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5話.山景

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コロロ:(M)「留寿都るすつにあるJACK日本支部の朝はとても静かで、んでいた」

コロロ:(M)「簡易的かんいてきな屋根のした、大きい石に皆んなの名前が綺麗な列で印字いんじされている」

コロロ:「……………………んな、ひさしぶり」

コロロ:「私は……元気だよ」

コロロ:「今、第11部隊に……いるんだ。大変なことばかりだけど、頑張ってるよ。にぎやかにやってる?たまには、見守って……欲しいな」

染毬:(N)「早朝4時に小柄こがらな少女は、昔の……37人の仲間かぞくが眠る慰霊碑いれいひの前で手を合わせていた」

染毬:「早起きさんだね、コロロちゃん」

コロロ:「あ、染毬博士。おはようございます」

染毬:「はい、おはよう」

コロロ:「皆んなにちゃんと……挨拶あいさつしたくて」

染毬:「本当は1人ずつ、墓石ぼせきを建てたかったんだけど」

コロロ:「心遣こころづかいだけで、感謝してます」

染毬:(M)「全身の骨がかたちとして残っている隊員の方が少なかったなんて、わざわざ言う必要はない。それは私なんかよりコロロちゃんが十分じゅうぶんに理解しているんだから」

コロロ:「博士が、この花をそなえたんですね」

染毬:「ああ。ローダンセという名前の花でね」

コロロ:「ピンク色で、かわいいです」

染毬:「そうでしょ。花屋の店員さんが、キュートだっておすすめしてくれたんだよ」

コロロ:「北海道に連れてきてくれて、ありがとうございます」

染毬:「私も、ここで手を合わせたかったんだ……」

コロロ:「はい」

(2人は手を合わせて瞳を閉じた)

染毬:「…………」

コロロ:「…………」

(少しの間)

(コロロが目を開けると、隣で3人も手を合わせていた)

ダン:「…………」

ダーウィン:「…………」

マイ:「…………」

コロロ:「……あ!」

ダン:「コロロの大事な家族で、」

ダーウィン:「僕たちの少し先輩なんだよね」

マイ:「コロロちゃんを護ってくれて……ありがとうございました」

コロロ:「うん。全員……私の家族で……。皆んな、紹介するね。ダンとダーウィンとマイちゃん……。JACKジャック第11部隊で、皆んなと同じくらい大切な私の……仲間かぞくだよ」

(間)

ダン:「…………」

ダーウィン:「…………」

マイ:「…………」

コロロ:「…………すぴい」

染毬:「…………帰りのバスだってのに、全員、爆睡ばくすいかな。まぁ、コロロちゃんはさて置き。私の招集しょうしゅうメッセージを昨日の夜に送っておいたから、遅れずに慰霊碑いれいひの前に来てくれたし」

染毬:「いい夢を見てね」

(少しの間)

染毬:(M)「さっき私は嘘をついた。きっと、私でないと上手くつけない嘘だ」

(少しの間)

染毬:(M)「ローダンセをそなえたのは私じゃない。律儀りちぎに37本も……。きみ・・一体いったい……どこでナニを考えているんだ」



おわり
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