100均で始まる恋もある

三森のらん

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6.ジャック・オー・ランタン

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 授業を終えて店に着くと、バッグの中からさっそく缶を取り出して冷蔵庫にしまった。休憩時間にでもなればきっと冷えてるし、その時にでも飲もうかな、と思った。

「濱田く~ん」

 この前と同様、尾賀さんが同じシフトなのはわかっていた。だから、この声からして、また何かされるんだろうな、とも思ったから、ため息をつきながら、振り向いたら。

「……どうしたんですか」

 尾賀さんが、あのハロウィン仕様のつけまつげをした上に、今日は、黒い魔女の帽子に、ネイルまでハロウィン仕様!?

「どうよ」
「え、あ、すごいですね」
「そうじゃないでしょう~」

 呆れたように言われても、僕にはどう反応したらいいのか。

「似合うでしょ?」
「あ、はい」
「よし、じゃあ、濱田くんも、頑張ってみようか」
「え?」

 ニヤリと笑った尾賀さんは、僕の目の前にハロウィングッズの入ったカゴを見せた。

「どれがいい?」

 かぼちゃの帽子、斧、短いマント、牙のマウスピース、ハロウィン仕様のつけまつげに傷跡シール。

「マジですか」
「マジです」

 ほれほれ、とカゴを押し付けられて、困っている僕に、いつの間に来たのか店長の矢島さんが、かぼちゃの帽子をかぶってあらわれた。

「何々、濱田くんはどれにする~?」

 あまりにも楽しそうに言われて、唖然としてしまう。矢島さんとお揃いはのは避けたくて、この前と同じ斧を手に取る。

「それじゃ、今日こそは」

 尾賀さんはカゴの中から何かを取り出すと、ピリリと破いた。何を取ったのかわからないまま、斧を頭にかぶってバランスをとっていると、ピタリと何かが顔に貼られた。

「え?」
「いやぁん、やっぱり、顔に貼った方が迫力あるよねぇ」
「うんうん、濱田くんのカワイイ顔にぴったり」
「ですよねー。カワイイゾンビちゃん?」

 慌てて顔に手をやると、なんだかぼこぼこした感触。まさか。

「ほら、似合ってる、似合ってる!」

 二人はにこにこしながら、事務所に置いてあった鏡で僕の顔を見せた。

「えぇぇ……」

 自分の顔に傷跡シールがべったりとついている。

「本当は、口から血糊とかつけたいところなんだけど」
「……店長、それはやりすぎです」

 この人だったら、やりかねない。
 僕は大きくため息をついてエプロンを付けると、きゃいきゃいと楽しんでいる二人を残して、フロアに向かった。
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