2度目の出愛

まなこば

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No.3ル・バンカ

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  夢果の来店から2週間ちょっとが経ち、徐々に客足も増えてきた。

 「いらっしゃいませ~ 何名様ですか?2名様ですね。あちらの奥のお席にお座りください。」
 「すみませーん!」
 「はい!ただいまお伺いします!」
 「すみません、この阿津島ラーメンって何ですか?」
 「阿津島ラーメンは、阿津島でとれた魚介類を使用したスープでできていて、麺に特徴がありまして、うどんでいう、きし麺のような麺になっていて、当店の看板メニューなんですよ。」
 「じゃあ、その阿津島ラーメン1つ。」
 「かしこまりました。少々お待ちください。」

        数分後…。
 
 「お待たせしました。阿津島ラーメンです。」
 「うわあ~これが阿津島ラーメンか!いただきます‼
  うん!おいしい‼」

 「すみません、お会計お願いします。」
 「はい!918円の阿津島ラーメンが1つと、162円の餃子が1皿で合計1080円です。1080円ちょうどですので、レシートのお返しです。
 「ごちそうさまでした!」
 「ありがとうございました‼」

  そしてあっという間にまた一日が終わった。
 
 「は~っ!今日も疲れた~でもお客さんの数も増えてきてるし、良かった!オープン初日は夢果さんだけだったから、一時はどうなることかと思った(笑)そういえばまだ夢果さんの働いているお店行ってなかったなぁ。客足も良くなってきたし、今度の定休日に行ってみよう!」

        定休日の朝。

  ♪ブーブー♪ブーブー

 「んー…。」
 
  ピッ

 「今日もいい天気~ 今日は定休日だから店の買い出しに行って、夕方夢果さんのお店に行こっ!」

  洋隆はル・バンカへ行くことを楽しみにしつつ、買い出しに出かけた。


        午後5時

 「ただいまーって誰もいないけど…。もう5時かー。買い出し、結構時間かかっちゃったな。急がなきゃ!」

  洋隆は急いで準備を済ませ、再び家を出た。

 「ル・バンカ…、ル・バンカ…駅の近くだからこの辺りか?あっ!あった‼このお店だ!」

 「いらっしゃいませ。お1人様ですか?」
 「はい。」
 「1名様ご案内します。こちらのお席へどうぞ。ご注文がお決まりになりましたら、こちらのボタンでお呼びくださいませ。」
 「はい。あ、あの…。」
 「??」
 「今日って相沢夢果さんはいらっしゃいますか?」
 「はい、いらっしゃいますよ。店長呼んできますので、少々お待ちください。」
 「??店長?じゃなくて、あの…。」

  店員はすぐに店長を呼びに行ってしまった。

 「いらっしゃいませ、お客様。店長の相沢…洋隆さん⁉」
 「えっ!夢果さん?店長さんだったんですか⁉」
 「ええ。ふふっ来てくれたんですね。ありがとうございます。ご注文はお済ですか?」
 「いいえ、まだです。ちなみにオススメは何ですか?」
 「真鯛のポワレがオススメですよ。ポワレはフレンチの定番ですし。」
 「じゃあ、真鯛のポワレでお願いします。」
 「パンとライスどちらになさいますか?」
 「ライスで。」
 「かしこまりました。少々お待ちください。」

 夢果の店はアンティークでおしゃれでちょっと高級感もあるが、どこかなじみやすく、懐かしい雰囲気をかもし出していた。

 「お待たせしました。真鯛のポワレになります。」
 「いただきます。うん!おいしい!」
 「良かった。ありがとうございます。」
 「いいお店ですね。夢果さんお若いのにお店の経営者だなんて。僕も夢果さん見習って明日からまた頑張ろう!」
 「ありがとうございます。お店、順調何ですか?」
 「はい、おかげさまで。お客さんの数も増えてきてて。」
 「それは良かったです。安心しました。」
 「では、明日も店があるので、お会計お願いしますって、あれ?財布??あっ‼」

  その時洋隆は悟った。家に財布を置いてきてしまったことを。

 「お代は結構です。この間のお礼です。」
 「いやっ!でも…。」
 「財布お持ちでないんでしょう?」
 「はい…。本当にすみません‼あの、その代わりといってはアレなんですが、今度の日曜日、お店以外で合えませんか?」
 「日曜日…、いいですよ。」
 「本当ですか!じゃあ、10時にここに迎えに行きます。今日は本当にごちそうさまでした‼」
 「いいえ。では、日曜日、待ってます。」

  こうして洋隆は今度の日曜日に夢果と二人で出かけることとなった。


          次へつづく。
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