11 / 21
それぞれの夜 1
しおりを挟む
街に戻ったオレ達は、まず役所に依頼失敗の届けを出した。その後、戦利品の換金に行ったのだが、今回の依頼は失敗だったにも関わらず戦果は上々だった。
オーガを倒す事は出来なかったが、投げつけてきて”あずき”の背中に刺さった時点でゲットしていたらしいオーガの大太刀は5万円で売れるのだ。あとはオークの牙が全部で1万円程になった。
「今日は少し贅沢しましょ。」
「賛成。色々あって疲れたよ..」
「ご飯食べに行きましょ。」
「うん、腹減った~!ハングリーメーター、振り切っちゃいそうだよ。」
~ そう言えば振り切ったらどうなるのか試してなかったな。 ~
オレもあずきもいつものレストランで1番高い「大正牛のステーキ」を注文した。それとオレは得意のビール。ジョッキで飲むのは久しぶりだ。
「よし、今日は私も飲むわっ!」
「えっ?」
「イイわよね?ゲームの中なんだから」
「イイけど、珍しいね?」
「そう言う気分なのよ!1回死んだし。」
「ゴメン、今日のは失策だったよ。」
「ううん、作戦は間違ってなかったわ。燕返しの3太刀目を外したのが敗因よ。あー、悔しい!あ、すみませーん!モスコミュール下さーい!」
~ レストランの頼み方じゃ無いな。居酒屋かっ! ~
「なぁ、死んだ時と死んでる間ってどんな感じなの?」
「うーん、死んだ時は一瞬、視界が真っ白になって、死んでる間は他人がゲームしてるのを横で見てる感じかなぁ。」
「へぇ..死ぬ程痛いとか、そう言うのは?」
「無いわね。」
「そうなんだ。」
~ 死ぬ程恥ずかしかったけど.. ~
「ん?何て?」
「何でもない無いわよっ!それにしても焦ったわよ、ホントに死ぬのかと思ったわ。」
「面目無い。まさかオレが汚れているとは..」
「本性、バレたわね。笑」
「ははは...」
笑うしか無い。
「来たわよ!いただきましょっ!」
「街1番の高級メニュー!いただきます!」
「美味しーい!」
「うまいっ!」
その後、あまりの美味しさに、2人とも食べ終わるまで無言だった。
「あー、美味しかった!そろそろ行きましょうか!」
「そうだね!」
オレは期待に胸を躍らせていた。珍しくあずきも酒を飲んで、ほろ酔い加減の上機嫌。今日1日の出来事を踏まえた上でのこの状況。コレはいつもの2人部屋でついに...
「今日は贅沢に個室にしましょ」
「そうだね..って、ですよねー」
世の中そんなに甘くは無かった...
しかし、だ。女の子と同じ部屋に居るのに”何”か出来る訳でも無く、むしろ同じ部屋に居るからこそ”ナニ”も出来ない日々が続いていたのだ!
ここはオレも敢えて1人を満喫してやろうじゃないか。
チェックインを済ませると”あずき”は、そそくさと行ってしまった。
ー “あずき”の夜 ー
全く、どうしちゃったのかしら、私..
ドキドキが止まらないわ。
アイツのあんな告白みたいの聞いたから?それに、あんなに必死になって蘇生しようとして...
今日、一緒の部屋だったら、どうなっちゃってたんだろ。
明日からアイツの顔、まともに見られる自信ないよぉ...
オーガを倒す事は出来なかったが、投げつけてきて”あずき”の背中に刺さった時点でゲットしていたらしいオーガの大太刀は5万円で売れるのだ。あとはオークの牙が全部で1万円程になった。
「今日は少し贅沢しましょ。」
「賛成。色々あって疲れたよ..」
「ご飯食べに行きましょ。」
「うん、腹減った~!ハングリーメーター、振り切っちゃいそうだよ。」
~ そう言えば振り切ったらどうなるのか試してなかったな。 ~
オレもあずきもいつものレストランで1番高い「大正牛のステーキ」を注文した。それとオレは得意のビール。ジョッキで飲むのは久しぶりだ。
「よし、今日は私も飲むわっ!」
「えっ?」
「イイわよね?ゲームの中なんだから」
「イイけど、珍しいね?」
「そう言う気分なのよ!1回死んだし。」
「ゴメン、今日のは失策だったよ。」
「ううん、作戦は間違ってなかったわ。燕返しの3太刀目を外したのが敗因よ。あー、悔しい!あ、すみませーん!モスコミュール下さーい!」
~ レストランの頼み方じゃ無いな。居酒屋かっ! ~
「なぁ、死んだ時と死んでる間ってどんな感じなの?」
「うーん、死んだ時は一瞬、視界が真っ白になって、死んでる間は他人がゲームしてるのを横で見てる感じかなぁ。」
「へぇ..死ぬ程痛いとか、そう言うのは?」
「無いわね。」
「そうなんだ。」
~ 死ぬ程恥ずかしかったけど.. ~
「ん?何て?」
「何でもない無いわよっ!それにしても焦ったわよ、ホントに死ぬのかと思ったわ。」
「面目無い。まさかオレが汚れているとは..」
「本性、バレたわね。笑」
「ははは...」
笑うしか無い。
「来たわよ!いただきましょっ!」
「街1番の高級メニュー!いただきます!」
「美味しーい!」
「うまいっ!」
その後、あまりの美味しさに、2人とも食べ終わるまで無言だった。
「あー、美味しかった!そろそろ行きましょうか!」
「そうだね!」
オレは期待に胸を躍らせていた。珍しくあずきも酒を飲んで、ほろ酔い加減の上機嫌。今日1日の出来事を踏まえた上でのこの状況。コレはいつもの2人部屋でついに...
「今日は贅沢に個室にしましょ」
「そうだね..って、ですよねー」
世の中そんなに甘くは無かった...
しかし、だ。女の子と同じ部屋に居るのに”何”か出来る訳でも無く、むしろ同じ部屋に居るからこそ”ナニ”も出来ない日々が続いていたのだ!
ここはオレも敢えて1人を満喫してやろうじゃないか。
チェックインを済ませると”あずき”は、そそくさと行ってしまった。
ー “あずき”の夜 ー
全く、どうしちゃったのかしら、私..
ドキドキが止まらないわ。
アイツのあんな告白みたいの聞いたから?それに、あんなに必死になって蘇生しようとして...
今日、一緒の部屋だったら、どうなっちゃってたんだろ。
明日からアイツの顔、まともに見られる自信ないよぉ...
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
その掃除依頼、受けてやろう
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者パーティー「明るい未来」のリックとブラジス。この2人のコンビはアリオス王国の上層部では別の通り名で知られていた。通称「必要悪の掃除屋」。
王国に巣食った悪の組織を掃除(=始末)するからだが。
お陰で王国はその2人をかなり優遇していた。
但し、知られているのは王都での上層部だけでのこと。
2人が若い事もあり、その名は王都の上層部以外ではまだ知られていない。
なので、2人の事を知らない地方の悪の組織の下のその2人が派遣されたりすると・・・
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる