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文化祭に向けて
零れ落ちた言葉
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それから、僕らの夢について少し語り合った。
水上さんは漠然とした大きな夢。
僕は目標がしっかりと決まっている夢。
完全に対照的な夢だけど、どちらも叶えるのが大変だということだけは分かった。
まあ、簡単に叶えられるなら、夢なんてたいそうなものになんてなっていないんだろうし。
朝早くに来たはずなのに、気が付けば太陽が僕らの真上に上っていた。
丁度上にいるから、南側の窓を覗いても太陽は見えなかった。
周りのお客さんは何回か入れ替わって、もうお昼時のサンドウィッチなどを食べていた。
おなかがすき始めた僕らは、お互いに何か食べようか考えて、視線を泳がせた。
僕がまだ悩んでいると、水上さんがタブレットにささっと文字を書いて渡してきた。
それを僕が読もうとすると、水上さんは持ってきた荷物の確認を始めた。
何かあったのかと思って僕は急いでタブレットに視線を落とすと
「もうお昼ごはんができたみたいだから、家に帰るね」
と書いてあった。
僕がそれに返事をする前に、タブレットは水上さんに取られてしまい、代わりにコーヒー代だけが残された。
声をかけようと思ったけど、声が届かないと思いだして、のどぼとけあたりで声を殺した。
それから、僕も立ち上がって荷物を整理して、お会計をすることにした。
水上さんからもらったコーヒー代と、自分が飲んだ分のコーヒー代を手に握りしめて、レジに並んだ。
店員に伝票と持ってきた小銭を全部渡して、
「これでお願いします」
と言った。
店員さんは、僕から受け取ったお金をキャッシャーに入れると、レシートを手渡して
「ありがとうございました」
と言った。
僕がレシートをもらって、財布にしまうと、店員さんは次の客の会計を始めていた。
お昼時だからか、客の入れ替わりも激しいため、店員さんも忙しそうだった。
少しでも迷惑をかけないために、僕は急いで店を出た。
出る前に大きく鼻で店のにおいをかぐと、美味しそうな卵サンドと紅茶やコーヒーの香りが漂ってきた。
喫茶店を出た僕は、これまでにないくらい暑い日差しに襲われて、目がくらんだ。
立ち眩みが起きそうなほどまぶしい光に、ものすごい熱を放出するアスファルトで舗装された道。
まだ夏が来たわけでもないはずなのに、もう夏が到来してしまったかのような暑さだ。
家に帰れば休めると思って、僕はかなり早く歩を進めた。
汗があごや手の先から零れ落ちるたびに、その場所の神経が限りなく敏感になった。
良きバスで来た道だけど、帰りは全部歩いて帰ることになった。
歩いてもさほど時間がかかるわけでもないし、そもそも遅く帰っても何の問題も発生しない。
つまるところ、さっきのコーヒー代でお財布が空になってしまったんだ。
完全な殻でもないけど、上限額に達してしまったから、もう使えない。
熱い道をただひたすらに歩いていく。
そこには坂もあるし少し茂みもある。
道行く人が少ないから、この道は僕だけのもののような気がした。
でも、こんな道よりもっと普通な道が僕にはほしかった。
やっとの思いで家に着くと、財布からカギを取り出して、玄関の戸を開けた。
カチャっていう歯切れのいい音とともに、扉から冷気が飛び出した。
少しでも冷気を逃がさないために、急いで戸を閉めた。
そして、とりあえず冷房だけ付けた。
それから、体に滴る大量の汗を布でふき取った。
いくら拭いても次から次へと流れる汗に、嫌気がさしてきたほどだ。
それでも、体を冷やさないように、冷房が直接体に当たらないように気を付けた。
ある程度身体が落ち着くと、僕は今日やる予定だったもう一つのことに手を出した。
それは、今度叩くことになった曲の歌詞についてだ。
誰もいないし、丁度いい日だと思った。
僕は、自室に楽譜だけ持って入った。
そして、いつもは絶対に触らない楽器の前に座った。
それは、水上さんが使っていたキーボードだ。
今日使うのは、多分これだけだと思う。
キーボードなんて、ほとんど触ったこともない詩、まともに弾けるはずがない。
でも、弦楽器は手が出せないし、ドラムじゃ最大の支障がある。
メロディラインがなければ、歌詞を歌うことさえできないんだ。
完全に覚えている曲なら、リズムだけで十分かもしれないけど、今回の曲はそうはいかない。
だから、めったに使わないキーボードなんかに手を出すんだ。
水上さんが自分用にいろいろ改造している設定をいじらないよう、注意しながら普通のピアノにした。
そして、とりあえず楽譜を目で追いながら、どんなふうに弾くのかを考える。
あんまりハイペースじゃない曲だから、どうにか頑張ればメロディは弾けそうだ。
取り敢えず最初の一小節目から弾いてみた。
音がとぎれとぎれだし、強弱もないから、最悪の演奏だろう。
それでも歌詞が載るなら十分だと思った。
でも、何故かそうはいかなかったんだ。
歌詞が全くと言っていいほど歌えなかったんだ。
あの時少しでも覚えようとした最後のサビでさえ、どんな言葉だったか全然思い出せなかった。
いや、言葉の断片はたまに思い出せるんだけど、それがつながらない。
絵柄もないし、ピースも所々無くしたジグソーパズルを埋めているような気持だった。
どんなにやっても思い出せなくて、少しむしゃくしゃして、ドラムでたたいてみた。
前に水上さんに教えてもらった方法で、効率よくきれいな音をたたく。
すごく楽に叩けるし、音の粒立ちも問題なくてすごいやりやすい。
でも、今はそんなことはどうでもいいんだよ。
ドラムをたたいたら、歌詞が少し思い出せるかなって思った。
あの時に演奏していた楽器に触れていたら、歌詞が思い出せるんじゃないかなって、思っていた。
こんなにもただの希望的観測だったなんて思わなかった。
キーボードよりも全然できなくて、すぐにあきらめてしまった。
なんでこんなに忘れてしまったんだろうか。
あの時全力で覚えようとして、頭に叩き込んだはずなのに。
うまくアウトプットできなくて、詰まってしまっている感じもした。
何が原因なのか探るために、いろいろやってみることにした。
まず最初に、歌詞にある単語を書いていった。
単語レベルだったら、大体思い出せるし、そこからつなげられる。
だから、少しでも多くの単語を紙に書きつけた。
次に、そこから出来上がりそうな文を考えた。
音の長さとかも考えながら、こんな風につなげばできるんじゃないかとか、試行錯誤した。
でも、全くと言っていいほどつながらないし、歌詞の単語があっているのかさえ心配になった。
ここで詰まっているということが分かっただけで、充分な収穫だった。
単語が思い出せても、そこから文が創れないのはどうしてだろう。
大体メロディが引ければ、思い出せてきたから、こんなことは意外過ぎる。
何か水上さんの作る曲とほかの曲の違いがあるんだろうか。
そう考えて、はっとした。
水上さんには、声が聞こえない。
だから、単語のイントネーションを知らないのかもしれない。
リズムだけで文を作っているから、イントネーションも考えた方法で文章を作ってもうまくいかないんだ。
これは、確かに水上さんだからこその、特殊な点なのかもしれない。
あの時に演奏したときには、そんなにイントネーションとかは考えなかった。
その言葉選びや、リズムに心を奪われたのは覚えている。
でも、単語固有の音程の変化がない歌詞だったのかもしれない。
そうすると、僕には手も足も出ないということだ。
僕の頭は、歌詞はイントネーションも含めてできていると考えているから、そうそう簡単にその思考回路を外せない。
そして、イントネーションがないと、どの単語がどこに入るのか、一切見当もつかなくなってしまう。
僕の今やっていることがすべてむだになったのが、一瞬にして分かった。
がっくりと肩を落とした。
歌詞のことは、次の練習の時に、今度は文ごと覚えるしかなさそうだ。
覚えるの大変だから、あんまりやりたくない気もするけど、これも目標のためだから...
水上さんは漠然とした大きな夢。
僕は目標がしっかりと決まっている夢。
完全に対照的な夢だけど、どちらも叶えるのが大変だということだけは分かった。
まあ、簡単に叶えられるなら、夢なんてたいそうなものになんてなっていないんだろうし。
朝早くに来たはずなのに、気が付けば太陽が僕らの真上に上っていた。
丁度上にいるから、南側の窓を覗いても太陽は見えなかった。
周りのお客さんは何回か入れ替わって、もうお昼時のサンドウィッチなどを食べていた。
おなかがすき始めた僕らは、お互いに何か食べようか考えて、視線を泳がせた。
僕がまだ悩んでいると、水上さんがタブレットにささっと文字を書いて渡してきた。
それを僕が読もうとすると、水上さんは持ってきた荷物の確認を始めた。
何かあったのかと思って僕は急いでタブレットに視線を落とすと
「もうお昼ごはんができたみたいだから、家に帰るね」
と書いてあった。
僕がそれに返事をする前に、タブレットは水上さんに取られてしまい、代わりにコーヒー代だけが残された。
声をかけようと思ったけど、声が届かないと思いだして、のどぼとけあたりで声を殺した。
それから、僕も立ち上がって荷物を整理して、お会計をすることにした。
水上さんからもらったコーヒー代と、自分が飲んだ分のコーヒー代を手に握りしめて、レジに並んだ。
店員に伝票と持ってきた小銭を全部渡して、
「これでお願いします」
と言った。
店員さんは、僕から受け取ったお金をキャッシャーに入れると、レシートを手渡して
「ありがとうございました」
と言った。
僕がレシートをもらって、財布にしまうと、店員さんは次の客の会計を始めていた。
お昼時だからか、客の入れ替わりも激しいため、店員さんも忙しそうだった。
少しでも迷惑をかけないために、僕は急いで店を出た。
出る前に大きく鼻で店のにおいをかぐと、美味しそうな卵サンドと紅茶やコーヒーの香りが漂ってきた。
喫茶店を出た僕は、これまでにないくらい暑い日差しに襲われて、目がくらんだ。
立ち眩みが起きそうなほどまぶしい光に、ものすごい熱を放出するアスファルトで舗装された道。
まだ夏が来たわけでもないはずなのに、もう夏が到来してしまったかのような暑さだ。
家に帰れば休めると思って、僕はかなり早く歩を進めた。
汗があごや手の先から零れ落ちるたびに、その場所の神経が限りなく敏感になった。
良きバスで来た道だけど、帰りは全部歩いて帰ることになった。
歩いてもさほど時間がかかるわけでもないし、そもそも遅く帰っても何の問題も発生しない。
つまるところ、さっきのコーヒー代でお財布が空になってしまったんだ。
完全な殻でもないけど、上限額に達してしまったから、もう使えない。
熱い道をただひたすらに歩いていく。
そこには坂もあるし少し茂みもある。
道行く人が少ないから、この道は僕だけのもののような気がした。
でも、こんな道よりもっと普通な道が僕にはほしかった。
やっとの思いで家に着くと、財布からカギを取り出して、玄関の戸を開けた。
カチャっていう歯切れのいい音とともに、扉から冷気が飛び出した。
少しでも冷気を逃がさないために、急いで戸を閉めた。
そして、とりあえず冷房だけ付けた。
それから、体に滴る大量の汗を布でふき取った。
いくら拭いても次から次へと流れる汗に、嫌気がさしてきたほどだ。
それでも、体を冷やさないように、冷房が直接体に当たらないように気を付けた。
ある程度身体が落ち着くと、僕は今日やる予定だったもう一つのことに手を出した。
それは、今度叩くことになった曲の歌詞についてだ。
誰もいないし、丁度いい日だと思った。
僕は、自室に楽譜だけ持って入った。
そして、いつもは絶対に触らない楽器の前に座った。
それは、水上さんが使っていたキーボードだ。
今日使うのは、多分これだけだと思う。
キーボードなんて、ほとんど触ったこともない詩、まともに弾けるはずがない。
でも、弦楽器は手が出せないし、ドラムじゃ最大の支障がある。
メロディラインがなければ、歌詞を歌うことさえできないんだ。
完全に覚えている曲なら、リズムだけで十分かもしれないけど、今回の曲はそうはいかない。
だから、めったに使わないキーボードなんかに手を出すんだ。
水上さんが自分用にいろいろ改造している設定をいじらないよう、注意しながら普通のピアノにした。
そして、とりあえず楽譜を目で追いながら、どんなふうに弾くのかを考える。
あんまりハイペースじゃない曲だから、どうにか頑張ればメロディは弾けそうだ。
取り敢えず最初の一小節目から弾いてみた。
音がとぎれとぎれだし、強弱もないから、最悪の演奏だろう。
それでも歌詞が載るなら十分だと思った。
でも、何故かそうはいかなかったんだ。
歌詞が全くと言っていいほど歌えなかったんだ。
あの時少しでも覚えようとした最後のサビでさえ、どんな言葉だったか全然思い出せなかった。
いや、言葉の断片はたまに思い出せるんだけど、それがつながらない。
絵柄もないし、ピースも所々無くしたジグソーパズルを埋めているような気持だった。
どんなにやっても思い出せなくて、少しむしゃくしゃして、ドラムでたたいてみた。
前に水上さんに教えてもらった方法で、効率よくきれいな音をたたく。
すごく楽に叩けるし、音の粒立ちも問題なくてすごいやりやすい。
でも、今はそんなことはどうでもいいんだよ。
ドラムをたたいたら、歌詞が少し思い出せるかなって思った。
あの時に演奏していた楽器に触れていたら、歌詞が思い出せるんじゃないかなって、思っていた。
こんなにもただの希望的観測だったなんて思わなかった。
キーボードよりも全然できなくて、すぐにあきらめてしまった。
なんでこんなに忘れてしまったんだろうか。
あの時全力で覚えようとして、頭に叩き込んだはずなのに。
うまくアウトプットできなくて、詰まってしまっている感じもした。
何が原因なのか探るために、いろいろやってみることにした。
まず最初に、歌詞にある単語を書いていった。
単語レベルだったら、大体思い出せるし、そこからつなげられる。
だから、少しでも多くの単語を紙に書きつけた。
次に、そこから出来上がりそうな文を考えた。
音の長さとかも考えながら、こんな風につなげばできるんじゃないかとか、試行錯誤した。
でも、全くと言っていいほどつながらないし、歌詞の単語があっているのかさえ心配になった。
ここで詰まっているということが分かっただけで、充分な収穫だった。
単語が思い出せても、そこから文が創れないのはどうしてだろう。
大体メロディが引ければ、思い出せてきたから、こんなことは意外過ぎる。
何か水上さんの作る曲とほかの曲の違いがあるんだろうか。
そう考えて、はっとした。
水上さんには、声が聞こえない。
だから、単語のイントネーションを知らないのかもしれない。
リズムだけで文を作っているから、イントネーションも考えた方法で文章を作ってもうまくいかないんだ。
これは、確かに水上さんだからこその、特殊な点なのかもしれない。
あの時に演奏したときには、そんなにイントネーションとかは考えなかった。
その言葉選びや、リズムに心を奪われたのは覚えている。
でも、単語固有の音程の変化がない歌詞だったのかもしれない。
そうすると、僕には手も足も出ないということだ。
僕の頭は、歌詞はイントネーションも含めてできていると考えているから、そうそう簡単にその思考回路を外せない。
そして、イントネーションがないと、どの単語がどこに入るのか、一切見当もつかなくなってしまう。
僕の今やっていることがすべてむだになったのが、一瞬にして分かった。
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