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ずっと一緒に見ようよ【前編】
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これは、私の友人の友人の友人が体験した、つまり私とは縁ゆかりのないお話です。
(ずっと一緒に見ようよ)
日なたに置いておいたら、一瞬で氷が解けてしまいそうなこの暑い夏。
マンションの素朴な床で、だらしなく横たわる。
「あぁ……。あっちぃ……」
まだまだこれからだという夏の序盤で俺は、文句もどきの言葉を吐いてしまう。
ぼんやりと、はたもや素朴な天井を見つめていると、甲高い音が部屋中に響き渡る。
【着信-花園美弥子】
花園美弥子とは、俺の可愛い彼女だ。
純粋で、清潔感のある可愛らしい娘。
そして憂慮があって、また可愛い。
しかし、時々重いと感じてしまうのが玉に瑕。
美弥子とは明後日、綺麗な星を見に行く約束をしている。
星というものは、あまり興味がないのだが、美弥子が特別綺麗というのだから見に行かずにはいられない。
というのも、車で約二時間ほどにある、街灯が一つもないド田舎で見る星らしい。
「えっと、【明後日は六時にちーくん家でいいですか? 早めだけど、夕食済ませておいてね(*'ω'*) 明後日楽しみで、今日から眠れないなぁ‥( ;∀;)】か‥」
顔文字を使っていて、いかにも女の子っていう感じだ。
「俺も、明後日たのしみだよ。どのくらい星が見えるかな、っと」
美弥子のメールに返信したところで、俺は深い眠りについた。
今日は、美弥子とデート当日だ。
しかし六時の針を通り過ぎていても、美弥子は来ない。
それどころか、連絡一つよこさない。
「っかしいなぁ‥」
こんなことは初めてだ。
去年、熱でドタキャンされたときにだって、メール+電話で謝罪の言葉を述べてきた。
七時を過ぎたころ、俺は心配になり美弥子のアパートに尋ねてみた。
(ずっと一緒に見ようよ)
日なたに置いておいたら、一瞬で氷が解けてしまいそうなこの暑い夏。
マンションの素朴な床で、だらしなく横たわる。
「あぁ……。あっちぃ……」
まだまだこれからだという夏の序盤で俺は、文句もどきの言葉を吐いてしまう。
ぼんやりと、はたもや素朴な天井を見つめていると、甲高い音が部屋中に響き渡る。
【着信-花園美弥子】
花園美弥子とは、俺の可愛い彼女だ。
純粋で、清潔感のある可愛らしい娘。
そして憂慮があって、また可愛い。
しかし、時々重いと感じてしまうのが玉に瑕。
美弥子とは明後日、綺麗な星を見に行く約束をしている。
星というものは、あまり興味がないのだが、美弥子が特別綺麗というのだから見に行かずにはいられない。
というのも、車で約二時間ほどにある、街灯が一つもないド田舎で見る星らしい。
「えっと、【明後日は六時にちーくん家でいいですか? 早めだけど、夕食済ませておいてね(*'ω'*) 明後日楽しみで、今日から眠れないなぁ‥( ;∀;)】か‥」
顔文字を使っていて、いかにも女の子っていう感じだ。
「俺も、明後日たのしみだよ。どのくらい星が見えるかな、っと」
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今日は、美弥子とデート当日だ。
しかし六時の針を通り過ぎていても、美弥子は来ない。
それどころか、連絡一つよこさない。
「っかしいなぁ‥」
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