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ACT3 優柔不断は早々簡単に治らない5
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Marinは、綺麗なリップの唇で意味深に笑うと、シルクみたいな長い栗毛に軽く手を入れる。
「なんだか羨ましいなぁ~暴言だってなんだって、なんでも好き放題言える関係って楽しそう」
「そうかな?言われる方はたまったもんじゃないが?」
意味不明にインポとか包茎とか言われる立場になってみろ!と思わず言いかけて、さすがに俺は言葉を止めた。
言葉の代わりに、ウォッカベースでキツメだけど口当たりのいいアコーダンスというカクテルをきなこの前に差し出す。
赤いカクテルのその色を見たMarinが、なぜか大きな瞳をきらっきらと輝かせた。
「わ~!なんかキレイな色!!」
「色はキレイかもしれないし、口当たりもいいけど、きついぞこれ・・・・」
と言いかけた俺の手元から、きなこがさっとカクテルグラスを奪い取っていく。
アコーダンスを一口飲んだあとに、さっきまでのハリセンボン顔を、花が咲いたようなにんまり顔にて、しみじみ俺に言うのだ。
「てっちゃん!!なにこれ甘い!キレイ!
てっちゃんてほんとダメダメだけど!
カクテル作らせたら、ほんときゅんってするようなのチョイスしてくるよね!
こんなの作れるし、歌はかっこいいし、歌詞だって良い歌詞書くのに!
なんでてっちゃんは、ほんっっっっとクズなの・・・?」
「やかましい!!!クズってなんだクズって!!」
「もうね、てっちゃん、彼女さん可哀想だからもうちゃんとしてあげなよ!!」
「だから、おまえには関係ないだろって・・・・っ」
俺がそう言った瞬間だった、アコーダンスの口当たりがあまりにもよかったせいか、なんときなこは、カクテルグラスを一気にあおって、それを飲み干したのである。
「わぁぁぁ!ばかおまえ!それウォッカベースだぞ!!」
そう言って止めたが後のまつり。
「にゃぁぁぁ・・・これほんっと美味し・・・・ふにゅんっ」
きなこはそこまで言って、漫画みたいにぱたんっとカウンターの上に突っ伏したのだった。
「ちょ!!きぃちゃん大丈夫!!きぃちゃん!?」
慌ててMarinがきなこの顔を覗きこむ。
だがしかし、きなこはなぜかやけに幸せそうににんまり笑って寝ているようだった。
俺の目は思わず点になる。
「‥‥‥‥」
俺の目の前でMarinもきょとんとした顔する。
「‥‥‥‥‥」
一瞬、もぞっと動いたきなこが、寝ながらにんまりとまた笑う。
「てっちゃんのぶぁか・・・・でも、しゅき・・・にゅふ」
「‥‥‥‥‥は?」
思わず眉間に深いしわを作った俺。
今の言葉は解せぬ‥‥
こいつ何言っちゃってんだwwww
まじでwww
そんなことをふと思った俺と、Marinのヘーゼル色の目が合った。
Marinは、またしてもぷっと笑いを吹き出すと、とても人気急上昇中のアーティストとは思えないぐらい、めちゃくちゃ派手に腹を抱えて笑いだしたのだ。
「もおおおおおお!ちょっとやだwwwなんできぃちゃんはこうなんだろ!!!!あははははw」
「うん・・・いや、まぁ
きなこだからな・・・・所詮きなこだからな・・・うん」
俺は遠い目になって思わずそう答えてしまった。
「確かにこれがきぃちゃんなんだけどねwwwwwほんっともぉぉwww」
ひとしきり笑ったあと、Marinはカウンターに頬杖をつくと、いまだにくすくす笑いながら、上目遣いに俺の顔を見る。
その視線に、俺は不覚にもまたドキッとする。
長い睫毛。
ヘーゼル色の目。
アルコールのせいか軽くうるんだその瞳が、なんとなく色っぽい。
いや、元から美人だし、確かに色気のある女なんだけど、そういう色気じゃなくて、なんていうか・・・
本人にはその気はないんだろうけど、なんとなく誘われてるような・・・
いや、絶対気のせいなんだけどさ。
トップアーティストの階段を駆け上がるソロシンガーが、そもそも俺のようなクズを相手にする訳がない。
だけど、男ってバカだから、ついついスケベなことを考えてしまったりなんかして。
余計な妄想をし出す前に、とりあえず俺はMarinに聞いた。
「何か作りますか?気分とか色とか指定してくれたらなんでも作りますよ」
「へぇ・・・そんなオーダーでも作れるんだ?」
「一応、それが仕事なんで」
「ふふっ、なんか愛想ない答え!」
「あ・・・いや・・・どうもすまんです」
「別にいいよ~!
なんかさ・・・変に特別扱いされたりするの疲れるから‥‥
むしろ、そうやって普通に接してもらえたほうが、最近はうれしいんだぁ」
Marinはそういうと、ほんの少し切ない表情をして、スワロフスキーが嵌め込まれた自分のネイルを見た。
「なんだか羨ましいなぁ~暴言だってなんだって、なんでも好き放題言える関係って楽しそう」
「そうかな?言われる方はたまったもんじゃないが?」
意味不明にインポとか包茎とか言われる立場になってみろ!と思わず言いかけて、さすがに俺は言葉を止めた。
言葉の代わりに、ウォッカベースでキツメだけど口当たりのいいアコーダンスというカクテルをきなこの前に差し出す。
赤いカクテルのその色を見たMarinが、なぜか大きな瞳をきらっきらと輝かせた。
「わ~!なんかキレイな色!!」
「色はキレイかもしれないし、口当たりもいいけど、きついぞこれ・・・・」
と言いかけた俺の手元から、きなこがさっとカクテルグラスを奪い取っていく。
アコーダンスを一口飲んだあとに、さっきまでのハリセンボン顔を、花が咲いたようなにんまり顔にて、しみじみ俺に言うのだ。
「てっちゃん!!なにこれ甘い!キレイ!
てっちゃんてほんとダメダメだけど!
カクテル作らせたら、ほんときゅんってするようなのチョイスしてくるよね!
こんなの作れるし、歌はかっこいいし、歌詞だって良い歌詞書くのに!
なんでてっちゃんは、ほんっっっっとクズなの・・・?」
「やかましい!!!クズってなんだクズって!!」
「もうね、てっちゃん、彼女さん可哀想だからもうちゃんとしてあげなよ!!」
「だから、おまえには関係ないだろって・・・・っ」
俺がそう言った瞬間だった、アコーダンスの口当たりがあまりにもよかったせいか、なんときなこは、カクテルグラスを一気にあおって、それを飲み干したのである。
「わぁぁぁ!ばかおまえ!それウォッカベースだぞ!!」
そう言って止めたが後のまつり。
「にゃぁぁぁ・・・これほんっと美味し・・・・ふにゅんっ」
きなこはそこまで言って、漫画みたいにぱたんっとカウンターの上に突っ伏したのだった。
「ちょ!!きぃちゃん大丈夫!!きぃちゃん!?」
慌ててMarinがきなこの顔を覗きこむ。
だがしかし、きなこはなぜかやけに幸せそうににんまり笑って寝ているようだった。
俺の目は思わず点になる。
「‥‥‥‥」
俺の目の前でMarinもきょとんとした顔する。
「‥‥‥‥‥」
一瞬、もぞっと動いたきなこが、寝ながらにんまりとまた笑う。
「てっちゃんのぶぁか・・・・でも、しゅき・・・にゅふ」
「‥‥‥‥‥は?」
思わず眉間に深いしわを作った俺。
今の言葉は解せぬ‥‥
こいつ何言っちゃってんだwwww
まじでwww
そんなことをふと思った俺と、Marinのヘーゼル色の目が合った。
Marinは、またしてもぷっと笑いを吹き出すと、とても人気急上昇中のアーティストとは思えないぐらい、めちゃくちゃ派手に腹を抱えて笑いだしたのだ。
「もおおおおおお!ちょっとやだwwwなんできぃちゃんはこうなんだろ!!!!あははははw」
「うん・・・いや、まぁ
きなこだからな・・・・所詮きなこだからな・・・うん」
俺は遠い目になって思わずそう答えてしまった。
「確かにこれがきぃちゃんなんだけどねwwwwwほんっともぉぉwww」
ひとしきり笑ったあと、Marinはカウンターに頬杖をつくと、いまだにくすくす笑いながら、上目遣いに俺の顔を見る。
その視線に、俺は不覚にもまたドキッとする。
長い睫毛。
ヘーゼル色の目。
アルコールのせいか軽くうるんだその瞳が、なんとなく色っぽい。
いや、元から美人だし、確かに色気のある女なんだけど、そういう色気じゃなくて、なんていうか・・・
本人にはその気はないんだろうけど、なんとなく誘われてるような・・・
いや、絶対気のせいなんだけどさ。
トップアーティストの階段を駆け上がるソロシンガーが、そもそも俺のようなクズを相手にする訳がない。
だけど、男ってバカだから、ついついスケベなことを考えてしまったりなんかして。
余計な妄想をし出す前に、とりあえず俺はMarinに聞いた。
「何か作りますか?気分とか色とか指定してくれたらなんでも作りますよ」
「へぇ・・・そんなオーダーでも作れるんだ?」
「一応、それが仕事なんで」
「ふふっ、なんか愛想ない答え!」
「あ・・・いや・・・どうもすまんです」
「別にいいよ~!
なんかさ・・・変に特別扱いされたりするの疲れるから‥‥
むしろ、そうやって普通に接してもらえたほうが、最近はうれしいんだぁ」
Marinはそういうと、ほんの少し切ない表情をして、スワロフスキーが嵌め込まれた自分のネイルを見た。
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