魔法の星に召喚された宇宙最強の男の冒険譚

ゆーなま

文字の大きさ
4 / 21

修行の日々

しおりを挟む
ソウシロウが草原で目をさましてから数ヶ月が経過していた。

幸いなことに、気候は安定してた。朝晩少し肌寒いくらいだ。

巨大なネズミ型の毛皮を剥ぎ、乾燥させて布団がわりにすれば快適に過ごせた。

雨が降ったら倒したスライムを寄せ集めれば簡易的な雨具ができた。
もとより、この草原には滅多に雨が降らなかった。

また、外気コントロールにも明け暮れた。数々の実験の結果、炎のほかに、水、雷、土、風、光を発現できた。

この星の外気はイメージ通りに加工することができるようだ。

気のコントロールよりも、気を放出する間、イメージを維持し続ける方が難しかった。

また、自分の気を物質に注ぎ込むことで、加工することも出来た。今までも紅姫に気を注ぎ込み、攻撃力を強化することはできたが、惑星クーガでは物質の形状を変えることはできなかった。この違いはとてつもなく大きい。

この星の外気は、かなり密度が濃く物質の形状や特性までも変化させることができる。
草原の土を掘り起こして陶器を作ったり、動物の毛皮から糸や布を作ることもできた。
これをソウシロウは「練成」と呼ぶことにした。

また、外気を衣服に練り込ませて固定することで防御力を劇的に上昇させることもできた。

仮に文明が無くても、一般生活程度のことであれば、気の力でほとんど代替できる。

それどころか、気を纏った衣服は傷みにくいから科学よりも先進的に思える。大量生産に向かないのは欠点だが。

不便なことといえば、乗り物がないため移動に時間がかかる。
それでも気の力を足に纏えば惑星クーガの時よりも圧倒的速さで走ることができるため、そこまで苦にならない。

これは気躁術の達人であるソウシロウのための惑星、といってもいいくらいだった。

ソウシロウはあれから1週間で草原からの移動を決意した。草原にいれば惑星クーガに戻る手がかりをつかめるかとも思ったが、特に何も起きないので、大幅な移動を決意した。

草原を進むと大きな森に出た。

そこでは、二足歩行の狼との遭遇率が高かった。
狼は群れで行動しているらしく相当な数を相手したがソウシロウにとっては飯の種でしかなかった。

森を抜けると山にでた。

ちょうど高いところから景色を見たかったソウシロウは、すぐに登頂を決意する。

山は登れば登る程強い動物が現れた。

草原で食べた怪鳥の巣も見つけた。卵は絶品だった。

怪鳥を倒したあたりからRPGに出てくるような生物も多くなった。

ワイバーンやナーガ、サイクロップス、ゴーレム

見たこともないような生物に遭遇するたび胸が弾んだ。

山頂付近にはドラゴンが住み着いていた。

青いドラゴンは口から高温の青白い炎と、致死性の毒ガスを帯びた紫色の炎を吐き、ソウシロウを手こずらせた。

一度、強靭な尻尾の一撃をもらい、絶命を覚悟したが外気を纏って身体強化していたため骨折すらしなかった。

今まで敵からまともに攻撃を受けたことがなかったが、この星の気は攻撃力だけでなく、防御力も高めてくれるようだ。

ドラゴンを倒し、尻尾の肉を口にした時は感動した。

汗水垂らして仕留めた獲物の肉を頬張ることがこんなに幸せなことだとは思わなかった。
なんだか、力も付いた気がする。

ドラゴンの鱗で作ったドラゴンメイル(ソウシロウが勝手に名付けた)を装着すると、身体能力や練気力が高まった。

また、ドラゴンの亡骸を調べてみると、奥歯の一つから不思議な力を感じた。禍々しい炎の気を感じる。
牙を経由させるイメージで、炎を使うと赤い炎は黒く変色した。

通常の炎とはまた別の気を感じるが、ソウシロウが経験したことのない気であり、現時点ではよくわからなかった。

ソウシロウは牙をネックレスに変形させて身につけることにした。

他にも、スピードの速い鳥の羽毛を加工して髪につけ、力の強いゴーレムの石板をブレスレットに加工した。それらのアクセサリーは気の力を増幅させてくれるようだった。
気付いたら異国人のような格好になっていたのはご愛嬌だ。

しかしながら、ドラゴン討伐での最大の収穫は「マジックバック」だろう。
ドラゴンは収集癖があるらしく、住処には色々なアイテムや装備品が貯め込んであった。
ソウシロウがみても高価だと思われる品も多く、収集するための入れ物を探していると、手頃な腰袋を見つけた。
見た目は50センチ程度のありふれた腰袋なのだが、どういう仕組みなのか見た目の体積・容量を超えて色々なものを収納できる魔法の袋だった。RPGに出てくるいわゆる「道具袋」というやつだ。
軽装を重視して今まで荷物のほとんどを捨ててきたソウシロウにとって本当にありがたかった。
苦労して倒した甲斐があったというものだ。

強力な装備品やドラゴンの住処にあった様々なアイテムを道具袋に収納し、軽装になったソウシロウは辺りを見渡した。

「ふぅー、ようやく山頂か。流石にかなり遠くまで見渡せるな」

ソウシロウは主のいなくなった山頂でようやく人午後地つく。

かなり遠くまで見渡すことができるが、ソウシロウが目を覚ました草原はどこにも見えなかった。それほど遠くまで進んできたのだ。

「ん?あれは、まさか村か?」

気をコントロールして眼球の望遠能力を高めて見渡してみると、山をおり、森を抜けたところに人口の建築物が数十棟密集している。

間違いなく集落だ。

「この星にも文明があったのか」

ソウシロウは嬉しくなった。ゆっくりできる場所も探していたから丁度いい。

また、この星の文明がどんなものか、どんな人間が住んでいるのか知的好奇心もくすぐられる。

ソウシロウは早速下山した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

処理中です...