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日常編(単発)
賭けゲー
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ある日、まだ転校してきて間もないルイスをマルセラが案内していた。
「ふ~ん、まぁこんな所ね。どう?学校にはなれた?」
「お陰様で。ありがとうね、マルセラさん」
「いえいえ。それじゃあ休みましょう」
そう言われマルセラとカフェテリアに入る。席に着くと、早速飲み物を奢ってくれた。
「あ、ありがとう……」
ルイスは渡されたオレンジジュースのペットボトルを両手で包んだ。しかし、それをじっと見つめて飲む気配がない。
「?ルイスくん喉乾いてないの?」
「あぁ……そうじゃなくて、なんか貰いっぱなしは悪いな~って」
そう言いながらチラチラと売店の方を見る。
「(分かりやす!)……どうしたの?」
「その……ぼ、ぼ、僕が売店で何か買ってあげようか?」
「(最近太ってきたんだけどなぁ……)いいの?ありがとう」
「よ、よかった。マルセラさんお金持ちだから喜んでくれないと思った」
謎の心配をしていたルイスだったが、マルセラの言葉を聞いて嬉しそうに売店に向かった。
「……こんどお兄ちゃんに減量魔法が無いか聞いてみよ」
ルイスは早足で売店の前に行く。すると、ショウケースの一歩手前で売店のお兄さんに呼び止められた。
「君、止まれ。ストップだ。you must stop だ」
「え?あ、はい」
「突然だが、俺はこの学校の守護神だ。分かるかい?」
「全然わかんないです」
「そうか。それも無理はない。そうだね、君は見たところ二年生かな?」
「いえ、一年生ですけど」
「あ、そうだったかい。でも、四月からいるってことは一度はこの学校の守り神を見たことがあるだろう?」
「僕、この前転入してきたばかりで……」
「そ、そうだったかい……」
自らを学校の守護神と名乗る謎の胡散臭い男は守護神と名乗る割にはポンコツさが垣間見える。
「……まぁ自己紹介はこのくらいに」
「自己紹介だったんですか!?」
「君、賭けは好き?」
「どちらかと言うと嫌いですね。競馬とかカジノとか?ちょっと怖いイメージです」
「ふん、そういう人も多いだろう。でも安心して」
そう言って守護神は二枚のカードを取り出す。
「このうちのどちらかが当たり……かもしれない」
「かも?」
「当たりを引けば君の勝ち。売り物をどれか一つだけタダであげるよ」
「え!ほんとですか!?」
寮生のルイスにとっては嬉しい話だ。
「ただし、もしもハズレを出した場合……」
「出した場合?」
「クラスメイト全員の前で脱糞してもらう」
「えー!なんですかそれ!地獄じゃないですか!」
「そうだよ。賭けってそういうものだから」
「む、無理です!辞退……辞退します!」
「辞退したら……あの子が無事に済むと思う?」
守護神はニンマリとスマホをいじるマルセラを見た。
「……この賭け、のるしかないのか!?」
ルイスは目の前のカード二枚を睨みつける。そして、ついに舞台はテレパシーの領域、精神世界へと移った。
「え?なんでナチュラルに精神世界に?」
ルイスのマルセラを救いたいというその気持ちが、普通の人間ではなし得ない深い精神状態に変化させたのだ。
「あ、そうなんだ」
商品一つ無料とクラスメイトの前で醜態を晒す……彼はマルセラへの気持ち、「愛」故に身を捧げる覚悟を決めたのだ!
「えへへ……そんなに褒めないでくださいよ」
しかし、精神世界は相手と共通のもの。下手に気持ちを緩ませれば相手にこちらの思考を読まれかねない。
「え、そうなの?やべ、なんか違うこと考えて思考を読まれないようにしないと……。えっと……なんて言おう。ゴマだれ、ゴマどれ、バカタレ……」
しかし!ルイスの思考は読まれていなかった!
「よかった~」
さて、あとは守護神の心を読むだけだが、守護神故に心のガードが固く、単語程度しか聞き取れないだろう。つまり、ヒント程度のことしか手に入らないという事だ。いきなり答えが手に入ると思ってはいけない。
「成程……。どんな風に聞こえるんだろ」
ルイスは耳を澄ます。
「あ、澄ませばいいのね」
『……ぎ、……、……ぎ』
「う~ん、よく聞き取れないや」
ルイスはもっと耳を澄ました。
『右、右、右』
「めっちゃ右って言ってるよ!」
『右が答え、右が答え』
「答えもめっちゃ言っちゃってるよ!?」
これを聞いた直後、ルイスは精神世界から抜け出した。
「あれ?天の声が聞こえない。帰ってきたんだ」
「さぁ、右と左。どっちにしますか?」
「…………左でお願いします」
なんということでしょう!ルイスは左を選んだのだ。もしかしたらルイスら公衆の面前で脱糞をする趣味があるのかもしれない。
「左、ですか……。正解です」
「や、やったー!」
そう、正解は左なのだ。……なんで?
「右が正解。それはあくまでも貴方目線の話。子供だましみたいですけど、引っかかるところでしたよ」
そういうことらしいよ。
「ふっ、君の勝ちだよ。さぁ、なんでも持っていきな」
こうして、見事賭けに勝利したルイスはマルセラの好きそうなお菓子を物色するのであった。その間ルイスは、「あれってほんとに賭けだったのかな?」という思いでいっぱいだった。
~五分後~
「マルセラさ~ん!持ってきましたよ」
「何買ってきてくれて……げ」
ルイスの手には、冷凍庫の奥に眠っていたというアイスパフェがある。もちろん、カロリーやらなんやら諸々高数値である。
「そ、それって……」
「早くしないと溶けちゃうから食べて」
ルイスの罪の無い笑顔……食べないわけにはいかない。
(まぁお兄ちゃんの魔法で何とかしてもらえばいいわよね)
こうして、太ること覚悟でアイスパフェを完食したマルセラなのであった。ちなみにマルセルが減量魔法など無いと言ったところ逆ギレしたマルセラに絞め殺されそうになった。
「ふ~ん、まぁこんな所ね。どう?学校にはなれた?」
「お陰様で。ありがとうね、マルセラさん」
「いえいえ。それじゃあ休みましょう」
そう言われマルセラとカフェテリアに入る。席に着くと、早速飲み物を奢ってくれた。
「あ、ありがとう……」
ルイスは渡されたオレンジジュースのペットボトルを両手で包んだ。しかし、それをじっと見つめて飲む気配がない。
「?ルイスくん喉乾いてないの?」
「あぁ……そうじゃなくて、なんか貰いっぱなしは悪いな~って」
そう言いながらチラチラと売店の方を見る。
「(分かりやす!)……どうしたの?」
「その……ぼ、ぼ、僕が売店で何か買ってあげようか?」
「(最近太ってきたんだけどなぁ……)いいの?ありがとう」
「よ、よかった。マルセラさんお金持ちだから喜んでくれないと思った」
謎の心配をしていたルイスだったが、マルセラの言葉を聞いて嬉しそうに売店に向かった。
「……こんどお兄ちゃんに減量魔法が無いか聞いてみよ」
ルイスは早足で売店の前に行く。すると、ショウケースの一歩手前で売店のお兄さんに呼び止められた。
「君、止まれ。ストップだ。you must stop だ」
「え?あ、はい」
「突然だが、俺はこの学校の守護神だ。分かるかい?」
「全然わかんないです」
「そうか。それも無理はない。そうだね、君は見たところ二年生かな?」
「いえ、一年生ですけど」
「あ、そうだったかい。でも、四月からいるってことは一度はこの学校の守り神を見たことがあるだろう?」
「僕、この前転入してきたばかりで……」
「そ、そうだったかい……」
自らを学校の守護神と名乗る謎の胡散臭い男は守護神と名乗る割にはポンコツさが垣間見える。
「……まぁ自己紹介はこのくらいに」
「自己紹介だったんですか!?」
「君、賭けは好き?」
「どちらかと言うと嫌いですね。競馬とかカジノとか?ちょっと怖いイメージです」
「ふん、そういう人も多いだろう。でも安心して」
そう言って守護神は二枚のカードを取り出す。
「このうちのどちらかが当たり……かもしれない」
「かも?」
「当たりを引けば君の勝ち。売り物をどれか一つだけタダであげるよ」
「え!ほんとですか!?」
寮生のルイスにとっては嬉しい話だ。
「ただし、もしもハズレを出した場合……」
「出した場合?」
「クラスメイト全員の前で脱糞してもらう」
「えー!なんですかそれ!地獄じゃないですか!」
「そうだよ。賭けってそういうものだから」
「む、無理です!辞退……辞退します!」
「辞退したら……あの子が無事に済むと思う?」
守護神はニンマリとスマホをいじるマルセラを見た。
「……この賭け、のるしかないのか!?」
ルイスは目の前のカード二枚を睨みつける。そして、ついに舞台はテレパシーの領域、精神世界へと移った。
「え?なんでナチュラルに精神世界に?」
ルイスのマルセラを救いたいというその気持ちが、普通の人間ではなし得ない深い精神状態に変化させたのだ。
「あ、そうなんだ」
商品一つ無料とクラスメイトの前で醜態を晒す……彼はマルセラへの気持ち、「愛」故に身を捧げる覚悟を決めたのだ!
「えへへ……そんなに褒めないでくださいよ」
しかし、精神世界は相手と共通のもの。下手に気持ちを緩ませれば相手にこちらの思考を読まれかねない。
「え、そうなの?やべ、なんか違うこと考えて思考を読まれないようにしないと……。えっと……なんて言おう。ゴマだれ、ゴマどれ、バカタレ……」
しかし!ルイスの思考は読まれていなかった!
「よかった~」
さて、あとは守護神の心を読むだけだが、守護神故に心のガードが固く、単語程度しか聞き取れないだろう。つまり、ヒント程度のことしか手に入らないという事だ。いきなり答えが手に入ると思ってはいけない。
「成程……。どんな風に聞こえるんだろ」
ルイスは耳を澄ます。
「あ、澄ませばいいのね」
『……ぎ、……、……ぎ』
「う~ん、よく聞き取れないや」
ルイスはもっと耳を澄ました。
『右、右、右』
「めっちゃ右って言ってるよ!」
『右が答え、右が答え』
「答えもめっちゃ言っちゃってるよ!?」
これを聞いた直後、ルイスは精神世界から抜け出した。
「あれ?天の声が聞こえない。帰ってきたんだ」
「さぁ、右と左。どっちにしますか?」
「…………左でお願いします」
なんということでしょう!ルイスは左を選んだのだ。もしかしたらルイスら公衆の面前で脱糞をする趣味があるのかもしれない。
「左、ですか……。正解です」
「や、やったー!」
そう、正解は左なのだ。……なんで?
「右が正解。それはあくまでも貴方目線の話。子供だましみたいですけど、引っかかるところでしたよ」
そういうことらしいよ。
「ふっ、君の勝ちだよ。さぁ、なんでも持っていきな」
こうして、見事賭けに勝利したルイスはマルセラの好きそうなお菓子を物色するのであった。その間ルイスは、「あれってほんとに賭けだったのかな?」という思いでいっぱいだった。
~五分後~
「マルセラさ~ん!持ってきましたよ」
「何買ってきてくれて……げ」
ルイスの手には、冷凍庫の奥に眠っていたというアイスパフェがある。もちろん、カロリーやらなんやら諸々高数値である。
「そ、それって……」
「早くしないと溶けちゃうから食べて」
ルイスの罪の無い笑顔……食べないわけにはいかない。
(まぁお兄ちゃんの魔法で何とかしてもらえばいいわよね)
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