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9.酒のつまみ、再び
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それからは、崇さんも僕も年末ギリギリまで仕事だったせいで、なかなか一緒にいる時間がなくて、僕のクリスマスプレゼントは、宙ぶらりんの状態になっていた。
『次は〇〇~、〇〇~、終点です』
車内アナウンスに、ハッとする。いつの間にかに、ターミナルの駅に着こうとしていた。そして、くぅっという腹の鳴る音で、自分が空腹だということのも気づく。飲み会の時に、まともに食べていなかったのを思い出す。
「腹減った……」
ホームに降り立って白い息を吐きながら言葉が零れる。ここは大きなターミナル駅だから、この時間でも食事のできる店はあるに違いない。僕は階段を上りながら何を食べようかと考えていると、ポケットの中のスマホが震えた。
なかなか振動が止まらないので、スマホを取り出すと、電話がかかってきていた。それも崇さんから。慌てて、通話を押した。
「崇さん?」
『ああ、もう着いた頃かと思って電話したんだけど』
「え、まだ〇〇駅ですけど」
『今、どこ?』
「え?」
『迎えに来たんだけど』
その言葉に、僕は慌てて周りをキョロキョロと見回した。
「16番線のホームから階段上がったところです」
『16番線……わかった。近くに何がある?』
僕は階段を上り切った目の前にある店を伝えた。
「え、えーっと、カウンターのある飲み屋さんみたいなのと……洋食屋さんと、お寿司屋さん……かな?」
『とりあえず、見つけやすそうなのは、どこ?』
「あ、じゃ、じゃあ、お寿司屋さんのところにいます」
僕は足早にお寿司屋さんに向かうと、角に立ちながらスマホを握りしめ、周囲を見渡す。この時間になっても人の流れは、減っている気がしない。この中から崇さんの姿を見つけることが出来るのか、と思ったら、意外にも簡単に見つけることが出来た。僕のプレゼントした手袋をはめた手をあげて、人波をかきわけてくる。その姿を見ただけで、僕はひとりでに微笑んでいた。
「おかえり」
「た、ただいま、です」
「荷物、それだけ?」
手にしていたバックとお土産の入っている紙袋。崇さんは、それを持とうと手を差し出してくる。
「あ、はい、そうですけど、これくらい、僕でも持てますから」
持ち手をギュッと握りなおして、僕は微笑む。少しばかり残念そうな顔をした崇さんが、なんだか可愛いと思えた。
「実は僕、夕飯食べ損ねて」
「食べてこなかったの?」
「あー、はい」
「じゃあ、何か食うか?」
そう言いながらお寿司屋さんを覗き込む崇さんに、僕は慌てて崇さんのコートの袖を掴んだ。
「あ、あの、あそこのラーメン屋さん行きませんか」
僕は通路の反対側にあったラーメン屋を指さした。ラーメンのほうが寿司よりも早く出てきて食べられそうだし、僕としては早く帰りたい。それが自分の住んでるアパートになるのか、崇さんの家になるのかは、崇さん次第だけど。
「ラーメンでいいのか? 正月なのに」
「ラーメンがいいんです」
崇さんの腕を掴むと、僕はいつになくグイグイと彼の腕を引っ張った。
「わかった、わかったよ」
その声は少し嬉しそうで、僕はチラッと振り向いた。「仕方ないなぁ」と言いながらも、声のトーンと同じように嬉しそうな崇さん。僕の胸がキュンとなったのは言うまでもない。
『次は〇〇~、〇〇~、終点です』
車内アナウンスに、ハッとする。いつの間にかに、ターミナルの駅に着こうとしていた。そして、くぅっという腹の鳴る音で、自分が空腹だということのも気づく。飲み会の時に、まともに食べていなかったのを思い出す。
「腹減った……」
ホームに降り立って白い息を吐きながら言葉が零れる。ここは大きなターミナル駅だから、この時間でも食事のできる店はあるに違いない。僕は階段を上りながら何を食べようかと考えていると、ポケットの中のスマホが震えた。
なかなか振動が止まらないので、スマホを取り出すと、電話がかかってきていた。それも崇さんから。慌てて、通話を押した。
「崇さん?」
『ああ、もう着いた頃かと思って電話したんだけど』
「え、まだ〇〇駅ですけど」
『今、どこ?』
「え?」
『迎えに来たんだけど』
その言葉に、僕は慌てて周りをキョロキョロと見回した。
「16番線のホームから階段上がったところです」
『16番線……わかった。近くに何がある?』
僕は階段を上り切った目の前にある店を伝えた。
「え、えーっと、カウンターのある飲み屋さんみたいなのと……洋食屋さんと、お寿司屋さん……かな?」
『とりあえず、見つけやすそうなのは、どこ?』
「あ、じゃ、じゃあ、お寿司屋さんのところにいます」
僕は足早にお寿司屋さんに向かうと、角に立ちながらスマホを握りしめ、周囲を見渡す。この時間になっても人の流れは、減っている気がしない。この中から崇さんの姿を見つけることが出来るのか、と思ったら、意外にも簡単に見つけることが出来た。僕のプレゼントした手袋をはめた手をあげて、人波をかきわけてくる。その姿を見ただけで、僕はひとりでに微笑んでいた。
「おかえり」
「た、ただいま、です」
「荷物、それだけ?」
手にしていたバックとお土産の入っている紙袋。崇さんは、それを持とうと手を差し出してくる。
「あ、はい、そうですけど、これくらい、僕でも持てますから」
持ち手をギュッと握りなおして、僕は微笑む。少しばかり残念そうな顔をした崇さんが、なんだか可愛いと思えた。
「実は僕、夕飯食べ損ねて」
「食べてこなかったの?」
「あー、はい」
「じゃあ、何か食うか?」
そう言いながらお寿司屋さんを覗き込む崇さんに、僕は慌てて崇さんのコートの袖を掴んだ。
「あ、あの、あそこのラーメン屋さん行きませんか」
僕は通路の反対側にあったラーメン屋を指さした。ラーメンのほうが寿司よりも早く出てきて食べられそうだし、僕としては早く帰りたい。それが自分の住んでるアパートになるのか、崇さんの家になるのかは、崇さん次第だけど。
「ラーメンでいいのか? 正月なのに」
「ラーメンがいいんです」
崇さんの腕を掴むと、僕はいつになくグイグイと彼の腕を引っ張った。
「わかった、わかったよ」
その声は少し嬉しそうで、僕はチラッと振り向いた。「仕方ないなぁ」と言いながらも、声のトーンと同じように嬉しそうな崇さん。僕の胸がキュンとなったのは言うまでもない。
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