しっかり者がダメ男に惹かれる法則(2)

坂田 零

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ACT1 聞いてますかぁ?ちゃんと聞いてますかぁ?ひとの話はちゃんと聞きましょう!4

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 だめだ・・・!
 脳みそが、この現状をまるで把握できてない・・・
 これはなんのどっきりなんだ?
 それともあれか・・・?
 俺は事故にでもあって、一度死んで、それで、今流行りの異世界転生でしているのか???

 おかしい・・・
 俺の人生、こんな幸運がくるような人生じゃなかったはずだ・・・
 死ぬのか?
 俺は近いうちに死ぬのか!??
 死ぬのかぁぁぁ!!??
 だから一生分のチャンスが巡ってきてるのか!!!???
 なんかのアニメとか映画とかだと、間違いなく死亡フラグ立つシチュエーションだよな!!!?

 俺は、さっきからやけに機嫌よさげに笑っている、あおいの綺麗な顔を、ひたすらガン見するしかできなかった。
 その時、俺の視界の隅に、細身で年齢不詳っぽいおねぇっぽい男が割り込んでくる。

「マティーニおねがぁい、うふふふ
なんだか二人で楽しそうじゃなぁい?ダメよぉ、バンド内恋愛禁止なんだからぁ」

 少し酔っぱらってんのか、やけになよなよした感じなしぐさで、生けるレジェンド大河マサオミがカウンターに頬杖をついた。
 長い黒髪が、ますますこの細見の男を女々しく見せる訳だが、微妙にテンション下がるwww
 とか、言ってはいけないのはわかってる、だから思うだけ!
 俺は脳みそをハッとバーテンモードに切り替えて、酒を用意する。

「かしこまりました、辛口、甘口どちらがよろしですか?」

「あら、そんなの選べるの?」

 生けるレジェンド、マーボさんは切れ長の目を少しきょとんさせてそう聞いてきた。

「俺は聞くようにしてますw」

「うふふ、カクテルの知識豊富なのね?」

「仕事なんでw」

「じゃあ、辛口で」

「かしこまりました」

 そう答えた俺。
 そこにあおいが割り込んでくる。

「マーボさん、何気にてっちゃんすごいんだよ、めっちゃいろんなカクテル作れるんだよ」

「バーテンとして、都内にいる下手なバーテンよりバーテンらしいのかもねw
でも、シンガーとしてはまだまだ磨いていかないと・・・
ねぇ?て・っ・ち・ゃ・ん?」

「!!!?」

 酔っぱらったマーボさんが妙に艶っぽくそう言うもんだから、俺は、一瞬寒気・・・もとい、背筋をただした。

「あ、え?いえ、その、音楽界のレジェンドに・・・まさかそれで呼ばれるとは・・・えっと、その」

「レジェンドなんて言わないでよ、あたしはただの鍵盤弾きよ
過去の栄光なんてもう捨てたわ、あの肩書は辛かったぁ・・・
全然本当の自分の出せなくて、毎日泣いて過ごしたわぁ」

 少し遠い目をしながらそう言ったマーボさんの前に、俺はマティーニを差し出す。

「どうぞ、マティーニです。
そうなんですか??俺にとっては、めっちゃ羨ましいしカッコいいと思いますが」

「あなたみたいな若い子には、そう見えるのかもねぇ」

 うふふ、と笑ってマーボさんはマティーニのグラスに手を伸ばしながら、不意にあおいに言うのだった。

「ああ、そういえばMarin、明日のライブ、新曲いくけどちゃんと覚えたのかしら??」

「覚えたよマーボさん!もちろん!」

「だってあなた、この間のリハで歌詞飛ばしてずっとフリーズしてたじゃない?」

 そう言ってマーボさんは可笑しそうに笑う。
 あおいは、ごまかすように笑った。

「この間は、ほら・・・ちょっと色々あったし」

「ああ・・・脅迫状???あれどうしたの?」

「大沢さんが一応警察に通報してくれたけど・・・
多分、今回のファンクラブライブの抽選に外れた腹いせだろうって」

 その言葉に俺は思わず、あおいの顔を見る。

「脅迫状!?なんだそれ??」

「ああ、この間、あたしのSNSに変なメールが来たみたいでね、マネージャーが通報してくれたの
明日の地元凱旋ライブは、地元ミュージシャンの憧れ【STAMP HOUSE】だしね!
てっちゃんも、あそこでよくやってるって、きぃちゃん言ってたよ!」

「たしかにやるけど・・・対バンだからすごくもなんともないよ」

 俺はそう言って思わず遠い目をした。
 そうかぁ、あおいはファンクラブイベントで凱旋ライブかぁ・・・
 きっと一杯になるんだろうな・・・箱
 MAX200人の箱。
 今のあおいの人気からしたら、その200人の抽選に残るのはかなり至難だろうし、それに漏れて逆恨みとか・・・
 ファンにも色々いるもんだよな・・・
 
 人気あるのも大変なんだな・・・
 

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