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日常編(単発)
浮気
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ある日、なんとヒナタは見てしまった。フーリが他の女と歩いている姿を!ということでなんか面白そうだから尾行することにした。
〈尾行開始から三十分〉
近くの百均で鼻眼鏡を買い無事変装したヒナタがこそこそと尾行すると、二人はカフェに入っていった。ヒナタもそれとなく入店し店員の必死の案内を振り切ってフーリ達の横の席に座った。よりによって女の顔が見えないのが残念だが。耳を澄ますと横から会話が途切れ途切れに聞こえてくる。
「でさー、株がさー」
「僕のクローンがさー」
「答えは英語で言うとアンサー」
よく聞くとこれは会話というよりフーリが謎の言動を繰り返しているだけのようだ。しかし、内容までは聞き取れないがそれに対して相手はちゃんと突っ込んでいるようだ。しばらく会話に耳をたてていると、フーリがコップと机にある結露してできた水を舐めようとしている。あれはそろそろ帰ろうという合図なのだ。それを見た相手はフーリの頭を鷲掴みして止め、台布巾で机を拭いた。どうやら気遣いのできる人らしい。
(この……私だって……)
そう悔しがっている間に二人は会計を済ませて行ってしまった。ヒナタも急いで会計を済ませるため残っていたアイスコーヒーを無理やり飲み込むと完璧に気管に入ったが、ドタバタと咳き込みながら会計に行った。
「お、お客様……大丈夫ですか?」
「会計……会計を……」
「お会計……2FDです……」
それを聞きヒナタは乱雑に財布に手を突っ込みありったけの貨幣を突き出すと、「釣りはいらねぇ!」と豪快に言って出て行った。
「ご、ご利用ありがとうございました……」
〈尾行開始から一時間半〉
ショッピングモールに入った二人を追いかけていたが、うねうねした構造に惑わされ見失ってしまった。
「もお……どこに行ったんだろ……!」
ヒナタが焦りながら地図を見ていると突然後ろから誰かに話しかけられた。
「あれ?ヒナタ?何してるの?」
「リアン!あんたこそ何してんの!?」
「何って、僕はただ服買いに来ただけだよ。で、たまたまヒナタを見かけてさ。なんか焦ってたけどどうかしたの?」
「そう!フーリ見てない!?」
「フーリ?あぁ、さっき会ったよ。フードコートに居た」
「嘘!誰かと一緒に?」
「うん。水飲んでるだけだったから単なる休憩だろうけど」
「分かったありがと!行ってくる!」
「ちょっと待ってよ!話が全然見えなーーー」
「邪魔しないで……よ!」
「ぶっ!殴る癖治ってなーい!」
話の全体像が見通せないリアンが話を聞くために引き止めたところ、そこは実力行使で押し通った。見事に仰向けに吹き飛ばされ鼻血を吹き出すリアンに目もくれずヒナタは走り去った。
ぜいぜい言いながらフードコートに行くと、遠くにあるエスカレーターに乗って降りて行くフーリ達の姿が見えた。恐らく休憩を終えてしまったのだろう。
「あ!待て!」
そうヒナタが急いで走ると、掃除をした後だった為床がツルツルになっており、案の定滑ってしまった。そして、滑って滑って行き着いた先は……。
「いらっしゃいませ~。ご注文はお決まりですか?」
なんと、大手ハンバーガーショップだった。
「ポテトですかー?」
「まだ何も言ってない……っていうか、間違えて入っちゃって……」
「Sですかー?Mですかー?」
「だから!」
「お客様の胸はSサイズ見たいですねー」
「あぁん!?」
ヒナタはまた拳で邪魔者を沈めると急いでエスカレーターに足を進めた。
〈尾行開始から二時間〉
店の外に行くと、例の女と分かれたのか自販機を前に何を買おうか迷っているフーリの姿があった。いつもより少しだけ話しかけるのに躊躇ってしまったが、勇気をだして彼の肩を叩いた。
「ん?まさかアサシンの手先……んぐっ!?」
意味不明なことを言いながら振り返ったフーリの胸ぐらをいつもより強く掴む。
「ヒ、ヒナタ!?」
「誰よあの女!何処の馬の骨よ!私という存在がありながら……何で……どうして……」
思わず涙を浮かべながらフーリを問いただす。
「あぁあぁ待て待て。何かされてるみたいだな。ちゃんと説明してやるから胸ぐら掴んで前後にグワングワンするの止めてくんね?後頭部が壁に当たって痛いんだわ」
「説明ってなによ。言い訳なんて聞きたくないよ……」
「そもそもの話な、あいつはウィルバー容疑者って言う歴とした男だ」
「待って、容疑者!?」
「被疑者でもいいぞ」
「そういう問題じゃないの!」
「まぁとにかく僕は一日女装癖男の逃走ルート確保に付き合っただけだ」
「よかった……よかった!浮気じゃなかった!」
「僕が浮気するわけないじゃん。とりあえずもう帰ろうぜ。家までなら送ってくよ」
こうして、無事フーリの潔白が証明され二人は仲睦まじく帰るのであった。ちなみに逃走中であったウィルバー容疑者はフーリが暇つぶしに忍ばせた百個のGPSによって身柄を拘束された。
〈尾行開始から三十分〉
近くの百均で鼻眼鏡を買い無事変装したヒナタがこそこそと尾行すると、二人はカフェに入っていった。ヒナタもそれとなく入店し店員の必死の案内を振り切ってフーリ達の横の席に座った。よりによって女の顔が見えないのが残念だが。耳を澄ますと横から会話が途切れ途切れに聞こえてくる。
「でさー、株がさー」
「僕のクローンがさー」
「答えは英語で言うとアンサー」
よく聞くとこれは会話というよりフーリが謎の言動を繰り返しているだけのようだ。しかし、内容までは聞き取れないがそれに対して相手はちゃんと突っ込んでいるようだ。しばらく会話に耳をたてていると、フーリがコップと机にある結露してできた水を舐めようとしている。あれはそろそろ帰ろうという合図なのだ。それを見た相手はフーリの頭を鷲掴みして止め、台布巾で机を拭いた。どうやら気遣いのできる人らしい。
(この……私だって……)
そう悔しがっている間に二人は会計を済ませて行ってしまった。ヒナタも急いで会計を済ませるため残っていたアイスコーヒーを無理やり飲み込むと完璧に気管に入ったが、ドタバタと咳き込みながら会計に行った。
「お、お客様……大丈夫ですか?」
「会計……会計を……」
「お会計……2FDです……」
それを聞きヒナタは乱雑に財布に手を突っ込みありったけの貨幣を突き出すと、「釣りはいらねぇ!」と豪快に言って出て行った。
「ご、ご利用ありがとうございました……」
〈尾行開始から一時間半〉
ショッピングモールに入った二人を追いかけていたが、うねうねした構造に惑わされ見失ってしまった。
「もお……どこに行ったんだろ……!」
ヒナタが焦りながら地図を見ていると突然後ろから誰かに話しかけられた。
「あれ?ヒナタ?何してるの?」
「リアン!あんたこそ何してんの!?」
「何って、僕はただ服買いに来ただけだよ。で、たまたまヒナタを見かけてさ。なんか焦ってたけどどうかしたの?」
「そう!フーリ見てない!?」
「フーリ?あぁ、さっき会ったよ。フードコートに居た」
「嘘!誰かと一緒に?」
「うん。水飲んでるだけだったから単なる休憩だろうけど」
「分かったありがと!行ってくる!」
「ちょっと待ってよ!話が全然見えなーーー」
「邪魔しないで……よ!」
「ぶっ!殴る癖治ってなーい!」
話の全体像が見通せないリアンが話を聞くために引き止めたところ、そこは実力行使で押し通った。見事に仰向けに吹き飛ばされ鼻血を吹き出すリアンに目もくれずヒナタは走り去った。
ぜいぜい言いながらフードコートに行くと、遠くにあるエスカレーターに乗って降りて行くフーリ達の姿が見えた。恐らく休憩を終えてしまったのだろう。
「あ!待て!」
そうヒナタが急いで走ると、掃除をした後だった為床がツルツルになっており、案の定滑ってしまった。そして、滑って滑って行き着いた先は……。
「いらっしゃいませ~。ご注文はお決まりですか?」
なんと、大手ハンバーガーショップだった。
「ポテトですかー?」
「まだ何も言ってない……っていうか、間違えて入っちゃって……」
「Sですかー?Mですかー?」
「だから!」
「お客様の胸はSサイズ見たいですねー」
「あぁん!?」
ヒナタはまた拳で邪魔者を沈めると急いでエスカレーターに足を進めた。
〈尾行開始から二時間〉
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「ん?まさかアサシンの手先……んぐっ!?」
意味不明なことを言いながら振り返ったフーリの胸ぐらをいつもより強く掴む。
「ヒ、ヒナタ!?」
「誰よあの女!何処の馬の骨よ!私という存在がありながら……何で……どうして……」
思わず涙を浮かべながらフーリを問いただす。
「あぁあぁ待て待て。何かされてるみたいだな。ちゃんと説明してやるから胸ぐら掴んで前後にグワングワンするの止めてくんね?後頭部が壁に当たって痛いんだわ」
「説明ってなによ。言い訳なんて聞きたくないよ……」
「そもそもの話な、あいつはウィルバー容疑者って言う歴とした男だ」
「待って、容疑者!?」
「被疑者でもいいぞ」
「そういう問題じゃないの!」
「まぁとにかく僕は一日女装癖男の逃走ルート確保に付き合っただけだ」
「よかった……よかった!浮気じゃなかった!」
「僕が浮気するわけないじゃん。とりあえずもう帰ろうぜ。家までなら送ってくよ」
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