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本編
7話
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今日も頭が痛い…
デビュタントまでひと月を切った頃、私はひどい頭痛と目眩に悩まされていた。
額を触ってみると熱い。
仕方ない、今日は先生方に言って授業を休むしかないだろう
「お嬢様!早く起きてください!!授業始まりますよ」
いつものようにアンナが入ってきた。
「ごめんなさいアンナ、私熱があって今日は授業受けられそうにないです。セリーヌ夫人と先生方に伝えてください」
アンナは顔をしかめると無言で出ていってしまった。
しばらくするとアンナがセリーヌ夫人を連れて戻ってきた。
「お嬢様!授業に出ないとはどういうことですか!サボりですか?私が許しませんよ」
「ごめんなさいセリーヌ夫人、私今日は本当に授業に出れそうにないんです。」
「何をおっしゃっているんですか!歴史の先生がもういらしています!相当怒っていますよ!宿題を倍にすると言っていました!」
セリーヌ夫人が怒鳴っているが、私には分かる。さっきからセリーヌ夫人の口の端がぴくぴくと上がっていることが。
大方アンナの前だからまるで私のために怒っているようなふりをしているのだろう。
本当は私が歴史の先生に怒られることが嬉しくてたまらない癖に。
「分かりました。今行きます。先生にはお茶でも出して待っていてもらってください」
「リリアさん!鼻血が出ていますよ!鍵盤が汚れてしまいます!」
ピアノの講師であるエーミル先生が悲痛な声をあげた。
「ごめんなさい先生、今日は朝から体調が優れなくて…」
「顔も真っ青ですよ!もう今日はいいので自室で休んでください!」
今日の最後の授業がピアノで良かった。
エーミル先生はほかの先生と違い私と歳が近く、まるで姉のように接してくれる。
姉のいないわたしにとってエーミル先生は新鮮な存在だった。
まあもちろん授業の時は一切妥協せずとても厳しいのだが…
「さぁリリア様横になってください。一刻も早く体調を良くしなければ…デビュタントでは万全の状態で参加できるようにしましょうね」
エーミル先生に自室まで送ってもらい、今日はそのままベッドで寝てしまった。
「おやすみなさい、リリアさん…
リリアさんは頑張りすぎています。私も厳しくしてしまいますが…たまには肩の力を抜いてくださいね」
遠くでエーミル先生の声が聞こえた気がした。
デビュタントまでひと月を切った頃、私はひどい頭痛と目眩に悩まされていた。
額を触ってみると熱い。
仕方ない、今日は先生方に言って授業を休むしかないだろう
「お嬢様!早く起きてください!!授業始まりますよ」
いつものようにアンナが入ってきた。
「ごめんなさいアンナ、私熱があって今日は授業受けられそうにないです。セリーヌ夫人と先生方に伝えてください」
アンナは顔をしかめると無言で出ていってしまった。
しばらくするとアンナがセリーヌ夫人を連れて戻ってきた。
「お嬢様!授業に出ないとはどういうことですか!サボりですか?私が許しませんよ」
「ごめんなさいセリーヌ夫人、私今日は本当に授業に出れそうにないんです。」
「何をおっしゃっているんですか!歴史の先生がもういらしています!相当怒っていますよ!宿題を倍にすると言っていました!」
セリーヌ夫人が怒鳴っているが、私には分かる。さっきからセリーヌ夫人の口の端がぴくぴくと上がっていることが。
大方アンナの前だからまるで私のために怒っているようなふりをしているのだろう。
本当は私が歴史の先生に怒られることが嬉しくてたまらない癖に。
「分かりました。今行きます。先生にはお茶でも出して待っていてもらってください」
「リリアさん!鼻血が出ていますよ!鍵盤が汚れてしまいます!」
ピアノの講師であるエーミル先生が悲痛な声をあげた。
「ごめんなさい先生、今日は朝から体調が優れなくて…」
「顔も真っ青ですよ!もう今日はいいので自室で休んでください!」
今日の最後の授業がピアノで良かった。
エーミル先生はほかの先生と違い私と歳が近く、まるで姉のように接してくれる。
姉のいないわたしにとってエーミル先生は新鮮な存在だった。
まあもちろん授業の時は一切妥協せずとても厳しいのだが…
「さぁリリア様横になってください。一刻も早く体調を良くしなければ…デビュタントでは万全の状態で参加できるようにしましょうね」
エーミル先生に自室まで送ってもらい、今日はそのままベッドで寝てしまった。
「おやすみなさい、リリアさん…
リリアさんは頑張りすぎています。私も厳しくしてしまいますが…たまには肩の力を抜いてくださいね」
遠くでエーミル先生の声が聞こえた気がした。
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