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新たなる危機に瀕して
最高司令官との戦い
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僕がさらなる警戒態勢を取る前に
「もしかして、あなたが碧梦の言ってた能力者かしら
容姿もまんまだし、かなり強そうだし
でも、いまはあなたに構う暇はないの
とっとと暁音を渡してくれるかしら?」
堂々たる態度
先程の先頭を見ても一切の脅えがない
そして、価値を確信した顔
さすがの僕でも恐怖だ。
しかし、
「僕が渡すと思う?
暁音を守るために立ち塞がってるんだよ」
と、僕なりの言い返しをしたが
「ふぅん
守るねぇ
最強能力者の私に勝てると思ってるの?」
足が竦む
冷や汗が背筋を伝う
手が震えそうになる
でも、守らなきゃ
「けど、そっちは僕の能力を知らないだろう
それならこっちだって勝算はあるさ」
「そこまでやる気なのね
正直戦いたくは無いのだけれど」
この言葉で、僕達は互いに戦闘態勢に入ることを合図した。
それを悟ったか、暁月は森の中に駆け込んで行った。
「仕方ないからあなたから先に倒すことにするね
最強能力者を舐めないでよね」
僕はできるだけ合間を取り、
「僕の能力だって捨てたもんじゃないさ」
と言い、再度能力を解放した。
相手が一瞬構えを低くした
来る
本能がそう悟った
僕の射程圏内にはまだ入らない
けど、相手の能力が分からないなら
「はっ」
っと、声を出し周囲に能力を発動させる
相手の速度は止まらない
もう僕の射程圏内に捉える
けど、殺しはしたくないので、このまましておく
「死ね」
と、軍の最高司令官が発言してはいけなさそうな言葉と共に突入するも
僕には触れられない
相手が僕に触れられずに通り越してから、こちらを振り返って
「あなたの能力、結界術?」
と聞いてきた
少し休もうと思い、能力を少し解除して、会話に意識を集中させた。
「さあね
敵に教えるほど
っと」
僕の言葉を遮るように、石が光速で飛んできた。
光の速さではないだろうが、ほとんど目に映らないぐらいの速さだったのは確かだ。
「あんたこそどんな能力なんだろうな
自身のステータスを上げているのかな」
「それは堂々巡りね
まあ、続き行くわね」
と言うと、もう一度地面を蹴って突っ込んできた。
いや、さっきと違って手が前に出ている。
もう、能力を発動させてはいるが、安心できなさそうだ
蒼漸の手が僕の能力でできたものに近づき
穴を作った!?
僕の能力で囲った場所をこじ開けてきたのだ。
これはまずい
急いで少し遠くまで逃げた
けど、そんな僕を蒼漸は追ってこなかった
直ぐに止まると、また話しかけてきた。
「ね
私の前じゃ、どんな能力も意味をなさないの
それでも続けるの?」
「あ、ああ」
何が起きたかさえ理解出来ていないので、対処の方法もないが、ここで引く訳には行かない。
「意外と根性あるのね
体はヒョロいのに
まあやりごたえがあるってことでいいかもね」
すると、蒼漸は下に転がっていた石を拾い上げ
「一つ質問
ここは誰の土地?」
いきなり突飛推しもない質問だった。
けど、これもさっき確認していたから、ちゃんと答えておく
「暁音たちの家のものだ
軍のものでは無いからな」
軍のものってされると、なにか不都合があると、直感が悟ったのだ。
「そう
それじゃあ、まだやるんでしょ」
と言って、相手はまた前傾姿勢に構えた。
僕の能力が無効化される瞬間を見てしまっているので、どう対策を取っていいのか分からない。
とにかく逃げ続けるしかないか
軽く右に体を傾け、相手の出方を待つ
相手は、さっきと同じ体勢で突っ込んでくる
右手を前に向け、左手には
キラっ
何やら光るものが見えた
あれは、さっきのやつのナイフか
直ぐに僕は一気に右に飛んだ
これで相手が何をす
「っ!!」
急に相手が体をひねってナイフを投げてきたのだ
咄嗟の判断でナイフを消し去ったが、その動揺をつかれた。
ものすごい速度で相手に殴られた
「痛っ」
もう一度相手との距離を取って、相手をしっかりと眼中に捕え直す。
すると、相手は動きを止めて
「ここまで能力差を見せられてもまだやるのかしら?」
と、疲れを見せずに言った。
「やらないわけ、ないだろ」
もう自分の体も限界なのはわかっていた。
そろそろ時間切れにもなる。
だけど…
「まだやるのね
じゃあ、次で殺すわよ」
すると、蒼漸どこかから大量のナイフを出し、クローのように手に挟んだ。
今度は右手を前ではなく、斜め上に振りかぶるように持っている。
蒼漸が地面を蹴り突っ込んできた。
蒼漸の速さに追いつけず、気が付けば眼前にナイフがあった。
逃げなきゃ
しかし、不思議な感覚に襲われた。
眠りに落ちるような
でも、白ではなく黒に沈む感覚
時間制限の体が変わる感覚とも違った
沈む意識の中、ひとつの声が聞こえた
透き通るような、けど芯のある声
「しょうがないなぁ」
あれは、誰の声だっただろう
「もしかして、あなたが碧梦の言ってた能力者かしら
容姿もまんまだし、かなり強そうだし
でも、いまはあなたに構う暇はないの
とっとと暁音を渡してくれるかしら?」
堂々たる態度
先程の先頭を見ても一切の脅えがない
そして、価値を確信した顔
さすがの僕でも恐怖だ。
しかし、
「僕が渡すと思う?
暁音を守るために立ち塞がってるんだよ」
と、僕なりの言い返しをしたが
「ふぅん
守るねぇ
最強能力者の私に勝てると思ってるの?」
足が竦む
冷や汗が背筋を伝う
手が震えそうになる
でも、守らなきゃ
「けど、そっちは僕の能力を知らないだろう
それならこっちだって勝算はあるさ」
「そこまでやる気なのね
正直戦いたくは無いのだけれど」
この言葉で、僕達は互いに戦闘態勢に入ることを合図した。
それを悟ったか、暁月は森の中に駆け込んで行った。
「仕方ないからあなたから先に倒すことにするね
最強能力者を舐めないでよね」
僕はできるだけ合間を取り、
「僕の能力だって捨てたもんじゃないさ」
と言い、再度能力を解放した。
相手が一瞬構えを低くした
来る
本能がそう悟った
僕の射程圏内にはまだ入らない
けど、相手の能力が分からないなら
「はっ」
っと、声を出し周囲に能力を発動させる
相手の速度は止まらない
もう僕の射程圏内に捉える
けど、殺しはしたくないので、このまましておく
「死ね」
と、軍の最高司令官が発言してはいけなさそうな言葉と共に突入するも
僕には触れられない
相手が僕に触れられずに通り越してから、こちらを振り返って
「あなたの能力、結界術?」
と聞いてきた
少し休もうと思い、能力を少し解除して、会話に意識を集中させた。
「さあね
敵に教えるほど
っと」
僕の言葉を遮るように、石が光速で飛んできた。
光の速さではないだろうが、ほとんど目に映らないぐらいの速さだったのは確かだ。
「あんたこそどんな能力なんだろうな
自身のステータスを上げているのかな」
「それは堂々巡りね
まあ、続き行くわね」
と言うと、もう一度地面を蹴って突っ込んできた。
いや、さっきと違って手が前に出ている。
もう、能力を発動させてはいるが、安心できなさそうだ
蒼漸の手が僕の能力でできたものに近づき
穴を作った!?
僕の能力で囲った場所をこじ開けてきたのだ。
これはまずい
急いで少し遠くまで逃げた
けど、そんな僕を蒼漸は追ってこなかった
直ぐに止まると、また話しかけてきた。
「ね
私の前じゃ、どんな能力も意味をなさないの
それでも続けるの?」
「あ、ああ」
何が起きたかさえ理解出来ていないので、対処の方法もないが、ここで引く訳には行かない。
「意外と根性あるのね
体はヒョロいのに
まあやりごたえがあるってことでいいかもね」
すると、蒼漸は下に転がっていた石を拾い上げ
「一つ質問
ここは誰の土地?」
いきなり突飛推しもない質問だった。
けど、これもさっき確認していたから、ちゃんと答えておく
「暁音たちの家のものだ
軍のものでは無いからな」
軍のものってされると、なにか不都合があると、直感が悟ったのだ。
「そう
それじゃあ、まだやるんでしょ」
と言って、相手はまた前傾姿勢に構えた。
僕の能力が無効化される瞬間を見てしまっているので、どう対策を取っていいのか分からない。
とにかく逃げ続けるしかないか
軽く右に体を傾け、相手の出方を待つ
相手は、さっきと同じ体勢で突っ込んでくる
右手を前に向け、左手には
キラっ
何やら光るものが見えた
あれは、さっきのやつのナイフか
直ぐに僕は一気に右に飛んだ
これで相手が何をす
「っ!!」
急に相手が体をひねってナイフを投げてきたのだ
咄嗟の判断でナイフを消し去ったが、その動揺をつかれた。
ものすごい速度で相手に殴られた
「痛っ」
もう一度相手との距離を取って、相手をしっかりと眼中に捕え直す。
すると、相手は動きを止めて
「ここまで能力差を見せられてもまだやるのかしら?」
と、疲れを見せずに言った。
「やらないわけ、ないだろ」
もう自分の体も限界なのはわかっていた。
そろそろ時間切れにもなる。
だけど…
「まだやるのね
じゃあ、次で殺すわよ」
すると、蒼漸どこかから大量のナイフを出し、クローのように手に挟んだ。
今度は右手を前ではなく、斜め上に振りかぶるように持っている。
蒼漸が地面を蹴り突っ込んできた。
蒼漸の速さに追いつけず、気が付けば眼前にナイフがあった。
逃げなきゃ
しかし、不思議な感覚に襲われた。
眠りに落ちるような
でも、白ではなく黒に沈む感覚
時間制限の体が変わる感覚とも違った
沈む意識の中、ひとつの声が聞こえた
透き通るような、けど芯のある声
「しょうがないなぁ」
あれは、誰の声だっただろう
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