学級委員長だったのにクラスのおまんこ係にされて人権がなくなりました

ごみでこくん

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本編9話(体育祭編 休憩〜玉入れ)

高瀬くんの体育祭④

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「尾形っ!だ、誰かいるっ!不審者っ……!!」
「っ、なに、はぁ……?不審者ぁ……?」
「あそこっ……あの植え込みの奥!いま、写真っ……写真、撮られてたぁっ……!!」
「……あー、気のせいじゃない?野良猫とか」
「違う、人だったっ……人なの、信じて、尾形……」
「…………」
「こわい、写真、やだぁ……捕まえて、尾形ぁ……」
「……わかったわかった、大丈夫だから」

身を縮こませて震える僕を、ちゅっちゅっと口付けて優しくあやしたあと、尾形は身体を起こしてちんぽを仕舞いながら徐に植え込みへと近付く。僕も構えるように起き上がり、ガサガサと音を立て始めた茂みと丸腰の尾形とを固唾を呑んで見守った。もし相手が刃物を持っていたらどうしよう。今からでも走って先生を呼びに行ったほうがいいだろうか。そう頭で考えても身体は一歩たりとも動けずにいると、茂みの一歩手前で尾形が山茶花を蹴り上げたので僕は呼吸を止めた。

「ヒィッ……」

すぐさま、生垣から一人の男が悲鳴を上げながら飛び出してくる。帽子にサングラス、黒マスクをつけ、黒と金の派手な和柄が刺繍されたスカジャンに身を包んだ男は、僕の想像していたキモオジよりも幾分かチャラチャラとしていて年齢も若そうだ。手には見るからに上等そうな一眼レフが握られているが、へっぴり腰で、こちらに危害を加えてくるような素振りもなく。

「瑞葵を怖がらせてんじゃねーよ、ヨシロー」
「ず、ずびばぜん、若ぁっ……」
「……は?……若?ヨシロー……?」
「うん、こいつ、うちの舎弟のヨシロー」
「お、お初にお目に掛かりますっ、瑞葵さん!」

地べたに膝をついたまま、深々と低頭してくる大の大人に、思わず僕は立ち上がった。は?尾形組の舎弟?

「えっ……なに、どういうことなんだ?」
「若と瑞葵さんの熱い逢瀬に水を差すようなことしちまって、この由郎、一生の不覚ですっ……」
「ほんとだよ、あとちょっとだったのに。ハメて暫くして瑞葵が完全にトんでからシャッター切れよ」
「そうも考えたんですが、瑞葵さんの貴重なおねだりシーンはシャッターチャンスだと思って……」
「それは一理ある。他には?どんなの撮れた?」
「まだ瑞葵さんの出場種目が少ないのでこれからってとこですが、俺のオススメはコレとかですね……」
「おー、いいじゃん。この瑞葵かわいい。でもお前、アングルへたくそだな。これもさ、俺のちんぽとかどうでもいいの。他所のクラスのおまんこ係とかも一切いらねぇから瑞葵だけを画角に収めろ。瑞葵に自動でピント合うモードとかないの?あと全体的に丹羽のジャージが邪魔すぎ。加工でジャージだけ消しといて」
「無茶ばっか言わんでください、若……」
「はーつっかえ。お前の他は今日誰が来てんの?」
「北はユージさん、東はリュウセイ、南は東出のアニキがそれぞれスタンバってます。若から依頼された撮ってきて欲しい瑞葵さんリストは共有済なんで。進捗はまだ15パーってとこすね。俺は本来西担当なんですが、若と瑞葵さんがテントから移動するのが見えたので勝手ながらここまで後を追ってきました」
「その判断はナイス。このあと、100m終わったら瑞葵の出る種目があるから、東方面厚めにしといて」
「はいっ!!若のリレーと借り物競争もこの由郎のカメラでバッチリ収める気でいるんで!!」
「だーかーら、俺はいいから瑞葵を撮れっての」

歳は十以上離れていそうだが至極仲良さげな二人は、僕が黙っているのをいいことに明け透けな会話で盛り上がっている。初めこそ何が何だか分からなかったが話を聞いているうちに全容が掴めてきた僕は、キリのいいタイミングで割って入った。

「あの……ヨシローさん、こいつのこと、少し借りてもいいですか……?話したいことがあって……」
「ヨシロー、瑞葵が俺と二人きりになりたいって」
「っ、こっ、これは大変失礼しました!じゃあ、俺はこのへんで退散します!若と瑞葵さんの末永いご多幸を、この由郎、心よりお祈りしておりますっ!」

そう言うと、すたこらさっさとヨシローさんは元居た植え込みの向こう側へと姿を消した。それを見送ってから、ポカポカと目の前のクソバカを殴りまくる。

「お~~が~~たぁ~~!!!!」
「ふっ……かわい……攻撃力1の雑魚パンチ……」
「お前はっ!お家の人にっ!なにさせてんだっっ!」
「瑞葵の色んな写真がいっぱい欲しかったから」
「開き直んなっ!あんなっ、あんな写真まで……」
「ああ、言っとくけど、さっきのはヨシローが気を利かせて撮ってくれただけで、別に俺からエロいの撮れとか指示したわけじゃないから。俺は瑞葵が真顔で棒立ちした盛れてない証明写真でも全然抜けるし」
「要らねーんだよ、そんなフォローは!!!柏木が丹羽に通報した連中もお前の組の人たちなのか!?」
「ううん、うちの今日の面子はハゲもデブもいないから、そっちは野良の変質者だと思う。まあ、丹羽に話が行ってるんなら、遅かれ早かれお陀仏だろ」
「はぁ……もうやだ、このあと玉入れとか……」
「そういや、早くヤんないと時間来ちゃうじゃん。バックでいっか。そこに手ついてブルマ、ズラして?」
「っ、ヤるかっ!僕は入場口行って一人で西田のこと応援するから、ついてくんなよっ、ばぁーか!」
「えー、俺のちんぽは?こんな元気いっぱいなのに」
「知るか。捥げろ、そんなもん」
「おい、かわいそうだろ。瑞葵のまんこが泣く」
「泣くか、ばぁーか!尾形のばーかばーか!!!」

ベンチの上にほったらかしだった丹羽のジャージを羽織り直して、僕は尾形を一人残し、中庭を後にした。
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