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◆俺の妻 * 尊
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しおりを挟む日記アプリのアイコンはすぐに見つかった。
開いてみると、ある日を境にぷっつりと入力が途切れていた。記入がある最後の日付は今年の、おそらく亡くなる二日前。
【尊。元気ですか? 風邪などひいていませんか?
急に寒くなったから、尊が心配です】
画面に指を滑らせた。
時には長文で、ある日はほんの一言。
――ごめんね尊。
何度も何度も謝っている。
お母さんにが弱いばっかりに、ごめんなさいと。
ギャラリーの写真を開くと、俺の写真が出てきた。
小学生の運動会の時の写真は、もしかして見に来ていたのか。最近の写真はネットの記事で掲載された写真のスクリーンショット。
込み上げる想いに堪えて、弥衣に電話をかけた。
だが、弥衣は出ない。
切ってすぐに他のアドレスを押す。
『はい?』
「尊だ。わかるか? 君の姉さんの夫」
『はい。なんですか?』
「弥衣が会いに来たら引きとめてほしい」
『え? あの。――離婚するんですか?』
「しない。しないよ絶対に。離婚はしない。あとで色々説明する。だから頼む、弥衣から連絡があったら会ってその場に引きとめてほしい」
『――はい』
「で? 君は今どこにいるんだ?」
『都内です』
「――え?」
『明日、大阪に帰りますけど』
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