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「ユウナ様、少しお時間よろしいですか?」
「え?」
「折り入ってお話したいことがあって」
屋外演習の翌日、教室内でシュゼットに声をかけられた。
同じクラスにいながら今まで何の接触もなかったので無意識に避けられてるのかな、と思ってたんだけど。どういう風の吹き回し?
「いいけど。話って何?」
「それが……ここではちょっと」
と言いながら私と一緒にいるセシリアをチラ見する。
「私が側にいると話しにくい内容なのですか?」
「いえ、そんなことはないんですけど。出来ればユウナ様と二人でお話したくて」
困ったように笑うシュゼット。と、突然数名のクラスメイトが割り込んで来た。
「ユウナさん、ちょっとくらい何とかなりますよね」
「ここまで頭を下げてお願いしてるんだから聞いてあげるのは当然だと思うわ」
「そうよそうよ!」
出た、シュゼット親衛隊。というか、いつ頭を下げたのか是非とも教えて欲しい。
「皆さん、偏った主観でものを言ってはいけませんわ」
見かねたセシリアがやんわりたしなめるも、聞く耳を持たないクラスメイト達。
「えー、でも元はと言えば……ねえ?」
「そうよ、むしろユウナさんから頭を下げて貰いたいくらいなのに」
親衛隊が結託し始めた。あー、あの噂についてだろうな……
「ただの噂を鵜呑みにするのも感心出来ませんね」
「セシリアさんには関係ないでしょ! 部外者は引っ込んでいてください」
「そうよそうよ!!」
未来の王太子妃に向かって何と強気な……シュゼットに魅了されると怖いもの知らずになるんだろうか。
「そうですか」
「……あなたたちも部外者ですよね」
小さく呟く声が聞こえたと思ったら、私の隣からどす黒い空気が漂い始めた……ヤバい、このままではセシリアが悪役令嬢verに戻ってしまう!
「分かった」
「本当ですか、ありがとうございます!」
手を取り合って喜ぶシュゼットと親衛隊。
「ユウナ」
「ありがとうセシリア。ちょっと行って来るね」
「では早速。お時間は取らせません!」
「え、ちょ、ちょっと……」
勢いよく手を引かれるがまま、教室の隅っこまで連れて行かれる。
「そういえば体の調子は如何ですか?」
「え?」
「昨日随分と魔力を消耗されていたようなので」
「ああ、うん。もう全然」
「それは良かったです。あ、それと……保健室ではゆっくり休めましたか?」
え、何で私が保健室に行ったことを知っている? もしかして覗き見してたとか……怖っ!
「私、回りくどいのが苦手なのでストレートに聞きますね。ユウナ様はカイル様のことをどう思っているんですか?」
「は!?」
「ちなみに私はカイル様のことをお慕いしています。なので、ユウナ様も同じ気持ちなら今ここではっきり聞かせて欲しいんです」
いきなりの先制攻撃に思わず怯んでしまった。
「わ、わたしは別に」
「そうなんですね!!」
食い気味にそう言って私の言葉を遮るシュゼット。
「あー、良かった。じゃあ何の問題もないですね」
「は?」
「ユウナ様はカイル様のこと何とも思ってないんですよね? なら私がカイル様と親しくなってもユウナ様やセシリア様からいじめられることもないだろうし」
ヒロイン思考だとそうかもしれないけど、何で私やセシリアがいじめる前提で話をする?
「落ちぶれた元ヒロインでも聖なる乙女として唯一無二のユウナ様にしゃしゃり出……ライバルとして登場されるとちょっと面倒かなーと思っていたので」
言葉遣いは丁寧なのに、言ってることは結構酷いな。
「あ、ユウナ様」
文句の一つでも言ってやろうと口を開いた途端、先を越された。
「今後カイル様には必要以上に近づかないでいただきたいんです。噂の件はご存知だと思いますけど、傍から見て誤解されるような行動は慎んで欲しくて……だって、同じ土俵の上にあがる度胸もない癖に美味しいところだけ持って行く人とか意味分からなくないですか? 勿論二人きりで会うなんてもっての外です。私の邪魔にならないよう節度をわきまえてくださいね」【身の程を知れって言ってんの、旧作ヒロイン風情が】
ん? 今何かボソッと聞こえたような……
「私からは以上です。では、戻りまーす!」
「ちょ、ちょっと!!」
呆気にとられたままの私を残し、シュゼットは満面の笑顔で親衛隊の元へと戻って行った。
*****
「あれって絶対マウント」
夜になっても今日の出来事がずっと頭に引っかかって離れない。
そもそも思い返してみたら、カイルが護衛に決まったころ私に向けていた視線や、私が見ている前でカイルに抱き着いた行為も……全部マウントじゃん!
もう結構前から牽制されていたのに気づかなかったとは何たること。
「あー、ムカムカする!」
ごろごろしていたベッドから反射的に起き上がった私はあることに気づいた。
「でもあんな初期から私にマウントを取っていたということは」
>あ、よくあるあれかな。引き続き登場はするけど今作では新ヒロインを助けるチュートリアル的な立ち位置、もしくは単純に友人ポジとか
なんて思っていたけど違う。チュートリアルでも友人枠でもない、続編での私の役目は……
ライバルポジションだ!!! ←カイルを選んだ場合の
そこにきちゃったかぁ……それにしても、こっちの言い分も聞かずに人の気持ちを勝手に決めつけた挙句マウント取って牽制するとか勘違いも甚だしい。
>「えー、でも元はと言えば……ねえ?」
>「そうよ、むしろユウナさんから頭を下げて貰いたいくらいなのに」
>「今後カイル様には必要以上に近づかないでいただきたいんです。噂の件はご存知だと思いますけど、傍から見て誤解されるような行動は慎んで欲しくて……だって、同じ土俵の上にあがる度胸もない癖に美味しいところだけ持って行く人とか意味分からなくないですか? 勿論二人きりで会うなんてもっての外です。私の邪魔にならないよう節度をわきまえてくださいね」
……ていうか何で私が頭下げなきゃいけない訳? 誤解されるような態度も慎まなきゃいけないような行動も身に覚えないし! 同じ土俵の上にあがる度胸って何? 誰もあがりたいなんて言ってないでしょ、意味分かんないのはあなたの方なんですけど!!
あ、思い出したら怒りがぶり返して来た。それと同時にあれだけ言われて何も言い返せなかった自分の不甲斐なさにも腹が立ってきて、
「あ~~~~~もう、悔しいいいい!!」
怒りが収まらない私は暫くベッドに寝転がったままバタバタと暴れていた。
とりあえず……今度絡まれたら絶対文句言ってやる!!!
「え?」
「折り入ってお話したいことがあって」
屋外演習の翌日、教室内でシュゼットに声をかけられた。
同じクラスにいながら今まで何の接触もなかったので無意識に避けられてるのかな、と思ってたんだけど。どういう風の吹き回し?
「いいけど。話って何?」
「それが……ここではちょっと」
と言いながら私と一緒にいるセシリアをチラ見する。
「私が側にいると話しにくい内容なのですか?」
「いえ、そんなことはないんですけど。出来ればユウナ様と二人でお話したくて」
困ったように笑うシュゼット。と、突然数名のクラスメイトが割り込んで来た。
「ユウナさん、ちょっとくらい何とかなりますよね」
「ここまで頭を下げてお願いしてるんだから聞いてあげるのは当然だと思うわ」
「そうよそうよ!」
出た、シュゼット親衛隊。というか、いつ頭を下げたのか是非とも教えて欲しい。
「皆さん、偏った主観でものを言ってはいけませんわ」
見かねたセシリアがやんわりたしなめるも、聞く耳を持たないクラスメイト達。
「えー、でも元はと言えば……ねえ?」
「そうよ、むしろユウナさんから頭を下げて貰いたいくらいなのに」
親衛隊が結託し始めた。あー、あの噂についてだろうな……
「ただの噂を鵜呑みにするのも感心出来ませんね」
「セシリアさんには関係ないでしょ! 部外者は引っ込んでいてください」
「そうよそうよ!!」
未来の王太子妃に向かって何と強気な……シュゼットに魅了されると怖いもの知らずになるんだろうか。
「そうですか」
「……あなたたちも部外者ですよね」
小さく呟く声が聞こえたと思ったら、私の隣からどす黒い空気が漂い始めた……ヤバい、このままではセシリアが悪役令嬢verに戻ってしまう!
「分かった」
「本当ですか、ありがとうございます!」
手を取り合って喜ぶシュゼットと親衛隊。
「ユウナ」
「ありがとうセシリア。ちょっと行って来るね」
「では早速。お時間は取らせません!」
「え、ちょ、ちょっと……」
勢いよく手を引かれるがまま、教室の隅っこまで連れて行かれる。
「そういえば体の調子は如何ですか?」
「え?」
「昨日随分と魔力を消耗されていたようなので」
「ああ、うん。もう全然」
「それは良かったです。あ、それと……保健室ではゆっくり休めましたか?」
え、何で私が保健室に行ったことを知っている? もしかして覗き見してたとか……怖っ!
「私、回りくどいのが苦手なのでストレートに聞きますね。ユウナ様はカイル様のことをどう思っているんですか?」
「は!?」
「ちなみに私はカイル様のことをお慕いしています。なので、ユウナ様も同じ気持ちなら今ここではっきり聞かせて欲しいんです」
いきなりの先制攻撃に思わず怯んでしまった。
「わ、わたしは別に」
「そうなんですね!!」
食い気味にそう言って私の言葉を遮るシュゼット。
「あー、良かった。じゃあ何の問題もないですね」
「は?」
「ユウナ様はカイル様のこと何とも思ってないんですよね? なら私がカイル様と親しくなってもユウナ様やセシリア様からいじめられることもないだろうし」
ヒロイン思考だとそうかもしれないけど、何で私やセシリアがいじめる前提で話をする?
「落ちぶれた元ヒロインでも聖なる乙女として唯一無二のユウナ様にしゃしゃり出……ライバルとして登場されるとちょっと面倒かなーと思っていたので」
言葉遣いは丁寧なのに、言ってることは結構酷いな。
「あ、ユウナ様」
文句の一つでも言ってやろうと口を開いた途端、先を越された。
「今後カイル様には必要以上に近づかないでいただきたいんです。噂の件はご存知だと思いますけど、傍から見て誤解されるような行動は慎んで欲しくて……だって、同じ土俵の上にあがる度胸もない癖に美味しいところだけ持って行く人とか意味分からなくないですか? 勿論二人きりで会うなんてもっての外です。私の邪魔にならないよう節度をわきまえてくださいね」【身の程を知れって言ってんの、旧作ヒロイン風情が】
ん? 今何かボソッと聞こえたような……
「私からは以上です。では、戻りまーす!」
「ちょ、ちょっと!!」
呆気にとられたままの私を残し、シュゼットは満面の笑顔で親衛隊の元へと戻って行った。
*****
「あれって絶対マウント」
夜になっても今日の出来事がずっと頭に引っかかって離れない。
そもそも思い返してみたら、カイルが護衛に決まったころ私に向けていた視線や、私が見ている前でカイルに抱き着いた行為も……全部マウントじゃん!
もう結構前から牽制されていたのに気づかなかったとは何たること。
「あー、ムカムカする!」
ごろごろしていたベッドから反射的に起き上がった私はあることに気づいた。
「でもあんな初期から私にマウントを取っていたということは」
>あ、よくあるあれかな。引き続き登場はするけど今作では新ヒロインを助けるチュートリアル的な立ち位置、もしくは単純に友人ポジとか
なんて思っていたけど違う。チュートリアルでも友人枠でもない、続編での私の役目は……
ライバルポジションだ!!! ←カイルを選んだ場合の
そこにきちゃったかぁ……それにしても、こっちの言い分も聞かずに人の気持ちを勝手に決めつけた挙句マウント取って牽制するとか勘違いも甚だしい。
>「えー、でも元はと言えば……ねえ?」
>「そうよ、むしろユウナさんから頭を下げて貰いたいくらいなのに」
>「今後カイル様には必要以上に近づかないでいただきたいんです。噂の件はご存知だと思いますけど、傍から見て誤解されるような行動は慎んで欲しくて……だって、同じ土俵の上にあがる度胸もない癖に美味しいところだけ持って行く人とか意味分からなくないですか? 勿論二人きりで会うなんてもっての外です。私の邪魔にならないよう節度をわきまえてくださいね」
……ていうか何で私が頭下げなきゃいけない訳? 誤解されるような態度も慎まなきゃいけないような行動も身に覚えないし! 同じ土俵の上にあがる度胸って何? 誰もあがりたいなんて言ってないでしょ、意味分かんないのはあなたの方なんですけど!!
あ、思い出したら怒りがぶり返して来た。それと同時にあれだけ言われて何も言い返せなかった自分の不甲斐なさにも腹が立ってきて、
「あ~~~~~もう、悔しいいいい!!」
怒りが収まらない私は暫くベッドに寝転がったままバタバタと暴れていた。
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