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文化祭に向けて
思い残しの片づけ
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諒一と山縣と別れてから、僕は家に一直線に帰った。
できるだけ早く帰って、僕はやりたいことがあったんだ。
そのために、僕は諒一が僕の家で練習したいって言ったのを断ったぐらいだ。
まあ、もともと本番前日は、バンドルールとして練習禁止だから、止めてたけど。
少しでも時間が惜しいので、少々乱雑に荷物を片付けて、手を洗った。
それから、僕は自分の部屋に入って、ドラムをセットした。
あのリハーサル以来のドラムのたたき心地は、案外いいものだった。
本当はだめな前日練習だけど、誰にもばれなきゃいいかなって思ってしまう。
もともと、なんで前日練習禁止かというと、前日にやると粗が見えやすいからだ。
そして、粗を直していると、夜が来てしまうから、直せなくなって、明日焦ってしまうんだ。
だから、ほかの人とやらなければいいんじゃないかなって思ってる。
一回曲全体をドラムでたたき終えると、僕は一度も使ったことがない部屋にドラムを運んだ。
そこは、僕の部屋とおんなじで、完全防音の部屋だ。
ここは、作曲室の隣に合って、そこそこの広さのある部屋だ。
僕が思うに、ここで演奏することが、音楽家としての一つの舞台だと思っている。
それは録音室だ。
作曲した曲などを、バンドのメンバーで一斉に演奏して、録音する。
そして、それをCDなどに焼いて販売したり、これからの演奏の練習材料にするんだ。
いまだに僕は録音に値するような演奏ができたことはないけど。
今日は、特別にここで演奏する。
明日の晴れ舞台に向けての、一つ重要なことだと思ってる。
余計に緊張しそうだから、やめておけばいいと自分でも思っているけど、それでもやらなきゃいけいない理由がある。
まず、明日緊張したときに、どうやって演奏するかを試すためだ。
上がっちゃったときに、うまく演奏できるとは思わないけど、ある程度はやらなきゃいけない。
そのためにも、こういう特別なことを設ける必要があった。
もう一つの理由としては、多分ここを使うのは、今日が最後だからだ。
まあこれは、まだ決まったことでもないし、もしかしたらそうはならないかもしれない。
でも、今の予定だと、この部屋に入ることはもう一生なさそうだった。
だから、こんな機会に一回ぐらいは使っておこうと思ったんだ。
軽くドラムをたたきながら、反響の感覚を確認した。
やっぱり収録を目的とした部屋ってだけあって、丁度いい時間分反響してくれる。
自分の思い通りに音が出せるから、叩いていてすごい気持ちいい。
このままただ演奏するために来たわけでは、もちろんない。
一旦部屋を出て、隣の作曲室のパソコンを点ける。
そして、いつもは使わないような、録音用のソフトを立ち上げた。
初めて使うから、もしかしたら細かい設定ができるかもしれないけど、取り敢えずはそのまま録音の準備をした。
そーっと音をたてないように収録室に入って、呼吸を整える。
どうしても緊張すると、呼吸が速くなりがちだから、意識して抑えるようにする。
いつも通りをイメージするためにも、呼吸は一番大事だと思っている。
川のせせらぎのように、大地の恵みのようになんて、壮大な風景を思い浮かべると、自然とゆったりした呼吸になる。
自分の呼吸が、いつも通りになったと完治した瞬間、バチ同士をぶつけた。
先端が当たって、小切れのいい木の音が四回弾けた。
そして、たった一人の収録が始まった。
ただひたすらに、『涙色のさよなら』のドラムを演奏した。
自分以外にリズムをコントロールするものも、強弱をつけるものもないので、自分で考えながらやるしかない。
ドラムをたたきながらやるには、かなり難しいことだけど、今はやるしかない。
後のみんなのためにも、今全力を出さなきゃいけないんだ。
頭の中で、今はこんなギターが流れていて、キーボードはこんな音を演奏しているっていうのを、イメージしながらドラムをたたいている。
それだけでなく、いろんな人から練習中に受けたアドバイスも思い出しながら、演奏する。
粒立ちの良さ、強弱の付け方、手首の使い方。
頭の中で、別のことを考える隙間どころか、演奏のことすら入りきらなくなってきた。
いつ頭がこんがらがってもおかしくないような状態で、ずっと演奏している。
でも、自分ならできるって言い聞かせて、今だけは自分に自信をもって演奏している。
そうでないと、絶対に失敗してしまうのは分かっているから。
最後のサビに入って、もうこれで大丈夫だろうって一瞬考えた。
ここまで来たらもうミスしないだろうと思ってから、すぐにその思考を打ち消した。
これが一番ミスしやすい箇所なんだって思いながら、最後まで演奏した。
取り敢えず目立ったミスは出なかった。
演奏し終わった後、いったん座り込んでしまいそうになったけど、足をもんで部屋を出た。
そして、作曲用のパソコンの収録を止めてから、椅子にどっかりと座りこんだ。
ヘッドフォンを頭につけて、さっきの演奏を聴きながら、ゆったりと部屋の奥を想像した。
ようやく一つ終わったって気がした。
達成感の中で聞く自分の演奏は、意外にも一つの曲としては完成していた。
まあ、ドラムしかないから、盛り上がりとかがあっても全然曲がつかめないんだけど。
それでも、自分の目標としていた演奏に一歩近づけた気がする。
自分の演奏を全部聞き終わると、録音したファイルを移動させた。
いつもは整頓して、見えやすさを意識しているデスクトップの真ん中に置いておいた。
これで、次使う人はすぐに気が付けるだろう。
これが僕から彼らに送れる最後のものになる可能性が高いから、気づいてもらえないとこまる。
もう一度どっかり椅子に座りこんでから、収録室に向かった。
そして、さっき演奏したばかりのドラムを、自分の部屋まで移動させた。
まあ、もうやらなくてよかったかもしれないけど、やっぱり僕の部屋に合ったほうが収まりがいい。
ドラムをセットしてから、少し離れたところで自分の部屋を眺めると、ステージ上を切って張ったかのような感じだった。
なんだか、蜃気楼でうちのバンドのメンバーが出てきそうだなって思って、少し笑った。
それから、僕はゆったりご飯を食べた。
と言っても、もう食がかなり細くなってきているので、食べていないも同然のような食事だったけど。
とにかく、食後の薬さえ飲める量だけ食べればいいっていうような食生活が続いている。
今日でこの薬ともおさらばできると思って、一気に苦い粉薬を飲み干した。
時計を見ると、まだ午後九時で夜が始まったぐらいの時間だった。
布団に入って、明日を待とうかと思ってから、はたとやっていないことに気が付いた。
それは、明日の文化祭後のための準備。
打ち上げのための部屋の片づけとセッティングだ。
どうせ、学生は常に金欠なので、打ち上げがしたくても、カラオケとかでお金を使いたくない。
それに、カラオケとかだと、楽器の演奏ができないから、僕らとしてはつまらないと思う。
折角だから、僕の部屋で打ち上げをやろうと思っていたんだった。
ある程度の広さがあって、楽器を演奏する部屋もあるんだから、万能だ。
そうと決まったら、僕は部屋の掃除に取り掛かった。
僕の性分的には、あんまり掃除とかの時間がかかる仕事をやるのは好きじゃない。
でも、最近はバンドのみんながよく来るから、こまめにいろんなところを綺麗にしていたから、埃は少ない。
それでも、もっときれいにしておきたいから、無駄だとわかっていながら、いろんな場所の掃除をした。
トイレの鏡から、台所の隅まで、端から端まで全部をだ。
充分部屋がきれいになったから、あとは装飾をした。
部屋の壁に飾りをつけて、一番よく見える壁に「文化祭お疲れ様」ってか書いておいた。
まだ文化祭が終わっていないのと、自分が見れないっていう矛盾を思い出して、ほくそ笑んだ。
装飾されて、ごてごてした壁と、隅々まできれいにされた部屋があれば、もう十分だろう。
これだけあれば、きっと彼女たちは満足してくれると思う。
全部の準備を終えたことを確認してから、布団に入った。
なんだかそわそわして、なかなか寝付けなかった。
こんな日はすごい久しぶりの感覚だった。
いつもなら、布団に入った瞬間に寝てしまうから、布団に入ってからの時間の使い方なんて知らない。
ただ瞑想するぐらいしか、わからないから、取り敢えずいろんなことを考えることにした。
これまでいろんなことがあったなぁと、なんか達観した気持ちで言ってみた。
こんな安直な言葉で片付けてしまいたくない気持ちがするけど、やっぱりこと一文に尽きるんだろうなぁ。
それも、きっとこの一瞬にすべてをかけた僕の生き方が生んだものなんだろう。
自分の体のこととか、後から考えると合理的な生き方だったのかもしれないなぁ。
一瞬を生きる僕に、未来を聞く君。
僕の生み出した声が君に届くまで、どれぐらいかかるんだろうか。
いつか届くと信じて、世界の隅で僕は歌うんだ。
できるだけ早く帰って、僕はやりたいことがあったんだ。
そのために、僕は諒一が僕の家で練習したいって言ったのを断ったぐらいだ。
まあ、もともと本番前日は、バンドルールとして練習禁止だから、止めてたけど。
少しでも時間が惜しいので、少々乱雑に荷物を片付けて、手を洗った。
それから、僕は自分の部屋に入って、ドラムをセットした。
あのリハーサル以来のドラムのたたき心地は、案外いいものだった。
本当はだめな前日練習だけど、誰にもばれなきゃいいかなって思ってしまう。
もともと、なんで前日練習禁止かというと、前日にやると粗が見えやすいからだ。
そして、粗を直していると、夜が来てしまうから、直せなくなって、明日焦ってしまうんだ。
だから、ほかの人とやらなければいいんじゃないかなって思ってる。
一回曲全体をドラムでたたき終えると、僕は一度も使ったことがない部屋にドラムを運んだ。
そこは、僕の部屋とおんなじで、完全防音の部屋だ。
ここは、作曲室の隣に合って、そこそこの広さのある部屋だ。
僕が思うに、ここで演奏することが、音楽家としての一つの舞台だと思っている。
それは録音室だ。
作曲した曲などを、バンドのメンバーで一斉に演奏して、録音する。
そして、それをCDなどに焼いて販売したり、これからの演奏の練習材料にするんだ。
いまだに僕は録音に値するような演奏ができたことはないけど。
今日は、特別にここで演奏する。
明日の晴れ舞台に向けての、一つ重要なことだと思ってる。
余計に緊張しそうだから、やめておけばいいと自分でも思っているけど、それでもやらなきゃいけいない理由がある。
まず、明日緊張したときに、どうやって演奏するかを試すためだ。
上がっちゃったときに、うまく演奏できるとは思わないけど、ある程度はやらなきゃいけない。
そのためにも、こういう特別なことを設ける必要があった。
もう一つの理由としては、多分ここを使うのは、今日が最後だからだ。
まあこれは、まだ決まったことでもないし、もしかしたらそうはならないかもしれない。
でも、今の予定だと、この部屋に入ることはもう一生なさそうだった。
だから、こんな機会に一回ぐらいは使っておこうと思ったんだ。
軽くドラムをたたきながら、反響の感覚を確認した。
やっぱり収録を目的とした部屋ってだけあって、丁度いい時間分反響してくれる。
自分の思い通りに音が出せるから、叩いていてすごい気持ちいい。
このままただ演奏するために来たわけでは、もちろんない。
一旦部屋を出て、隣の作曲室のパソコンを点ける。
そして、いつもは使わないような、録音用のソフトを立ち上げた。
初めて使うから、もしかしたら細かい設定ができるかもしれないけど、取り敢えずはそのまま録音の準備をした。
そーっと音をたてないように収録室に入って、呼吸を整える。
どうしても緊張すると、呼吸が速くなりがちだから、意識して抑えるようにする。
いつも通りをイメージするためにも、呼吸は一番大事だと思っている。
川のせせらぎのように、大地の恵みのようになんて、壮大な風景を思い浮かべると、自然とゆったりした呼吸になる。
自分の呼吸が、いつも通りになったと完治した瞬間、バチ同士をぶつけた。
先端が当たって、小切れのいい木の音が四回弾けた。
そして、たった一人の収録が始まった。
ただひたすらに、『涙色のさよなら』のドラムを演奏した。
自分以外にリズムをコントロールするものも、強弱をつけるものもないので、自分で考えながらやるしかない。
ドラムをたたきながらやるには、かなり難しいことだけど、今はやるしかない。
後のみんなのためにも、今全力を出さなきゃいけないんだ。
頭の中で、今はこんなギターが流れていて、キーボードはこんな音を演奏しているっていうのを、イメージしながらドラムをたたいている。
それだけでなく、いろんな人から練習中に受けたアドバイスも思い出しながら、演奏する。
粒立ちの良さ、強弱の付け方、手首の使い方。
頭の中で、別のことを考える隙間どころか、演奏のことすら入りきらなくなってきた。
いつ頭がこんがらがってもおかしくないような状態で、ずっと演奏している。
でも、自分ならできるって言い聞かせて、今だけは自分に自信をもって演奏している。
そうでないと、絶対に失敗してしまうのは分かっているから。
最後のサビに入って、もうこれで大丈夫だろうって一瞬考えた。
ここまで来たらもうミスしないだろうと思ってから、すぐにその思考を打ち消した。
これが一番ミスしやすい箇所なんだって思いながら、最後まで演奏した。
取り敢えず目立ったミスは出なかった。
演奏し終わった後、いったん座り込んでしまいそうになったけど、足をもんで部屋を出た。
そして、作曲用のパソコンの収録を止めてから、椅子にどっかりと座りこんだ。
ヘッドフォンを頭につけて、さっきの演奏を聴きながら、ゆったりと部屋の奥を想像した。
ようやく一つ終わったって気がした。
達成感の中で聞く自分の演奏は、意外にも一つの曲としては完成していた。
まあ、ドラムしかないから、盛り上がりとかがあっても全然曲がつかめないんだけど。
それでも、自分の目標としていた演奏に一歩近づけた気がする。
自分の演奏を全部聞き終わると、録音したファイルを移動させた。
いつもは整頓して、見えやすさを意識しているデスクトップの真ん中に置いておいた。
これで、次使う人はすぐに気が付けるだろう。
これが僕から彼らに送れる最後のものになる可能性が高いから、気づいてもらえないとこまる。
もう一度どっかり椅子に座りこんでから、収録室に向かった。
そして、さっき演奏したばかりのドラムを、自分の部屋まで移動させた。
まあ、もうやらなくてよかったかもしれないけど、やっぱり僕の部屋に合ったほうが収まりがいい。
ドラムをセットしてから、少し離れたところで自分の部屋を眺めると、ステージ上を切って張ったかのような感じだった。
なんだか、蜃気楼でうちのバンドのメンバーが出てきそうだなって思って、少し笑った。
それから、僕はゆったりご飯を食べた。
と言っても、もう食がかなり細くなってきているので、食べていないも同然のような食事だったけど。
とにかく、食後の薬さえ飲める量だけ食べればいいっていうような食生活が続いている。
今日でこの薬ともおさらばできると思って、一気に苦い粉薬を飲み干した。
時計を見ると、まだ午後九時で夜が始まったぐらいの時間だった。
布団に入って、明日を待とうかと思ってから、はたとやっていないことに気が付いた。
それは、明日の文化祭後のための準備。
打ち上げのための部屋の片づけとセッティングだ。
どうせ、学生は常に金欠なので、打ち上げがしたくても、カラオケとかでお金を使いたくない。
それに、カラオケとかだと、楽器の演奏ができないから、僕らとしてはつまらないと思う。
折角だから、僕の部屋で打ち上げをやろうと思っていたんだった。
ある程度の広さがあって、楽器を演奏する部屋もあるんだから、万能だ。
そうと決まったら、僕は部屋の掃除に取り掛かった。
僕の性分的には、あんまり掃除とかの時間がかかる仕事をやるのは好きじゃない。
でも、最近はバンドのみんながよく来るから、こまめにいろんなところを綺麗にしていたから、埃は少ない。
それでも、もっときれいにしておきたいから、無駄だとわかっていながら、いろんな場所の掃除をした。
トイレの鏡から、台所の隅まで、端から端まで全部をだ。
充分部屋がきれいになったから、あとは装飾をした。
部屋の壁に飾りをつけて、一番よく見える壁に「文化祭お疲れ様」ってか書いておいた。
まだ文化祭が終わっていないのと、自分が見れないっていう矛盾を思い出して、ほくそ笑んだ。
装飾されて、ごてごてした壁と、隅々まできれいにされた部屋があれば、もう十分だろう。
これだけあれば、きっと彼女たちは満足してくれると思う。
全部の準備を終えたことを確認してから、布団に入った。
なんだかそわそわして、なかなか寝付けなかった。
こんな日はすごい久しぶりの感覚だった。
いつもなら、布団に入った瞬間に寝てしまうから、布団に入ってからの時間の使い方なんて知らない。
ただ瞑想するぐらいしか、わからないから、取り敢えずいろんなことを考えることにした。
これまでいろんなことがあったなぁと、なんか達観した気持ちで言ってみた。
こんな安直な言葉で片付けてしまいたくない気持ちがするけど、やっぱりこと一文に尽きるんだろうなぁ。
それも、きっとこの一瞬にすべてをかけた僕の生き方が生んだものなんだろう。
自分の体のこととか、後から考えると合理的な生き方だったのかもしれないなぁ。
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