さようなら、大好きな人達へ

まみーぽこ

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本編

1話

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「朝か、、、」

今日も朝が来てしまった。あの日から私は1週間に1度、水曜日だけ別館に行くことになり、サララはもちろん、お父様とお母様もサララに付きっきりのため、特別なことがない限りは水曜日以外は3人に会うことが出来なくなってしまった。

それでもはじめのころはご飯の時には家族みんなで揃って食べていたのだが、
サララが私のケーキをほしいとねだり少し揉めた時に私がお皿をひっくり返してしまい

「食事を粗末にするなど淑女としてあってはいけない事だ。
リリアが淑女に相応しいとアンリのやとった先生とセリーヌ夫人に認めて貰えるまで、リリアは自室で食事をとるように。
リリア、お前のためだ」

とお父様が言って以来、お父様とお母様、サララに会う機会が減ってしまった。

まだ4歳だった私は当然1人で身の回りの事ができる訳もなく、お母様とお父様は本館のメイド長であるセリーヌ夫人に私の事を任せるようになった。

お母様が雇った教師はイザベルという名前の男爵夫人でとても厳しい人だった。
マナーは完璧だが私が少しでもミスをすると鞭のようなもので打ってきた。

幼い私は叩かれたことすらなく、打たれるたびに一々泣いてしまいそのことでまた怒られた。

泣いている私をみてメイド達は私が虐められていると思ったのだろう。どこからともなく噂は広まり、使用人達の間で私は完全に舐められるようになってしまった。

やがてセリーヌ夫人はまるで自分が本館の主人であるかのように振る舞い始めるようになった。

はじめに私と仲の良かった使用人達を全員辞めさせ、屋敷の使用人達を全て自分の選んだ者たちにした。

セリーヌ夫人を信用しきっていたお母様はそれを許可し、セリーヌ夫人にとって心地いい環境になればなるほど、使用人達の私への態度が酷くなっていった。

セリーヌ夫人が雇った使用人のほとんどが落ちぶれた貴族や身寄りのない平民だったため、居場所を与えてくれたセリーヌ夫人は彼らにとってまるで聖母のような存在だった。

そんなセリーヌ夫人が悪魔の用だ、あいつが悪いことをしたからこんな扱いを受けているんだと言っている私を使用人たちがよく思うはずも無く、わたしの居場所はどんどん無くなっていった。

急いで自分で着替えをして、顔を洗ってそうこうしてるうちにメイドであるアンナが入ってきた。

「お嬢様朝ごはんですよ、どうぞ味わってくださいね!」

そういってかびているパンを投げるように渡され

「最悪!菌が移ってしまうわ!!」

なんて吐き捨てるように言いながら出てってしまった。

「こんなパン食べられるわけないじゃない…」

私はクローゼットの奥にそっとかくしているジャックからもらったパンを食べた。

深夜にお腹がどうしても空いてしまうからパンがほしいとジャックにお願いして定期的に大量のパンを譲ってもらっている。

鏡を見ながら本当に自室に浴室がついていて良かったと思う。体はやせ細ってしまっているが綺麗に伸びた髪をとかしながらもし部屋に浴室がなかったらと思うとぞっとする。

身なりがととのうとちょうどイザベル夫人が入ってきた。

私の一日が始まる
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