はセセリアに会う
ために戻って来たんだから。」
そう言うと、殿下は再び私を抱き寄せた。
いや、よくないですって!
殿下を太らせた張本人の私は、王妃様から
どう思われてるかわからないんだから!
これじゃぁ益々印象が悪くなってしまう!
「君に会える日を、一日千秋の思いで待ち
焦がれていたのに、セセリアは僕に会えて
嬉しくないの?」
「も、もちろん嬉しいですよ!」
嬉しくないわけじゃない。
でも、陛下と王妃様を差し置いて、殿下と
会うのはマズい気がするし、それよりなに
より殿下がイケメンすぎるのがいけないん
です!
「そう?あまり嬉しそうに見えないけど
なぁ。」
殿下は私の顔を覗き込むと、少し意地悪
な口調で言った。
「だ、だって…殿下が1年前とは別人の
ようだから…」
殿下に見つめられていることに堪えかねた
私は、思わず顔をそらしてしまった。
「あ!」
顔をそらした私は、そこにアイリスがいる
ことに気づいた。
女神のように優しく微笑んでいるが、目が
笑っていない。
やだ、怖い!
「あの、殿下、紹介しますね!こちらは
アイリス。聖女様なんですよ!」
私はあわてて殿下から離れると、アイリス
を紹介した。
「はじめまして、カイン殿下。アイリス・
シモンズと申します。」
私と殿下のやりとりをずっと見ていたはず
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かに挨拶をした。
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るよ。わが国に20年ぶりに現れた聖女。
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たまえ。」
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向かって、アイリスはがっかりした表情で
言った。
「ああ殿下、残念ですが、私は国のために
聖女になったのではありません。」
「どういうことかな。」
殿下の表情も心なしか硬くなっている。
「私はセセリア様を守るために聖女になっ
たんです。」
「へぇ、そうなんだ。でも守るって、一体
なにから?」
「さぁ、なにからでしょう。」
二人とも、顔は笑っているが、明らかに
空中で火花を散らしている。
え、どうしたの!?
なんで二人がこんな険悪な雰囲気になって
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訳がわからないまま、私は二人の間で
オロオロするしかなかった。
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