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文化祭に向けて
知ってしまったこと
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暫く、僕は彼女のことを見つめていた。
二人ともお互いの敷地内にいたから、見えない壁で仕切られていたので、のぞき見している気分だった。
まるでマジックミラーのように、水上さんからは僕は見えていなくて、僕からは見えているかのように、水上さんは完ぺきに僕に気が付かなかった。
僕も、あんまりじろじろ見ているのは気づかれそうと思って、思わず自分の家の墓石に目をやった。
何するわけでもなく、桶に残っていた水を墓誌にやさしくかけた。
滴る水が、かすかな音を立てながら跳ねていくのを聞きながら、僕は空を眺めた。
空を翔ける雲が、その蒼さを増して僕を照らし出しているような気がした。
死者の魂の中で、僕だけが生者としてあぶりだされるような気分がした。
桶の中の水がなくがると同時に、水上さんの方を見ると、丁度視線がぶつかった。
一瞬お互いの顔を凝視してから、二人とも視線を外した。
見えない壁に仕切られているから、僕らは直接は会えないとわかっていたので、敷地を出ることにした。
そのためにも、死者にしばらくの、別れを告げると、踵を返して敷地の外に出た。
そして、水上さんの方を見ると、今度は、お互いの視線が何にも阻まれずにぶつかった。
そこで、僕は水上さんに何か声をかけようとしたけど、水上さんには声が届かない。
だから、それらしいジェスチャーをして、書くものが欲しいと伝えると、水上さんはポケットから一枚の紙きれを出した。
それを僕にくれるのかと思ったら、何やら鉛筆でいくらか書いてから、僕にそれを手渡した。
「ここじゃ話しにくいし、いったんカフェにでも行かない?」
と書かれていた。
僕は、確かにそのほうがここよりも話しやすいと思って、その提案に乗った。
それが決まると、僕たちはここから先は一緒に行動することが決まったので、お互いのことを見ながら行動しなければいけない。
特にできるだけ僕が気を遣わないとって自分に言い聞かせた。
その場を去る前に、一瞬だけ水上さんちの墓誌を見た。
そこに、水上さんによく似た名前の人で、没年がおととしの人がいた。
僕らは、桶と柄杓をもとに戻すと、墓地に別れを告げた。
僕からしたら、もう限界なぐらいに心がやられているので、水上さんと一緒に出られるのは、心強かった。
去年とかは、墓地を出てから自殺したくなったことさえあったから、心配にもなっていたんだ。
墓地を抜けると、僕らは一言もしゃべらずに近くのカフェを訪れた。
言葉で会話できないから、しゃべらないだけなんだけれども、ほかの人からは違う風に見えていたかもしれない。
無口な兄妹とか、もしかしたらカップルとかに見られていたかもしれない。
そう考えると、ちょっとだけ顔がほてった。
カフェに入ると、二人で何を頼むか話した。
性格には、ジェスチャーで何を頼むか決めて、とりあえずは僕のおごりにすることに決めた。
たまたまとはいえ、お財布を持ってきていたことが救いになった。
オーダーも済ませて、カフェオレを二つもらうと、窓側の墓地が見える席に二人で座った。
腰を落ち着けると、一気に疲れがあふれ出しそうになったけど、水上さんの前だからって堪えた。
そして、水上さんは背負っていたリュックサックから、タブレットを取り出した。
僕は、墓地を見たくなかったので、水上さんがタブレットに何を書くのかを眺めていた。
水上さんは僕と対照的で、時々墓地を眺めながら、一つの質問を僕に投げかけた。
「今回作った歌のテーマって言ったっけ?」
と、意外にも軽い口調で書かれていたことに僕はびっくりした。
まあ、もしかしたら水上さんにとっては、そこまで墓地に来ることは重くないのかもしれない。
あとは、こんな様子の僕のことを考えてくれていたんだろうか。
質問の答えは、確か水上さんの妹に関する曲ってのは聞かされていたから、それをこたえた。
「水上さんの妹を想う歌って聞いたよ」
と書いて、水上さんのカフェオレの隣に置いた。
水上さんは、その文字を見て少し悲しそうに顔をゆがめてから、またタッチペンで字を書き始めた。
今度は、書いている姿を見てしまうのはなんだか悪い気がして、店内の別の場所に視線を移した。
すると、水上さんからまたタブレットが返ってきた。
そこには、さっきとまた別の質問が書かれていた。
「私の妹の状態って知ってる?」
と、またさっきに似た軽い口調の文言が書かれていた。
やっぱり意図してこういう口調にしているんだろう。
微妙に文字が揺らいでいるのが僕には見て取れたから。
水上さんの妹の状態については、一切知らない。
あの曲の歌詞から推察することはできても、それが正しいとも言えないし、直接聞いてみるしかない。
それに、いつか聞いておきたいことだったから、今日聞けたらそれはそれで好都合だ。
だから、僕は知らないと答えた。
水上さんは、僕からの返事を受け取ると、また墓地に視線を移した。
その顔はぶれることなく、一か所を見つめているのが分かった。
人の敷地を見るはずもないし、きっと水上さんちの墓石だろう。
やがて意を決したように、タブレットに文字を書き始めた。
でも、その様子は尋常じゃなかった。
いつもなら絶対に書き直さない字を書き直していたんだ。
しかも、一度や二度でなく何回もだ。
何かが水上さんを急かしているのか、水上さんはさっきと変わらない字をタブレットに書きながら、最良の字を探していた。
やがて、ある程度いい字が書けたのか、僕にタブレットを渡してくれた。
そこには、かなりつらい言葉がつづられていた。
「私の妹はもうなくなったんだよね」
と、さっきとあまり変わらないぐらいの字で。
しかも、何度も書き直していたからか、字が太くなっていたからか、すごい迫力を感じたしまった。
水上さんにどれだけのつらさがあったのかはわからないけど、まだまだ未練とかが残っていることをうかがわせる字だった。
僕は、sの文書にやっぱり驚きを感じていた。
ある程度の予測は、歌詞からできていたとはいっても、やっぱり人の死っていうのは大きいものだ。
だからあの時も、実は死んでいないんじゃないかって考えていた。
まあ、そんな夢は完全に消え失せたんだけど。
それから、僕がそのタブレットに何かを書く前に、水上さんが僕からタブレットを取った。
と言っても、今回はなぜか完璧に水上さんの方に持っていくんじゃなくて、丁度二人の間に置いた。
そして、また何やら書き始めた。
今回は、丁度それがリアルタイムで見える位置にいたから、まるで話しているかのようだった。
「私の妹は、私と二つ離れていたんだ
妹は生まれた時から病弱だったの
それでも、どうにかして小学校までは通おうとしてたんだ
そのために、たくさんの苦労と心配をしたよ」
と、ここまで書いて、水上さんはいったん全削除した。
僕は、その話をリアルタイムで脳の理解させるのに精いっぱいだった。
窓の外で、常緑樹の緑の葉っぱが、赤く染まる前に落ちていった。
そして、水上さんはまた続きを書いた。
「妹は本当にいい子でね、頑張っていても絶対にそれを見せようとしなかったんだよ
姉である私にでさえ、ほとんどつらそうな表情を見せたことはないぐらいにね
だから、私たちが気が付くのに予想以上に時間がかかってしまったんだよね
人に心配をかけないようにって妹が善意でやったことが、そんな風になるなんてね」
と、あくまで平然を装いながらも、このことを書くのがつらそうに水上さんは書いていた。
もう手が震えているのが、視認できるレベルになっていた。
それに、たまに水上さんの目からきらりと光る水滴が落ちるのも見えた。
そんな中でも、水上さんは続きを書いた。
「私たちが妹の異変に気付いたころには手遅れだった
もともと持っていた病気はさらに進行していた
それだけじゃなくて、また別の病気にもかかっていて、もう余命がほとんどないとまで言われたんだよ
本当に一瞬のことだったね」
そこまで書いて、水上さんの手は止まった。
僕には、水上さんがこれから書く内容がどんなものか、想像はできたけど、絶対に口にできない。
それは、僕みたいな人が容易く言えることではないとわかっているから。
やがて水上さんは意を決したように続きを書いた。
「どうにかして小学校は通い切った妹だったけど、中学には一回も言ってないんだ
その前に入院が決まっちゃったからね
本人としては、小学校だけで十分だったみたいだよ」
と、少しはさっきより落ち着いた字で書いた。
それから、また水上さんの手は震えだした。
それでも、水上さんは手を止めなかった。
「あの晴れた春の日
妹の誕生日の次の日に、妹は死んじゃったんだ
ちょうど日付で言うなら明日だね」
そこまで書くと、水上さんは手を止めた。
僕も、そこまで水上さんお話を読んでから、どれだけつらい思いをしたかわかった。
だから、何をしたらいいのかわからない状況に立たされた僕は、一人窓の外を下から眺めていた。
僕はうつむきながら涙は出さずに、水上さんは少し胸を張りながら、涙を流しながら窓の外を見ていた。
外で落ちる派の間に、紅葉を探しけど、一向に見つからなかった。
二人ともお互いの敷地内にいたから、見えない壁で仕切られていたので、のぞき見している気分だった。
まるでマジックミラーのように、水上さんからは僕は見えていなくて、僕からは見えているかのように、水上さんは完ぺきに僕に気が付かなかった。
僕も、あんまりじろじろ見ているのは気づかれそうと思って、思わず自分の家の墓石に目をやった。
何するわけでもなく、桶に残っていた水を墓誌にやさしくかけた。
滴る水が、かすかな音を立てながら跳ねていくのを聞きながら、僕は空を眺めた。
空を翔ける雲が、その蒼さを増して僕を照らし出しているような気がした。
死者の魂の中で、僕だけが生者としてあぶりだされるような気分がした。
桶の中の水がなくがると同時に、水上さんの方を見ると、丁度視線がぶつかった。
一瞬お互いの顔を凝視してから、二人とも視線を外した。
見えない壁に仕切られているから、僕らは直接は会えないとわかっていたので、敷地を出ることにした。
そのためにも、死者にしばらくの、別れを告げると、踵を返して敷地の外に出た。
そして、水上さんの方を見ると、今度は、お互いの視線が何にも阻まれずにぶつかった。
そこで、僕は水上さんに何か声をかけようとしたけど、水上さんには声が届かない。
だから、それらしいジェスチャーをして、書くものが欲しいと伝えると、水上さんはポケットから一枚の紙きれを出した。
それを僕にくれるのかと思ったら、何やら鉛筆でいくらか書いてから、僕にそれを手渡した。
「ここじゃ話しにくいし、いったんカフェにでも行かない?」
と書かれていた。
僕は、確かにそのほうがここよりも話しやすいと思って、その提案に乗った。
それが決まると、僕たちはここから先は一緒に行動することが決まったので、お互いのことを見ながら行動しなければいけない。
特にできるだけ僕が気を遣わないとって自分に言い聞かせた。
その場を去る前に、一瞬だけ水上さんちの墓誌を見た。
そこに、水上さんによく似た名前の人で、没年がおととしの人がいた。
僕らは、桶と柄杓をもとに戻すと、墓地に別れを告げた。
僕からしたら、もう限界なぐらいに心がやられているので、水上さんと一緒に出られるのは、心強かった。
去年とかは、墓地を出てから自殺したくなったことさえあったから、心配にもなっていたんだ。
墓地を抜けると、僕らは一言もしゃべらずに近くのカフェを訪れた。
言葉で会話できないから、しゃべらないだけなんだけれども、ほかの人からは違う風に見えていたかもしれない。
無口な兄妹とか、もしかしたらカップルとかに見られていたかもしれない。
そう考えると、ちょっとだけ顔がほてった。
カフェに入ると、二人で何を頼むか話した。
性格には、ジェスチャーで何を頼むか決めて、とりあえずは僕のおごりにすることに決めた。
たまたまとはいえ、お財布を持ってきていたことが救いになった。
オーダーも済ませて、カフェオレを二つもらうと、窓側の墓地が見える席に二人で座った。
腰を落ち着けると、一気に疲れがあふれ出しそうになったけど、水上さんの前だからって堪えた。
そして、水上さんは背負っていたリュックサックから、タブレットを取り出した。
僕は、墓地を見たくなかったので、水上さんがタブレットに何を書くのかを眺めていた。
水上さんは僕と対照的で、時々墓地を眺めながら、一つの質問を僕に投げかけた。
「今回作った歌のテーマって言ったっけ?」
と、意外にも軽い口調で書かれていたことに僕はびっくりした。
まあ、もしかしたら水上さんにとっては、そこまで墓地に来ることは重くないのかもしれない。
あとは、こんな様子の僕のことを考えてくれていたんだろうか。
質問の答えは、確か水上さんの妹に関する曲ってのは聞かされていたから、それをこたえた。
「水上さんの妹を想う歌って聞いたよ」
と書いて、水上さんのカフェオレの隣に置いた。
水上さんは、その文字を見て少し悲しそうに顔をゆがめてから、またタッチペンで字を書き始めた。
今度は、書いている姿を見てしまうのはなんだか悪い気がして、店内の別の場所に視線を移した。
すると、水上さんからまたタブレットが返ってきた。
そこには、さっきとまた別の質問が書かれていた。
「私の妹の状態って知ってる?」
と、またさっきに似た軽い口調の文言が書かれていた。
やっぱり意図してこういう口調にしているんだろう。
微妙に文字が揺らいでいるのが僕には見て取れたから。
水上さんの妹の状態については、一切知らない。
あの曲の歌詞から推察することはできても、それが正しいとも言えないし、直接聞いてみるしかない。
それに、いつか聞いておきたいことだったから、今日聞けたらそれはそれで好都合だ。
だから、僕は知らないと答えた。
水上さんは、僕からの返事を受け取ると、また墓地に視線を移した。
その顔はぶれることなく、一か所を見つめているのが分かった。
人の敷地を見るはずもないし、きっと水上さんちの墓石だろう。
やがて意を決したように、タブレットに文字を書き始めた。
でも、その様子は尋常じゃなかった。
いつもなら絶対に書き直さない字を書き直していたんだ。
しかも、一度や二度でなく何回もだ。
何かが水上さんを急かしているのか、水上さんはさっきと変わらない字をタブレットに書きながら、最良の字を探していた。
やがて、ある程度いい字が書けたのか、僕にタブレットを渡してくれた。
そこには、かなりつらい言葉がつづられていた。
「私の妹はもうなくなったんだよね」
と、さっきとあまり変わらないぐらいの字で。
しかも、何度も書き直していたからか、字が太くなっていたからか、すごい迫力を感じたしまった。
水上さんにどれだけのつらさがあったのかはわからないけど、まだまだ未練とかが残っていることをうかがわせる字だった。
僕は、sの文書にやっぱり驚きを感じていた。
ある程度の予測は、歌詞からできていたとはいっても、やっぱり人の死っていうのは大きいものだ。
だからあの時も、実は死んでいないんじゃないかって考えていた。
まあ、そんな夢は完全に消え失せたんだけど。
それから、僕がそのタブレットに何かを書く前に、水上さんが僕からタブレットを取った。
と言っても、今回はなぜか完璧に水上さんの方に持っていくんじゃなくて、丁度二人の間に置いた。
そして、また何やら書き始めた。
今回は、丁度それがリアルタイムで見える位置にいたから、まるで話しているかのようだった。
「私の妹は、私と二つ離れていたんだ
妹は生まれた時から病弱だったの
それでも、どうにかして小学校までは通おうとしてたんだ
そのために、たくさんの苦労と心配をしたよ」
と、ここまで書いて、水上さんはいったん全削除した。
僕は、その話をリアルタイムで脳の理解させるのに精いっぱいだった。
窓の外で、常緑樹の緑の葉っぱが、赤く染まる前に落ちていった。
そして、水上さんはまた続きを書いた。
「妹は本当にいい子でね、頑張っていても絶対にそれを見せようとしなかったんだよ
姉である私にでさえ、ほとんどつらそうな表情を見せたことはないぐらいにね
だから、私たちが気が付くのに予想以上に時間がかかってしまったんだよね
人に心配をかけないようにって妹が善意でやったことが、そんな風になるなんてね」
と、あくまで平然を装いながらも、このことを書くのがつらそうに水上さんは書いていた。
もう手が震えているのが、視認できるレベルになっていた。
それに、たまに水上さんの目からきらりと光る水滴が落ちるのも見えた。
そんな中でも、水上さんは続きを書いた。
「私たちが妹の異変に気付いたころには手遅れだった
もともと持っていた病気はさらに進行していた
それだけじゃなくて、また別の病気にもかかっていて、もう余命がほとんどないとまで言われたんだよ
本当に一瞬のことだったね」
そこまで書いて、水上さんの手は止まった。
僕には、水上さんがこれから書く内容がどんなものか、想像はできたけど、絶対に口にできない。
それは、僕みたいな人が容易く言えることではないとわかっているから。
やがて水上さんは意を決したように続きを書いた。
「どうにかして小学校は通い切った妹だったけど、中学には一回も言ってないんだ
その前に入院が決まっちゃったからね
本人としては、小学校だけで十分だったみたいだよ」
と、少しはさっきより落ち着いた字で書いた。
それから、また水上さんの手は震えだした。
それでも、水上さんは手を止めなかった。
「あの晴れた春の日
妹の誕生日の次の日に、妹は死んじゃったんだ
ちょうど日付で言うなら明日だね」
そこまで書くと、水上さんは手を止めた。
僕も、そこまで水上さんお話を読んでから、どれだけつらい思いをしたかわかった。
だから、何をしたらいいのかわからない状況に立たされた僕は、一人窓の外を下から眺めていた。
僕はうつむきながら涙は出さずに、水上さんは少し胸を張りながら、涙を流しながら窓の外を見ていた。
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