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第3章︰人間と吸血鬼
第24話
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「おはようございます。ルナ様。朝ですよ。」
「ん~…。」
「…そろそろ起きてください。朝食の準備、出来ましたよ。」
「ん…もうちょっと…。」
「お・き・ろ!」
ベッドの布団を剥がされると、外のひんやりとした空気が身体に触れた。
「さ、寒…。」
「全く…色々慣れない事で疲れるかもしんないけど…。いい加減起きないと、そのうちテトが部屋に押しかけ…」
「おはようルナ~。起きたー?」
「やっぱり…。」
扉の向こうから、タイミングを測ったかのように、彼の声が聞こえてきた。
「テ、テト…!ちょっと待って!まだ着替えてな…」
「大丈夫?手伝おうか?」
「だ、大丈夫だから!!!すぐ行くから食堂でね!?」
「わかった~。先に行ってるね~。」
「ふぅ…危なかったぁ…。」
「婚約者のくせに、何そんなに焦ってるんだ?」
「寝起きは…ほら…。こんな格好だし…寝癖とか酷いし…恥ずかしい…。」
「別に気にする事ないと思うけど…。」
「とりあえず、着替えなきゃ!…ミグは、ずっとここに居るの…?」
「もちろん。着替えも手伝うのが仕事…」
「えー!?いいよ!着替えは自分でするから!」
「何恥ずかしがってんだよ。俺からしたらお前なんか、妹くらいの歳だろ?なんとも思わないって。」
「私が気にするの!いいから、ちょっと向こう向いてて!」
「はいはい…。」
急いで身支度を済ませ、食堂へと向かった。
「ご、ごめんね…テト…お待たせ…。」
「おはようルナ。もしかして僕、起こしちゃった?」
「ううん!先にミグに起こされたんだけど…中々起きれなくて…あはは…。」
「まだ、こちらの生活に慣れていないようですね。」
「そうだよね…色々連れ回しちゃってるし。昨日も、結局買い物だけで終わっちゃったしなぁ。」
「そういえば、城の案内がまだでしたね。今日、私が案内いたします。」
「それなら、僕も一緒にい…」
「テト様。本日の公務…お忘れになりましたか?」
「う…。」
「テト…私は大丈夫だから!する事あるならそっちを優先して!」
「わかったよ…。今日は…仕方ないよね…。」
「?」
彼は少し悲しそうに「今日は仕方ない。」と呟いた。
「さ、ルナ様。どうぞお召し上がりください。」
「ありがとうミグ。いただきまーす!」
朝食を終え、ミグと共に城のあちこちを歩き回った。
「ここが図書室。こっちは物置。ここは…」
「お、覚えきれない…。」
「無駄に広いしな。まあ、案内なんてしなくても、ほとんど部屋と食堂の行き来だけだろうし。」
「それですら迷っちゃいそうだよ…。」
「方向音痴なのか?」
「うーん。わかんないけど…そうかもね…。」
「あー…テトから聞いた。記憶喪失の件。」
「こんなに大きな所には住んでないはず!それは何となくわかる!」
「まーそうだろうな。貴族の屋敷みたいな、そんな建物じゃない限りこんなでかいのは…。」
「屋…敷…?」
「どうした?ルナ。」
「あ、うーん…。ここまで大きくないけど…部屋は沢山あったかも…?」
「てことは…貴族の屋敷くらいはあったのか…?」
「貴族って、街中に住んでるんだよね?」
「まあ、街中と言えば街中だけど、街の端の方にまとまって、貴族区域ってのがあるな。」
「貴族…区域…。街の端の方…かぁ。」
「正直、近寄らない方がいい。王室を良く思ってないやつも多いはずだからな。」
「そっか…。じゃあ、そうする。」
「中よりも、外を歩くか。庭に行こう。」
広い庭の中を歩いていると、少し離れた所にある大きな石の前で座っているテトを見つけた。
「あれ?あれってテトだよね?あんな所で何し…」
「ル、ルナ…!ストップ!」
足を踏み出した私の腕を、ミグが慌てて掴んだ。
「え?どうして?」
「その…1人になりたい時間もあるだろ?そういう時はそっとしとくもんだ。」
「そ、そっか…。それにしても…あの大きな石はなんなの?」
「あれは…王妃様の墓だ。」
「王妃…ってことは、テトのお母さん…?お墓なら…亡くなっちゃったんだね…。」
「今日は王妃様の命日で…今年でもう15年くらい経つな…。」
「そんなに前に…。」
「皮肉なもんだが、命日と建国記念日が重なっててな。今晩、パーティがあるんだ。」
「それが…公務ってこと?」
「…そうだな。だから毎年ああやって、昼間に墓参りをしてるんだ。」
「テト…。」
「そろそろ部屋に戻るか。お前にとって今晩のパーティは、婚約者のお披露目みたいなもんだからな。」
「えぇ!?そんなの聞いてないよ!」
「また言い忘れたな…あいつ…。」
「何したらいいのか全然わからないよ!?」
「とりあえず、最低限のマナーは教えてやるから…!さっさと戻るぞ。」
「う、うん…。」
部屋に戻ると、机の上にテーブルクロスを敷き、コップや皿を並べて椅子に座った。食事のマナーは覚え切れないほど沢山あり、その1つ1つをミグが丁寧に教えてくれた。
「んじゃ、おさらいな。…ナイフはどっちだつけ?」
「えっと…右手!」
「じゃあ、ナイフとフォーク持ってみろ。」
「えっと…こうだっけ…?」
「違う。ナイフは包丁を持つように、人差し指を刃の付け根くらいまで前に出して…フォークは、人差し指を柄に添えて前に出して、裏面が上になるように持つ。」
「そっか…えっと…。」
「こう。」
「できた!」
「心配しかないな…。 」
「うぅ…。」
「まあ、隣にはテトがいるし、食べ方変でもなんとかなるだろ。」
「ミグはパーティの間、どこにいるの?」
「料理運んだり飲み物運んだりで、動いてばっかりだと思う。」
「そっかぁ…。他にはどんな事あったっけ…。」
「基本的に外側から使う事。落としたり汚したりしても自分でしないで、執事かメイドを呼ぶ事。食べる時は出来る限り音を立てずに、少しづつ食べたり飲んだりする事。食べてる途中は、ナイフとフォークを八の字に置いて、食べ終わったら皿の右の方に揃えて置く事。」
彼は、早口言葉を詠唱するようにスラスラと答えた。
「マナー多すぎる!」
「まぁ…なるようになれ…だな。」
「そんなぁ…。 」
扉のノックする音が聞こえると、テトがメイドを数名連れて部屋にやってきた。
「あ、マナーの練習してたの?」
「テト…!そう…なんだけど…。難しいね…マナーって…。」
「大丈夫!僕が隣で教えてあげる。」
「ありがとうテト~…。」
「それよりテト様。どうしてこちらに?」
「そうそう。今晩のパーティで着るドレスを持ってきたんだ。」
「ド、ドレス…!」
「くそ…。服の事…考えてなかった…!」
「どれがいいかなー?って思ってね。」
メイドさんが、ドレスのかけられたハンガーラックを部屋に並べた。
「わー…キラキラしてて可愛い…!」
私の耳元にそっと手を添えると、耳元でミグが小さな声で囁いた。
「こういうのは着こなすの大変だぞ。」
「うっ…。」
「俺が選んでやるから、とりあえず話合わせとけ。」
「う、うん…。」
「ルナはどれがいい?」
「え、えっと…。そうだなぁ…。」
チラりとミグの方を見ると、彼は1着のドレスを手に取ってみせた。
「これなんかはどうですか?」
「それは…肌が見える所多くない?丈も短…」
「ルナ様?これにしましょう。…ね?」
彼の目が「これにしろ。」と訴えていた。
「は、はい!」
「えー。ミグが一方的に選んでない?確かに可愛いと思うけど…ルナはそれでいいの?」
「うん!よくみたら可愛いかも!これにするよ!」
「なら…いっか…。じゃあ、僕も準備して会場に向かうね。後はよろしくねミグ。」
「はい。かしこまりました。」
「ねぇ…やっぱりこれ…恥ずかしいよ…。」
「これが1番着やすくて、動きやすいと思って選んでやったんだよ…。見た目だけで選んだら絶対後悔するぞ。」
「むぅ…。」
「よし…。服装はこれでいいな…あとはメイクとセットか…」
「メイク?セット?」
「知らないか?まあ、まだ子供だし仕方ないか…。」
「む…。覚えてないだけで、した事あるもん!…多分。」
「はいはい。わかったから、こっち座って。」
「メイクもセットも、ミグがするの?」
「俺以外誰がやるんだよ。」
「そ、そっか…。」
椅子に座った私の髪を、彼は無言で触り始めた。
「…。」
「ねぇ…ミグ…。」
「…。」
「ねえって。」
「何?」
「なんか…怒ってる?」
「は?なんで?」
「なんか…無言だから…。」
「集中してんだよ。」
「そ、そっか…。」
「ちゃんと整えてやるから。寝てていいぞ。」
「じゃあ…そうする。」
「ん。」
「…おい。…おきろ。」
「あ、ごめ…。」
「終わったぞ。」
「わ…。」
鏡に写る自分が、まるで別人のようになっている姿に驚き、言葉を失った。
「ど、どうした?変だったか…?」
「うん…変…。」
「えっ…。」
「私が私じゃないみたい!すごいよミグ!」
「それ、褒めてんのか?」
「もちろん!」
「なら…いいか…。」
「あ、靴がないね。どこに置いた?」
「えっーと…。あったあった。ほら。」
足元に置かれたヒールの高い靴を見て、愕然とした。
「うわぁ…歩きにくそうな靴…。」
「これは…慣れるしかないな…。」
「絶対痛くなるやつだ…うぅ…。」
「歩けなくなったら、おぶってやるから。早めに言えよ?」
「うん…わかった…。」
「んじゃ。行きますか。」
履きなれない靴に苦戦しつつ、ミグに手を引かれて大きなホールへとやって来た。扉を開けた先はどこも人で溢れ、それぞれ個性的なドレスを着た女性達とスーツ姿の男性達がいた。
「わぁー…!人いっぱい!」
「あまり騒がないように…お願いしますね?」
「あ、はい…。」
彼に釘を刺されつつ、テトの元へ向かった。
「テト様。お待たせしました。」
「わぁ…。」
「テト?どうかした?」
「すごく綺麗だね。見とれちゃった。」
「そ、そうかな…///?」
「では、私は裏方に行きますので…。」
「うん。よろしくねミグ。」
「ありがとうミグ!」
席に着いてからしばらくすると、パーティが始まった。当たり前だが、会った人は全て初対面で、常に緊張しまくっていた私は、話した内容も食事の味もよく覚えていなかった。
「つ、疲れた…。」
「あはは。お疲れ様ルナ。」
「本当に歩けなくなるとは思わなかったな…冗談のつもりがマジになるとは…。」
「ご、こめん…。」
パーティーが終わり、履きなれない靴で靴擦れをしてしまった私は、心も身体もボロボロに疲れ切っていた。ミグの背中におぶさり、その後ろからテトが心配そうについてきている。
「別に。こんな軽いもの、背負うくらいなんともないし。」
「僕がおぶってもよかったのに。」
「いえ。こういうのは執事の仕事なんで。」
「それは残念だなぁ。」
「んー…今日はさっさと寝た方がいいな。部屋に戻ったら、着替えて…メイク落として…マッサージもした方がいいか…。」
「ミグ。ルナもう寝ちゃってる。」
「はぁ!?おい!起きろルナ!着替えてないし、メイク落としてないのに寝るなよ!」
「ん…?ふわぁ…。」
「お。やっと起きたか。」
「あれ?ミグ?」
「なんだ?」
「えっと…パーティの後…どうしたっけ?」
「俺がおぶって部屋に行くまでに寝てた。」
「そのあとは?」
「ドレス脱がせて…寝間着着せて…。メイク落として…セット崩して…。足をマッサージしといた。」
「ぬ、脱がせた…///!?」
「どうした?」
「寝てたならそのままにしといてよ!」
「何言ってんだよ…。ドレスのまま寝かせるわけにいかないから、仕方なかったんだって。」
「だったら、女の人呼ぶとか!他に方法は幾らでもあっ…」
ぐぅ~と大きな音を立てて、私のお腹が鳴り響いた。
「ふっ…。」
「笑わないでよー///!」
「そりゃあ昼まで寝てれば腹も空くよな。食事作ってくるから着替えて待ってろ。」
「はぁい…。」
用意してくれた食事を食べた後、テトの部屋に向かった。
「あ、ルナ。いらっしゃい。」
「ごめんね急に…。ちょっと話たい事があって。今、時間大丈夫?」
「平気だよ。それで、どんな話?」
「…ミグは部屋に戻ってて。」
「え、なんで…。」
「なんでも!話が終わったら…部屋に戻るから…。」
「わかったよ。…どうぞごゆっくり。」
扉の前で一礼すると、彼は部屋を出て行った。
「どうしたの?ミグと喧嘩でもした?」
「喧嘩って訳じゃないんだけど…。ミグってデリカシーないよね。」
「デリカシー?昨日、何かあった?」
「昨日、部屋に着く前に私が寝ちゃったでしょ?部屋に着いたら、ドレスを脱がせて寝間着を着せたって言ってて!普通脱がせる!?私だって一応、女なんだけど!」
「あー…なるほどね。確かにミグは鈍感な所あるよねぇ…。」
「テトならそういう時どうする?」
「うーん。脱がせてそのまま寝せるかも。」
「えー!?」
「だって、ドレスのまま寝るなんて絶対寝づらいもん!着た事ないからわからないけどさ。脱いだ方がよく眠れるかな?って考えると思う。」
「うーん…。そういうものなのかなぁ…?」
「僕にとっては婚約者だしね。そうだなぁ…ミグにとってルナは…妹みたいな感じじゃないかな?」
「そういえば…俺からしたらお前は妹みたいな歳だろ?って言われた!」
「ならミグは、ルナの事妹だと思ってるね。」
「でも私…兄妹ってどんなものか分からないよ…。」
「そうだなぁ…。守ってあげたくなったり、面倒を見てあげたくなったり、放っておけない、見守ってあげなきゃって思うような存在…かな。」
「ふぅん…。」
「ま、でも喧嘩じゃないならよかったよ。僕でよければいつでもミグの愚痴、聞くからね?」
「うん!ありがとうテト!」
自分の部屋に戻ると、彼は椅子に座っていた。
「おかえり。」
「…ただいま。」
「道迷わなかったのか?」
「来た道戻るだけでしょ?…迷わないよ。」
「何の話してたんだ?俺に言えないような話なのか?」
「…ミグってデリカシーないよねって話。」
「はぁ!?なんでそんな事、テトに話す必要が…」
「だってそうでしょ?寝てる女の子を脱がすんだから。」
「それは…俺だって好きでやった訳じゃ…。ただ…あのままじゃ寝づらいだろうと思っ…」
「わかってるよ…。面倒見なきゃいけないからでしょ?」
「え、あぁ…まあ、それもあるけど…。」
「前に妹みたいって言ってたもんね。」
「そういえば…言ったな。」
「それだけ!でももう、テトに話聞いてもらったからスッキリした!」
「ならよかったな。…お菓子食うか?」
「食べる!」
「ミグとは仲直りした?」
「うん!」
「ルナは素直ないい子だから当然だよね~。」
食堂でテトと一緒に夕食を食べていると、隣に座っていた彼が私の頭を撫でた。
「どうしてそこで頭を撫でる…。」
「私は好きだよ?頭撫でられるの!」
「いや…それはどうでもいいんだけどさ…。」
「あ、そうだった。明日、ギルドに行こうと思うんだけど、身体の方はどう?」
「んー…まだちょっと足が痛いから、ミグにマッサージしてもらう!」
「ええ。マッサージしますとも。喜んで。」
「ミグはマッサージ上手いから!そのまま寝ちゃった事、何回もあったなぁ…。」
「あ!じゃあ、ちゃんと着替えてからしてもらわないと。」
「あはは。それがいいね。」
「全く…俺をなんだと思ってるんだか…。」
「じゃあ、明日の朝部屋に迎えに行くね。」
「うん!」
部屋に戻るとマッサージをしてもらいながらミグと話をしていた。
「それにしても…ギルドに一体何の用があるんだ?」
「特に用事があるって訳じゃないけど…どんな事してるのかなーってちょっと気になって。」
「何か思い出せるかもーって事か…。俺ちょっと苦手なんだよな…あそこのマスター…。」
「どうして?」
「なんて言うか…喋り方はテトっぽいんだけど、優しすぎて逆に怖い…。内側に何か秘めてるような…そんな感じがするんだよなぁ。」
「内側に…秘める…?」
「ま、俺もテトも一緒に行くし、大丈夫だろ。はい、マッサージ終わり。」
「ありがとうミグ!じゃあ、寝るね。おやすみ~。」
「明日はちゃんと起きろよー?」
「もー…!わかってるよー!」
「ん~…。」
「…そろそろ起きてください。朝食の準備、出来ましたよ。」
「ん…もうちょっと…。」
「お・き・ろ!」
ベッドの布団を剥がされると、外のひんやりとした空気が身体に触れた。
「さ、寒…。」
「全く…色々慣れない事で疲れるかもしんないけど…。いい加減起きないと、そのうちテトが部屋に押しかけ…」
「おはようルナ~。起きたー?」
「やっぱり…。」
扉の向こうから、タイミングを測ったかのように、彼の声が聞こえてきた。
「テ、テト…!ちょっと待って!まだ着替えてな…」
「大丈夫?手伝おうか?」
「だ、大丈夫だから!!!すぐ行くから食堂でね!?」
「わかった~。先に行ってるね~。」
「ふぅ…危なかったぁ…。」
「婚約者のくせに、何そんなに焦ってるんだ?」
「寝起きは…ほら…。こんな格好だし…寝癖とか酷いし…恥ずかしい…。」
「別に気にする事ないと思うけど…。」
「とりあえず、着替えなきゃ!…ミグは、ずっとここに居るの…?」
「もちろん。着替えも手伝うのが仕事…」
「えー!?いいよ!着替えは自分でするから!」
「何恥ずかしがってんだよ。俺からしたらお前なんか、妹くらいの歳だろ?なんとも思わないって。」
「私が気にするの!いいから、ちょっと向こう向いてて!」
「はいはい…。」
急いで身支度を済ませ、食堂へと向かった。
「ご、ごめんね…テト…お待たせ…。」
「おはようルナ。もしかして僕、起こしちゃった?」
「ううん!先にミグに起こされたんだけど…中々起きれなくて…あはは…。」
「まだ、こちらの生活に慣れていないようですね。」
「そうだよね…色々連れ回しちゃってるし。昨日も、結局買い物だけで終わっちゃったしなぁ。」
「そういえば、城の案内がまだでしたね。今日、私が案内いたします。」
「それなら、僕も一緒にい…」
「テト様。本日の公務…お忘れになりましたか?」
「う…。」
「テト…私は大丈夫だから!する事あるならそっちを優先して!」
「わかったよ…。今日は…仕方ないよね…。」
「?」
彼は少し悲しそうに「今日は仕方ない。」と呟いた。
「さ、ルナ様。どうぞお召し上がりください。」
「ありがとうミグ。いただきまーす!」
朝食を終え、ミグと共に城のあちこちを歩き回った。
「ここが図書室。こっちは物置。ここは…」
「お、覚えきれない…。」
「無駄に広いしな。まあ、案内なんてしなくても、ほとんど部屋と食堂の行き来だけだろうし。」
「それですら迷っちゃいそうだよ…。」
「方向音痴なのか?」
「うーん。わかんないけど…そうかもね…。」
「あー…テトから聞いた。記憶喪失の件。」
「こんなに大きな所には住んでないはず!それは何となくわかる!」
「まーそうだろうな。貴族の屋敷みたいな、そんな建物じゃない限りこんなでかいのは…。」
「屋…敷…?」
「どうした?ルナ。」
「あ、うーん…。ここまで大きくないけど…部屋は沢山あったかも…?」
「てことは…貴族の屋敷くらいはあったのか…?」
「貴族って、街中に住んでるんだよね?」
「まあ、街中と言えば街中だけど、街の端の方にまとまって、貴族区域ってのがあるな。」
「貴族…区域…。街の端の方…かぁ。」
「正直、近寄らない方がいい。王室を良く思ってないやつも多いはずだからな。」
「そっか…。じゃあ、そうする。」
「中よりも、外を歩くか。庭に行こう。」
広い庭の中を歩いていると、少し離れた所にある大きな石の前で座っているテトを見つけた。
「あれ?あれってテトだよね?あんな所で何し…」
「ル、ルナ…!ストップ!」
足を踏み出した私の腕を、ミグが慌てて掴んだ。
「え?どうして?」
「その…1人になりたい時間もあるだろ?そういう時はそっとしとくもんだ。」
「そ、そっか…。それにしても…あの大きな石はなんなの?」
「あれは…王妃様の墓だ。」
「王妃…ってことは、テトのお母さん…?お墓なら…亡くなっちゃったんだね…。」
「今日は王妃様の命日で…今年でもう15年くらい経つな…。」
「そんなに前に…。」
「皮肉なもんだが、命日と建国記念日が重なっててな。今晩、パーティがあるんだ。」
「それが…公務ってこと?」
「…そうだな。だから毎年ああやって、昼間に墓参りをしてるんだ。」
「テト…。」
「そろそろ部屋に戻るか。お前にとって今晩のパーティは、婚約者のお披露目みたいなもんだからな。」
「えぇ!?そんなの聞いてないよ!」
「また言い忘れたな…あいつ…。」
「何したらいいのか全然わからないよ!?」
「とりあえず、最低限のマナーは教えてやるから…!さっさと戻るぞ。」
「う、うん…。」
部屋に戻ると、机の上にテーブルクロスを敷き、コップや皿を並べて椅子に座った。食事のマナーは覚え切れないほど沢山あり、その1つ1つをミグが丁寧に教えてくれた。
「んじゃ、おさらいな。…ナイフはどっちだつけ?」
「えっと…右手!」
「じゃあ、ナイフとフォーク持ってみろ。」
「えっと…こうだっけ…?」
「違う。ナイフは包丁を持つように、人差し指を刃の付け根くらいまで前に出して…フォークは、人差し指を柄に添えて前に出して、裏面が上になるように持つ。」
「そっか…えっと…。」
「こう。」
「できた!」
「心配しかないな…。 」
「うぅ…。」
「まあ、隣にはテトがいるし、食べ方変でもなんとかなるだろ。」
「ミグはパーティの間、どこにいるの?」
「料理運んだり飲み物運んだりで、動いてばっかりだと思う。」
「そっかぁ…。他にはどんな事あったっけ…。」
「基本的に外側から使う事。落としたり汚したりしても自分でしないで、執事かメイドを呼ぶ事。食べる時は出来る限り音を立てずに、少しづつ食べたり飲んだりする事。食べてる途中は、ナイフとフォークを八の字に置いて、食べ終わったら皿の右の方に揃えて置く事。」
彼は、早口言葉を詠唱するようにスラスラと答えた。
「マナー多すぎる!」
「まぁ…なるようになれ…だな。」
「そんなぁ…。 」
扉のノックする音が聞こえると、テトがメイドを数名連れて部屋にやってきた。
「あ、マナーの練習してたの?」
「テト…!そう…なんだけど…。難しいね…マナーって…。」
「大丈夫!僕が隣で教えてあげる。」
「ありがとうテト~…。」
「それよりテト様。どうしてこちらに?」
「そうそう。今晩のパーティで着るドレスを持ってきたんだ。」
「ド、ドレス…!」
「くそ…。服の事…考えてなかった…!」
「どれがいいかなー?って思ってね。」
メイドさんが、ドレスのかけられたハンガーラックを部屋に並べた。
「わー…キラキラしてて可愛い…!」
私の耳元にそっと手を添えると、耳元でミグが小さな声で囁いた。
「こういうのは着こなすの大変だぞ。」
「うっ…。」
「俺が選んでやるから、とりあえず話合わせとけ。」
「う、うん…。」
「ルナはどれがいい?」
「え、えっと…。そうだなぁ…。」
チラりとミグの方を見ると、彼は1着のドレスを手に取ってみせた。
「これなんかはどうですか?」
「それは…肌が見える所多くない?丈も短…」
「ルナ様?これにしましょう。…ね?」
彼の目が「これにしろ。」と訴えていた。
「は、はい!」
「えー。ミグが一方的に選んでない?確かに可愛いと思うけど…ルナはそれでいいの?」
「うん!よくみたら可愛いかも!これにするよ!」
「なら…いっか…。じゃあ、僕も準備して会場に向かうね。後はよろしくねミグ。」
「はい。かしこまりました。」
「ねぇ…やっぱりこれ…恥ずかしいよ…。」
「これが1番着やすくて、動きやすいと思って選んでやったんだよ…。見た目だけで選んだら絶対後悔するぞ。」
「むぅ…。」
「よし…。服装はこれでいいな…あとはメイクとセットか…」
「メイク?セット?」
「知らないか?まあ、まだ子供だし仕方ないか…。」
「む…。覚えてないだけで、した事あるもん!…多分。」
「はいはい。わかったから、こっち座って。」
「メイクもセットも、ミグがするの?」
「俺以外誰がやるんだよ。」
「そ、そっか…。」
椅子に座った私の髪を、彼は無言で触り始めた。
「…。」
「ねぇ…ミグ…。」
「…。」
「ねえって。」
「何?」
「なんか…怒ってる?」
「は?なんで?」
「なんか…無言だから…。」
「集中してんだよ。」
「そ、そっか…。」
「ちゃんと整えてやるから。寝てていいぞ。」
「じゃあ…そうする。」
「ん。」
「…おい。…おきろ。」
「あ、ごめ…。」
「終わったぞ。」
「わ…。」
鏡に写る自分が、まるで別人のようになっている姿に驚き、言葉を失った。
「ど、どうした?変だったか…?」
「うん…変…。」
「えっ…。」
「私が私じゃないみたい!すごいよミグ!」
「それ、褒めてんのか?」
「もちろん!」
「なら…いいか…。」
「あ、靴がないね。どこに置いた?」
「えっーと…。あったあった。ほら。」
足元に置かれたヒールの高い靴を見て、愕然とした。
「うわぁ…歩きにくそうな靴…。」
「これは…慣れるしかないな…。」
「絶対痛くなるやつだ…うぅ…。」
「歩けなくなったら、おぶってやるから。早めに言えよ?」
「うん…わかった…。」
「んじゃ。行きますか。」
履きなれない靴に苦戦しつつ、ミグに手を引かれて大きなホールへとやって来た。扉を開けた先はどこも人で溢れ、それぞれ個性的なドレスを着た女性達とスーツ姿の男性達がいた。
「わぁー…!人いっぱい!」
「あまり騒がないように…お願いしますね?」
「あ、はい…。」
彼に釘を刺されつつ、テトの元へ向かった。
「テト様。お待たせしました。」
「わぁ…。」
「テト?どうかした?」
「すごく綺麗だね。見とれちゃった。」
「そ、そうかな…///?」
「では、私は裏方に行きますので…。」
「うん。よろしくねミグ。」
「ありがとうミグ!」
席に着いてからしばらくすると、パーティが始まった。当たり前だが、会った人は全て初対面で、常に緊張しまくっていた私は、話した内容も食事の味もよく覚えていなかった。
「つ、疲れた…。」
「あはは。お疲れ様ルナ。」
「本当に歩けなくなるとは思わなかったな…冗談のつもりがマジになるとは…。」
「ご、こめん…。」
パーティーが終わり、履きなれない靴で靴擦れをしてしまった私は、心も身体もボロボロに疲れ切っていた。ミグの背中におぶさり、その後ろからテトが心配そうについてきている。
「別に。こんな軽いもの、背負うくらいなんともないし。」
「僕がおぶってもよかったのに。」
「いえ。こういうのは執事の仕事なんで。」
「それは残念だなぁ。」
「んー…今日はさっさと寝た方がいいな。部屋に戻ったら、着替えて…メイク落として…マッサージもした方がいいか…。」
「ミグ。ルナもう寝ちゃってる。」
「はぁ!?おい!起きろルナ!着替えてないし、メイク落としてないのに寝るなよ!」
「ん…?ふわぁ…。」
「お。やっと起きたか。」
「あれ?ミグ?」
「なんだ?」
「えっと…パーティの後…どうしたっけ?」
「俺がおぶって部屋に行くまでに寝てた。」
「そのあとは?」
「ドレス脱がせて…寝間着着せて…。メイク落として…セット崩して…。足をマッサージしといた。」
「ぬ、脱がせた…///!?」
「どうした?」
「寝てたならそのままにしといてよ!」
「何言ってんだよ…。ドレスのまま寝かせるわけにいかないから、仕方なかったんだって。」
「だったら、女の人呼ぶとか!他に方法は幾らでもあっ…」
ぐぅ~と大きな音を立てて、私のお腹が鳴り響いた。
「ふっ…。」
「笑わないでよー///!」
「そりゃあ昼まで寝てれば腹も空くよな。食事作ってくるから着替えて待ってろ。」
「はぁい…。」
用意してくれた食事を食べた後、テトの部屋に向かった。
「あ、ルナ。いらっしゃい。」
「ごめんね急に…。ちょっと話たい事があって。今、時間大丈夫?」
「平気だよ。それで、どんな話?」
「…ミグは部屋に戻ってて。」
「え、なんで…。」
「なんでも!話が終わったら…部屋に戻るから…。」
「わかったよ。…どうぞごゆっくり。」
扉の前で一礼すると、彼は部屋を出て行った。
「どうしたの?ミグと喧嘩でもした?」
「喧嘩って訳じゃないんだけど…。ミグってデリカシーないよね。」
「デリカシー?昨日、何かあった?」
「昨日、部屋に着く前に私が寝ちゃったでしょ?部屋に着いたら、ドレスを脱がせて寝間着を着せたって言ってて!普通脱がせる!?私だって一応、女なんだけど!」
「あー…なるほどね。確かにミグは鈍感な所あるよねぇ…。」
「テトならそういう時どうする?」
「うーん。脱がせてそのまま寝せるかも。」
「えー!?」
「だって、ドレスのまま寝るなんて絶対寝づらいもん!着た事ないからわからないけどさ。脱いだ方がよく眠れるかな?って考えると思う。」
「うーん…。そういうものなのかなぁ…?」
「僕にとっては婚約者だしね。そうだなぁ…ミグにとってルナは…妹みたいな感じじゃないかな?」
「そういえば…俺からしたらお前は妹みたいな歳だろ?って言われた!」
「ならミグは、ルナの事妹だと思ってるね。」
「でも私…兄妹ってどんなものか分からないよ…。」
「そうだなぁ…。守ってあげたくなったり、面倒を見てあげたくなったり、放っておけない、見守ってあげなきゃって思うような存在…かな。」
「ふぅん…。」
「ま、でも喧嘩じゃないならよかったよ。僕でよければいつでもミグの愚痴、聞くからね?」
「うん!ありがとうテト!」
自分の部屋に戻ると、彼は椅子に座っていた。
「おかえり。」
「…ただいま。」
「道迷わなかったのか?」
「来た道戻るだけでしょ?…迷わないよ。」
「何の話してたんだ?俺に言えないような話なのか?」
「…ミグってデリカシーないよねって話。」
「はぁ!?なんでそんな事、テトに話す必要が…」
「だってそうでしょ?寝てる女の子を脱がすんだから。」
「それは…俺だって好きでやった訳じゃ…。ただ…あのままじゃ寝づらいだろうと思っ…」
「わかってるよ…。面倒見なきゃいけないからでしょ?」
「え、あぁ…まあ、それもあるけど…。」
「前に妹みたいって言ってたもんね。」
「そういえば…言ったな。」
「それだけ!でももう、テトに話聞いてもらったからスッキリした!」
「ならよかったな。…お菓子食うか?」
「食べる!」
「ミグとは仲直りした?」
「うん!」
「ルナは素直ないい子だから当然だよね~。」
食堂でテトと一緒に夕食を食べていると、隣に座っていた彼が私の頭を撫でた。
「どうしてそこで頭を撫でる…。」
「私は好きだよ?頭撫でられるの!」
「いや…それはどうでもいいんだけどさ…。」
「あ、そうだった。明日、ギルドに行こうと思うんだけど、身体の方はどう?」
「んー…まだちょっと足が痛いから、ミグにマッサージしてもらう!」
「ええ。マッサージしますとも。喜んで。」
「ミグはマッサージ上手いから!そのまま寝ちゃった事、何回もあったなぁ…。」
「あ!じゃあ、ちゃんと着替えてからしてもらわないと。」
「あはは。それがいいね。」
「全く…俺をなんだと思ってるんだか…。」
「じゃあ、明日の朝部屋に迎えに行くね。」
「うん!」
部屋に戻るとマッサージをしてもらいながらミグと話をしていた。
「それにしても…ギルドに一体何の用があるんだ?」
「特に用事があるって訳じゃないけど…どんな事してるのかなーってちょっと気になって。」
「何か思い出せるかもーって事か…。俺ちょっと苦手なんだよな…あそこのマスター…。」
「どうして?」
「なんて言うか…喋り方はテトっぽいんだけど、優しすぎて逆に怖い…。内側に何か秘めてるような…そんな感じがするんだよなぁ。」
「内側に…秘める…?」
「ま、俺もテトも一緒に行くし、大丈夫だろ。はい、マッサージ終わり。」
「ありがとうミグ!じゃあ、寝るね。おやすみ~。」
「明日はちゃんと起きろよー?」
「もー…!わかってるよー!」
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