しっかり者がダメ男に惹かれる法則(2)

坂田 零

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ACT2 石の上にも三年とか言うけど、石の上なんて痛くて三年も座ってられるか!7

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  俺はスマホを手に取った。
 きなこは、まだえぐえぐしてる。
 仕方ないから頭を撫でてやる。
 きなこを撫でながら、スマホを見ると、着信はあおいだった。

 おおう・・・そっちもどした?こんな夜中に?

 そんなことを思いながら、通話ボタンを押す。

「あい、おつかれい」

『あ!てっちゃん?ごめんこんな時間に!』

 やっぱり、あおいだった。
 いやww
 そりゃあおいから通話きてるんだから、あおいなんだけどさww

「いや・・・ってか、どした??珍しいやん、通話なんかよこすとか?」

『うーん、あのね!昨日送ったアルバムの曲にさ、【Beathless】って曲あったでしょ?』

「ああ、あのラブソングのバラードな?」

『そうそう!その歌詞をちょっと変えてね、Duoにしようかなって思ったの!
どうかな?』

「ああ!いいんじゃないか?曲的にもDuoで十分いけるだろ!」

『だよね!!!それでさ・・・』

 通話の向こうで、あおいはどこか嬉しそうに、ちょっとだけもったいぶったようにうふふと笑う。
 
「うん、どした?」

『うふふ・・・ねぇ、てっちゃん一緒に歌おう?』

「・・・・・はっ?!」

『いやかな???』

「いやww嫌じゃないけどwっ
プロが他にもいるのに俺でいいのかなってwww」

 驚きながらも、俺はついそんな本音を口にする。
 そりゃ、今までも歌ってきたし、べつに自信ない訳じゃないけど、すげー自信ある訳でもないんで、やっぱ聞くよなw

 スマホの向こうで、あおいは何故か可笑しそうに笑った。

『てっちゃんでいいんだよ!あたしがてっちゃんがいいってサイゾーさんにお願いしたの!』

「え?!まじで!!?やばいなそれ・・・・で、プロデューサーはなんて言ってたん?」

『なんかねww最初はうーんて考え込んでたんだけど、ちゃんと歌として完成できるのならそれでいいってw
その代わり、てっちゃんには完璧に歌ってもらうから、完璧ができない時は交代だってさ!
だから頑張って!』

「うわぁ・・・・・なにそれプレッシャーwww」

 俺はあおいのその言葉に苦笑する。
 さすがの俺もそれすげープレッシャーだろww
 ただのコーラスだけならまだしも、Duoだと?
 それも、今、人気急上昇中のアーティストMarinとDuoだぞ?
 まじかぁ~・・・・・・
 まじかぁ~wwww

 頭の中でそう繰り返した俺。
 あおいは、そんな俺の動揺を知ってか知らぬか、やけに改まった声で言う。

『たとえてっちゃんが無名でも、あたしには、てっちゃんと歌うことに意味があるの!
一番最初に会った時に、一緒に【君の瞳に恋してる】歌ったじゃん?
あのグルーブがほんと気持ちよかったの!
だからね・・・頑張ろう!』

「お・・・おうw」

 いや、あおいにそう言い切られたら、ぜってー個断れねーよなwww
 あおいは、無邪気にスマホの向こうで笑った。

『やった!じゃあ、歌詞書き直して、マーボさんにデモ作ってもらったらまた送るね』

「おけー!待ってるよ」

『はーい!!てっちゃんと歌うの楽しみにしてるね!
夜中に突然、ほんとごめんね!ありがと!またね!』

「うん、またな~」

 やけに嬉しそうなあおいとの通話はそこで切れた。

 わー・・・・
 まじかぁ~~~w

 いや、普通に「おう!」って言ったけど・・・
 まじかぁwwww
 すげープレッシャーなんだけどwwww
 やっべ、これほんと、真面目に人生生きないとダメだし、それこそ真面目に音楽しないとダメだよなww
 今更だけどさ・・・w

 俺は、一つ大きく息を吐くと、スマホを枕元において、はっと隣にいるきなこを見た。
 するときなこは・・・
 子供みたいに背中を丸めて、俺の腕に抱き付いたまま、めちゃくちゃすやすや寝息を立ててた。

「おまwwあんだけ騒いで寝てるしwwww」

 まぁ・・・
 仕方ない・・・
 きなこだからさ・・・・

 くっついてるきなこに布団かけつつ、疲れたから寝よう・・・
 まじで・・・
 なんか、寝る間際まで疲れる日だったわww

 俺はそんなことを思いつつ、目を閉じることにした。
 
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