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3.エアプランツ
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家に着いた時には、濱田くんは完全に眠っていた。タクシーから降ろして、家に連れ込んでも、起きる様子もない。
俺は、久しぶりに客用の布団を、1階の仏壇の置いてある和室に敷いた。濱田君をそのまま、布団の上に転がし、タオルケットをかけてやると、無意識なのか、そのタオルケットを抱きしめながら、身体を丸めていく。その姿に、思わず静流の姿が重なった。俺は苦い笑みを浮かべて、そのままその部屋を出た。
翌朝、いつもよりも早くに目が覚めたのは、濱田くんがいるせいだろう。
俺は、ジーンズにTシャツに着替えると、階下に降りた。静かで薄暗い部屋の様子から、まだ彼が起きていないことが伺えた。時計を見れば、ようやく7時になったくらい。俺は久しぶりに米でも炊こうか、と思い、朝飯を準備しはじめた。
準備といっても、たいしたものはない。冷蔵庫を覗き込んでも、せいぜい、卵と隣の逆井さんがくれた漬け物くらい。そして、味噌汁はインスタントのがいくつかあったので、その中から蜆の味噌汁を選んだ。
米は早炊きで炊いたので、ものの30分もせずに炊きあがった。一人暮らしになってから、週末は料理をするようになったが、最近は忙しさと疲れとで、さぼり気味になっていた。しかし、米の炊き上がった匂いに、俺の食欲も自然と湧いてきた。
濱田くんは、まだ起きてこないようなので、俺は一人で先に飯を食べ始める。一人で食べるのは、いつも通りのことなのに、なぜだろう。いつもより、食が進む気がするのは。おかずも、目玉焼きに漬け物しかないのに。
少なめだけれど、茶碗に2杯目を盛る。コリコリと漬け物を噛みながら、飯をかきこむ。俺の茶碗はあっという間に空っぽになった。
俺は自分の分の食器を洗い終えると、再び時計を見る。そろそろ9時になろうとしているが、濱田くんは起きてくる様子がない。俺は彼の分の食事をテーブルに用意しおえると、仕方がないので、彼を起こすために、和室に向かった。
襖を開けると、そこには身体を起こしながら、額に手をあてている濱田くんがいた。
「あ、起きたかい?」
俺は声をかけながら、彼のそばまで寄ると、少し身体をかがめた。覗き込もうとした時、濱田くんの身体が固まった。
「頭痛いのかい?二日酔いかな」
夕べの様子からも、けっこう飲んでいたのだろう。俺は膝をつきながら様子を伺うと、濱田くんは恐る恐る顔をあげた。俺と目があうと、今度は驚いたような顔で俺のことを見つめる。
「……え?」
自分の今の状況がわからない、といったところだろうか。
「起きられるかい?」
「あ、はい……」
「じゃぁ、起きてきなさい。朝飯用意してあるから」
俺は襖を閉め、玄関から出ると今朝の新聞をとり、リビングに向かった。
いつも土曜日は、見るともなしにテレビの情報番組にチャンネルを合わせ、ボリュームを押さえたまま、ただだらだらと流している。小さいながらも、楽し気な人の声が部屋の中に流れているだけで、少しは気がまぎれるような気がするからだ。
ソファに座り、新聞を開いたところで、濱田くんがおどおどしながら現れた。
俺は、久しぶりに客用の布団を、1階の仏壇の置いてある和室に敷いた。濱田君をそのまま、布団の上に転がし、タオルケットをかけてやると、無意識なのか、そのタオルケットを抱きしめながら、身体を丸めていく。その姿に、思わず静流の姿が重なった。俺は苦い笑みを浮かべて、そのままその部屋を出た。
翌朝、いつもよりも早くに目が覚めたのは、濱田くんがいるせいだろう。
俺は、ジーンズにTシャツに着替えると、階下に降りた。静かで薄暗い部屋の様子から、まだ彼が起きていないことが伺えた。時計を見れば、ようやく7時になったくらい。俺は久しぶりに米でも炊こうか、と思い、朝飯を準備しはじめた。
準備といっても、たいしたものはない。冷蔵庫を覗き込んでも、せいぜい、卵と隣の逆井さんがくれた漬け物くらい。そして、味噌汁はインスタントのがいくつかあったので、その中から蜆の味噌汁を選んだ。
米は早炊きで炊いたので、ものの30分もせずに炊きあがった。一人暮らしになってから、週末は料理をするようになったが、最近は忙しさと疲れとで、さぼり気味になっていた。しかし、米の炊き上がった匂いに、俺の食欲も自然と湧いてきた。
濱田くんは、まだ起きてこないようなので、俺は一人で先に飯を食べ始める。一人で食べるのは、いつも通りのことなのに、なぜだろう。いつもより、食が進む気がするのは。おかずも、目玉焼きに漬け物しかないのに。
少なめだけれど、茶碗に2杯目を盛る。コリコリと漬け物を噛みながら、飯をかきこむ。俺の茶碗はあっという間に空っぽになった。
俺は自分の分の食器を洗い終えると、再び時計を見る。そろそろ9時になろうとしているが、濱田くんは起きてくる様子がない。俺は彼の分の食事をテーブルに用意しおえると、仕方がないので、彼を起こすために、和室に向かった。
襖を開けると、そこには身体を起こしながら、額に手をあてている濱田くんがいた。
「あ、起きたかい?」
俺は声をかけながら、彼のそばまで寄ると、少し身体をかがめた。覗き込もうとした時、濱田くんの身体が固まった。
「頭痛いのかい?二日酔いかな」
夕べの様子からも、けっこう飲んでいたのだろう。俺は膝をつきながら様子を伺うと、濱田くんは恐る恐る顔をあげた。俺と目があうと、今度は驚いたような顔で俺のことを見つめる。
「……え?」
自分の今の状況がわからない、といったところだろうか。
「起きられるかい?」
「あ、はい……」
「じゃぁ、起きてきなさい。朝飯用意してあるから」
俺は襖を閉め、玄関から出ると今朝の新聞をとり、リビングに向かった。
いつも土曜日は、見るともなしにテレビの情報番組にチャンネルを合わせ、ボリュームを押さえたまま、ただだらだらと流している。小さいながらも、楽し気な人の声が部屋の中に流れているだけで、少しは気がまぎれるような気がするからだ。
ソファに座り、新聞を開いたところで、濱田くんがおどおどしながら現れた。
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