ずっと一緒に見ようよ

雪莉月花

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ずっと一緒に見ようよ【後編】

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「一昨日、花園美弥子さんはお亡くなりになりました」




アパートに行くなり、警察にそう伝えられた。



「一昨日の四時二十三分頃に、首を吊って自殺したとみられます」


 俺の背中に悪寒が走る。




四時二十三分。


俺がメールを受け取った時間だ。


同時に俺と美弥子が付き合ったのが、四月二十三日だったので、印象的に残っている。




「いや、そんなこと‥ありえないっすよ‥。だって、あいつ、あんなに楽しみにしてたのにっ」



「落ち着いてください」



「俺の事、あんなに好きだったのに…。どうして、自殺なんか。これはきっと、何かの間違いですよ、ねぇ、そうでしょ!」


 俺は警察相手に、怒鳴り散らす。



そんな俺に、警察は冷静な声でこう言った。



「いや、あなた浮気していたでしょう。その証拠に、遺書と写真が置いてありましたよ。読みますか」




「……………っ」



 そう、俺は浮気をしていた。


それも半年以上前に。



 それが、美弥子にばれていたなんて。


隠し通している自身があったのだが、どうやらそれは俺の勘違いだったらしい。




【ちーくんへ。私、ずっとちーくんのこと好きだったよ。今も、ちーくんと付き合えることになった前からもずっと好きだった。だけど、ちーくんの「お気に入り」は一人じゃないんだもんね。勝手に勘違いしちゃってごめんなさい。だけどね、最後くらいちーくんとみやの記念の時間に逝きたかった。それとね、みやの最後のお願いを聞いてくれる? あのねこれから、】




 携帯に着信が届く。


それが、必要以上に鳴り、止む気配がないので携帯を不本意だが開く。





【着信-件名なし】







【あのねこれから、





















 ずっと一緒に、星を見に行けるんだから






















 みや、幸せだよ。


 





















 ずっと一緒に見ようよ】









 俺は、後ろから何かに殴られた気がした。






最後に瞳に映ったのは、今は亡き美弥子の満面の笑みだった。










 それから、その男を見た人はいないといっています。
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