しっかり者がダメ男に惹かれる法則(2)

坂田 零

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ACT3  ローマは一日にして成らず、そう言った先人まじすげー1

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         *
 歌を唄う人間にもタバコを吸う連中はやまほどいる。
 でも、多分、そういう人たちは既に自分の歌というものを確立していて、絶対にゆるぎない【自分の声】というものを持っている人間なんだろうなと思う。
 ゆえに、タバコごときで声なんかブレない。
 俺はというと・・・・
 人生すらブレブレで生きてきた人間だし、そりゃもう・・・生けるレジェンドに禁煙を申し渡されるような身分ですわw

 日本の神童、天才キーボーディストにして天才作曲家と呼ばれ、90年代に日本でも海外でも活躍した伝説のバンド「Rozey」の元メンバーで、めちゃくちゃ有名なミュージシャン。
 それがマーボさんだ。
 だがしかし、そんなマーボさんが【おねぇ】であることは、ギョーカイの人しか知らないらしいw

 マーボさんは、Rozeyが解散してからは表舞台に出ることなく、こうして新人育成と作曲・編曲活動に専念してるんだそうだ。

『あたしが表に出るときは、若くて実力あるアーティストのサポートメンバーとしてのみよ
もう目立ちたくなんてないわ・・・だってイメージ先行って疲れるんだもの
あたしはカレーの付け合わせの福神漬けでいいのよ、でも、高級無添加福神漬けだけどね』

 いつだったか、マーボさんはそう言って笑っていた。
 若い頃は、V系も真っ青なほど綺麗な男だっただろうマーボさん。
 実は今でも、熱狂的なファンがいるんだそうだ。
 まぁ、そりゃそうだろうな・・・・w

 長い黒髪をかきあげて、生けるレジェンド大河マサオミ、通称マーボさんは、ピアノの前に座った姿勢で俺を振り返ると、ふふっと意味深に笑った。

「あら・・・この間よりちょっとひっかかり少なくなったと思ったら、素直に禁煙したのね?」
 
「まだまだニコチン依存と格闘してます・・・」

「せいぜい頑張りなさぁい、一端になるまでは見習いなんだから
努力を怠るとすぐに他に食いつぶされる世界
この世界は甘くないわ・・・
こうやって運を掴めたなら、あとは努力するしかないの
・・・でもあたし、あなたは結構この業界でも生きていけそうな気がするのよ
神経細かそうで、相当図太いでしょ?あなた?w」

 そう言ってマーボさんは可笑しそうに笑った。
 
「え?いや・・・図太い・・・んですかね?」

 俺は答えに困って苦笑する。
 マーボさんはそんな俺の表情をみて、また可笑しそうに笑う。

「物怖じしないのと、図太いのはちょっと違うのかしらね?w
ああ、そうそう!この間、Marinの発案で急遽Duoに変わったあの曲なんだけど」

「【Breathless】ですよね?デモ聞きましたよ」

「そうそう!あれね、ミディアムテンポのR&Bにしてたんだけど・・・
いっそ、ピアノメインのオーケストラストリングスに変えちゃおうと思ってるのよ
難易度は上がるわね、テンポ遅くなるし」

「まじすか!?」

「まじよぉ~、さっきのあなたのレッスン聞いてたら、思いついちゃったのよねぇ!
今までMarinもオーケストラってやったことないし
さっきサイゾーちゃんにも提案したけど。それでもいいって言ってたから
そうしちゃいましょ!」

 マーボさんはめちゃくちゃ満足そうに胸の前で手を叩いた。
 マーボさん、まじ、仕草は女子そのものだ・・・w
 
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